IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-22 そらの奇妙な買い物

放課後。

希達がフランスに行っているのと同時刻、IS学園1年4組教室前。

 

「うぅ…シャルちゃんが居ないとシャルニウムの摂取が出来ない…」

 

「なんで私に抱きつくの…?」

 

「カンザニウム補給中…むぎゅー」

 

「痛い!!痛いよ空ちゃん!!」

 

教室を出るや否や空ちゃんが飛んできて抱きつかれる。

ところでカンザニウムってなに…?

 

「よう簪!空!!

なにしてんだ?」

 

「ん~一夏ぁ?

只今ね~カンザニウム補給中…むぎゅー」

 

「絞め付けが強きゅ!?」

 

「あああああぁ…

もうやめろって簪嫌がってるだろ?」

 

「まだ満タンじゃないのに…

ま四分の三は補給出来たからよしとしよう!!」

 

やっと空ちゃんが離れてくれた…胸…おっきかった…

そして自分の胸に目線を落とす…

 

「……大きくなるもん…」

 

「は?」

 

「…なんかすみません…

…ねえ一夏…」

 

「ん?」

 

「ちょっと付き合って欲しいところがあるんだけど…一緒に行こう?

かんちゃんも一緒にさ!!」

 

「おう!!

今日は珍しく特訓が休みだからな」

 

「私も…大丈夫…」

 

「じゃあ30分後に私服で校門に集合ね!!」

 

「「は~い」」

 

3人はそれぞれ別々の方向へと歩き始める。

それぞれ別のところに用事があるらしくそれを済ませてから部屋に戻るらしい…

そしてついつい目に入ってしまうもの…ぱたぱたと走る反動でかすかだが揺れる空ちゃんの胸…

また自分の胸に視線を落とす…

 

「…大きくなるもん…」

 

思わず声に出てしまう。

 

「大きくなるもん!!」

 

めっちゃ大声で叫んでしまった…誰にも聞かれてないことを祈る…

切実に…祈る…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ない…だと…」

 

「もう4件目だよ…

諦めて本屋さん行こ…?」

 

空ちゃんと一夏と共に学園を出て約1時間。

現在クーラーの効いたコンビニにいるわけであるが私達3人の額から汗が滝のように流れている。

理由は学園近辺のコンビニでとある雑誌を買う為にハシゴしてるからである。

目的の雑誌は『インフィニット・ストライプス』と呼ばれる週刊誌。

毎週火曜日発売のこの雑誌はいまどきの若い女性の注目の的でIS関連のことやグラビア、果てにはファッションについての特集記事まで組むというかなりユーティリティーなスタンスの雑誌だ。

空ちゃんはこの雑誌を毎週買っており、いつもは昼休みに学園の購買部で買うのだが今日は忘れていたらしい。

本人曰く『シャルニウムの著しい減少に伴った休息が必要だった』だそうだ。

 

「なあ二人とも…そこで雑誌読んでる人…まさか…」

 

空ちゃんが恐る恐るその女性の読んでいた雑誌の表紙を見ようとしゃがむ。

 

「またかよっ!!」

 

するとロケットのごとく飛びあがり一夏のあごに頭突きを加える。

 

「あがぁ!?」

 

「このパターンも4回目…」

 

空ちゃんがこのような反応を見せるということは女性の読んでいた雑誌がお目当ての雑誌だったのだろう…

つまり最後の一冊を立ち読みされているため本が店内にあるのに買えないという状況に陥ってしまったのだ。

前述したとおり、ここを訪れる前に立ち寄ったコンビニでも同じ現象が巻き起こり、空ちゃんは爆発寸前である。

 

「まあ落ち着いて…

プリン奢ってあげるから…

それに一夏ももう持たない…」

 

「あひょひゃひひゃいひぇひゅ(あごが痛いです)」

 

「ごめん一夏…

学園に戻ったら氷嚢作ってあげるからね」

 

「ひゃいひょうふ(大丈夫)…

ひょんなひょひふゆねえのにひゅひゃひぇひぇひゃ(こんなの千冬姉のに比べれば)…」

 

4回もコーディネーターの怒りの籠った頭突きを食らった一夏のあごは真っ赤に腫れており、アント●オ猪木を彷彿とさせるしゃくれあごと化していた。

ちなみに空ちゃんの頭にも某青い狸の出てくる漫画の主人公が作るようなたんこぶが出来ているが本人は気にしていないらしい。

 

「次行ってみよ~!!」

 

「「まてまてまて!!」」

 

「え~

ボクは早く今週の『インフィニット・ストライプス』が読みたいんだよ!!」

 

「ちょっと休憩しよ…?

プリンとか食べてさ…

ほら、ちょうどこのコンビニの向かいに喫茶店もあるし…」

 

「ひょひぇひゃいいひょひぇひゃいい(それがいいそれがいい)」

 

「どうしてもって言うならしょうがない。

そのかわり、一夏の奢りね」

 

「マジで!?」

 

「もとにもどってる…」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「う~ん

ここのプリン美味しい~!!」

 

プリンを頬張りその美味しさに笑顔になる。

先ほどまでの不機嫌な表情が全て嘘だったような変貌ぶりだ。

我ながら切り替えの早さが凄い早い。ある意味才能だと思う。

ちなみにかんちゃんはアイスティーとカップケーキ、一夏はコーヒーとチーズケーキ、ボクはカフェラテとプリンと各々好きなものを食べていた。

ちなみに全部一夏の奢りである。

 

「確かに…学園のみんなが行きたがるわけだよ…」

 

偶然立ち寄ったこの喫茶店、新聞部のアンケート「学園の生徒に聞いた!!一回は行ってみたい学園近辺の穴場飲食店ランキング」の1位に輝いた「デュランダル」という喫茶店だったのだ。

理由としては「値段が安い」、「色々なものが美味しい特にプリンが」などなど…

実際、ここから学園までの所要時間は直接来れば15分足らずで着くという。

なんとまあ学生に優しいお店だろう。

道理で学生が店内に多いわけだよ。

そしてプリン好きのボクとしてはもう感極まれりって感じである。

 

「おいおい譲ちゃん!!

アンタがぶつかってきたせいでアイスが服に付いちゃったじゃねえかよ!!」

 

「だからそのことについては謝る。

金でもなんでも払うからそこをどいてくれないか?

人を待たせているんだ」

 

店の外から大きな声が聞こえてくる。

たしかこの店のすぐ横に細い路地があったはず…

 

「なにか嫌な予感がする…」

 

「かんちゃんも同じこと思った?」

 

「奇遇だな。俺もだ

行くぞ!!」

 

「うん…」

 

「ほーい」

 

お金をテーブルに置き、店を出て路地へと入る。

そこには数十名の男とその中心の金髪の女の子が何やら揉めていた。

 

「リーダーの服が汚れちまったじゃねえかよ!!

どうしてくれんだこのアマァ!?」

 

「だ、だからすまないと言っているだろう!!」

 

「カガリ!!」

 

路地の逆方向から藍色の髪の男がその女の子の名前と思しきものを叫ぶ。

 

「あぁ?

なんだお前?この子の彼氏ぃ?」

 

「そうだが…彼女が無礼な事をしたのなら俺からも謝る。

だからその子を放してくれないか?」

 

「そういうわけにもいかねぇんだよ!!」

 

集団の一人が藍色の男にナイフを向ける。

 

「やるしかないのか…?」

 

「はいは~い。そこまで~」

 

ボクの声に反応して男達は一斉に振り向く。

今ボクちょ~目立ってんじゃん!!

 

「!?

てめえらこいつらの仲間か!?」

 

「仲間っていうか幼馴染的な?

やあアスラン。

お久~ボクのこと覚えてる~?」

 

「君は…ソラ…星村空か!?」

 

「覚えててくれたんだ~ボク嬉しいな~」

 

「おい空!!

大丈夫なのかこいつらに喧嘩売っても…

相手はこの辺で有名なチンピラグループの『マテラッツィ』だぞ…」

 

「モーマンタイ。

こんなザコザコかませポジ野郎共にボクが遅れを取るとでも?

こう見えてもボクだってニュータイプだよ?」

 

「ニューなんたらだか何だか知らねぇがさっきから調子乗ってんじゃねぇぞクソアマァ!!」

 

男どもの一人がボクに殴りかかってくる。

身構えるがそれも空しく一夏がボクの前に立ち、男の顔面に回し蹴りを見舞う。

 

「怪我ないか?」

 

「んもう

ボクはこんなんでも立派な軍人だったんだよ!!

あまり舐めないで欲しいなっ!!」

 

「空ちゃんは一人じゃない…

私も戦う…早く買い物再会しよ…?」

 

「わかった!!

怪我しないでよね!!」

 

その言葉と同時に男の集団の真ん中にいるカガリという女の子のもとへとハイジャンプして周囲の男にドロップキックをかます。

 

「大丈夫?」

 

「ああ。

助かった。

名字が星村ってことはノゾミの親類か?」

 

「うん

ボクは希兄さんの双子の妹だよ~」

 

男の顔面にパンチをして怯んだ隙に鳩尾に掌底をかまし意識を刈り取る。

 

「道理で強いわけだな」

 

「いや~面と向かってそういうこと言われると照れるな~」

 

一夏とかんちゃんのがんばりもあってみるみるうちに数が減っていく。

 

「こ、こいつら強えぇ…」

 

「野郎ども!!に、逃げるぞ!!」

 

男たちは一目散に逃げて行く。

 

「ばいば~い

もうこの辺をうろついたりしないでね~」

 

「まさかこんな所で君に会えるとは思えなかったよ、ソラ」

 

「なあ空、この人達は?」

 

「自己紹介がまだだったな。

俺はアスラン・ザラ。

オーブ軍統合参謀本部所属で階級は准将だ」

 

「私はカガリ・ユラ・アスハ。

オーブ連合首長国の代表首長だ」

 

「えぇ!?

この二人が希の言ってたオーブの英雄なのか!?」

 

「英雄なんて大それたことはしてないがな。

ちなみにカガリはキラの双子の姉でもある。

姉と言っても彼女はナチュラルだがな」

 

「まさかキラにお姉さんが居たなんて…

ねえアスラン、キラは?」

 

「………それは俺達が聞きたいことだったんだが…」

 

「わかんないの!?

じ、じゃあこの世界に来たのはいつごろなの!?」

 

「昨日の昼ごろだ」

 

「それってムウさんと一緒…」

 

「フラガ一佐を知っているのか!?」

 

かんちゃんの言葉にアスランが過敏な反応を見せる。

 

「アスラン…かんちゃん怯えてるよ…」

 

「うっ…すまない…

ところで君たちの名前を聞いていないのだが…」

 

「あ…ごめん。

俺の名前は織斑一夏、一夏って呼んでくれ。

よろしくなアスラン、カガリ」

 

「私は更識簪…簪で…いい…

よろしく…」

 

「よろしく頼む」

 

「ところで…アスランが持ってるコンビニの袋に入ってる雑誌は…?」

 

「ん?これか?」

 

アスランが右手に持っていた袋を顔の前まで持ち上げる。

 

「先ほど情報収集のために買った『インフィニット・ストライプス』という―――」

 

「それ頂戴!!」

 

「ま、まあかまわないけど…ほれ」

 

「~~~~~~~!!

ありがとうアスラン!!大好き!!」

 

声にならない悲鳴をあげ、思わずアスランに抱きつくボク。

一夏とかんちゃんは唖然としているがボクをアスランから引き剥がそうとカガリがボクのわき腹を掴む。

 

「!?

は、離れろ!!アスランは私の恋人だぞ!!」

 

「いいじゃんカガリ~

アスラニウムの補給中だよ~むぎゅー」

 

「まったく…昔から変わらないなぁソラは…」

 

「なかなか離れないなら!!」

 

「ちょ!!やめ!!くすぐりには弱いんだから!!

アハ、アハハハハハハハ!!

や、やめてよカガリ!!お願いだから!!」

 

「だが断る」

 

「帰ろう…カガリとアスランも一緒に来る…?」

 

「「どこへ?」」

 

「IS学園…」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「また拾い物の異世界人か…

お前ら兄妹はつくづくそういう者に縁があるな」

 

「すみません…」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

「別にアスラン達が謝る事じゃないでしょ?」

 

次の日の早朝。

大会議室に招かれたボク達5人は状況説明のために千冬さんとムウさんとO☆HA☆NA☆SIしていた。

 

「まあ俺としてはアスランとカガリが見つかってよかったけど…

お前らも知らないんだよな…マリュ―やキラ達が何処にいるかを?」

 

「はい…」

 

「織斑先生フラガ先生織斑先生フラガ先生!!」

 

「落ち着いてください山田先生。

深呼吸~」

 

「は、はい。

すーはーすーはー」

 

「はいストップ!!」

 

バシン

 

「アッ―――」

 

織斑先生による出席簿アタックがボクの頭に炸裂する。

マジイテェ…

 

「兄弟そろって同じことをするな」

 

「しゅみましぇん…」

 

「ところで山田先生。

そんなに急いでどうしたんですか?」

 

「そうですよ!!テレビ!!

今すぐテレビをつけてください!!」

 

「わかったから落ち着けって真耶」

 

ポチっとムウさんがテレビの電源を入れる。

そこには空港のような映像とそこを飛び交う無数のIS。

白い機体と黒い機体の集団が見覚えのある白い機体とオレンジの機体、そして青い翼をもった見たこともないISによって殲滅されている映像が映し出される。

 

「これは…兄さんの星彩とシャルちゃんのリヴァイヴ!?」

 

「でも…あの翼のISは…?」

 

一夏達もその光景を凝視しているがムウさん、カガリ、アスランの見る目だけは僕達とはまた違う目をしていた…

驚きの色よりも安堵の色の方が濃く出ていた。

 

「フリーダム…よかった…キラのやつ生きてたんだな…」

 

「アスラン、いまなんて!?」

 

「あの翼のISの名前はZGMF-X20A『ストライクフリーダム』。

パイロットはキラ・ヤマト…ソラの知っているキラと同一人物だよ」




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。
前半のコンビニめぐりは作者の実体験をもとにしたフィクションです。

次回
青い翼と永遠の歌姫

お楽しみに~
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