Aqoursと沼津市の布屋さん   作:春夏秋冬2017

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はじめましてこんにちは。

今回は花丸ちゃんとのお話になります。
時間軸的には、夏休みのどこかの月曜だと思ってください。




図書館の少女と布屋さん

今日は久しぶりに図書館にやってきている。

店番の時によく読書をしている俺だが、最近読む本がなくなってきたのだ。

 

とはいえ金欠気味の現状、新しい本を買うのは少々厳しい。

そんなわけで、図書館を利用することにしたのである。

 

普段から図書館でいいだろと言われればその通りだが、本屋に行くとつい手が出てしまうんだよね。

 

 

適当に本を眺めながら歩く。

ジャンルはバラバラに、目に付いた本を取っていく。

 

少し歩いたくらいの時だ。

前方に、知った顔を発見。

 

少し高い位置にある本に、背伸びをして手を伸ばしている少女。

肩下まである栗色の髪を揺らすその女の子は、おそらく花丸ちゃんだろう。

 

いつもの制服じゃなく、今日はワンピースのようだ。

ワンピースで腕を上に上げると、自然に衣服全体が持ち上がる。

 

そのため、彼女の綺麗なふとももが露わになっている。

下着は…さすがに見えなさそうだが、それでもだいぶきわどい状態だ。

 

目には優しい光景だが…

このまま見ているだけ、というわけにもいかないだろう。

 

そう思い、彼女の取ろうとしている本に手を伸ばす。

 

「はい、これでよかったかな?」

「あ…あれ?ハルさん?」

「うん。そうだよ。この本を取ろうとしてたみたいだけど…合ってるかい?」

「あ、うん。ありがとずら」

「お安い御用だよ。これ以外にも取る本はあるかい?」

「あるけど…どうしてずら?」

「よければ手伝うよ」

「いいずら?」

「もちろんだよ」

「でも、ハルさんに悪いずら…」

「美少女と図書館を散策するんだ。こちらにデメリットはないだろう」

「び、美少女っ///」

「それでも悪いと思うなら、適当におすすめの本でも教えてくれ」

「わ、わかったずら///」

 

そう言いながら花丸ちゃんがうつむいてしまっている。

美少女という単語に反応しているようだが…言われ慣れていないんだろうか。

 

そんな経緯を経て、花丸ちゃんと共に図書館を歩く。

彼女のおすすめの本は物語が多かった。

 

「これ、どういうお話なんだい?」

「お兄さんな男の子と、妹みたいな女の子の恋愛を描いた本ずら」

「恋愛か」

「そうずら。それまでは妹として見てた子にだんだん女の子としての魅力を感じていく話ずら。ハルさん、これで女心を勉強するといいずら」

「女心…ふむ」

 

これで勉強できるかは別として、まあたまには恋愛小説もいいだろう。

 

お互いに目星の本を手に取ったところで受付へ。

手続きを済ませて本日の要件は終了である。

 

「さて。これからどうするかな?」

「ハルさん、何か用事があるずら」

「いや、特にないよ。今日は店も休みだしね」

「ほへー。そうなんだ」

 

二人で図書館を出つつそんな話をする。

バスで帰ると言っていた花丸ちゃんだが、せっかくなので車で送ることにしたのだ。

 

「花丸ちゃんは何か用事でもあるのかな?」

「まる?まるもその…特にはないずら」

「そうなのかい」

 

夏休みだし、用事ならいくらでもあると思ったのだが。

この偶然は運命ということにしておこう。

 

「それなら、午後は俺とデートでもいかがかな?」

「で!?で、でで、で、でえと!?」

 

ものすごい反応を見せられる。

 

「うん。お互い時間が空いてるみたいだしね。…そんなに嫌だったかい?」

「ち、ちがうずら!嫌とかじゃなくて!そ、その…お、おらでよければ…お願いします///」

「お、付き合ってくれるかい。ありがたいね」

「な、なんでハルさんはそんなに平気そうずら…///」

「?」

 

どういうことだろうか。

また何か変なことでも行ってしまったのかな?

 

「まあいいかな。とりあえずは…そうだね、お昼ご飯に行こうか」

「そ、そうずらねっ///」

「なんか花丸ちゃん、ぎこちなくない?」

「そ、そんなことないずらよっ」

「…歩くとき、右手と右足が一緒に出てるよ」

「い、いつものことずら!」

「普段からそうやって歩いてるの?」

 

とりあえずは車に乗り、行きつけの喫茶店に向かう。

その間、花丸ちゃんはなぜか下を向いていた。

 

時々視線をこっちにやっていたように感じたが…

気のせいかな?

 

 

(うー…普通に過ごすだけならなんでもないのに…デートって思うと落ち着かないずら…///)

 

 

 

 

喫茶店に着き、席に座る。

幸いあまり混んでいなかったようで、待つことなく席に着くことができた。

 

「今日は俺が出すからね。好きなものを頼んでくれ」

「ハルさん、なんだかんだ言っていつも出してくれてるずら」

「そうだったかな。まあ歳上だしね」

 

さすがに、高校1年生の女の子にお金を気遣われるのは…うん。

こういう時くらいは見栄を張りたいのだ。

 

最初は躊躇していた花丸ちゃんだったが、とりあえずは奢られてくれることになった。

注文を済ませ料理を待つ頃、ようやく花丸ちゃんの表情はいつも通りに戻ってきたようだった。

 

「ご飯、楽しみずら〜」

「そうだね。うん。やっといつも通りの花丸ちゃんになってくれたみたいだね」

「あ、えっと、その…」

「いや、その方がいいと思うよ。顔も随分赤くて心配してたんだ」

「それはハルさんのせいずら」

「…え。俺、なんかしたっけ?」

「はあ…。まあでも、今日は許してあげるずら」

「んんー?」

 

なんだかよくわからないが、呆れられたようだ。

まあ、いつも通りになってくれたみたいだし、ここはそれでいいということにしよう。

 

「ここの食事は俺としては美味しいんだが…口に合うといいな」

「よく来るずら?」

「一応は小学生くらいの時からばあさんと来ていたんだよ」

「ばあさん?」

「ああ、そういえば花丸ちゃんには話していなかったね。ばあさんって言うのは、俺の祖母でね…」

 

以前梨子ちゃんに話したことを花丸ちゃんにも話す。

よくよく考えると、Aqoursのメンバーはこれで全員が俺のばあさんのことを知っているか、聞いたことがあるという状態になったわけだ。

いや、だからなんだという話だが。

 

「花丸ちゃんのおばあちゃんはどういう人なんだい?」

「まるの婆ちゃんは東北生まれずら。爺ちゃんが内浦生まれなんだよ」

「そうだったのかい。てことは、時々出てくる方言は東北のものなんだね」

「うん。本当は隠すつもりなんだけど…つい」

「いいじゃないか。方言、かわいいと思うよ」

「む///…で、でも、まるは一応アイドルだから。ほ、方言はだめずら」

「んー…そういうもんかねえ」

 

少なくとも、ジャスコに入っただけで『都会ずらー!』とか叫んでるうちは普通のアイドルとは違うと思うのだが…

 

そんな話をしていたら、料理が運ばれてきた。

食べてる最中、花丸ちゃんに感想を聞こうと思ったが、その必要はなかった。

 

表情を見れば、彼女がどんな感想を抱いているかはすぐ分かったからだ。

なんというか。

とても幸せそうに食べてくれている。

 

「…自分の幸せで人も幸せにする能力…だね」

「?」

 

間違いなく、アイドルにふさわしい能力だと思うよ。

 

 

 

 

その後。

俺たちは電気屋さんへ向かった。

 

デートで家電ってどうなのとは思わなくもないが、他に行く場所が思いつかなかったのだ。

もちろん、花丸ちゃんにも意見は聞いたが。

 

『ハルさんの行きたいとこなら、どこでも大丈夫ずら』

 

と、ありがたい言葉をもらってしまったのだ。

 

さて…

これで花丸ちゃんは楽しんでくれるのか…

 

ちらっと花丸ちゃんの様子を伺う。

 

「おおー!未来ずら!未来の道具ずらー!」

 

目を輝かせていた。

おお。

予想外に良い反応だ。

 

「ハルさんハルさん、これはなにずら!?」

「ああ、それは浄水器だね。水道に取り付けると、水がきれいなるんだよ」

「水道の水?もともとは汚いずら?」

「ああー…うん、べつに汚いわけじゃないんだけどね」

 

それについては、細かく考えると議論を呼ぶので深くは考えないのが良い。

俺も詳しくは知らないしね。

 

「ハルさん、あっちは何ずら!?」

「それはプリンターだね。って、それは学校にもあるんじゃないかい?」

「こんな大きいの見覚えないずら」

「そうなの?」

 

業務用のプリンターはそんなに珍しいものでもないと思うんだけど…。

 

「おおー!ぱ、ぱそこんがこんなに小さく…」

「それは電子辞書だね。パソコンとはまた違うよ」

「じ、辞書!?これが!?め、めくるところがないずら…」

「それ、文字を打って単語を調べるんだよ。その辺はパソコンと同じかな」

 

適当に文字を打って単語を入力する。

打った単語は『内浦』

 

写真はさすがに出てこなかったが、ちゃんと内浦のことをいろいろ表示してくれた。

 

「おおー!すごいずら!」

「…ここまで感心してくれるのはうれしいけど、君は普段どんな道具に囲まれて生きてるんだい?」

 

電子辞書なんて、ところによっては高校でも使用が許可されているはずなんだが。

とはいえ、横でこれだけ目を輝かせてくれているのを見ると、こちらとしても嬉しいものである。

 

「よし、花丸ちゃん」

「何ずら?」

「他にもいろいろな家電があるんだ。今日はそれを紹介するよ」

「おおー!家電ツアーずら!」

「うむ。よく聞くように」

 

側から見たらとてつもなくアホらしいと思うが。

まあ、たまにはこういうのも良いだろう。

 

 

 

 

「今日はありがとうね。楽しい一日だったよ」

「こちらこそありがとうずら。そ、その、で、でえと、楽しかったずら///」

 

そう言って笑顔を見せてくれる花丸ちゃん。

うむ。

この笑顔だけでも、一日分の価値があったというものだ。

 

夕日が水平線に顔を半分隠す頃。

俺たちは彼女のお寺の駐車場にいた。

もちろん、花丸ちゃんをお家に送り届けに来たのである。

 

「また、時間があればご一緒してくれるかな?」

「そ、それはもちろんずら!」

 

そんな風に返してくれた。

ありがたいことである。

 

「さて、それじゃそろそろ御暇させてもらおうかな。花丸ちゃんも晩御飯の時間だろうしね」

「あ、は、ハルさんっ」

「ん?どうかしたかい?」

「え、えっと、その…」

 

両手を前に合わせて何かを言おうとしている。

だが、何を言おうとしているかは俺には分からない。

 

「あ、頭…」

「頭?」

「な、撫でて欲しいずら…///」

 

思わず呆気にとられてしまった。

言いにくそうだったし、もっとすごいことを言われるかと思ったよ。

 

「そんなことかい。お安い御用だよ」

 

そう言って、彼女の頭に手を乗せる。

千歌ちゃんや曜ちゃんより少し小さい背丈の花丸ちゃん。

 

ルビィちゃんと同じくらいかな?

そんなことを思った。

 

「どうかな?嫌だったら言ってくれよ」

「んん。嫌じゃないよ。すごく落ち着くずら」

「それはよかったよ」

 

嘘を言っているようには見えない。

理由は分からないが、彼女が不快でないなら撫で甲斐もあるというものだ。

 

「ルビィちゃんが、ハルさんは撫でるのが上手って言ってたずら」

「ははは。そうなのかい。それは初耳だよ」

「まるも、上手だと思うずら///」

 

どれくらいそうしてたかは分からない。

 

でも。

 

ずっと頑張っている彼女の疲れが、少しでも取れたらいいな。

 

そんな事を考えながら。

 

俺は頭を撫でるのだった。

 

 




ご視聴ありがとうございました。

花丸ちゃんはお寺の子だから機械に弱いというのは分かるんですが、だからってパソコンに触れた事がないってあり得るのかなって思いながら書いた今回です。Aqoursの子達はスマホ使ってましたよね。スマホ世代って、国公立の教育カリキュラムの中に情報系の授業も入ってたと思うんですが、パソコンに触れないってあり得るのか…?
すいません、極めてどうでもいい事ですね。

花丸ちゃんは実はルビィちゃんより低身長なんですよね。なのにスタイルはかなりいいんです。良いギャップだと思います。さらにですね、制服姿の花丸ちゃんのスカート、改めて見てください。めちゃくちゃ短いんです。タイツだから油断してるのかなって心配になるくらいです。

なんて言ってたらすごい長くなってました。書きたい事は大量にありますが、これ以上はやめておきます。


こんなところまで読んでくださった方は本当にありがとうございます。
先日通算UAを見たら100000になってました。
多くの方にご視聴していただき、本当に感謝です。
これからも精進しますので、お付き合いしてくださる方は今後もどうぞよろしくお願いします。
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