IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
「解散!!」
千冬さんの声とともに手を叩く音が教室に響き渡る。
さて…行くか…!!
「君達が織斑くんとアロイくんだよね?
僕は―――」
「話は後だ。
一夏!レオス!シャルル!兎に角行くぞ!!」
「行くってどこ―――
ってちょっと!?」
俺はシャルルの腕を掴んで走り出す。
突然のことでシャルルは困惑の表情を隠せない。
「まあわかんなくて当然か…
男子はアリーナの更衣室で着替えるんス」
廊下を走りながらシャルルに説明する。
「後から人の接近を確認!!」
「?
何言ってるの希?
誰も来てないじゃ―――」
「ああっ転校生発見!!」
「しかも織斑くん達と一緒!!」
「!?
なんでわかったの!?」
「勘~?」
俺達のHRが終わったのだ当然他のクラスも終わっているに決まっている。
各教室から情報収集担当の生徒が駆け出す。
だんだん多くなってきて終いにはひとつの軍隊のようになる。
この部隊につかまったが最後、質問攻めにあい授業に遅れる=鬼教官の特別授業の受講確定だ。
「いたっ!!こっちよ!!」
「者ども、出会え出会えい!!」プオ~ン
どこからともなくホラ貝の音が聞こえてくる。
俺は学校にいるはずだぞ…なんで戦国時代さながらの状況に出くわす?
「な、なに!?
なんでこんなことになってるの!?」
「えっと…あれだ…
この学校に男子ってオレ達と4組の2人だけ…
ISが操縦できる男子って珍しいだろ?」
「あっ!!―――うん。そうだね」
納得したように何度も頷くシャルル。
でもそんなことはどうでもいい!!
如何にしてこの包囲網を突破するか…
「T字路!!
ここで一回別れよう!!」
「「了解!!」」
俺とシャルルは右に、レオスと一夏は左に曲がる。
少しでも戦力を分散できれば勝機が!!
「希!!
前から来てる!!」
「それなら!!」
「希!?何を!?」
左側の窓を開ける。
シャルルを抱えたまま窓の外へ…
「の、希~!!」
「今日の希さんは金曜までの希さんではないのだよ!!」
星彩を展開、そのまま最大速度で目的の更衣室へと飛翔する。
そして地面に着地。それと同時にレオスと一夏も到着。
「ノゾミ!!
IS使うなんてずるいぞ!!」
「緊急事態だったのでやむ終えないと言わせていただく」
「とりあえず中で着替えようぜ
特別カリキュラムは嫌だろ……?」
「「う、うん…」」ガクガクブルブル
ちなみに俺達3人は既に特別カリキュラムを受講済みだ…
もう嫌だ…あんなことは…
「そう言えば自己紹介がまだだったな
オレはレオス・アロイ。
レオスって呼んでくれ」
「俺は織斑一夏
一夏って呼んでくれ。
よろしくな」
「よろしくレオス、一夏。
僕のこともシャルルでいいよ」
「ところで希はいいのか?」
「実は僕たち金曜日に1度会ってるんだ」
「へ~どんなふうに会ったんだ?」
「『親方!!空から女の子が!!』的な?」
「どんな出会い方だよ…それ…」
「だって事実だもん
そうだよなシャルル?」
「実際には『空から男子高校生が!!』だけどね」
「「?????」」
頭の上に疑問符を浮かべながらも急いでいるため勢いよく服を脱ぎ始めるレオスと一夏。
俺は面倒だからいつも制服の下に着てるけどね
「わあっ!?」
「「?」」
突然大きな声を上げるシャルル。
まあ女の子なら当然の反応か…
「どうしたシャルル?着替えないのか?」
「早く着替えないとまずいぞ…
「う、うん!!着替えるよ!!
だから…あっち向いてて…ね?」
「オレに人の着替えをじろじろ見る変な趣味はないからな
ノゾミにはあるけど」
「……希のえっち」
「レオスてめぇ!!
誤解を生むような事を言うな!!」
「事実だろ」
「否!!断じて否!!」
「見るなと言いつつシャルルは人の着替えをじろじろ見てるな…」
「見てない!!別に見てないよ!!」
「まあ急げよ…
転入初日の最初の授業に遅刻ってシャレにならねーぞ…」
「わ、わかってるよ!!」
俺は後ろを向き制服を脱ぐ。
制服を丁寧にたたみ、振り向くとシャルルも着替え終わっていた。
「早っ!!
なんかコツでもあんのか?」
「い、いや別に…
って一夏もレオスもまだ着替え終わってなかったの?」
二人ともISスーツを腰まで通したところで止まっている。
「これ、着るときに裸ってのが着づらいんだよなぁ…
引っかかって…」
「ひっ……」
シャルルは顔を真っ赤にしている…
見た目は男でも中身は普通の10代少女…当然の反応であろう
「よしっ!!じゃあ行こうぜ!!」
「う、うん」
4人とも着替え終わって更衣室を出る。
「シャルルのスーツなんか着やすそうだな
どこのやつ?」
「デュノア社製のオリジナルだよ
ベースはファランクスだけどほとんどフルオーダー品」
「デュノア…どっかで聞いたことあるような…?」
「シャルルってラファール・リヴァイブで有名なデュノア社の社長の息子らしいんだ」
「へ~道理でいいとこ育ち!って感じがするわけだ
納得納得」
うんうんと頷くレオスと一夏。
「いいところ…ね」
金曜に話をした時の顔になるシャルル…何か家であったんだろうか?
「それより一夏も十分凄いと思うよ
あの織斑千冬さんの弟なんて」
「ハハハ、こやつめ!!」
「へ?」
「おい大丈夫か一夏?」
「―――いや、なんでもない。
お互いに地雷踏んで一機ずつ減ったって事で」
「???」
「とりあえず行くッスよ!」
「「「は~い」」」
……………
「遅い!!」
第二グラウンドに無事到着…ではなかった…
鬼教官が既に待ち構えていたのである。
「まあ今日のところはデュノアに免じて許してやる。
さっさと列に並べ」
「「「「はい」」」」
いそいそと1組の列の最後尾に座る。
「ずいぶんとゆっくりでしたわね」
「しゃーないだろ
道が混んでたんスよ」
「ウソおっしゃい。いつもは間に合うくせに」
隣に座っているセシリアから話かけられる。
4月の模擬戦以来丸くなったな~と思ったけど珍しく今日はツンツンしてる。
最近流行りのツンデレか?
「まあ一夏さんはさぞかし女性との縁が多いようですから?
そうでないと二月連続で女性から叩かれたりしませんよね」
怒りの矛先が一夏に向けられた。
「なに!?
またアンタやらかしたの!?」
突然後ろから鈴の声が聞こえてくる
そういえば後ろは2組の列だったっけ
「こちらの一夏さん
今日来た転入生に叩かれましたの」
未遂だがな
「はあ!?
アンタはなんでそうバカなの!?」
「―――安心しろ。
馬鹿は私の目の前に二名いる」
後ろをゆっっくりと向くセシリアと鈴。
只今開講!!織斑千冬のバシバシ☆特別講座!!
開☆講!!
バシーン
本日も快晴の空のもと、
◇ ◇ ◇
「では、本日より射撃及び格闘を含む実戦演習を開始する」
「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」
人が多い…まあ1、2組の合同だからしゃーないか
「くうっ……
何かというと人の頭をポンポンと…」
「一夏のせい一夏のせい一夏のせい……」
うん
こういうのは無視しておこう。
そっとしておくのも時には有効なのさ~
「うるさいそこの新人類!!」
ゲシ
うひょう!!
鈴に蹴られた!!結構強い力で!!
メディ~ック!!メディ~ック!!
「今日は戦闘を実演してもらおう
ちょうど活力溢れんばかりの十代女子もいることだしな。
鳳!オルコット!」
「な、なんでわたくしまで!?」
「専用機持ちはすぐに始められるからだ
いいから前に出ろ」
「だからってどうしてわたくしが…」
「一夏のせいなのになんであたしが…」
まあ…あれだ…お前ら元気すぎる的な?
寧ろうるせえ
「「例え心の中でも言っていいことと悪いことがあるんじゃないの(のではないのですか)!?」」
ゲシゲシ
また蹴られた!!今度は2人で!!
親父にも蹴られたことないのに!!
「まあいいじゃないスか~
一夏にいいとこ見せるチャンスッスよ」
「「や~ってやるわよ(やりますわ)!!
相手はどこ(ですの)!?」」
わっかりやすいな~
「慌てるな馬鹿ども。
対戦相手は―――」
キィィィィィィン………
「ああああーーーっ!!
どいてくださ~い!!」
ドカーン
天使降臨ならぬ教師降臨。
上から山田先生が文字通り降ってきた。一夏に向かって。
一夏は衝撃で吹き飛ばされるが白式を展開したようで無事っぽい。
まあ体勢は異常をきたしているが…
「あ、あのう、織斑くん―――ひゃん!!」
一夏が山田先生に馬乗りになり、更にはその手はしっかりと山田先生の胸を掴んでいた…
ラッキースケベ野郎…そんなことばっかしてるから男女ともに反感を抱かれるのだよ!!
「そ、そのですね…困ります…
こんな場所で…
いえ!!場所だけではなくてですね!!
私と織斑くんは仮にも教師と生徒ですよね!!
あ…でも…このまま行くと織斑先生が義姉さんってことで…それは魅力的な……」
……山田先生の考えてることもかなり泥沼化が想定されるので無視…
「―――ハッ!?」
キュイン
我に返った一夏に襲いかかるものその①
セシリアとブルー・ティアーズによる狙撃
間一髪でそれを避ける一夏。
これも日々の
「ホホホホホホホホホ………
残念です。外してしまいましたわ……」
セシリアの目からはハイライトが消失しており額には血管が浮き出ている…
バルトフェルドさん…本物のバーサーカー…見つけました…
ガシーン
ビュン
我に返った一夏に襲いかかるものその②
鈴と甲龍による双天牙月の投擲
「うおおおおおっ!?」
仰け反ってかわす一夏、しかし…
我に返った一夏に襲いかかるものその③
鈴の甲龍による双天牙月の投擲リターンズ
ブーメランのように戻ってくるそれを一夏に避ける術はない…ってそれはまずい!!
俺はスぺムエクシギュラムを展開し撃ち落とそうとする…
ドン ドン
銃声とともに失速する双天牙月。
薬莢の落ちる音の方を見るとアサルトライフルを持った山田先生が目に映る。
「すげぇ…流石は元代表候補生……!!」
「む、昔の事ですよ…ってなんで星村くんが知ってるんですか!?」
「マクグリフ先生から聞きました」
俺でもこれくらいの事はできて当然なのだが、山田先生の凄いところはその体勢である。
倒れたままの体勢から上体を起こしただけの状態で撃ってこの命中精度だ。
「小娘どもいつまで惚けている。
さっさと始めるぞ」
「え?2対1で……?」
「いや、流石にそれは……」
「安心しろ。
今のお前たちではすぐ負ける」
千冬さんの言葉に反応し、セシリアと鈴の瞳に闘士が宿る。
「では、始め!!」
「手加減はしませんわ!!」
「さっきのは本気じゃなかったしね!!」
「い、行きます!!」
3人は勢いよく空へと飛び上がる。
「さて…今の間に……ちょうどいい、デュノア
山田先生が使っているISの説明をしてみろ」
「あっ、はい。
山田先生の使用されているISはデュノア社製の『ラファール・リヴァイブ』です。
第二世代最後発の機体ですが………」
シャルルが淡々と機体の説明をしていく…
要約すると世界中でかなり多くシェアされており、武装の交換で遠、中、近あらゆる戦術に対応できる万能機ということである。
「……参加サードパーティーの多いことでも知られています」
「一旦そこまででいい。
終わるぞ」
千冬さんがそう言った途端、上空で大きな爆発が起き、煙の中から赤と青の機体が地面へと落ちて行った。
「くっ、ううう…
まさかこのわたくしが…」
「あ、アンタねえ…なに面白いように回避先読まれてんのよ…」
「り、鈴さんこそ!!無駄に衝撃砲を撃つからいけないのですわ!!」
「こっちの台詞よ!!
なんですぐにビット出すのよ!!しかもエネルギー切れるの早いし!!」
なんて言いあってる横で俺は本音と話を始める。
「あれはどっちのせいって言うよりも二人とも悪いよね~」
「同感ッス」
◇ ◇ ◇
「すげ~
めっちゃ空いてる~」
午前の授業が終わり昼休み。
俺、簪、本音の3人で屋上で弁当を食べに来たのだが、シャルル見たさに他の生徒たちは学食に行ったらしく人があまりいなかった。
ある一組をを除いては…
「おお!!
希に簪!!のほほんさんも!!」
一夏が弁当箱片手に手を振っている。
箒も同じ弁当箱を持っているのできっと箒が一夏の弁当を作ってきたのだろう。
「一夏!!
お前らも弁当食いにきたのか!!」
「こんにちは…」
「はろ~」
お前らとは一夏、箒、セシリア、鈴、シャルルの5人だ。
「希が手に持ってる包みはなに?」
「フッフッフ
よくぞ聞いてくれましたシャルルくん
これは俺のお手製弁当なのだよ!!」
「私と本音の分って作ってくれるの…」
「ほしむーのお弁当すっごくおいしいんだよ~」
「シャルルくん!!
味見してみたまえ!!」
シャルルにお弁当箱を差し出す。
中身はご飯、タンドリーチキン、フライドポテト、そして厚焼き卵が入っている。
シャルルはタンドリーチキンに刺さっている爪楊枝を掴み、口にふくむ。
「どうだ?」
「おいしい!!すごくおいしいよ!!」
「えっへん!!」
「コホンコホン。
一夏さんわたくしのサンドイッチもお食べになって」
一夏の顔が青ざめる…
セシリアの料理は見た目こそいいものの味は………なのだ
「それもおいしそうだね
食べてもいい?」
「いいですわよ
この量だととてもひとりでは食べきれませんから」
シャルルがセシリアのサンドイッチに手を伸ばす…
シャルル?何をする気だ!?よせぇ!!
「いただきます」パクリ
もぐもぐとにこやかにサンドイッチを咀嚼するシャルル。
その表情が崩れることはない。
今日のはたまたま成功したんだろうか…
「じゃあ俺も食べようかな…」
「待って一夏…」
一夏を止める簪。
そして指を3本立てる。
「シャルルくん…
これ何本に見える?」
「47本だね……」ドサ
「ほらね…
やっぱり駄目だ…」
真顔で答えるシャルル。
その直後、俺に向かって倒れる。
「お~いシャルル~」
ぺちぺちとシャルルの顔を叩く。
しかし一向に反応しない。
「あらあら
わたくしの料理が美味しすぎて失禁してしまったのですね」
「おいしいご飯食べてて失禁するなんてきいたことない……」
「ハッ!?」
「おお!!復活した!!
ところでシャルルくん」
「なに…?」
シャルルはにっこりと笑顔で返答するが、先ほどのダメージのせいか心なしか顔色が悪い。
「放課後にさ、第五アリーナで模擬戦やらないか?
シャルルって結構強そうだし」
「僕なんかが相手でいいのなら…」
「決まり!!」
シャルルと俺は契約成立の意味で握手をする。
「一夏さん!!
わたくしのサンドイッチをお食べになって!!」
「一夏!!
あたしの酢豚食べなさいよ!!」
「お、俺はそんなに食べれませ~ん!!」
今日もにぎやかな昼休みが過ぎて行く…
誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。
次回
Truth
お楽しみに~