IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
「…久しぶり…
少女はかけていたゴーグルを首まで下ろす。
そしてその下から見えたのは俺と同じ青い色の眼だった。
「久しぶり…空…
どこ行ってたんだよ…探し回ったんだぞ…世界中…果ては宇宙まで…」
「うん…ごめん…」
『警告!!
敵機体の残存を確認、ロックされてます!!』
セシアの声が響く。
どうやら先の攻撃では壊せなかったらしい。
「っと
再会を喜びたいのは山々ッスけど…」
「みんなの為にも…
あれを止める!!」
「行くッスよ!!」
「うん!!」
俺は手放しかけていたスぺムエクシギュラムを握りなおしアンノウンに突っ込む。
それに反応しビームを連射してくるが俺はバレルロールをしながら避ける。
「昼寝の時間だ!!」
そう言い敵の腹部を殴る。
スぺムエクシギュラムの銃口が接触する瞬間にトリガーを引き威力を上げる。
少し怯んだ隙に背部の陽アウロラを左側のみ機動、そしてビームを連射する。
盛大に吹き飛び壁に叩きつけられるアンノウン。
さらに追撃しようと俺は右側のアウロラも機動しアラスファンネルを射出する。
俗に言う
「お休み!!」
機体のあらゆる兵装から発射された14本の光がアンノウンに突き刺さる。
照射を終えると穴だらけのアンノウンがだらんと脱力して立っていた。
「もう一機はっと…」
そう言い後ろを向く。
しかし俺が向いた方向には空しかいなかった。
「もう倒した」
「さいですか…」
よく見ると空の立つ辺りにはボルトや黒い装甲の破片が落ちていた。
「戻ろう…兄さん」
「おう!!
俺の友達も紹介するッスよ!!」
◇ ◇ ◇
「兄さんの妹で日本の代表候補生の星村空です。
空と呼んでください。
よろしくお願いします」
「「「「「よろしく~」」」」」
鈴、セシリア、レオス、ソル、スウェンがパチパチと拍手をしながら言う。
先の襲撃事件の取り調べなどが終わり、現在俺、簪、空は夕飯を食べるため食堂にきた。
そこで偶然鈴達と合流し今に至る。
「いや~
一時はどうなる事かと思いましたが、流石我が妹!!」
「ほ…褒めても何もでないよ…」
「空はノゾミと違って結構しっかりものに見えるな~」
「それはどうか―――グハッ!?」
殴られた…しかもしっかり鳩尾を…
「もう!!
兄さんは黙ってて!!」
「そう言えば簪と空ってどんな関係なのよ?
結構昔からの知り合いみたいだけど」
「ん?
それはね…」
「同居人…」
「へ?
どゆこと?」
「私とお父さんが偶然
それで住む場所がないから家に居候…」
「二人?
あと一人は?」
「
「!?
アムロってあの地球連邦軍独立部隊ロンド・ベル所属のアムロ・レイ中佐ッスか!?」
「兄さん、アムロさんを知ってるの!?」
「知ってるも何も
俺はアムロさんと一緒に戦って、アクシズショックに巻き込まれてC.E.に戻ったんだ」
「え?
ボクはあのサイコフレームの光に巻き込まれてアムロさんと一緒にこの世界に来たんだよ
それにアムロさんの階級は大尉だったはず…」
「3年後のUC0096には戦死扱いの二階級特進で中佐になったんだ」
「そうなんだ…」
「ところでアムロさんはどこに?
会ってお礼を言いたいんだけど…」
「わからない…
暫く放っておいて欲しいって置手紙を残して…
どこかに行っちゃった…」
俺の質問に簪が答える。
「むう…」
「ところで誰ですの?
そのアムロ・レイと言う人は?」
セシリアが質問する。
「ああ、みんなは知らないよな…
アムロ・レイってのは俺が
MSの操縦技術もニュータイプとしての能力もあの人の方が断然上ッス」
「なんせ一年戦争の英雄だもんね」
「上には上が居るってことね…」
「ニュータイプ…恐ろしいですわ…」
「まあそんなことはどうでもいい
空、なぜお前はこの時期に転入してきたんだ?」
「確かに
時期的に普通に入学した方がよかったろうに」
「
帰るのが遅くなってこの時期に…」
「みきき?
なんだそれ?」
空の謎発言にレオスが反応する。
「え?
それは当然『見』るに『聞』くと書いて―――」
「それを言うなら『
「そうとも言う~」
空がなぜかドヤ顔になる。
おわかりいただけただろうか…
そう俺の双子の妹星村空は重度の天然なのである。
いや、頭はいいんだよ…頭は…
「まあそろそろ俺は失礼するッス」
「?
どうしてだ?」
「いや~
自分の機体の整備をするの忘れててさ~
俺のことは気にせずどうぞ」
「うんわかった~」
じゃあ、と俺は食堂を後にする。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「むぐ~
終わった~」
作業が終わり俺は伸びをする。
先日楯無さんから貰った設計図をもとに星彩用の新たな近接武装を完成させたのである。
作業服から着替え、整備室の扉を出ると楯無さんが立っていた。
「?
どうしたんスか?」
「えっとね…
簪ちゃんと仲直りしたいと思って…
この時間なら希くんとここにいるかな~って…」
「今は俺一人ッス
簪なら自室にいると思うッスよ
ちょうど作業も終わったところですし一緒に行きましょう」
1時間程前、簪から今話が終わって用事を終えてから部屋に戻りますとメールが来ていたので彼女が部屋にいることは知っていた。
「そうなの
じゃあご同行お願いするわ」
そう言って俺達は学生寮へと向かった。
「どう?私の設計図、役に立った?」
「それはもう!!
まあ設計図見てあれを近接武装に転用しようなんてやつは俺だけでしょうけど」
「え!?」
色々談笑しながら部屋へと歩いて行く。
そして部屋へとたどり着く。
「ほんとに…だいじょうぶ…かな…?」
「大丈夫ッスよ!!
あなたは生徒会長!!
問題ないッス!!」
「生徒会長関係ない…
まあ元気出たわ!!
さあ行きましょう!!」
コンコンとドアをノックする。
「簪~入る―――」
ドアを開ける。
「なんスか…これ…」
部屋の中が荒らされている。
簪の部屋着は当然のことながら俺の部屋着まで滅茶苦茶に散乱している。
そして何より気になったのが…
「簪ちゃんが…いない…」
部屋の至るところを見ても簪が居ないのである。
まさかと思うが…これは…
「誘拐…と見て間違いないッスね…」
「そうなるわね…
でも…目的は…」
その時だった…
―――お姉ちゃん…希…助けて…―――
「「!?」」
「どこにいるの!?
返事をしてよ簪ちゃん!!」
「落ち着いてください楯無さん」
「でも…簪ちゃんが!!」
「大丈夫です
部屋には血痕もない。
それに今声が聞こえたでしょう?
お陰で簪の大体の居場所は特定できました」
「どこなの!?」
「この学園の地下ッス」
「じゃあ早く行かな―――」
「ストップ」
俺は楯無さんの腕を掴み動きを止める。
「ちょっ!!
放して!!」
「今のままではダメッス
敵戦力の大きさがわからない以上不用意に突っ込むのは得策とは言えないッス
それに今の楯無さんの精神状態だと簪がウィークポイントである事がバレバレッス」
「う…」
「はい深呼吸~
学園の長が取り乱していたらついてくる人も付いてこないッスよ」
「へ~」
「ん?
どうしたんスか?」
「今、頼れるエースって感じがしたわ」
「俺はD.S.S.Dのエースッス!!
あれ?
言ってませんでした?」
「ふふっ
ありがとうエースさん
元気出たわ」
俺の方を向く楯無さん。
その眼には先ほどまでの同様の色はない。
「行きましょう簪ちゃんの救出に!!」
「はい!!」
◇ ◇ ◇
「マジかよ!!
こんなに遠いなんて聞いてないッスよ!!」
「希くん頑張って
もう少しで目的の部屋よ!!」
俺達は今、地下へと繋がる階段を全力で降りている。
なんでISを使わないのかって?
少しでも稼働時間を延ばすという楯無さんの提案である。
プルルル プルルル
そんな中携帯に着信が入る。
俺は走りながら電話に出る。
「もしもし」
『星村!!
貴様何をしている!?』
「いきなり怒鳴んないでください…千冬さん…」
電話の主はIS学園の鬼こと千冬さんであった。
『そこにいるということは更識姉も一緒だな』
「はい
でも今回の事は目をつむってください!!
お願いします!!」
『ふむ
珍しく必死だな
理由を聞こう』
「簪が誘拐されました」
『なぜそれを最初に言わなかった!?』
「そんなことやってる余裕がありませんでした
事態は一刻を争います」
『…わかった。
今回は目をつむろう
しかし、条件がある』
「なんなりと」
『一つ目はは私の選抜したIS操縦者を一人そちらに向かわせること
二つ目はその誘拐犯が居ると思われる部屋の座標をこちらに渡せ
三つ目は…絶対に生きて帰ってこい!!』
「了解!!」
俺は通話を終え、携帯をポケットにしまう。
楯無さんが立ち止まる。
その前には大きな扉があった。
「ここがあなたの言っていた部屋よ…
準備はいい?」
「ノープロブレム!!
いつでも行けるッスよ!!」
そう言い俺は星彩を展開する。
楯無さんも専用機
俺達は青く光る物体を持った黒いコートを着た女性と横になっている簪を視界に捉える。
「あんたが簪を…
あんたは誰だ?」
「答える義務はないね」
「じゃあ…
力ずくで聞くしかないわね!!」
楯無さんは大きな槍-
ガキン
蒼流旋とコートの女がISの武装が交わる。
「はん
お前ごときにやられるほどアタシは弱くないよ!!」
楯無さんが弾き飛ばされる。
しかし飛ばされた楯無さんの腕の中には簪が眠っていた
「あら?
人質があんたの手に、これは幸運だ」
「なんで?
むしろ不幸じゃないの?」
「決まってんだろ…
その女を守りながら戦うには必然的に隙ができる!!
死にたくないならその
コートの女はISの武装-ナイフを片手に4本ずつ展開して楯無さんに突っ込む。
「くっ!!」
ガキン
身構える楯無さん、しかしその行動が無意味であった事を知る。
「希くん…」
「やるじゃねえかガキ」
楯無さんの前に俺がアームド・アーマーDEを腕に展開してその攻撃を防御する。
「誰がお荷物だって?」
「あ?」
「簪はお荷物なんかじゃない…
俺の大切な人だ!!
絶対に傷つけさせない!!」
俺はシールドを前に押し出し相手を吹き飛ばす。
ある程度の距離はとれた。
「楯無さん、いい感じに
「
簪ちゃんは頼んだ、私が前に出るわ!!」
「了解!!」
楯無さんは再び蒼流旋を携え突進する。
しかし、今度はランスに水が螺旋状に纏われている。
俺はシールドが展開されている左腕に簪を抱え、右手にスぺムエクシギュラムを展開。
そしてアウロラを機動、援護射撃を開始する。
「ん…」
「簪!!
よかった…目が覚めたか…」
「ここは…?」
「そんなことはいい!!
お前は弐式を展開してここから逃げろ!!」
「でも…」
「いいから早く!!」
「うん―――」
「ぐぅっ!!」
「どうしたの?
その程度なの!?
会長さぁん!!」
「お姉ちゃん!!」
楯無さんが敵に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
その光景を見た簪は弐式を展開し楯無さんに駆け寄る。
「くそったれが!!
よくも!!」
「まあまあ
落ち着きなさいよ
時間はたっぷりあるんだから
次はあんたがやられる番よ!!」
「戯言を!!」
俺は敵に突っ込み、逆に女も俺に突っ込んでくる…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!」
私は気を失っているお姉ちゃんに必死に声をかける。
「簪…ちゃん…?」
「お姉ちゃん!!」
お姉ちゃんが目を開ける。
でもその眼には生気はあまり感じられない。
「希くんは…?
助けに行かなくてもいいの?」
「無理…」
「どうして…?」
お姉ちゃんは怒ることなくやさしい口調で私に話しかけてくる。
「だって…お姉ちゃんが倒せない敵なんて…
私なんかじゃ到底勝てない…
ひぐっ…みんな…死んじゃうんだ…」
「大丈夫よ…」
「え…?」
突然の一言に驚く。
「大丈夫よ…簪ちゃんなら
だって…私の
「自慢の…妹…?」
「そう
あなたは私の自慢の妹『更識簪』よ…
それに希くんもついているんですもの…
絶対に大丈夫…」
「……」
「簪ちゃんにならできるわ…
希くんや空ちゃんや…他のみんなを守れる…」
「うん…!!
行ってくるね…お姉ちゃん…」
私はお姉ちゃんのもとを離れる。
「行こう…『打鉄弐式』!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ぐう…
なんて火力とパワーだよ…こいつは!?」
「お褒めの言葉をありがとう!!」
たび重なる戦闘で消耗していた星彩、とうとうガタが来た…
アームド・アーマーDEにはひびが入ったため今は
「さあ
フィナーレと行こうじゃないのクソガ―――」
『下がって!!』
プライベートチャンネルで簪が俺に声をかける。
その言葉に従い女と距離をとる。
すると女にミサイルと荷電粒子砲の雨が降り注ぐ。
「ミサイルと荷電粒子砲…簪か!?」
「希、大丈夫!?」
「ああ…なんとかな」
「あらあらさっきの眠り姫じゃない
お姉ちゃんは大丈夫?」
「あなたに心配される義理は…ない…!!」
「ひょろひょろよわよわのあんたなんかが戦って大丈夫なの?」
「覚悟は…ある…」
簪は獲物を再び握りなおす
「私は……戦う…!!」
刹那
簪が言葉を放った時、打鉄弐式からまばゆい緑色の光が放たれる。
「サイコフレームの共振現象…」
「な!?
なんなのよこれは!?」
「ありがとう…
…導いて…打鉄弐式!!」
誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。
次回
覚悟の光
お楽しみに~