IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
「ここに簪と一緒に来るのは2回目だよな~」
「そ、そうだね…///」
週末の日曜日。
天気は快晴!!神様に感謝ぁ
4月の終わりに二人で行った駅前のショッピングモール『レゾナンス』へと向かって歩いている俺達。
なぜか妙に簪の顔が赤い…手を繋いでいるのが照れくさいのだろうか?
その途中で見覚えのある縦ロールとツインテールを見つける。
物陰に隠れているところから推測するに誰かを尾行しているようだ。
「ねえ…あれ手ぇ握ってない…?」
「握ってますわね…」
「何してんスか?」
「ストーキング…?」
鈴とセシリアが振り向く。
なんか目からハイライトが消えてて怖いんスけど…
「なんだ…希と簪か…
あれ…見てよ…」
鈴は一組の男女を指さす。
男の方は黒髪で女の方は長い金髪でそれを後ろでリボンを用いて束ねている。
しかし女の子の方は先ほどからきょろきょろとあたりを見回しており、妙に落ち着きがない。
「あれ一夏とシャルじゃん」
そう言えばこの間シャルが「一夏にもシャルって呼ばれたんだよ!!それに…『付き合ってくれ』とも言われたんだよ!!やったぜ!!」とかなんとか…超上機嫌で言ってたような気がする。
「手…繋いでるね…」
「繋いでるな」
「そっか、やっぱりそっか…
あたしの見間違いでもなく、白昼夢でもなく、ミラージュコロイドでもない…やっぱりそっか…
よし…殺そう!!」
鈴はぎらーんと犬歯を剥き出しにし右手に甲龍の装甲を部分展開し、衝撃砲のチャージを始める。
タイムラグはおよそ2秒というところだろう。
というか鈴はなぜミラージュコロイドを知っている!?
「義兄さん!!
なぜここに?」
「おお、ラウラか」
「「!?」」
突然のラウラ登場に驚く鈴とセシリア。
先日ボコボコにされた相手に警戒心を持たない人間など早々いない。
「まあまあそう警戒しなさんな
ラウラはもう意味もなく誰かを傷つけたりしないッスよ」
「義兄さんの言うとおりだ。
今のところお前たちに危害を加えるつもりはない」
「希さんが言うなら大丈夫ですわね…
ってラウラさん!?
どちらへ行かれますの!?」
「嫁の一団に混ざる。
それだけだが何か?」
「俺らは別に用事があるから先行ってるッスよ」
「じゃあね…」
適当に話を切り上げて本来の目的に戻る俺達。
ぶっちゃけあいつらに関わるとロクなことにならなそうだ…
◇ ◇ ◇
「じゃあ先に自分の水着選んでくるから。
俺の買い物が終わったらそっち行くからそれまで待ってほしいッス」
「わかった…」
簪と俺は別々の方向に向かって歩き出す。
そこから男物の水着の売り場までそう時間はかからなかった。
「ほえ~」
店の中に入って思わず声を上げてしまった。
水着を一人で買うということを生まれてこのかたやったことがない(水着が必要な時は親やセレーネに適当に選んでもらっていた)上興味がなかったのでこのような店に入るのは初めてだろう。
その上今は女尊男卑の時代だ。
必然的に男物の服などのコーナーは縮小している店も多くはない。
そんな中でもこの店にはざっと50種類以上の男物の水着がある。
その中から俺は自分の気に入ったものを探し出そうと店内を歩き回る。
「!?
こ…これは…!?」
見つけてしまった…気に入った水着を…!!
最後の一着のそれに手を伸ばす。
すると横から伸びてきた手と重なる。
「「ん?」」
隣にいた男と目が合う。
赤い長髪で頭に巻かれたバンダナが特徴的である。
「弾!!
2年振りッスね!!」
「やっぱり希か!!
久し振り!!」
彼は五反田弾。
俺の中学時代の友達であり、フランスに行っていた時にはよくメールで話をする仲だった。
現在も定期的にメールのやり取りをしており日ごろから「女の園への招待券をくれ」とかほざいてる。
彼の実家は食堂を営んでおり、ここの『業火野菜炒め定食』は結構うまい。
そしてこの店の大将を務める弾の祖父、五反田厳さんは80歳を過ぎてもなお現役、さらには中華鍋を1度に2つ振るうその剛腕から生まれる拳骨は千冬さんのそれに負けず劣らずすさまじい威力を誇っている。
「ところでさ…
水着…俺に譲ってくれないッスかねぇ…?」
「なんで?」
「来週から臨海学校があってだな…それで着る水着を持ってないんスよ…」
「そっか…セレーネさん千冬さんも忙しくてそれどころじゃないんだっけ…
わかった!!これはお前に譲ろう!!
そのかわり、女の園への招待券をYO☆KO☆SE!!」
「すぐにとは言わないならあげるッスよ…」
「やっぱそうだよなぁ…
ってええ!?
マジで!?」
思っていた返答と違っていたのかノリツッコミみたいな反応を取る弾。
「昔から俺は嘘だけは言わん。
9月に行われる学園祭に知り合いを一人だけ招待出来るチケットが配布されるらしいんスよ。
その時でいいなら―――」
「構わん!!
寧ろ大歓迎だ!!
ありがとう!!俺はお前のような友達を持ったことを誇りにおもう!!」
ちなみにこの情報は本当である。
このあいだ楯無さんとお話した時にうっかりこのことを話してしまったのだが、なんと返答はあるとのこと。
冗談半分で言ったため本当の事を知って思わず叫んでしまった。
「じゃあ会計行ってくる。
人を待たせてるんでな」
「ふ~ん
集合場所は?」
「女物の水着売り場だ」
「ちょうどいい。
蘭もそっちで水着選んでるとこなんだよ
一緒に行こうぜ」
「本音は?」
「IS学園の女の子を見てみたい―――ハッ!?」
「まあそんなことだろうとは思ってたけどね…」
水着を買った俺は店を出て、弾と共に簪のいる女物の水着売り場へと向かう。
「こっちもすっげ~な~
簪~蘭~どこだ~?」
「流石女尊男卑の時代…
ぱっと見100種類くらいあんじゃねえの?」
「あ…希…」
「お兄…と希さん!?」
簪と蘭がこっちに近づいてくる。
「簪は水着決まったか?」
「普通に話進めんじゃねえよ!!」
「うっせえな弾…なに?」
「お前には用はない!!
ところでお譲さん。
お名前は?」
「さ、更識…簪…」
若干引き気味で弾の質問に返答する簪。
がっつきすぎは嫌われるぞ~
「お兄!!
現実を見なさい!!」
「やめろって弾…
簪ドン引きだから…」
「す…すみません…
にしてもあれだな…IS学園の女子のレベルハンパないな」
「よかったな簪。
褒められてるじゃん」
「……///」
顔を赤らめる簪。
やっぱり女の子は可愛いと言われるのが嬉しいんだろうか?
「うわあああ!?」
「ん?
なんか今一夏の声が聞こえたような…」
「さっき見たよ。
女の子と手ぇ繋いでた」
コクコクと頷く簪。
そして弾は握りこぶしをつくり叫ぶ。
「あんの民間人がぁ!!
もう許さん!!
俺の…俺の敵は何処だぁ!?」
「すぐそこに居る…」
辺りを見回す五反田兄弟。
しかし当然のことながら一夏の姿は確認できない。
「あの…簪さん?
何処にもいないですけど…」
「居るよ~
会うよね?」
俺と簪は一夏がいる方向へと自分の勘を頼りに歩く。
その後ろを弾と蘭もついてくるが頭にははてなマークが沢山浮いている。
その途中で千冬さんと山田先生と出会う。
「む
五反田兄弟か。
久しいな」
「こんにちは星村くん、更識さん
そちらの方は?」
「俺の友達の弾と蘭ッス。
ところで先生たちも水着を?」
「せ、先生!?
さすがはIS学園…先生のレベルもハンパない…」
「水着か…まあそんなところだな。
まさかお前達も気付いたのか?」
「はい」
「気付く?
なにかあったのか希?」
そう言って目の前の試着室のカーテンに手をかける俺。
「の、希さん!?
なにを!?」
シャッ
「な!?」
「ふぇ!?」
「お、織斑くん!?デュノアさん!?」
「い、一夏さん!?」
やせいの
のぞみはどうする?
たたかう
てんかい
おどる
→あきれる
およぐ
「「「やっぱり…この馬鹿は…」」」
俺と簪、そして千冬さんの声が重なる。
ていうかさ…
「鈴達も出てこいよ
もう俺と簪に千冬さんも気付いてるッスよ」
「そ、そろそろ出てこようと思っていましたわ」
「タイミングを…ってなんで弾と蘭が居るのよ!?」
「げぇ!?鈴!!」
めんどうごとをふやしてしまった!!
のぞみはどうする?
たたかう
→ひっそりとにげる
てんかい
たべる
あおまほう
「おとなしく別のとこ行くか…」
「うん…そうだね…」
俺と簪は他の人達に気付かれないように水着売り場を立ち去った。
◇ ◇ ◇
「ふひ~
なんだかつかれたな~」
「精神的な意味で…?」
「うん」
色々歩き回って午後3時頃。
簪がどうしても行きたいと言ったので今俺達はカフェ『デュランダル』にて休憩中。
俺はコーヒーを、簪はアイスカフェラテを飲んでいる。
「でもまさかあなたに会えるとは思っていませんでしたよ
「議長はよしてくれ。
今の私はただの喫茶店のマスター、ギルバート・デュランダルだ。
それ以上でもそれ以下でもないよ」
カウンターに立っている長髪の男性が言う。
彼はC.E.74年のメサイア攻防戦において死んだはずの元プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルさんその人だった。
店の奥にはミネルバの元艦長のタリア・グラディスさんがコーヒーカップを洗っており、そしてテーブルでレジェンドのパイロットレイ・ザ・バレルが注文を受けていた。
「ギル。
コーヒーの注文が入りました」
「わかった。
ありがとうレイ」
「どうなってんだこの店?
異世界人だらけじゃねえか…」
「じゃあ名前も「異世界人の居る店『デュランダル』に変えてみる?」
「客足が遠退いてしまうよタリア…」
「冗談でもそれやったらヤバいッスよ…」
「あら
冗談で言ったんじゃないんだけど」
「「……」」
「待たせたなノゾミ。
注文のプリン二つだ」
「お。
サンキューレイ」
「そういえば君はこの前も来てくれたね。
この間のお友達は一緒じゃないのかい?」
「空ちゃんと一夏は今日はいないの…」
「そうかそうか
この店の品が気に入ってくれたらまた是非来てくれ欲しいと伝えて欲しい。
美味しいプリンとコーヒーを準備して待っているとね」
「ちゃっかり常連客獲得に動かないで下さいよ。
……にしてもこれ美味いな…」
俺が感想を呟くと店のドアが開く。
「いらっしゃいませ…」
「お久しぶりですマスター」
「あれ~?
ほしむーとかんちゃんだ~」
「希くんに簪ちゃんじゃない!!
あなた達もプリン食べに来たの?」
店に入ってきたのはIS学園の生徒会3人娘こと楯無さんと虚さんと本音だった。
ギルバートさんとの会話から察するにこの店の常連らしい。
「久しぶりだね楯無」
「なかなか来れなくてごめんなさいねギル」
「名前で呼び合う関係だと…!?」
「実はね…この3人には昔更識の仕事を手伝ってもらったのよ。
それでいろいろお世話になったから暗部の仕事から足を洗った後にお店を開くって言うから更識の家で資金援助をしたってわけ。
それにこのお店のプリンすっごくおいしいから息抜きとかによく来てるってのよ」
「…簪は知ってたのか?」
「うん…」
「じゃあ…さっきの常連獲得のあれは…嘘…?」
「うん…」
簪がそう答えると店の奥からレイが「ドッキリ大成功」と書かれたプラカードを持って出てくる。
ていうかさ…
「一体何のためのドッキリだよ!?」
「暇を持て余した」
「更識の」
「「「「「「「遊び」」」」」」」
「やかましいわ!!」
俺たち以外に人が居なくなった店内に俺の魂のシャウトが響き渡る。
あれ?
何時の間に居なくなった?
「まあ取り敢えず3人もゆっくりしていってくれ。
外は熱いだろう?」
「お言葉に甘えさせていただくわ。
レイくん、いつもの3人前お願い」
「わかった」
レイが厨房へと戻っていく。
そんななかギルバートさんが口を開く。
「しかし…なぜ君がこの世界に居るんだ?
君は犬死するほど弱くはないだろう?」
「まあ…色々あったんですよ…色々ね…
ところで、シンが何処に居るか知りません?
たぶんアイツもこの世界に来ていると思うんですけど」
「知らないな…きっと知っていたら保護しているだろう」
「ですよね…ありがとうございます」
◇ ◇ ◇
「いや~
ほんとにおいしかったッス!!
また来ますよ!!今度はキラとかアスランも誘ってね!!」
「賑やかになるのは嬉しい限りだ。
是非来てくれ」
時間が過ぎて午後5:30。
このままだと門限に間に合わなくなるのでなくなく帰ることにした。
「ありがとうございました」
「またね~」
「また来るわギル、レイ、タリア」
「また来ます…」
「ノゾミ。
ちょっといいか?」
「ん?
なに?」
俺達が帰ろうとするとレイが俺に話しかけてくる。
「今度臨海学校があると言ったな」
「うん。
それが?」
「気をつけろ…
何か嫌な予感がする…」
「そうなのか?
シン曰くお前がそう言うこという時は大抵当たるらしいッスからね…」
「忠告はしたからな
それじゃあ、元気でな」
「おう!!
また来るからな~」
レイに手を振りその場を後にする。
レイの言ったことが本当の事にならないことを祈りながら俺は小走りで楯無さんたちを追いかけて行った。
誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。
次回
やつの登場はクレーターと共に
お楽しみに~