IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-23 青い翼と永遠の歌姫

「だああああ!!

なんでこうも空港に来ると事件に巻き込まれるのかな!?」

 

『知らないよ!!』

 

朝一番の日本行きの便で帰ろうと空港に来た訳だが…

またもや空港が襲撃されて現在戦闘の真っ最中。

朝早い時間だった為か民間人の避難はスムーズに行われ、怪我人なども確認されていない。

 

『希!!

向こうに人が!!』

 

「嘘!?

逃げ遅れか!?」

 

自分の立っている位置から大体1キロ程のところにスローターダガーを目の前にして動けなくなっている女の子が目に入った。

俺はシャルの一言でそれに気付き瞬時加速で接近。

ダガーを斬り伏せ女の子を助け出す。

桃色の髪の少女は俺に頭を下げる。

 

「怪我は…?

ってお前!?」

 

「助かりましたわ。

あらあら?ノゾミではありませんか。

お久しぶりですわ」

 

「なあラクス…

この状況でよくそんな能天気なことが言えるッスね…」

 

「生来このような性格であるが故ですわ。

仕方がありません

これでもあなたには感謝しているのですから

ねえハロ?」

 

「ミトメタクナイ!!」

 

「1ミリたりとも感謝しているようには見えないぞ…

少なくとも俺からは」

 

思わずハァとため息をこぼす俺。

今助けた女の子はラクス・クライン。

平和の歌姫と呼ばれる現役のプラント最高評議会の議長を務める人である。

議長を務めると言ってもまだ19歳の女の子。

戦時中の休息では服を買いに行った時のキラの淡白な感想に頬を膨らませているなど私生活ではキラに恋する普通の女の子だったりするわけである。

なぜか見た目はムウさんと同じくヤキンの頃に若返ってるけど…

 

「ため息をすると幸せが逃げて行ってしまいますわ」

 

「誰のせいだと思ってるんスか…

ところで、ラクスがここに居るってことはどっかにキラもいるわけ?」

 

「キラはぶどうジュースを買いに行ってますわ」

 

「パシリに使ったんですね…わかります…」

 

ちなみに性格は意外と腹黒かったりする。

 

「そんなことは置いといて…今すぐここから逃げろ…って言っても寧ろそっちの方が危ないな…

よし!!俺に掴まるッス!!

ナイト様(キラ)が来るまでは俺が守るッス!!

君に死なれてキラに泣かれるのは困るしね」

 

「ありがとうございますわ」

 

ラクスをお姫さま抱っこする。

俺の機体をまじまじと見るラクス。

なんか可愛い…

 

「これが『あいえす』というものですの?

モビルスーツにそっくりですわね」

 

「俺もそう思ったんだが弄ってみると結構違うんで最初は驚いたよ」

 

両手が使えなくても俺にはファンネルがあるので基本的に戦闘に支障をきたさない。

どんどんファンネルで敵を穿ち、ビームで斬り裂き数を減らす。

でも…

 

『希!!

数が多すぎる!!もう持たないよ!!』

 

「確かに…武装のエネルギーは心配ご無用なんスけど…シールドエネルギーが…」

 

火器関連のエネルギーは星彩の動力である核融合炉から無限に供給されるのだがシールドエネルギーはあらかじめ800まで変換しそれを利用しなければならず、気付いたら半分を切っていた。

その時、ダガーやウィンダムがビームによって貫かれ、次々と爆散していった。

 

「お待たせラクス!!

ジュースを…ってノゾミ?

なんで君がここに?」

 

「それヒーロー登場の台詞!?

それにラクス!!ジュース飲むな!!」

 

「ダメでしたか?」

 

「ダメに決まってんだろ!!

…決めた…もう俺はこの天然バカップルにツッコミなんて入れないぞ…」

 

「希…敵は居なくなったけどそっちは修羅場だね…」

 

取り敢えずキラのお陰で敵が居なくなったのでISを解除したシャルがこちらに近寄ってくる。

若干引きつった笑顔なのは同情してくれているのだろう。

主に俺に。

 

「ああ、こいつら俺の知り合いで、男の子の方がキラ・ヤマト。

で、女の子の方がラクス・クライン」

 

「只今ご紹介にありましたラクス・クラインですわ。

プラントの最高評議会の議長を務めていますの」

 

「僕はキラ・ヤマト。

オーブ連合首長国の国防軍の准将でザフトの白服だよ

よろしくね…えっと…」

 

「シャルロット・デュノアです。

よ、よろしくお願いします」

 

「よろしく、シャルロット」

 

「よろしくお願いしますわ」

 

「ちょっと君達!!」

 

シャル達が自己紹介を終えると突如背後から声をかけられる。

後ろを振り向くとスーツ姿の初老のおじさんこちらに走ってくる。

 

「私はこの空港のオーナーをやっているものだ。

君たちのお陰で格納庫の飛行機も全部無事だったし、従業員も誰一人として怪我はなかった。

本当に感謝している」

 

「俺達は自分の身を守るために戦っただけです。

それが偶然人を助ける結果に結びついた。

それだけの話ッス」

 

「いやいや、本当に感謝しているんだ。

何かお礼でも…そうだ!!

君たちのこれから行きたい所への飛行機のチケットをあげよう。

ちなみにファーストクラスのだ」

 

「本当ですか!?

ここは厚意に甘えておこうよ希!!」

 

言われてみると行きの分のチケットは楯無さんから貰ったが、帰りの分はお金だけ渡されて現地調達してきてねと言われてしまった。

つまり俺達は帰りのチケットを持っていない。

 

「キラ達もIS学園に来るか?

あそこならアスラン達やほかの人達の情報も集まり易いし、それに二人ともIS操縦者の適性もあるっぽいからちょうどいい」

 

「確か、男でISに乗れるのって珍しいんだよね。

もし僕がIS学園に行かなかったらどうなるの?」

 

「あくまで僕の予想だけど…

素粒子レベルまで分解されて体の中を弄りまわされるとおもうよ」

 

「それは勘弁したいな…」

 

「じゃあ決まりッスね

おじさん、日本行きのチケット4枚準備して欲しいッス!!」

 

「わかった。

すぐに手配しよう」

 

「「「「ありがとうございます!!」」」」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「私は帰ってきたぁぁぁぁ!!」

 

「この間と全く同じこと言ってる…」

 

数時間後。

飛行機に乗って日本に帰国した俺達4人。

迎えに来てくれたのは簪と空、そしてなぜかIS学園の制服を着たカガリとアスランだった。

 

「あれ?

なんでアスランとカガリが?」

 

「それはこっちの台詞だぞ。

なぜお前たちがノゾミと一緒にフランスから戻ってくるんだ?」

 

「取り敢えずそれは置いておくッス。

みんな~お土産配りますよ~!!」

 

「「「「お~!!」」」」

 

キャリーバッグから現地で買ったお土産の袋を取り出す。

空にはエッフェル塔のストラップ、簪には露店で買った貝殻のブレスレットだ。

 

「これかわいい!!

兄さんありがと!!」

 

「ありがと…希…」

 

「どういたしまして」

 

しかし二人にお土産を渡すと少々期待していたのかアスラン達の表情が少々曇る。

 

「おいおいシケた面すんなって

ちゃんとアスランとカガリの分のお土産もあるから」

 

「本当か!?」

 

「おう!!」

 

「ありがとうノゾミ!!」

 

二人に現地で買ったお土産を渡す。

カガリには空と色違いのストラップ。アスランには現地で買ったTシャツをプレゼントした。

 

「お~!!」

 

「なあ…ノゾミ…」

 

「どうしたアスラン?」

 

「なんだ…この『テリヤキトリ』ってのは…」

 

「ああこれか。

シャルさん解説お願いします!!」

 

「はーい

これはねフランスで放送された日本のアニメの影響らしくて、主人公が劇中でこれと同じTシャツを着てたっていうんでいまフランスでバカ売れしてるんだよ。

たしかアニメの名前は…」

 

「青の祓●師…」

 

「そうそれ!!」

 

そういえば簪って結構アニメが好きなんだっけ…今度お勧めのアニメでも聞いてみよう。

 

「ちなみに1枚1800円ですわ」

 

「なかなか値が張るな!?」

 

「取り敢えず学園に戻るッスよ。

積もる話はそれからッス」

 

「わかった

行こうラクス」

 

「はい」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

夜、IS学園1年学生寮の食堂。

 

「それでさ、あの時のノゾミの顔と言ったら…ぷぷっ」

 

「どんなのだったの…?」

 

「てめぇ…ヅラァ…いい加減に人の恥ずかしい話暴露しまくんのやめろよゴルァ!!

そしてちゃっかり簪のこと口説いてんじゃねえぞ!!」

 

「浮気か?」

 

「いやいや滅相もございません。

ちょ!!カガリ髪引っ張んないで!!

抜ける!!抜けるって!!ただでさえ少ない髪が!!」

 

「だが断る」

 

「ぬおおおおおおお!?」

 

取り敢えずキラとラクスの入学が正式に受理されました。

千冬さんに話してみたら『もう好きにしろ…お前ら兄妹にかまっていたら身が持たん』といって編入手続きに必要な書類を一式渡された。

ちなみに山田先生は職員室に居なかった。

千冬さん曰く「ふらふらの状態で外を歩いていたところ、女子サッカー部員の蹴ったボールが顔面にHIT!!そのまま気絶してしまった」らしい。

ちなみにメガネはF(粉砕)G(玉砕)D(大喝采)したらしい。

今度会ったらアイスでも奢ってあげよう。

 

「希!!戻ってきてたのか」

 

食堂の入口から一夏の声が聞こえた。

振り向くと一夏with専用機持ちfeat.箒がこちらに歩いてくる。

結構な大所帯。俗に言うハーレムというやつだ。

 

「カガリ達も一緒か。

私達も一緒に食べてもいいだろうか?」

 

「ああ、いいぞ。

みんなで一緒に食べたほうが楽しいからな。

寧ろ歓迎するよ」

 

「ところでそこの茶髪モヤシとピンクヘッドはなに?

まさかまた希が見つけた異世界人?」

 

「茶髪モヤシ…」

 

「ピンクヘッド…」

 

キラ達の名前を知らない鈴が勝手に渾名をつける。

あまりにも適当過ぎて正直笑えない…

 

「紹介してなかったね。

彼はボクの幼馴染のキラ・ヤマト。

さっきテレビでやってたフランスの空港での事件で青い翼のIS『ストライクフリーダム』に乗っていた子だよ」

 

「で、隣の女の子がラクス・クライン。

『平和の歌姫』なんて呼ばれるくらい歌がとっても上手いんだ」

 

「よろしくね」

 

「よろしくお願いしますわ」

 

ぺこりと頭を下げる二人。

しかし俺の頭の中をよぎるものがあった。

 

「なあ簪…」

 

「なに…?」

 

「俺さ、思ったことがあるんだ…」

 

「奇遇だね…私も…

一緒にいってみよう…

せーの…」

 

「「セシリアとラクスのキャラが被ってる」」

 

お嬢様キャラ的な意味で。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

翌日の早朝、1学生寮廊下。

 

「うわああああ!?」

 

朝から一夏の叫び声が聞こえてくる。

朝からうっせえなあ…

ぶん殴ってやろうと1025号室のドアに手をかける。

 

ガチャリ

 

意外なことに開いていたので中に入る。

 

「いだだだだだ!?

寝技はよせ!!」

 

「お前はもう少し組み技の訓練をするべきだな」

 

「…なにやってんスか…?」

 

ラウラが一夏に寝技をかけていた。

それならまだいい(いや十分よくないけど)。

問題はラウラの格好。

生まれたままの姿―――いわゆる裸だったのだ。

 

「!?

義兄さん!?

こ、これは…えっと…訓練!!

この軟弱な嫁に寝技を教えていたのだ!!」

 

恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして言い訳をするラウラ。

取り敢えず天然な義妹に何か着せなければ…

 

「なあラウラ…服は?」

 

「ふ…服は部屋に置いてきた…

じ、自分で取りに行くから大丈夫だ」

 

「朝早いと言っても起きてる人いるんだからね!!

俺が部屋まで取りに行くッスよ…」

 

現に俺のような弁当を作る人間はこの時間帯には起きて移動を開始する。

自分の義妹に痴女のレッテルが張られるのは正直困る。

 

「鍵は?」

 

「開いている」

 

「ほいほ~い」

 

小走りでラウラの部屋に向かう。

そして部屋に到着、ドアを開ける。

確かラウラのルームメイトってシャルだった気がするんだけど…

 

「あっ…はぁん…一夏ぁ…ダメだってぇ…」

 

この学校には変態が多すぎる。

シャルの寝言は聞かなかったことにしてラウラの服(制服や下着がベッドの上にたたんであった)を回収し部屋を出る。

 

「希…その服誰の…?」

 

「か、簪!?

えっと…これはだな…」

 

「問答無用…

砕け散れ…!!」

 

「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

何をされたのかはご想像にお任せします。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「なんと言うか…掃除って面倒だな…」

 

「そんなこと言ったら…ダメ…悪いのは…自分達…」

 

放課後、IS学園1年4組の教室。

今私と希の二人で教室の掃除中。

遅刻ギリギリだった私(理由は想像に任せる)をISを展開して4組まで希が運んでくれた。

そこまではよかったのだが教室には既にマクグリフ先生とムウさんがいて、ISの無断展開の罰として教室の掃除をしているわけである。

なぜ希も4組の掃除をしているのかというと1組の掃除は既に先客がいるそうで希をこっちに派遣した方がバランスがとれるらしい。

 

「結局キラ達も1組に行っちゃったね…」

 

「朝から悲鳴が絶えなかった…耳が取れそうッスよ」

 

希と掃除をしながら他愛もない会話を交わす。

しかし私には一つの作戦を練っていた。

それは週末の日曜に希を買い物に誘う事である。

顔もよく気さくな性格な友達には女友達がなかなか多い。

そんな中で自分がいち早く希を誘い、今以上に仲良くなろうという作戦である。

そんなことを考えていると…

 

「なあ簪」

 

「ひゃい!?」

 

「その机重くない?」

 

「へ?」

 

色々考え過ぎて適当に机を選んでいたのが原因だろう…

今自分が運んでいた机はステラの机で彼女の机の中にはありとあらゆる教材などが詰め込んであり本人曰く『デストロイ机~』だそうだ。

その机の重さに足を滑らせてしまう。

しかし私の背中は地面につくことはなく後ろから希によって支えられたいた。

 

「大丈夫か?」

 

「ひゃあ!?

だ、大丈夫だよ!!」

 

すぐさま希から離れ、机を運ぶ。

デストロイ机の攻略法は持つのではなく引きずるだ。

 

「やっと全部終わったね…」

 

きれいになった教室を見てつぶやく。

よし…希を買い物に―――

 

「なあ簪。

今度の日曜日空いてる?」

 

「う、うん…」

 

「じゃあ買い物行こうぜ!!

俺水着持ってなくてさ~」

 

「う、うん…」

 

希から誘ってきた!?

ま、まぁ…予測の範囲内…かな…?

 

「じゃあ、集合時間とかは追って連絡するからよろしく!!

帰ろうぜ!!」

 

「う、うん…///」

 

さっきからテンパって反応が淡白になっている気がする…

 

「大丈夫か?

顔真っ赤だぞ?」

 

「だ、だから顔近いってぇぇぇぇ!!

ふぇ~~」

 

「か、簪!?

大丈夫か!?」

 

また希の急接近に耐えきれず…私は頭から蒸気を噴出し、気絶してしまった…




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
ドキ♡…なお買いもの

お楽しみに~
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