IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
D.S.S.Dトロヤステーション
「戦争が終わってもう半年…」
「案外早いものだな」
メサイア攻防戦をキラ・ヤマト達とともに戦い抜いたオーブ軍の元准将であり
「半年経つがここは全く変わらないなぁ…」
「ああ…そうだな」
「二人ともこんなところにいたのか、探したよ」
「ソルか」
トロヤステーションの展望室でコーヒーを飲んでいる二人にこれまた同僚のソル・リューネ・ランジュが声をかける。
この展望室から見える景色は絶景で、気分転換の為に訪れる職員も少なくない。
現に俺やスウェンは暇さえあればここにいるので俺達に用事のある職員はまずここに来る。
「何を話していたんだい?」
「まあいろいろとな。ところでどうした?」
「セレーネが呼んでるよ」
「『星の扉』の調査についてッスか?」
「なんでそう思うの?」
「
あとセレーネ、もうばれてるから出てきていいッスよ」
人の気配の感じた方向を向き声をかける。
ドアの影からD.S.S.Dの技術者でありながらもテストパイロットをする女性、セレーネ・マクグリフが顔を出す。
「あら、ばれてた?
流石はニュータイプね」
「「セレーネ!?」」
二人とも気づかなかったという表情で驚いている。
そう。
俺はC.E.初のニュータイプなのである。
覚醒したのは15の時でこの能力を持った人間の総称をニュータイプと呼ぶと知ったのは17の時である。
俺は17の時に突如発生した電磁波にのまれ
教えてくれた
「ところで話って?」
話がそれそうなのですかさず話を戻す。
「ノゾミの言う通り『星の扉』の調査についてよ」
星の扉とは過去にユニウスセブンがあった宙域に発生した電磁波のことで、メサイア攻防戦終結直後に発生した。
オーブ軍からの報告によると半年の間に星の扉近辺でシャトルが数十隻も行方をくらましてるという。
星の扉の名前の由来はあれにのみこまれると別の世界に行けるという噂が広まり「宇宙にある異世界への扉」という意味で星の扉と呼称されている。
つまり正式名称ではなぁい!!
「ところでなんで政府は動かないんスかね?
ここから行くよりのザフトの学者にMS貸せばいい話だと思うのって俺だけ?」
「私もそう思うけどザフトも連合もオーブも忙しいんじゃない?」
「なんせまだ終戦から半年だもんね。
どこの政府もまさに猫の手も借りたいって状況だしね。」
と俺の疑問にセレーネが答えソルが付け加える。
戦争終結後、どこの政府も復興に忙しく現在はジャンク屋組合総出で手伝っていると聞く。
どうりでロウさんから手伝えってメールが多いわけだよ。
ロウさんとは俺が15の時に初めてMSに乗った時に死にかけたところを助けてもらったロウ・ギュールというナチュラルの男のことである。
命の恩人であり、俺の機械整備の師匠である。
「今回は俺たちも同行するのだろう?」
「察しがいいのねスウェン」
「前回あんなことがあれば誰だってそう思うだろ」
前回の調査の時セレーネとソルがロゴスの残党に襲われてしまい間一髪のところでキラ達オーブ軍の部隊が駆け付けて事なき終えたのである。
お礼にスウェンがお菓子をあげたのだが俺の好物だと知るとキラは通常の3倍さわやかな笑顔でアスランやシンとともにすぐにオーブに帰って行った。
あれ食べたかったのに…
「で、いつ行くの?」
「2時間後よ」
「2時間後か…ってマジスか!?」
「マジッス。
だって連絡するタイミングがなかったんだもの」
セレーネが白衣のしたにパイロットスーツを着ているのに今更気づく。
いやいや流石に唐突すぎるでしょうに…
◇ ◇ ◇
急いで準備を終えた俺たちはハンガーに来ている。
俺は腕に巻かれアスタリスクの形のチャームのついたブレスレットを見た後に自分の愛機『スターライト』を眺める。
(お前に乗るのは久々だな)
俺の愛機『スターライト』はC.E.69年10月18日、俺の誕生日に偶然見つけたMSでそれ以来改良を加え続け今に至る。
最初は未知の技術とかいろいろわけわかんないものがいっぱいあって大変だった…
そんな俺はスターライトを駆り、キラ達と共に闘いそして一緒に『戦争を止めた英雄』なんて呼ばれているが実際のところ機体性能に助けられ、偶然ヤキンやメサイアを生き残ったにすぎない。
そして結果的に戦争を止め英雄なんて大層な異名がつけられているが、俺が戦った理由は単純明快。
自分を守る為に散っていった人たちへの恩返しである。
戦争終結後数か月でD.S.S.Dに復帰した俺はテストのためスターゲイザーに乗ることが多かったためこいつに乗るのはメサイア攻防戦以来となる。
(お前の力をまた貸してくれ…スターライト…)
「ノゾミぼーっとしてるとおいてくよ」
「ああごめん!
すぐに行く!!」
スターダストに乗ったソルに声をかけられてもとにもどりすぐにスターライトに乗り込む。
スターダストとはスターゲイザーの兄弟機でトロヤステーション襲撃事件後にスターゲイザー護衛のために作られたMSである。
基本設計はスターゲイザーとほとんどかわらないが腰にセイバーのアムフォルタスの改良型をつけ、火力の底上げを行っている。
ところ変ってカタパルト。
「カタパルトオンライン。
射出タイミングをストライクノワールのパイロット、スウェン・カル・バヤンに譲渡します。」
「了解。
ストライクノワール、スウェン・カル・バヤン、出る!!」
オペレーターの声に続いてスウェンが声を発し射出される。
「続いてスターゲイザー発進
どうぞ!!」
「わかったわ。
スターゲイザー、セレーネ・マクグリフ、行きます!!」
「続いてスターダスト発進
どうぞ!!」
「了解。
スターダスト、ソル・リューネ・ランジュ、出ます!!」
ようやく俺の番か…
待ちわびたぞ!!管制の人!!
「最後にスターライト発進
どうぞ!!」
「了解!!
スターライト、ノゾミ・ホシムラ、推して参る!!」
言葉を発すると同時にスターライトが宇宙に放り出される。
「戦争は終わったのにその物騒な台詞は変わらないな。」
「ほっとけ」
ストライクノワールに乗ったスウェンがからかってくるのを適当にあしらう。
てゆーか戦争が終わって一番変わったのはお前だろうに。
スウェンのノワールはトロヤステーション襲撃事件の時に壊れたがそれを修復、改良したものがこれである。
正式名称はストライクE D.S.S.Dカスタム+ノワールストライカー。
動力をバッテリーではなく核に変更。
ノワールストライカーの性能の向上とビームライフルの改良とスラスターの出力向上もふまえてスウェンの意見を反映させながら改修したのはD.S.S.Dの職員とMS整備監督の俺である。
少しはありがたいと思え。
ちなみにまだ貴様の
半べそをかきながら航行しているとセレーネから通信が入る。
「見えてきたわ
あれが『星の扉』よ」
「そうかあれが…」
スウェンが思わず声をあげる。
まあ初めてだから当然か。
ちなみに俺は2回ほど調査に来ている。
「感動中のところ悪いんスけど…
敵さんのお出ましみたいッス」
「え…
でもセンサーに反応は…」
ソルが続きを言おうとするとセレーネはあることに気づく。
「ノゾミが気づいてレーダーは気づかない敵…」
「ミラージュコロイドか」
「せ~いか~い!!
俺らの近くに少なくとも10機はいるから気をつけて。
その後方にはミラージュコロイドなしが30弱。
かなり後方には大型のMAもいるみたい」
「「「了解!!」」」
そう言った直後にスターライトにミサイルが飛んでくる。
俺はスターライトの腰にマウントされている2つの鞘から対MS用打刀クライムとペナルティを抜き、それを構え見えない敵のいる方向に突進する。
「目視できないからって油断するのはダメだっつの!!」
刀を振ると目の前に頭と両腕のなくなった黒いMSが出現する。
「これは…ネロブリッツか
こいつには核が積んである。
動力ユニットはねらうなよ」
「ノゾミ、あとは頼む」
「了解!!」
そう言うとノワール、スターゲイザー、スターダストはミサイルを避けながら星の扉の方へ進んでいく。
「よし、やるか…
ファンネル!!」
俺はウィングについた8機の放熱板-アラスファンネルを射出。
敵機体のメインカメラや腕を狙い戦闘不能にする。
数秒前まで何もなかったスターライトの周りにはネロブリッツの残骸でいっぱいになっていた。
俺はまだ生きているはずのネロブリッツのパイロットたちにオープンチャンネルで呼び掛ける。
「敵勢力に告ぐ。
俺たちはお前たちの命まで奪う気はない。
動けるものは動けない機体を連れて今すぐザフトに投降せよ。
繰り返す。
直ちに仲間を引き連れてザフトに投降せよ」
そう言い俺も星の扉に向かい機体を走らせた。
◇ ◇ ◇
「一通り片付いたか…」
そう言ってスウェン達はザフトに投降していったロゴス残党のMSの残骸をみてつぶやく。
「ああ
でもまだ
そう。
まだ大物デストロイが残っている。
目の前のデストロイはMA形態からMS形態に変形する。
しかしこの機体から人間の気配がしない…
これはつまり…
「この機体どうやら
「「「え!?」」」
無人の戦闘用MSはなかなかないためか3人は驚きを隠せない。
「そんなに驚くこともないッスよ。
だって無人で戦うことを
おお~と納得する3人。
いや気づけよ。
「俺はこいつを片づけてから行くから
先に行ってて。」
「「「了解!!」」」
デストロイが3人に気を取られている隙にアラスファンネルを射出、自分の周辺に停滞させ、
マニュピレーターを操作し機体背部のウィング、アラスヴァーバが回転させウィングの最上段のプラズマ収束ビーム砲の砲塔が肩の上にくる。
「
そう言って俺はボタンを押す。
アラスファンネル8機、プラズマビーム砲2門、そして2丁の拳銃型ビームライフル、モーメンタムを2丁つなげるモード『カテーナモード』の砲撃が2門、計12門の砲撃がデストロイを貫通そのまま爆散する。
やっと終わった…
と思ったのもつかの間。
セレーネから緊急通信がくる。
「緊急事態発生!!緊急事態発生!!
今の爆発で『星の扉』のバランスが崩れたわ!!
このままだと吸い込まれる!!
すぐに退避…キャ!!」
「セレーネ!!くっ!!」
「ぐぅ!!
ノゾミお前だけでも逃げろ!!」
みんなのまれまいと必死にスラスターをふかせ退避を試みる。
確かにここで俺が逃げれば俺は無事だろう。
でもみんなを…仲間を守りたい。
そして手首に巻かれたブレスレットに目を向ける。
「父さん…母さん…そら…俺に力を貸してくれ…!!」
そうつぶやき、星の扉に向かいスラスターをふかせる。
「何をしているの!?
巻き添えになりたいの!?」
「そんなこと知るか!!
ただ俺はみんなを助けたいからこうするんだ!!」
そして俺はアンカーランチャーを3機に向かって射出
巻きつけて牽引しようとスラスターを吹かす。
「やめろ!!
このまま行けばみんなで死ぬぞ!!」
「やってみなければわからないだろ!!」
「機体のスペックは搭乗者である君が一番わかっているだろう!!
スターライトにこれ以上無理をさせたら…!!」
「スターライトは伊達じゃない!!」
そう叫ぶと機体から緑色の光が発生する。
今ならやれる!!そう信じられる!!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
叫びに呼応して光が大きくなる。
その光はいつしか星の扉を包み込む。
「なに!?
この光!?」
「なんだか暖かい…」
「まるでノゾミそのものだな…」
スウェンがそう言うことを待ちわびていたかの様にスターライトのスラスターがオーバーヒートを起こし動かなくなる。
「みんな…ごめん…」
その言葉を最後に俺の記憶は途切れた…
◇ ◇ ◇
「あれぇ?
子供が倒れてる」
「助けないとだよ!!
束お姉ちゃん!!」
「もちのロンだよ箒ちゃん!!
黒髪の子はお願いね!!」
「うん!!」
◇ ◇ ◇
「人が倒れてるよ!!
助けないと千冬姉!!」
「そうだな一夏
金髪の子の方をおぶってもらえないか?」
「うんわかった!!」
どうでしょうか。
うまくかけていたらうれしいです。
感想などもバンバンお願いします。
良いにしろ悪いにしろたくさん頂けると嬉しい限りです。
ちなみにタグのガンダムEXAですが、レオスとかが出てくるのはもう少し後です。
あとスターライトのアラスファンネルですが誤字ではありません。
次回
邂逅と再開
お楽しみにです~。