IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-25 やつの登場はクレーターと共に

「海見えたぁ!!」

 

バスの中に女の子の声が響き渡り俺は目を覚ます。

臨海学校で海に来た俺達、IS学園1年生一同。

車内を見回すとみんながみんなバスの窓の外を見ている。

 

「やっぱり海ってのも悪くないね~

はいウノ」

 

「地球の海では散々戦ったけど、遊ぶのは久しぶりだよね

はい、上がり」

 

「オーブの海も結構奇麗だがこっちもなかなか…

俺も上がりだ」

 

「子供たちと遊んでいたのが懐かしいですわ

わたくしも上がりですわ」

 

「仲の良い友達と海を見ながらウノってのも悪くないな

お、私も上がりだ」

 

「なんでみんなそんなに早いんだ!?」

 

キラ達にしては珍しく食い入るように外を凝視している。

しかしその手にはウノのカードが握られており、現在進行形でやっている。

残りは一夏と空だけである。

 

「よし!!

ボクもあーがりっと!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

「一夏って昔っからカードゲーム弱かったけど今も健在ッスね」

 

「「「「「罰ゲーム!!罰ゲーム!!」」」」」

 

キラ達が手拍子をしながら一夏に詰め寄る。

 

「全員席に着け。

そろそろ宿に着くぞ」

 

「「「「「「「「はい!!」」」」」」」

 

立ち歩いていたり、補助席に座っていた他の生徒はすぐさま自分の席に着く。

千冬さんの教師スキルの凄さが垣間見えた瞬間であった。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「いいいいぃぃぃぃやっほぉう!!」

 

「うっせぇぞレオス」

 

「しょうがないよ…

レオスって海はじめてみたいだし…」

 

「そうなんスか?」

 

「おう!!

海の面白さ、学ばせてもらう!!」

 

とある海岸。

旅館の女将さんとの挨拶を終え、部屋に荷物を置き海岸に出てきた俺達。

ちなみに俺の同室の人間は簪だ。

手出したらダメよってセレーネにめっちゃ睨まれたなぁ…

そして今会話したのはレオスと簪だ。

レオスはエクストリームを意識したのか白、赤の水着、そして簪は水色を基調にしたセパレートタイプの水着。

うん、二人とも似合ってる。

ちなみに俺は黒を基調にし、そこに黄色いラインが左右に一本ずつ入っているシンプルなデザイン。

よく言うでしょ?シンプルイズベストって。

 

「わ~ほしむーだ~」

 

「結構鍛えてるね~」

 

更衣室から同じクラスの相川さんと本音が出てくる。

しかし、なぜか本音はキツネ(?)の着ぐるみを着ている。

しっかりキツネ耳のカチューシャもセットだ。

 

「本音…暑くないの…?」

 

「全然あ――ふにゃあ!?」

 

簪が質問すると突然本音の脇から腕が伸びてきて本音の胸をしっかりと鷲掴みにする。

 

「ほほ~

案外本音ちゃんっておっきいんだね~」

 

「ほ、ほっしー!?

や、やめてよ~」

 

「おい変態淑女()

あんまり度が過ぎたことすると虚さんにチクるぞ」

 

「に、兄さん!!

お願い!!虚姉に言うのだけはやめて!!」

 

涙目で懇願する空。

余程虚さんが怖いのだろう。

ちなみに空は黄色と白のビキニタイプの水着を着ている。

 

「きゃぁぁぁ!?」

 

「ぐっはぁ!?」

 

セシリアの叫び声と共に一夏が盛大に海へと飛んでいく。

なにをしたのかは…気にしない方がいいだろう…余計な詮索をしてセシリアにキレられても困る。

 

「お~い!!」

 

「おうシャルか…ってなんだそのミイラ!?」

 

「そ、その声は義兄さん!?」

 

「ラウラか…びっくりさせないでよぉ…もう…」

 

ミイラ―もといバスタオル系義妹ラウラは何が恥ずかしいのか知らないがなぜか全身をバスタオルで覆っていた。

 

「お、シャルと…って誰だ…お前…?」

 

海からあがってきた一夏がシャルに声をかける。

先ほど鈴が溺れたっぽいが鷹月さんとセシリアに引きずられながらぎゃあぎゃあと喚いているので心配は無用だろう。

 

「ほら。

出てきなって、だいじょぶだから」

 

「だ、大丈夫かどうかは私が決める」

 

一夏はやっと正体に気付いたのか「ああ」とつぶやく。

 

「さっさとしないと先に遊びに行っちゃうッスよ~」

 

「だってさ」

 

「ま、待ってくれ義兄さん、私も行くぞ!!」

 

「そのかっこじゃ海の藻屑になっちまうぞ?」

 

「え、ええい!!

脱げばいいのだろう、脱げば!!」

 

ラウラが身にまとっていた白いバスタオルをパージする。

その下から顔を出したのはレースをふんだんにあしらった黒い水着だった。

髪型もいつものものから左右で対になっているアップテールに変っていた。

 

「いいじゃん!!

可愛いッスよ!!」

 

「流石ボクの義妹!!

なにを着せても似合うねぇ!!」

 

「か…可愛い…」

 

「よ、嫁はどうだ?」

 

「最初は驚いたけどすっげぇ似合ってる!!」

 

「社交辞令はいらん…」

 

「お世辞抜きで似合ってるって

可愛いぞ」

 

「か…可愛い…」

 

一夏に褒められて頬を染めるラウラ。

好きな人に可愛いって言われるのってうれしいよなそりゃあ。

 

「おっりむらくーん!!」

 

「織斑くんも星村くんも約束のビーチバレーしよ!!」

 

「ほしむー&おりむーと対戦!!

ばきゅんばきゅん!!」

 

「俺と希に…簪も混ぜてちょうど3対3だな」

 

「そうッスね

やるか簪!!」

 

「うん…!!」

 

即席で作られたと思われるコートの案内され、構える。

ボールを持っているのは同じクラスの櫛灘さんだ。

 

「ふっふっふ…7月のサマーデビルと呼ばれた私の実力を見ろ!!」

 

いきなりのジャンピングサービス。

ぶっちゃけ普通に選手にも通用しそうなレベルの威力だ。

 

「俺に任せとけっての!!」

 

そのサーブをネット前に優しくレシーブする俺。

案外こういうの得意なんだよね~

 

「一夏…」

 

「了解!!」

 

簪のトスに一夏がタイミングよく腕を振りなかなかの威力のスパイクが放たれる。

 

「え!?うぅ!!えい!!」

 

それは本音の方へ吸い込まれるように飛んでいく。

本音は腕を突き出しそれが偶然ボールに当たりいい感じのレシーブになる。

 

「やったぁ!!」

 

「えい!!」

 

もう一人の女の子がスパイクを放つ。

しかしそれは大きくアウト。

でも…

 

「ラウラ!!あぶねぇ!!」

 

「むきゅう!?」

 

顔面にめり込むバレーボール。

そのままラウラは仰向けに倒れてしまう。

 

「私が…可愛い…」

 

「引きずりすぎ…」

 

「大丈夫かラウラ?」

 

すぐさま俺達はラウラに駆け寄り心配した一夏はラウラに声をかける。

しかし…

 

「うぅっ…うわぁぁぁぁ!!」

 

「な!?

何処行くんだよラウラ!?」

 

恥ずかしさのあまりどこかへ走り去ってしまった。

 

「うわ~織斑先生モデルみたい!!」

 

「マクグリフ先生もきれ~!!」

 

周囲の女子達が先生の登場にざわざわし始める。

 

「ビーチバレーか」

 

「楽しそうね。

私達も混ざっていい?」

 

「じゃあ俺と簪が変わるッス。

あいた分は…シャル!!埋めといて!!

簪、レオスとスイカ割りやろうぜ!!」

 

「うん…」

 

「織斑先生もどうぞ。

私が変わるんで」

 

「わかった。

勝負だ、セレーネ」

 

「望むところよ!!」

 

…………………

 

「レオスー

スイカ割りの準備は?」

 

「出来てるぜ!!」

 

右手に木刀を左手にスイカを持ったレオスが待っていた。

ちなみに木刀は箒から借り、スイカは海の家で買ったものらしい。

 

「じゃあ始めるか。

最初は俺から」

 

「ほれ」

 

レオスから木刀を受け取り、スイカの前に立つ。

そして木刀を振りかぶり…

 

「それ!!」

 

思いっきり振り下ろす。

しかし…

 

「割れない…だと…!?」

 

「つ、次…私…」

 

簪に木刀を渡す。

 

「えい!!」

 

簪もかなりの力で叩くが割れない。

事実を認めたくないのか簪は絶え間なく木刀でガンガンと叩いている。

振るのが早すぎて見えねぇ…

 

「二人ともダメだな~

さぁてスクラップの時間だぜ!!」

 

簪から木刀を受け取りその途端レオスが大ジャンプ。

 

「チェストォォォォ!!」

 

ベキン

 

その勢いに乗った木刀はスイカに当たった瞬間根元から折れた。

ぽっきりと。箒になんて言おうか…

 

「ふんす!!フンス!!HU☆N☆SU!!」

 

スイカを持ち、ガンガンと地面に叩きつけるレオス。

しかし全然スイカは割れない。

 

「まだだ!!まだあきらめるわけにはいかない!!

ノゾミ!!」

 

俺にスイカを放り投げるレオス。

そのまま後ろに下がり、こちらにダッシュしてくる。

お前のやりたいことが分かったぜ!!

 

「そぉい!!」

 

俺が上に向かってスイカを投げるとレオスがジャンプ。

レオスは空中でスイカをキャッチし大きく振りかぶる。

 

「ぬぅあああああああ!!」

 

スイカを全身の力を込めて投げた。

背後にライオンのエフェクトが見えたような気がした。

どんどん速度を上げるスイカ。

しかしその行き先には黒髪の少年が立っていた。

 

「うわ!!

そこの人、避けて~!!」

 

「え?

うっうわあああああ!?」

 

ボカーン

 

こちらの声に気付いたのか少年は振り向く。

しかしもう遅かった…少年の顔面にスイカが激突。

そのまま地面に突っ込み、砂埃が舞う。

すぐさま着弾点に走り、少年の安否を確認する。

 

「お~い!!

大丈夫か~?」

 

「シン!?

大丈夫!?しっかりしなさいよ!!」

 

俺達の後ろから猛ダッシュで赤髪の少女が少年に駆け寄る。

ちなみに衣服はザフトの士官学校にて成績上位者にのみ着ることが許された赤い制服を纏っていた。

砂埃が晴れるとクレーターが出来ており、その中心にはスイカに頭だけ下敷きになった少年が見えた。

よく見るとスイカ少年も赤い制服を纏っている。

 

「っていうかお前…ルナか?」

 

「その声は…ノゾミさん!?」

 

「ノゾミさんだって!?」

 

「意外と元気だね…」

 

少年は突然起き上がる。

その少年はザフトのスーパーエースと謳われたモビルスーツパイロット、シン・アスカだった。

さらにシンに駆け寄った少女はミネルバの紅一点ことルナマリア・ホークだ。

ちなみに彼らは絶賛交際中。

俺がこっちに来る2週間程前にD.S.S.Dの更衣室でキスしてるとこ見ちゃったというなんとも言えない気まずい思い出を作った張本人達である。

 

「こ…」

 

「どうしたの…」

 

「このスイカ、硬ぇ!?」

 

「「「少しはシン(俺)の心配をしてくれ!!」」」

 

とうとうキレたのかレオスはエクストリームの腕部装甲のみを展開し、一部を格闘進化形態へと移行、腕がシャイニングバンカーユニットに変貌を遂げる。

そしてスイカをわしづかみにして持ち上げる。

 

「極限全力ぅ!!

シャイニングゥゥゥ・バンカァァァァァァ!!」

 

「…ってまたかよぉぉぉぉ!?」

 

グシャ

 

腕がまばゆい光を放ちスイカが爆散…しなかった。

上に打ち上がり再びシンの頭に直撃。

頭が地面めり込む。

 

「ドンマイ」

 

というかこのスイカはナニで出来てんだ?

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「お~い

そろそろ飯の時間だから戻るぞ~」

 

「えい!!」

 

「海にゴミ捨てちゃアカンだろ…

それになに?そのやりきった感MAXの表情?」

 

夕方になりとうとう浜には俺と簪だけになった。

いい加減に戻んないとまずい…と思ったら簪が何かを海に投げる光景が目に入った。

 

「手紙…少しでも自分の気持ちに正直に生きてみようかなって…」

 

そう言えば昨日の夜になんか机に向かってたのはそのためか…

なにしてんだ?って聞いたら全力で逃げるから夜遅くまで走り回ったっけ…

 

「ボトルメールってのもなかなか粋なもんですねぇ

誰宛に書いたんだ?」

 

「ひ、秘密だよ!!」

 

「ふ~ん

ま、帰るッスよ!!」

 

「うん…

肩凝ってるからマッサージお願い…」

 

「了解ッス~」

 

そんなことを言いながら俺達は旅館への帰路へとついた。

しかしその時の俺は知る由もなかった。

夜は長いということを…




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
夜って案外長いッスねぇ…

お楽しみに~
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