IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-32 勧誘ですね、わかります

「「ただいま~」」

 

「おかえり~」

 

「「は?」」

 

バスに乗ってから数時間後、学園の寮の自室に帰ってきた俺達。

ドアを開けると誰もいない部屋から俺達を迎える声がした。

なにこれ…新手の変態さんの犯行ですか…?

 

「お邪魔してるわよ」

 

楯無さん(シスコン)の犯行だった。

なんかめっちゃくつろいでるし…他人の部屋でニーソ脱いでベッドに寝っ転がりながらファッション雑誌なんて読むな…

しかも俺達は臨海学校に行く前にちゃんと戸締り確認したはずだぞ!?

 

「生徒会長に不可能はないのさ」

 

そう言って歪な形に変形された針金を見せつける楯無さん…

俺はポケットから携帯電話を取り出し、ある人物の連絡先を表示し電話をかける。

 

「……もしもし?虚さんですか?

楯無さんが不法侵入した上に仕事サボってるんで引き取りに来てくれませんか?」

 

『…それはね…ちゃんとした理由があるの。

会長から聞いてない?』

 

「いえ…まだ…」

 

「……」ドドドドドド

 

ジョジョ立ち…

自信に満ち溢れた表情の楯無さんの右手には「Can you?」と書いてある扇子があった。

 

「なにをしろと?」

 

「要するに勧誘よ

希くんと簪ちゃんには生徒会執行部に入ってもらおうと思います!!」

 

「「だが断る」」

 

「え~」

 

あからさまに残念がる楯無さん。

可愛いからってなんでも許されるとは限らないぞ!!

 

「でも簪は身内だからまだしもなんで俺まで?」

 

「いやね~

希くんってどこの部にも所属してないじゃない?

そのせいで生徒会に苦情がすっごいのよ」

 

ドン、と楯無さんがテーブルの上に段ボール箱を置く。

大きさ的には大人が潜入任務で身を隠すのにに使えるくらいの大きさだ。

その中には紙が入っている…箱いっぱいに…

その中から数枚手に取り読んでみる。

 

一枚目―――

剣道部に入って?

部員の励みになるから…ね?

 

なんで疑問形なんだろうか…

 

二枚目―――

料理部に入ろう!!

世界が、宇宙が、君を待っている!!

 

●ケット団じゃあるまいし…

 

三枚目―――

星村くん、抱いて!!

 

何の話だ?

 

四枚目―――

星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん星村くん……

(以下両面びっしり)

 

「うわあああ!?」

 

「呪い…?呪詛…?

そんなチャチなものではなさそうだね…」

 

「ああ…もっと恐ろしいものの辺隣を味わったぜ…」

 

「第一発見者の本音ちゃんなんて大泣きして虚ちゃんに抱きついたもの

「ほしむーが呪われてるー」って」

 

ただの苦情の手紙読んでて突然これは怖いだろ…ホラー映画でこれが出てきたらきっと俺はその日から夜中にトイレにいけなくなる。

どうしても行くとしたら簪を連れて行くだろう。

 

「と言うわけで希くん!!お願い!!」

 

「苦情解決と言うのは建前で実際のところは?」

 

「学校のセキュリティプログラムの見直しをしてもらおうかと思って」

 

「「だが断る」」

 

「え~」

 

再び残念がる楯無さん。

これで諦めてくれるだろう…

 

「だが…生徒会長は諦めない!!

じゃーんぷ」

 

「なっ!?」

 

突如楯無さんが俺の胸にルパンダイブ。

その勢いで押し倒される俺。

馬乗りになった楯無さんは両手をわきわきさせながら俺に言い寄る。

 

「OKするまでくすぐり続けるわよ!!」

 

「や、やめて!!

簪!!助けて!!」

 

「…ふんっ」

 

ぷいっとそっぽを向かれてしまった。

その時、部屋のドアが開いた。

 

「ノゾミさん!!

ご飯食べに……」

 

「あら、いらっしゃい」

 

「お取り込み中すみませんしたっ!!」

 

「いやいやいや!!

助けてくださいルナさん、シンさん!!

わかりました!!生徒会に入りますからやめてください!!」

 

「だが断る」

 

「う、うわああああ!?」

 

俺の笑い声の交じった断末魔が1年の学生寮に響き渡ったのは言うまでもない…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「要するにノゾミさんは勧誘という名の拷問を受けていたと…」

 

「ちょっと!!

拷問って酷くない?」

 

くすぐり地獄が終わり、やっとのことで晩御飯にありつけた俺。

今一緒に居るのは簪、楯無さん、シン、ルナである。

 

「取り敢えず俺は生徒会に入ります

簪はどうする?」

 

「入る…希と一緒に居たいし…」

 

上目づかいで話しかけてくる簪が可愛い…

お、落ち着け俺!!理性をしっかり保つんだ!!

 

「大丈夫ですか?

顔真っ赤ですよ」

 

「気にするな。俺は気にしない」

 

「レイの台詞パクらないでください」

 

ルナに睨まれる…

女の子って怖え~

 

「あ、兄さん!!」

 

「希!!一緒に食っていいか?」

 

「またまた大所帯で…

もうお前は一夫多妻制の国に行ってしまえ」

 

一夏with専用機持ちズfeat.空が現れた。

まあ大人数で食べる食事はうまいしね。

 

「ああ、希。

さっき千冬姉からこれを希に渡してくれって言われたんだ」

 

そう言って渡された紙。

 

「なになに…

次の日曜日、生徒に見てもらうために団体戦による2対2の模擬戦を行う…

キラ・ヤマト、カガリ・ユラ・アスハ、アスラン・ザラ、ソル・リューネ・ランジュ、シン・アスカ、ルナマリア・ホークのチーム

星村希、星村空、更識簪、織斑一夏、シャルロット・デュノア、レオス・アロイのチームにわかれ、先鋒、中堅、大将を決め試合を行う…ってなにこれ!?」

 

「あと伝言

「星村チームが負けたら福音戦に参加した専用機持ち全員にトレーニング追加」だそうだ」

 

「マジかよ!!

…というベタな驚き方はしない…こんなこともう日常茶飯事だからな…」

 

「お姉ちゃんのせい?」

 

「うん」

 

「なにそれ!?

さっきから私の扱い酷くない!?」

 

「ところで、機体の情報とかはどうする?」

 

「更に無視!?

いいわよ!!お姉さんもう拗ねちゃうからね!!」

 

「すんません

悪ふざけが過ぎました」

 

「許さん!!

会長を怒らせると怖いんだぞ!!」

 

ぷくーと頬を膨らませる楯無さん。

本っ当にすんません。

調子乗りました。

 

「ところで機体の情報は?

全員で共有した方がいいッスよね?」

 

「それもそうですね。

俺達の機体データ持ってますよね?」

 

「モチ!!

あとでこっちの機体のデータを―――」

 

「ちょっと!!

そう言うのってお互いに知らないのが良いんじゃないの?」

 

突然鈴が俺達の話に介入してくる。

まあ向こうでの俺の仕事を知らなければ当然か……

 

「鈴さんや…

俺が向こうの世界でなにを生業にしていたかはご存知で?」

 

「え…?

セレーネさん達と宇宙についての研究じゃないの?」

 

「その前にね、ノゾミさんってC.E.で十指に入るくらい有名なジャンク屋なのよ?」

 

「『じゃんくや』とはなんですの?」

 

「前線で破損した機械を直して民間、軍問わずに売りさばく職業ね」

 

「要するにリサイクルショップのようなものか?」

 

「それとはまた別ね

詳しい話は本人から!!」

 

ちょっ!!

おいルナ!!唐突に振るなって!!

 

「義兄さん

教えてくれ!!」

 

「…え~っとだな~

簡単に言っちゃえば『戦うリサイクルショップ』かな?」

 

「…軍事機密とかに触れたらその軍が武力を以て機密保持を行いに来る…ってところかな?」

 

「シャルの言うとおり。

前線で回収した機械って結構軍事機密に関わってくるわけよ

だから軍から身を守るために星彩―もといスターライトを使って自衛行為をしてたわけよ」

 

「しかし、なぜシン達の機体のデータを持っている?

まさかお前の得意なハッキングなワケはないよな…」

 

「俺ってそんな信用ないの…?

終戦直後は俺もD.S.S.Dに戻らないでオーブに居たわけよ…

その時デスティニーとインパルスの機体を直す時にザフトから二機のデータを貰ったわけよ

…御馳走様でした」

 

俺は食べ終わったカレーの器にスプーンを置き、トレーをもって立ち上がる。

 

「よし…簪、空、一夏、シャル!

レオス呼んで俺の部屋で作戦会議だ!!」

 

「う、うん!!」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「これより、第一回打倒異世界人会議を始めます。

司会はこの俺、星村希と」

 

「星村空でお送りするよ!!」

 

ぱちぱちと拍手が巻き起こる。

 

「まずはキラのストライクフリーダムから」

 

「なんか星夜に似てるな」

 

「機体スペックはお手持ちの資料参照だよ!!

何か質問は?」

 

「このヴォワチュール・リュミエールってなに?」

 

「一言で言っちゃえば帆船の帆だね」

 

オリジナルの開発に携わったセレーネ曰く太陽風を受けて無限に推進力を得るものらしい。

 

「次!!

アスランのインフィニットジャスティス!!」

 

「う~ん

改めて思うけど後ろのゲタが曲者っぽいね」

 

「質問は?」

 

「はい!!

足にビームブレイドがついてるってことはこいつも近接特化型ってことでいいのか?」

 

「別に特化してるってわけじゃないな

どちらかと言うと中距離だけど近接寄りの機体ッスね」

 

アスランがイージス使ってた時から肉弾戦主体だもん

そうなったら機体もそれ用に作んなきゃ設計技師はただのバカだよ

 

「次!!

シンのデスティニー!!」

 

「赤い翼かぁ…かっこいいなぁ…」

 

「見惚れたらあかんでシャル」

 

「そうだよシャルくん!!

あれはかなりの曲者だよ!!」

 

「…ミラージュコロイドってなに…?」

 

「いい質問だ簪!!

簡単に言えばステルスだな

でもデスティニーのそれはちょっと違って残像を残すジャミングシステムとして機能してる」

 

こいつのせいでレーダーに引っ掛かんないんだよ!!

まあ能力のお陰でなんとかなったけど。

 

「次!!

カガリのルージュ!!」

 

「詳しくはデュノア社にて開発中のストライクの資料をどうぞ」

 

「次!!

ルナのインパルス!!」

 

「簡単に言っちゃえばストライクの強化版だね」

 

「パッケージ一覧のデスティニーシルエットってのは?

デスティニーの派生版なの?」

 

「どっちかと言うとフォース、ソード、ブラストのいいとこどりって感じだね

結構強いけどかなりエネルギー食うからたぶんフルで使って30分が限度だね」

 

これはインパルスではない。

結論言っちゃえば劣化番デスティニー。

まあこれをもとにデスティニーが開発されたらしいけど。

 

「一通り説明はしたぞ

何か質問は?」

 

「「「「特にな~し」」」」

 

「よし!!

次はオーダーだな…ってもなあ…」

 

「取り敢えずボクの予想だけど…

先鋒 カガリ、ソルペア

中堅 シン、ルナペア

大将 キラ、アスランペアだけど…どうする?」

 

「大将戦でノゾミ達を使うのは…負ける可能性も考えて…なしの方向で…」

 

「それもそうだな

なにせ俺達の(筋肉の)命運がかかった大事な試合だしなぁ…

取り敢えずこっちは

先鋒 俺、空ペア

中堅 レオス、簪ペア

大将 シャル、一夏ペアってのでどうだ?」

 

「げぇっ!!

俺が大将!?」

 

がんばれ…応援はする…でもそれ以上の事は出来ない。

 

「異論はあるか?」

 

「「「「ありませ~ん」」」」

 

「俺の意見無視!?」

 

多数決で言ったらお前の大敗だよ

 

「俺達はシャルと一夏の力を信じてこのオーダーにするんだ

精いっぱい戦え。

負けても一切文句は言わん」

 

「希ぃ…」

 

そういう感じでお開きになった。

最後の一言で一夏が泣いてしまったためシャルに頼んで部屋へと連れて行ってもらった。

 

「実際のところ…

キラ達に一夏は勝てそう…?」

 

「……」

 

「何故黙る!?」




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
勝利を創造する想像

お楽しみに~
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