IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

11 / 66
PHASE-9 ニーハオ!!転校生!!

簪との買い物が終わり、学園の近くまで来た頃には既にあたりは暗くなっていた…

 

「ハアッ…ハアッ…ハアッ…

ご…ごめんね…

私のせいでこんなに遅くなって…」

 

「ハアッ…ハアッ…

う…ううん

気にしなくていいッスよ」

 

簪と話をしてたら時間が経つのを忘れており、気づいたら6時30分を過ぎていた。

そこから俺と簪はダッシュ、現在に至るというわけである。

携帯電話を見ると18:53と表示される

ギリギリセーフだ…

なんでそんなに急ぐのかって?

遅れたら最期…(千冬さん)に食われる…

 

「ん?

あれは…」

 

「どうかした…?」

 

やっと校門の前まで来たとき、そこに女の子がいることが確認できる。

その少女は結構小柄で、髪は左右をそれぞれ高い位置で結んでおり、少女は小柄な体に不釣り合いなボストンバックを持っている。

 

「えーっと…受付ってどこに―――」

 

「おい」

 

「な、何よ!?

アンタ―――」

 

俺はその少女に声をかける。

彼女は何かを言いおうとしたが俺の姿を見て途中でやめた。

 

「ははっ

やっぱ鈴だ」

 

「の、希!?

な、なんでここに居んのよ!?」

 

「ん?

そんなの決まってんだろ

俺がここの生徒だからッス」

 

そう言い俺はポケットから生徒手帳を取り出す。

 

「あ、アンタISに乗れたの!?」

 

「うん

3月の終わりに空港のテロあったでしょ」

 

「知ってるわよ

謎のIS部隊が日本の空港を襲ったってやつでしょ

たしか…偶然そこに居合わせたIS学園の教師と日本の代表候補生と4人の男性IS操縦者によって…

って嘘!?

あの中にいた『星村希』ってアンタだったの!?」

 

「うん」

 

「じゃあ『スウェン・カル・バヤン』や『ソル・リューネ・ランジュ』ってのも…」

 

「そう

お前の知ってるスウェンとソルッス

で、その時偶然居合わせた教師がセレーネ」

 

簪やレオスとともに戦ったあの事件の後…

俺達6人のことは名前は報道されたものの顔写真がなかったためあまり人々の印象に残ってないらしい…

俺ら滅茶苦茶頑張ったのに…

まあ顔割れしてないのはいいことだけどさ…

なんか…ねえ…

 

「じゃあ

その日本の代表候補生ってのもここにいるのよね?

一回戦ってみたいわ~」

 

「なんで?」

 

「だって、打鉄(量産機)で全くデータにない正真正銘のアンノウンに立ち向かうってすごい勇気じゃない?

誰だってカッコいいと思うわよ」

 

「よかったな簪

褒められてるじゃんか」

 

「……///」

 

簪の顔が赤らめながらうついている。

 

「?

まさか、その代表候補生って…」

 

「そう

俺の隣にいる彼女が鈴の言ってる代表候補生、更識簪だ」

 

「よ、よろしく…」

 

「そうだったの!?

よろしくね!!

あたしは中国の代表候補生、鳳鈴音(ファン・リンイン)!!

鈴って呼んでね」

 

「で?

なんだっけ

受付に案内して欲しいんっだったっけ?」

 

「う、うん

場所わかんなくて…アハハ」

 

そう言って鈴はポケットから一枚の紙を取り出す。

くしゃくしゃのそれには『本校舎一階総合事務受付』と書かれている。

 

「アハハってな…

お前相変わらず適当だな…」

 

「わ、悪かったわね!!

さっさと案内しなさいよ!!」

 

「へいへい

わかりましたよ」

 

そう言って俺達は校舎に向かって歩き出す。

 

………

 

「そういえば

簪の専用機ってどんなの?」

 

鈴が簪に靴を脱ぎながら問いかける

 

「今ノゾミと一緒に…作ってる…」

 

「つ、作ってる!?」

 

「作ってるってのは語弊を生みそうだな

簪の機体の制作が唐変木(一夏)の機体のせいで全然進まないんスよ

だからパーツを持ってきて俺と一緒に組み立ててるってワケ

まあプログラムとかもできてなかったみたいだからまだまだ時間かかりそうだけど…」

 

「アンタ…昔っから規格外だと思ってたけど…

ほんとにチートよね…コーディネーター…

さらにそんな人がまだいたとは…」

 

「そんなに凄いことなんスか?

それに、簪はナチュラルだし」

 

「そう…

そんなに…凄くない…」

 

「なに言ってんの!?

凄いも何もね!!

ISってのはみんながみんな作れるってわけじゃないのよ!?」

 

そうだったんだ…

俺の周りにはロウさんみたいに勝手に機体の武装作っちゃうような人とか、キラみたいに戦闘中に数分で機体のプログラムを書き変える人がいるんだもの…

感覚が狂って当然じゃん…

 

「だからそんなに謙遜することないわよ

もっと自信を持ちなさい!!

あと、今度あたしも見に行っていい?」

 

「う…うん」

 

「ほ~れ、り~ん

着いたぞ~」

 

鈴に声をかけ立ち止まる。

灯りのついている窓口があり、横には総合事務受付と書いてあった。

 

「あ、ありがとね

じゃあね」

 

「じゃあじゃねえだろ

待ってるよ俺ら。

俺からも色々話したいこともあるし、鈴も簪と話したいだろ?」

 

「じ、じゃあ…

待っててよね」

 

………

 

「……それじゃあ、手続きは以上です。

IS学園にようこそ、鳳鈴音さん」

 

暫くすると事務員の声が聞こえてきて鈴がこちらに歩いてきた。

 

「終わったよ~」

 

「おう

お疲れ!!」

 

「お疲れ様…」

 

「ところでさ

一夏って何組?」

 

「ほほう

お前も一夏が好きなんだな?」

 

「なに言って――

って『も』ってなによ『も』って!?」

 

鈴が唇を尖らせて受付にまた歩いて行ってしまった。

 

「お、お~いどこ行くんだ~?」

 

声をかけるが鈴は振り向かない…

その時簪が俺の肩にぽんと手を乗せてきた

 

「察しろ…」

 

「…はい」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「というわけでっ!

織斑くんクラス代表決定おめでと~!!」

 

「「「「「おめでと~!!」」」」

 

いや~仲睦まじいね~うちのクラス

時計を見ると7時30分を過ぎており、いい加減腹ペコなので簪と共に寮の食堂を訪れた俺だが…

 

「「なぁにこれぇ…」」

 

なんかいっぱい女の子がいる…

部屋を見渡してみると目に入ったのは壁に掛けられた『織斑一夏クラス代表就任パーティー』と書かれた紙が見えた。

そんななかお祝いされている一夏は俯いており、その隣にはレオスとセシリアがいた。

 

「ノゾミと簪!!

帰ってたのか」

 

「あら希さん

そしてこの間の日本の代表候補生の方」

 

「よう!!

今帰ってきたとこだ

あとセシリア隣の女の子は確かに日本の代表候補生だけど

更識簪って言うちゃんとした名前があるんスよ」

 

「よろしく…オルコットさん…

呼び方は…簪でいい…」

 

「よろしくお願いしますわ簪さん

私はセシリア・オルコットですわ

セシリアと呼んでください」

 

二人で握手を交わす。

う~ん友情っていいもんだ

 

「む

なんだこれは…」

 

「『織斑一夏クラス代表就任パーティー』?

面白そうだね」

 

「お!!

ソル!!スウェン!!」

 

そんな中少し引きつった笑みを浮かべながらスウェンとソルが入ってきた。

 

「どうしたんスか?」

 

「ノゾミと更識もいたのか」

 

「僕たち晩御飯まだだったから食べに来たんだ

でも…この騒ぎじゃ食べれそうにないね…」

 

「バヤンくん…」

 

「なんだ?」

 

「名字で呼ばれるの嫌…

名前で呼んで…」

 

「わかった

すまなかったな簪

俺もスウェンでいい」

 

「う~ん

このままだと飯が食えないッスね~」

 

ピコン!

 

「そうだ!!

いま作ればいいんだ!!」

 

そう言って俺はダッシュで食堂を後にする…

 

「どうしたの…?」

 

「ノゾミって料理するの好きだからね~

まさかここにいる全員分の料理を作ってきたりして…」

 

「まさか…な…」

 

「「「あは…あははははは…」」」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ここよね…」

 

鈴は自分の携帯のメールボックスを開き、そこから目当てのものを表示する。

 

「しかしなによ…

『学生寮の1026号室前にて腹を空かして待つがいい』って

こっちとしてはいい迷惑よ」

 

実はまだ鈴は夕食を摂っていない。

学園に行けばなにか食べれるでしょと思っていたが食堂の場所がいまいちわからない…

そんな中携帯が受信したこのメール、いざ待ってみたわいいものの呼びだした本人が一向に顔を出さない。

 

「人のこと呼びだしといてアイツなんなの―――」

 

「鈴!?

なんでここにいるの!?」

 

「久しいな」

 

「また会ったね…」

 

「な!?

スウェン!?ソル!?簪!?

なんでアンタ達ここに!?」

 

「「「ノゾミに呼ばれたから」」」

 

そう言って3人は携帯を突き出す。

そこには鈴の携帯に来たメールと同じものが来ていた。

 

「みんなで食べようってことね…」

 

「みんな来たのか

待たせてごめんね~」

 

聞き覚えのある声が聞こえた方を振り向くとそこには鍋を持った希と…

 

「あなたが2組の転校生の鳳さんですね!!」

 

「あら鈴ちゃん

久しぶり」

 

「久しぶりだな鳳」

 

「セレーネさん…千冬さん…」

 

千冬さん、セレーネさんがいた…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

部屋の中に入った一行はテーブルの上に置かれた鍋を凝視している。

みんなそんなにお腹空いてんのかな?

 

「は…早く開けなさいよ!!」

 

「僕もいい加減我慢の限界だよ…」

 

「右に同じく」

 

「私も…」

 

上から鈴、ソル、スウェン、簪の順だ。

ちなみに一緒に入ってきたセレーネ達はビールの缶をあけている。

俺が鍋の蓋を持ち、開けると湯気とともにいい香りが辺りに立ち込める

 

「「「「おお~おいしそ~」」」」

 

「舐めるな!!

一夏とは違うんだよっっ!!

ちなみにお肉は鶏肉しか入れてないから

簪もちゃんと食べるッスよ」

 

「なんで知ってるの…?

私が鶏肉以外のお肉嫌いなこと…」

 

「本音から聞いたんスよ~

はいどうぞ」

 

「あ…ありがとう…」

 

俺がよそった器を簪が受け取る。

 

「「「「「「どぅぇ~きてるぅ~」」」」」」

 

「「なっ!!」」

 

「そ、そんなこと気にしないで早く食べるッスよ!!」

 

「そ、そうだよ…

き、気にしないで…た、食べよ…」

 

「二人とも動揺してんじゃない!!

やっぱり…」

 

「「「「「「どぅぇ~きてるぅ~」」」」」」

 

「「もういいよ!!」」

 

そんなこんなでみんなに器が行きわたる。

 

「「「「「「「いただきま~す」」」」」」」」

 

一斉にみんなで食べ始める

 

「おいしい…」

 

「うん

やっぱり希の料理はおいしいね」

 

「ああ」

 

「アンタ腕あげたわね!!」

 

「くうぅっ!!

酒のつまみにはちょうどいいんだよな~」

 

「千冬、お酒の飲みすぎは体に毒よ」

 

「そ、そうですよ!!

それに生徒の前ですよ!!

で、でも…おいしい…!!」

 

「お褒めの言葉が頂けて光栄ッス」

 

各々が称賛の言葉を発すると俺の強張った表情も自然と綻ぶ。

そして俺も器に盛りつけられた白菜を頬張る。

 

「お

確かに今日のはいい感じ…」

 

醤油とかの味付けにかなり調和がとれている…

我ながらいい感じだ!!

 

「あ

そう言えば」

 

「?

山田先生、どうしたんですか?」

 

「ちょうど星村くんと更識さんに伝えなければいけない事があったんですよ」

 

「「と、言うと?」」

 

「更識さんと星村くんには1027号室にお引っ越ししてもらいます!!」

 

「今なんと?」

 

「うん…

私も聞き取れなかったです…」

 

「もう一度言いますよ

本日付で更識さんと星村くんには相部屋になってもらいます」

 

「「………」」

 

「「ええええええええええええええええええ!?」」

 

あんまりにも突然のことで持っていた箸を床に落としてしまう。

 

「な、なんで突然に!?」

 

「そ、そうですよ…!!」

 

「マクグリフ先生から聞きましたよ

あなた達、ISを作ってるらしいじゃないですか」

 

「は、はい…」

 

「で、でも…

それとこれとなんの関係が…?」

 

「私たちはそれを応援してるの。

頑張ってねお二人さん!!」

 

セレーネが笑顔で答える。

やっぱりこの人の仕業か…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ごめんな簪

俺なんかと相部屋にさせちゃって」

 

「大丈夫…

弐式の制作効率も上がるし…」

 

荷物の運搬が終わりやっと一息ついて現在PM9:56。

なんだか色んなことがありすぎて疲れたってのが率直な感想である。

 

「あ

そう言えば♪」

 

「?」

 

俺は自分のカバンからあるものを取り出す。

 

「簪!!

これやるよ!!」

 

カバンから取り出したものをひょいっと投げる。

山なりに飛んで行ったそれは簪のベッドの上に着地する。

 

「ハロハロ」

 

「何これ…?

か、かわいい…」

 

ベッドの上に乗っかった水色の球体の溝が開き、それを羽のようにぱたぱたさせながら跳ねている。

 

「だろ?

こいつは向こうの世界の友達のアスランが作ったロボットを元に作ったオリジナルッス。

名前は『ハロ』」

 

「カンザシ、ヨロシクヨロシク」

 

「よろしくね…」

 

簪はぎゅっとハロを抱きしめる。

嬉しそうで何よりです!!

 

「まあアスランが作ったのは単純な愛玩用ロボットだったんだけど

俺のは機体の微調整から整備までやってくれる優れものッス

簪の為に作ったんだ。

大事にくれると嬉しいッス」

 

「あ、ありがと…」

 

「カンザシ、テレテルテレテル」

 

「そ、そんなことないよ…!!」

 

「う…もう寝ないとな…」

 

「?

まだ10時だよ…?」

 

「俺…早寝早起き派の人だから…

この時間には寝ないと…ヤバい…」

 

「ふふっ

子供みたい…」

 

「わ、笑うなぁ!!」

 

その後すぐにシャワーを浴びて各々のベッドに潜り込む。

 

「えっと…

簪…」

 

「なに…?」

 

「これからはルームメイトとして改めてよろしくッス!!」

 

「よろしくッス…」

 

そう言って俺らは眠りに落ちた…

明日からの日常を思い浮かべながら…




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
日常(仮)

お楽しみに~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。