IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。
アロイ、織斑、オルコット、星村。
試しに飛んで見せろ」
時流れて四月の下旬。
桜もそろそろ散ってきたころ、俺達は
俺は言われるがままにISを展開する。
「早くしろ。
熟練したIS操縦者は
一夏が千冬さんに急かされる…
何考えてんだか知らないけどどうせまたくだらないシャレでも考えてんだろ?
そんなことを考えてるとやっとこさ一夏が白式を展開する。
「よし、飛べ」
そう言われ俺、レオス、セシリアは飛翔する。
一夏も飛び立つが上昇速度は俺達に比べてまだ遅い。
「なにをやっている。
スペック上の出力では白式の方がブルー・ティアーズより上だぞ」
まぁ一夏がISに乗ったのがまだ片方の手で数えられる程度だからしゃーないと思う。
そう言えば…
ISで飛ぶときは『自分の前方に角錐するイメージ』だっけ…
よし!!
「?
どうしたノゾミ
いきなりファンネルなんか出して」
「いや
一夏を上達させるためにちょっとな」
そうして一夏にファンネルでバリアーを形成する。
「角錐を展開するイメージ…
まさかイメージではなく現実になるとは…」
「ですが、イメージは所詮イメージ。
自分がわかりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」
「そう言われてもなぁ…
大体、空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだよ。
なんで浮いてんだこれ」
まぁ俺らも感覚は宇宙でのMSの操縦がベースなんだけどな…
「説明して構いませんが、長いですわよ?
反重力翼と流動波干渉の話になりますもの」
「わかった。
説明はしてくれなくてもいい」
「別にオレはいいぞ!!
むしろ聞きたいくらいだ!!」
「お前…勉強の変態だな…
ちなみに俺もパスだ…
単語聞いただけで頭ぐるぐるしてきた…」
「そう、残念ですわ」
あの試合以来、セシリアは誰に対しても笑顔が多くなった。
最初の俺達を嘲笑するような笑みではなく、今のは純粋に楽しいって感じをおぼえる。
「一夏さん、よろしければまた放課後に指導してさしあげますわ。
その時は二人きりで―――」
「一夏っ!
いつまでそんなところにいる!!
早く降りてこい!」
通信回線から箒の怒鳴り声が聞こえてくる。
箒が山田先生のインカムを奪ったらしい。
当の山田先生はあたふたしている。
「いっつも思うけどこのハイパーセンサーってすごいな…
ここからでも地面に転がってる石ころの溝までくっきり見えるぞ」
「これでも機能制限がかかっているんでしてよ。」
「「「マジで(スか)!?」」」
「元々ISは宇宙空間での稼働を想定したもの。
何万キロと離れた星の光で自分の位置を把握するためですから、この程度の距離は見えて当り前ですわ」
「「「束さんすげぇ……」」」
「アロイ、織斑、オルコット、星村、急降下からの完全停止をやって見せろ。
目標は地表から十センチだ」
「了解です。
では、お先に」
そう言ってセシリアは地上に向かい完全停止を行う。
難なくクリアー。
流石は代表候補生である。
「じゃあ
俺らも行くッスよ!!」
「「おう」」
まずはレオスが先陣を切り難なく成功。
「じゃあ一夏
おっ先~」
俺も地面に向かい急降下する。
アームドアーマーDEとXCを展開し更に加速する。
「希さん!!
そのままでは地面に突っ込みますわよ!!」
「D.S.S.Dのエースを舐めないで欲しいッスね!!」
すぐさま方向転換。
地面に向かってスラスターを吹かし急減速。
ふわりと地面に着地するとクラスメイトから称賛の拍手が上がる。
「いや~
それほどでもない――」
ギュン――――ズドォーン!!!
「うお!?」
何かが俺の背後に落ちてきた。
煙が晴れたそこにあったのは…
白式とそれに乗った一夏だった。
「馬鹿者誰が地上に激突しろと言った。
グラウンドに穴を開けてどうする」
「……すみません」
そんななか箒が一夏の作った穴に入って何か言ってる…
それに対抗するようにセシリアも中に突入する。
なんか箒とセシリアの間に火花っぽいものが見えた…
「おい、馬鹿ども。
邪魔だ。端っこでやってろ」
それを千冬さんが押しのける。
一夏達が穴から出てきて千冬さんがまた話を続ける。
「織斑、星村は武装を展開しろ」
「は、はあ」
「ほ~い」
「返事は『はい』だ」
「は、はい」
「はい!!
申し訳ありませんでした!!」
「よし。
では始めろ」
俺は両の手を前に突き出す。
そこから一瞬光が放たれると両手にはアラスヴァーバが握られている。
少し遅れて一夏も雪片弐型を展開する。
「遅いぞ織斑。
0.5秒で出せるようになれ」
前までは余裕で1秒以上かかってたんですよ…
「セシリア、近接用の武装を展開しろ」
「えっ!?あ、はっ、はい」
セシリアが近接用武装を展開…しようとするがなかなか光が収束しない…
「くっ…」
「まだか」
「す、すぐです―――ああ、もう!
『インターセプター』!!」
ヤケクソ気味に近接用武装の名前を叫びやっとこさ像を結び剣が現れる…
でも今セシリアがやったのは教科書に載っている基本の展開方法
要は『初心者用』である
千冬さんに色々言われているところを何気なく見ているとセシリアが突然一夏を睨む
なんの宛て付けだよ…
「時間だな…
織斑、グラウンドは片づけておけよ」
千冬さんが言ったのはたぶんあのクレーターのことだろう…
一夏が救援を求めるような眼差しを向けるが気にせず校舎へと歩き始める。
「希!!レオス!!
…この…薄情者!!」
「「自業自得だろ」」
◇ ◇ ◇
放課後、俺は一人の女の子と駅前のショッピングモール『レゾナンス』に向かっている。
隣を歩く少女の髪は水色で、眼鏡をかけている。
服装はフリルのついた白い服とスカートに二ーハイソックスという感じだ。
「え…えっと…」
「ん?
なんだよ簪?」
今俺と一緒にいるのは簪こと更識簪である。
普段、あまりお願いごとをしない彼女だが、今回は珍しく彼女から誘ってきたのである。
「私…こ、ここ来るの…初めてだから…
あの…その…」
簪が顔を赤らめる…
「手…繋いでくれる…?」
「え?」
「あの…その…!
は、はぐれちゃうと探すの大変でしょ…!」
「そ…そうだな
うん!!手を繋ごう!!」
そういって俺達は手を繋ぐ。
「じゃあ…
い、行こう…」
「お、おう」
なんでこんなに緊張してんだよ、俺…
◇ ◇ ◇
ショッピングモールの一階。
現在絶賛服選び中。
簪は気に入った服を見つけたため更衣室にてお着換え中で俺はそれを待っている
にしても…今日の簪…かわいいな…
「こ、これ…どうかな…?」
簪の声が聞こえて同時に更衣室の扉が開く。
そこには水色のワンピースを着てる簪が立っていた。
「似合ってる!!
超似会ってるッス!!」
「…そ、そんなに褒めてもなにもないよ…」
簪の顔が赤らむ。
照れてんのかな…
「よ…よし!!
この服は俺が買ってやる!!」
「い、いいよ…
大丈夫…」
「えっへん!!
今、星村さんのお財布は潤いまくってむしろ大洪水なのさ!!」
「なんで?」
「いやね
今日の為にね昔から集めてたカードとかいらなくなったゲームとか売ったんだよ
そしたらさ…」
「たら…?」
「総額18万6500円も稼げた…」
「運よかったんだね…」
「だからLO●O6も買っちゃった」
「ふふっ…
なんでLO●O6…?」
そんな会話をしながら会計をするためにレジへと向かう。
店員の人(大阪のおばちゃんっぽい)に商品を渡す。
「おたくらカップルなん?」
「「かっ!?
カップル!?」」
「そんな仲睦まじい二人の為におばちゃん権限で半額にしたります~」
「「あ、ありがとうございます」」
お金を払い店を出てショッピングモールの入り口から少し歩いたところでベンチに座る。
「「……///」」
なんか気まずい雰囲気になってる…
おばちゃんめ!!
めっちゃ簪のこと意識しちゃうじゃん!!
「お、俺飲み物買ってくるけどなにがいい!?」
「ぶ、ぶどうジュース!」
「お、おう
ぶどうジュースな!!
そ、そこの椅子で待ってろよ!!」
「う、うん」
そう言って自販機を探すために俺は簪のもとをあとにした
◇ ◇ ◇
「か…カップルなんて…」
私は希が飲み物を買ってくるのを待ってるところ。
「ほんとに…希の恋人でも―――」
「ねえそこの彼女、俺とお茶しな~い?」
知らない金髪の男が話しかけてくる…
「…遠慮します。
人を待っているので…」
そう言い椅子を立ち上がる。
「つれないな~
ちょっとでいいから俺と楽しいことしな~い?」
金髪の男が私の腕を掴む。
「や、やめて…!!」
「いいじゃんいいじゃん
一緒にいこうぜ~」
「や…
た、助けて…希…!!」
「あの~
すんません」
「ああ!?」
突然聞き覚えのある声が聞こえてくる…
「なんだぁオマエ?
なに?この子の彼氏ぃ?」
「まぁそんなとこッス
ところで、その子の手、放してくれないッスか?」
「なんだよ!?」
「だからアンタの汚い手を放せって言ってるんスよ」
「舐めてんのかクソガキ!?」
「いいえ~
できるだけ穏便にことを済ませたいだけです。
アンタの為にも、この子の為のもね」
「舐めてんじゃねえぞぉ!!」
そうして金髪の男が殴りかかる。
ガッ
「希!!」
希が男に顔を殴られる。
少し口が切れたのか口元から少し血が出ていた…
そして口を開く。
「アンタが先に手を出した…
ってことはここから先は俺の
刹那
金髪の男は希に蹴られ吹き飛び壁に激突。
そのまま泡を吹いて白目をむいている
「やりすぎ…」
「え?」
私は希の腕を掴み走り出す。
「か、簪!?
学園はそっちじゃないッスよ!!」
◇ ◇ ◇
「はぁはぁ」
「つ…つかれたぁ…」
俺はいま簪に引っ張られとある公園に来ている。
「懐かしいなぁ…この公園…」
「え?
ここに来たことあるの…?」
「うん
まあ…色んな友達と…」
「あ…!!」
「ん?
どうした簪?」
「あれ…見よ…!!」
簪が指さす方向でヒーローショーが行われていた。
「いいね!!
俺、あーゆーの結構好きなんスよね~」
「わ、私も…!」
「おっ!
奇遇ッスね!
なんだかんだでジュース買ってきてないから買いに行こうぜ!!
今度は
「手…」
簪が手を前に突き出している。
「手…繋いで…」
「お、おう!!
また変態に簪が狙われたら大変だからな
このD.S.S.Dのエースの星村さんが守ってやるよ!!」
「じゃあ…行こっ!!」
「おう!!」
俺は簪に手を引かれ自販機に向かう。
◇ ◇ ◇
ヒーローショーが終わり、今は簪と手を繋いで、IS学園に向かって歩いている。
「の…希ってさ…」
「どうかした?」
「初恋の人とか…いる、の…?」
「う~ん…いるね~」
「ど、どんな子だった…?」
「えっとね~
小3くらいの頃かな…
千冬さんと喧嘩してさ~
ぶちギレて家を飛び出したことがあってさ…」
「うん…」
「その時この辺にある河原を歩いてたらさ~
「え…!?」
「その子を家に送って行ったときに
あ、この子可愛い…
って思っちゃってさ…
ええと…家の表札に書いてあった名字は…」
「
「そうそう!!
その子の一個上のお姉さんの名前は『刀奈』さんってのは覚えてんだけどさ…
…ってなんで簪が知ってんの…?」
「だって…私も、小3の頃に
「じゃあ…
あの時の女の子って…簪?」
「うん…」
「やっぱりな~
ど~りで見覚えのある雰囲気の子だと思ったんスよ!!」
「どういう意味…?」
「俺、そんな記憶力のいい方じゃないんスけど
一度でも話したことのある人のなんて言うんだろうな…オーラ?雰囲気?
まあそんなものを覚えてるんスよ」
「じゃあ…フランスでのことも…」
「うん…
あの時の女の子ならいいな~っていう淡い期待と
純粋に困ってる人を助けたいっていう気持ちかな~
ちなみに割合は4:6くらい」
「そう…だったんだ…」
「「……」」
またまた気まずい感じに…
この状況を打破しなければ核の冬が来るぞ(俺らの関係的な意味で)
「そ、そう言えばさ…
なんで簪は一人で打鉄弐式を組もうと思ったんだ?」
「…ひとつは、織斑くんの白式の開発の煽りを受けて全然進まなかったこと…
もうひとつは…お、お姉ちゃんに…に追いつく…ため…」
「簪のお姉さんに?」
「そう…
お姉ちゃんの機体…
「だから簪も一人で…」
「うん…
私、昔から『更識楯無の妹』としか見られてなくて…
ずっとお姉ちゃんと比べられてきた…
だからこれは…私が…あの人の妹ではなく…『更識簪』として見られるためのチャンスだった…
だから…だから…」
ぽす
「え…?」
俺は泣きそうな簪の頭に手をのせる。
「簪は頑張りすぎだよ…」
「……」
「確かに努力することは大事ッスよ…
でもそれに対する悩みとかを貯めこんじゃうと…
人の心は壊れちゃう…」
「……」
「それにお姉さんがいることはとても素敵なことッス。
それに簪がお姉さんに劣等感を抱くってことはそれだけ刀奈さんが好きだってことだろ?」
「うん…」
「泣きたい時に泣いて…笑いたい時に笑って…
もっと俺のことを頼って欲しいッス!!」
そして俺はとびっきりの笑顔を簪に向け
「俺が!!
簪の傍に…ずっと…ずーっといてやるから!!」
「希…」
「だから…な?」
「うん…
ひっぐ…あ…ありが…とう…」
簪は俺の胸に飛び込みそこで泣き崩れる。
そのまま簪はしばらく泣いていた…
今まで貯めこんでいた感情をすべて吐き出すように…
どうでしたか
誤字脱字、文法的な間違い、感想などお待ちしてます。
次回
ニーハオ!!転校生!!
お楽しみに~