IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-30 星彩の輝き

「あれが星彩の第二形態…星雨…」

 

旅館の作戦会議室…

ノゾミの撃墜の報告からは福音のモニタリングを始め、現在、専用機持ちのみなさんが撃墜されていく様子が見えていたなか…

現れたストライクフリーダムに似た機体それが福音を吹き飛ばした…

そしてその機体の操縦者はノゾミだった…

 

「クライン、星村兄とのコンタクトをはかれ」

 

「了解しましたわ。

ノゾミ!!こちらオペレーターのラクスです。

至急応答を願います!!」

 

通信機越しにノゾミに話しかける。

すると…

 

『ごめんごめん

こちら星村、どうしたんスか?』

 

「織斑先生からコンタクトを取れと…今かわりま―――」

 

その時、突然パァンという大きな音を立てて部屋のふすまが開いた。

そこには同じクラスの布仏さん、櫛灘さん、谷本さんが立っていた。

 

「「「織斑先生!!」」」

 

「入るな!!

まだ作戦中だぞ!!」

 

「で…でも…織斑くんが…」

 

「ふぇ…ふぇぇぇん…」

 

「あらあらあら

布仏さん、泣かないでくださいな

どうしましたの?」

 

「…えっとね…ひっく…おりむーがね…いなくなちゃったの…」

 

「私たちが様子を見に行ったらいなくなってたの…」

 

「きっと篠ノ之さん達を助けに行こうと…」

 

「わかりましたわ…後はわたくし達にお任せください。

さあ、3人ともお部屋に戻って」

 

「「わかった…」」

 

「まってクラりん…」

 

二人が立ち去ろうとする中、布仏さんが立ち止まりわたくしに声をかける…

…というよりクラりんとはわたくしの渾名なのでしょうか…

 

「おりむーも…ほしむーも…みんな無事に帰って来るよね…?」

 

「大丈夫ですわ。

ノゾミはとてもお強い方です。

簡単にはやられませんわ」

 

『心配すんな本音。

みんな無事に帰るからそれまでおとなしく部屋で待っててくれ。

学園に戻ったらプリン作ってやるからさ』

 

「わかった…」

 

そういって3人揃って部屋へと戻っていった。

 

「織斑先生、織斑くんはどうしますか?」

 

「クライン、ヤマト、ザラ、アスカをここに呼べ、3人に織斑を連れ戻させる」

 

『その必要はない』

 

突然通信機から響いてくる声。

しかしそれは希のものでも、一夏のものでも、はたまたレオスのものでもなかった。

 

「誰だ?」

 

『自己紹介が遅れたな。

僕は地球連邦軍外郭新興部隊ロンド・ベルMS部隊隊長のアムロ・レイ大尉だ。

今は更識家17代目当主、更識楯無の名の元、本作戦に参加させて貰っている』

 

『アムロさんがいればたぶん大丈夫ッス

俺の星彩も空のクラウ・ソラスも第二形態移行したんスよ。

だから心配は無用ッス』

 

『だからラクスちゃん達もみんなでウ●でもしながらのんびりしててよ』

 

ブツンと通信が途切れる。

 

「星村さん!!

応答してください!!」

 

山田先生がインカムに向かって声を張り上げる。

 

「大丈夫ですわ…ノゾミも…空さんも…みなさん何事もなく帰ってきますわ…

織斑先生、空さんに言われたように部屋でキラ達とウ●でもしていますわ」

 

「ふっ…好きにしろ」

 

そう言ってわたくしは部屋を出る。

そのまま小走りでキラのいる部屋へ向かった。

ポケットに入っているウ●を手にして。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「大丈夫スか?」

 

福音を吹き飛ばした後簪に声をかける。

 

「ああっ…うううっ…」

 

「泣いてるんスか?

やっぱりどこか怪我でも…」

 

「ううん…

希が…ちゃんと帰って来てくれて…嬉しいの…」

 

「…ありがとう」

 

「え…?」

 

「次が来る!!」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

アムロさんの言うとおり福音がスラスターを吹かせぐるりと回転。

光弾による全方位攻撃を見舞いに来た。

迫りくる光弾の豪雨。

しかし…

 

「させない!!

行け!!アラスファンネル!!」

 

「フィンファンネル!!」

 

「…お願い!!ホルスタービット!!」

 

俺とアムロさんはファンネルでバリアを形成、俺は簪を、アムロさんは箒をその中に入れて攻撃をしのぐ。

そして空は背中のビットを射出、それを壁のように配置して自分とレオスを光弾から守った。

 

「反撃開始!!

行くぞ簪!!」

 

「うん!!」

 

俺は近接武器のリストを開き、福音に接近しながら武器を選択する。

しかし、そこには壊れたはずの刀の名前があった。

 

『クライムとペナルティの修復が難しかったので二つを一つにしてようやく修復できました。

新しい名前は『クライム&ペナルティ』です』

 

「了解!!

一本だけでも助かる!」

 

俺は右手にクライム&ペナルティを、左手にフラタニティを展開。

二本の剣を携えて福音を肉薄する。

 

「食らえぇ!!」

 

俺は福音を横を通る際に一太刀入れる。

福音の装甲に傷が付き、俺が通り過ぎた後には水でできた球体が並んでいた。

 

「弾けろ!!」

 

俺がそう言った途端水の玉が一気に爆発する。

そして…

 

「逃がさない!!」

 

簪によるミサイルと荷電粒子砲の嵐。

福音は間一髪でそれを避ける。

しかしその先には空が居た。

 

「今度はボクの番だよ!!

行け!!ライフルビット!!」

 

先ほど福音の攻撃から身を守ったビットを再び射出。

その12枚の板から黒いライフルのようなビットが出てくる。

そしてそのビットが砲撃を開始。

福音を取り囲みビームを乱れ撃つ。

そして極めつけは…

 

「この前は外したけど今回はそうはいかない!!

アトモスト・クラウ・ソラス・バースト(史上最大の攻撃ぃー)!!」

 

空愛用のビームキャノン、『クレイヴ・ソリッシュ』とホルスタービットとライフルビットによる砲撃。

計16本の光が福音に突き刺さり福音の周りに黒煙が立ち込める…

 

「終わったのか…?」

 

「ああ…これで…」

 

アムロさんが終わりだと言いかけたその時だった…

 

『全テヲ憚ル哀絶ノ翼…』

 

黒煙の中からまばゆい光が放たれる。

その衝撃で煙は晴れ、福音の姿があらわになる。

 

「どういう…事だ…?」

 

「この感じ…青いエクストリームのパイロット…!?」

 

先ほど与えたダメージが全て回復しているのだ…

しかしそれ以上に俺は福音にまるで憑依しているかのような新たな敵に驚きが隠せない…

しかもそれが母親達を死に追いやった青いエクストリームのパイロットの雰囲気に酷似しているのだ…

 

『羽バタケ…翼ヨ…』

 

無機質な機械音声が聞こえた瞬間、なんの動作も行わずに福音が全方位攻撃を行った。

先ほどのように全員でガードする。

しかし…

 

「先ほどよりも出力が上がっている!?」

 

ファンネルのバリアが数発当たっただけで貫かれる。

 

「簪!!

俺の後ろに!!」

 

「う、うん!!」

 

「僕の後ろに居てくれ!!」

 

「わかりました!!」

 

「レオス、下がって!!」

 

「わかった」

 

数発当たっただけで相当な量のシールドエネルギーが削られる。

 

「ぐう!!

なんてパワーなんだよ!?」

 

「かはっ!!」

 

「ぬうぅ」

 

みるみるうちに削られていくエネルギー…これが尽きてしまえば俺達に待っているのは死のみだ。

満身創痍の状態でもまだ機体の姿勢制御が出来るだけの体力は残っている…

 

『モウイイ、休メ。

終ワリヲ受ケ入レヨ!!』

 

再び聞こえてくる機械音声…

でも…ここで諦めるわけにはいかない…

 

「まだ…休むわけにはいかない…

ここからが本番ッス!!」

 

「無理だ…」

 

箒が俺に応える。

しかしその声はとても弱弱しいものだった

 

「絶対に勝てるわけがない…

これが…絶望か…」

 

「まだだ…

まだ諦めるわけにはいかない!!

…それに…希望はまだある!!」

 

『コノ期ニ及ンデモマダ希望ヲ捨テラレントハ…

希望ヲ謳イ、絶望ニ散レ!!』

 

福音は翼をいっぱいに広げ、そこから光弾を発射する。

先ほどの全方位射撃とは違い、収束されたそれはさながらビームのようだ。

そしてそれは箒へと飛んでいく。

 

「箒!!」

 

ファンネルバリアを箒に展開しようとするが自分のいる場所から相当離れているため間に合わない…

光の束が箒にぶつかり爆散。

黒煙を上げる…

しかし黒煙の中から声が聞こえてきた…

 

「やらせねぇ…」

 

声…箒のものではない男の声…それは10年前に知り合った男の声だった…

 

「俺の仲間は絶対にやらせねぇ!!」

 

「一夏!!」

 

黒煙が晴れ、紅と白の二機が姿を現す。

片方は箒の紅椿、もう片方は一夏の白式なのだが少し見た目が変わっていた。

 

「一夏…一夏なのだな…」

 

「おう

心配掛けたなみんな」

 

「し、心配など…」

 

箒が嬉しさのあまり涙ぐむ…

言ってることとやってることが真逆なんだけど…

でも、一夏はポニーテールではない箒の髪型が気になっている様子だ。

 

「ちょうど良かったかもな

これ、やるよ」

 

「え…?」

 

一夏が箒に差し出したのは…

 

「リボン…?」

 

「誕生日、おめでとうな」

 

「あっ…」

 

そう言えば…今日は箒の誕生日だったっけ…

 

「それ、せっかくだし使えよ」

 

「あ、ああ」

 

「それじゃあ行ってくる

箒はここで待ってろ」

 

「私は…まだ…」

 

「心配すんな

絶対に勝って戻ってくるから

それに紅椿のエネルギーもかなり少ないだろ?」

 

「……わかった…

絶対に勝って帰って来るんだぞ」

 

「了解!!」

 

そう言って一夏は俺達の方へと向かってくる。

 

「行けるか?」

 

「問題ない!!

さあ福音、再戦と行くか!!」

 

そう言ってこちらに接近してきた福音に斬りこむ一夏。

 

「俺達も行くか…

セシア、星火燎原起動」

 

『了解です!!』

 

そう言って俺は両の拳をガチンと合わせ、火花が起きる。

するとそれに引火するように俺の量の拳に青い光が灯る。

 

「それは…?」

 

「さっき理解したんだ…これが星火燎原の本質らしいんだ」

 

星火燎原の本質…それは『星が煌くほどの小さい炎』だ。

俺のイメージ通りの形にこの青い光を変形させることが可能らしい。

最初は無意識にクライムを使うときは「沢山の刀が欲しい」と思い、フラタニティを使うときは無意識にボールをイメージ(これのモチーフが2500年くらい前のブリッツボールというスポーツの選手が魔物退治に利用していた剣であるため)してたらしい。

つまり意識的にイメージすればこのように拳に纏わせることも可能なわけである。

 

「男は拳で全てを語るってね…

行くぞ!!」

 

俺は背部にアームド・アーマーDE、XCを展開。

スラスターを全開にして福音に近づく。

そして自分の間合いに入るが否や福音の顔面をぶん殴る。

殴られた勢いで福音は少し後ろに飛ばされるがスラスターを制御して体勢を立て直した。

 

「一夏、一気に行くぞ!!」

 

「おう!!」

 

俺が福音を肉薄し格闘戦に持っていく。

拳や足を使い攻撃するが福音もそれに反応し受け止める。

一夏による荷電粒子砲の援護によって距離を取られるが…

 

「…ボクもホンキモードで行くよ!!

単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)弾丸豪雨(バレット・スコール)』起動!!

追加パッケージ『ロード・オブ・アームズ』展開!!

行くよかんちゃん!!」

 

「うん!!」

 

空の機体にガトリングやミサイルポッドが展開される。

その無骨ながら洗練された姿はフルアーマーユニコーンのようにも見える。

 

「弾切れを気にする必要はないってね!!

兄さん、一夏!!

隙作って!!」

 

「おーまかせってね!!」

 

「僕達も行くぞ

いいなレオス・アロイ」

 

「わかりました

極限進化!!

未来を守ろう!!アイオスフェース!!」

 

「「行け!!ファンネル!!」」

 

俺達の攻撃にアムロさんとレオスも加わる。

そして連続した攻撃に福音がようやくよろめく。

その隙を逃がさず俺は両の掌からアンカーランチャーを射出。

それを福音に巻き付け振り子の要領で振り回し真上に放り投げる。

 

「空、簪!!」

 

「わかってる!!」

 

「当たれぇぇぇ!!」

 

数多のミサイルとビームが福音に降り注ぐ…

三度黒煙が福音を覆う。

しかし…

 

『ドウシタ?

モウオ終イカ?ダカラ変エラレンノダ…過去モ…未来モ…』

 

「これでもまだ…終わらないのか…」

 

『希望ヲ散ラセ!!』

 

再び行われる全方位攻撃…

各々がガードするものの防ぎきれなかったものが装甲に突き刺さり爆ぜる。

 

「エネルギーがっ!?

速すぎるだろ!?」

 

砲撃が終わると一夏が叫ぶ。

このままでは…まずいな…非常に…まずい…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「一夏…希…空…簪…レオス…」

 

戦いの様子を見ながら私は呟く…

紅椿のエネルギーはもう切れかけ、今は展開状態を維持するのでやっとである。

そんな自分が情けない…ただただみんなが…仲間が傷つくのを見ているだけなんて…

 

「私も…一夏の…希の…みんなの力になりたい…」

 

確かに今の自分にはなんの力もない…

それでも…私は共に戦いたい…あの人達の背中を…守りたい…

その時だった…

突如紅椿の展開装甲の紅い光に交じって金色の粒子が機体を包む…

ハイパーセンサーの機体エネルギーのメーターが急激に回復する。

そしてハイパーセンサーに「単一仕様能力『絢爛舞踏』発現」と表示される。

 

「応えてくれるのか…私の思いに…

なら…」

 

私は一夏から貰ったリボンで髪をキュッと縛り福音を見つめる。

 

「行くぞ!!」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「やばい…

エネルギー残量が…」

 

福音の攻撃をいなしながら一夏が呟く。

白式は第二形態移行しても燃費のほうは相変わらずで寧ろ悪化したようだ。

 

「一夏!!」

 

「箒!?ダメージは―――」

 

「心配はいらん!!

それよりもこれを受け取れ!!」

 

箒の手が白式の装甲に触れる…

 

「なんだ!?

エネルギーが回復していく…」

 

「今は気にするな!!

行くぞ!!」

 

「了解!!」

 

再び雪片弐型に光の刃が灯る。

それを構え福音に突撃していく。

 

「うおおおおおお!!」

 

福音は翼で自分を包み攻撃を防ごうとするも零落白夜によって切り裂かれ、後ろへと吹き飛ぶ…

 

「くっ

すこし浅かったか!?」

 

「後は俺に任せとけっつの!!」

 

俺は青い光の灯ったを構え瞬時加速で福音を肉薄する。

 

「こいつでとどめだあああああ!!」

 

右の拳を福音に向かって突き出す。

拳を当て、そのままスラスターを吹かせ近くにあった岩へと叩きつける。

 

『極限ノ絶望ハ始マッタバカリダ…

恐レ…慄…ケ……』

 

頭部のバイザーから光が失われようやく動きが止まる福音…

すると…

 

「え?」

 

「ん?」

 

「お?」

 

「へ?」

 

「は?」

 

「ほえ?」

 

俺達6人のISが一斉に解除される。

 

「「「「「「なんでぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」

 

そのまま海へと落下する…

そこには福音によって墜とされた鈴達もいた。

 

「鈴?

だいじょぶスか?」

 

「大丈夫…

これでも代表候補生だもの」

 

他のみんなも無事のようでなによりである。

でも…ISが展開できない状態で旅館まで戻るのは酷である…どうしようか…

そんななか、オープンチャンネルで誰かが呼び掛けてくる。

 

『こちらはオーブ軍第二宇宙艦隊所属艦、アークエンジェル艦長のマリュー・ラミアスです。

そこのISパイロットの方々、聞こえたら応答願います』

 

「こちらはIS学園所属、星村希ッス

久しぶりッスねマリューさん」

 

『あなたノゾミくん?

どうしてここに?』

 

「事情は後で話します。

取り敢えず旅館まで送ってくれないッスかね?」

 

『わかったわ

浮上!!』

 

ぷつんと回線が切れる。

 

「今のは…?」

 

「う~ん…潜水艦がタクシーの代わりしてくれんのかな?

たぶんお代は要らないと思うッスけど」

 

すると俺達はなにかに乗っかって水中からどんどん空へと近づいて行く。

 

「え!?

なにこれ!?」

 

「戦艦かなにかか…?」

 

「これに乗って旅館まで帰ります」

 

「「「「「「「「マジで!?」」」」」」」」

 

「マジで」

 

俺以外の全員が異口同音に驚いた。

楯無さんがいたらきっと扇子には「驚愕」と書かれているだろう…

取り敢えず…終わった…みんな無事でよかった…




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
旅館の夜

お楽しみに~
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