IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-35 その先にあるもの

「お疲れ様」

 

ピットに戻った俺に声をかけてくれたのは簪だった。

彼女は既にISスーツに着替えており戦闘の準備は万全のようだ。

ちなみに一夏達はここにはいない。

Bピットに居るレオスと空の方へ行ったのだろう。

 

「と、取り敢えず勝ってきたぜ!!」

 

「う、うん…」

 

何だろう…二人きりだと簪の事を意識してしまう…

いつも部屋に居る時もそうだが…

 

「頑張れ!!

勝ち負けは兎も角、この数日は俺といっぱい特訓したんスから!!

自信を持って!!」

 

「でも…やるからには勝つ…そう言ったのは希でしょ?」

 

「そうだったな…

じゃあ簪!!勝ってこい!!」

 

「うん!!」

 

簪は打鉄弐式を展開。

そのままカタパルトに乗ってアリーナへと飛び立っていった。

ちなみに簪とレオスの相手はシンとルナだ。

メサイア攻防戦を生き残ったザフトのエース二人…

しかもこんなことになることも露知らずだった昔の俺はOSのパラメーターの上方修正や各種武装の強化などをしてしまっておりこの二機の性能はメサイアの時よりもあがっている…

 

「頑張れ簪…!!」

 

このように

今の俺は過去の過ちを悔みながら応援することしかできないのであった…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ごめんねレオス…遅くなった」

 

「大丈夫。

時間には間に合ってるから」

 

ピットから出た私はレオスの横に移動する。

目の前にはデスティニーを纏ったシンとインパルスを纏ったルナが既に準備を整えて待っていた。

 

『両チームの選手が出そろいました!!

まずは先ほど見事勝利をもぎ取ったチーム規則違反から!!』

 

『まずは白い機体、打鉄弐式のパイロットにして日本の代表候補生。

変態会長の妹、更識簪!!』

 

お姉ちゃんの言われようがひどい…確かに変態だけど…

 

『続いては赤い機体、エクストリームのパイロット。

いつでもどこでも極限全力、レオス・アロイ!!』

 

ラクスのコメントがだんだんと雑になって来た…早くなんとかしないと…

 

『続いては次こそは勝ってほしいチーム粛清者。

まずは赤き翼を持つデスティニーのパイロット。

悲しき運命に翻弄されしシスコン、シン・なんとか!!』

 

「アスカだアスカ!!それにシスコンってなんですかシスコンって!!」

 

これは酷い…ドンマイ…シン・なんとか…

 

『続いては、白き機体インパルスのパイロット。

射撃が苦手なアホ毛持ち、ルナマリア・アホーク!!』

 

「ホークですぅ!!」

 

ラクス…雑過ぎ…

確かにルナはアホだけど…

 

『それではカウントダウンに入ります!!』

 

お姉ちゃんの声が会場に響き渡り歓声がより一層大きくなる。

 

『5-4-3』

 

「よろしくね…レオス」

 

「任せろ!!

ニュータイプの力、学ばせてもらう!!」

 

『2-1-』

 

「行くわよシン!!」

 

「了解!!」

 

『START』

 

機械音声による開始の合図がアリーナ中に響き渡る。

その瞬間私はフラタニティを展開。

 

「やああああ!!」

 

戦いの火蓋は切って落とされた…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ごめん希…」

 

「いいっていいって

相手がそれだけ強かったってことだ。

今後の課題も見えたしそれに結構いいとこまで追いつめてたじゃんか」

 

「でも…負けは負け…結果が全て…」

 

全試合が終わり空が茜色に染まりきったころ…写真とか映像の用語だとマジックアワーってやつだ。

寮に向かって歩いている俺と簪。

結果は俺と空以外は負けてしまいトレーニングの追加が決まった。

それを気にしているのか簪はかなり落ち込んでいる。

 

「別に簪が気負いする必要ないッスよ!!」

 

「でも…私がレオスの足引っ張って…

そのせいで負けて…そのままの一夏達も…ぐすっ…」

 

「あああああ泣くな泣くな!!

ほ、ほら見ろよ!!夕焼けがきれいだぞ~」

 

「ふえぇ…」

 

簪が泣きそうになってしまう…

話とこの場の雰囲気を変えようと俺は必死に話を振るが簪は止まらない…

 

「そうだ星!!

星見に行こう!!」

 

「…星?」

 

「そう星!!

こういう時に星を見ると何かいいことあるって本に書いてあった!!」

 

「何の本?」

 

「……なんだっけ?」

 

実際にそう言うことが書いてある本があったはずなんだが題名が思い出せない…

何だっけ…あれ…千冬さんに言われたんだっけ?

 

「ぷっ…わかった…行こ?」

 

「じゃあ晩飯食い終わったら第6アリーナに集合な!!」

 

「今から行こ?」

 

先ほどまで泣いていたからか…簪の目尻にはまだ涙が残っている。

そんな状態で上目づかいお願いされたら断れないはずないでしょう!!

 

「わかった!!いま行こうすぐ行こうマッハで行こう!!」

 

「うん!!」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

第6アリーナに移動するまで日が暮れてしまった。

今俺はそこの中央に簪と二人でいる。

 

「何処で見るの…星?」

 

「決まってるだろ…あそこだよ!!」

 

俺は中央タワーを指さして言う。

この第6アリーナの背後にはIS学園のシンボルである中央タワーがそびえたっている。

確かここは主に高速機動実習に使われるらしく二学期からそれを行うことがシラバスに載っていたのを思い出す。

そんなことより中央タワーは大体200m程ある。

つまり星を見るには周りに遮蔽物がないため星を見るための穴場スポットなのである。

 

「でも…どうやって行くの?」

 

「こうやってッスよ!!」

 

「ふえぇ!?」

 

俺は簪を抱きかかえて星雨を展開。

そのままタワーのてっぺんに向かって飛んでいく。

 

「到着!!…ってあれ?」

 

「やあノゾミ、あと…更識簪さん?」

 

「こんばんはノゾミ、簪」

 

「かんちゃんに兄さんもどうしてここに?」

 

誰もいないはずのタワーのてっぺんには既に先客がいた。

なぜか既に星を見るためにキラ、アスラン、空がいたのである。

 

「何だよ俺達だけじゃなかったのかよ」

 

「いいじゃんいいじゃん

こういうのって結構楽しいかもよ?

現に今ボクは楽しい」

 

ニコニコ笑いながら空は仰向けに寝転がる。

本来の目的を忘れがちだが俺達は星を見に来たのである。

俺と簪も同様に仰向けに寝転がる。

 

「そう言えば…」

 

「ん?」

 

「マクグリフ先生の専用機…なんでスターゲイザーって名前なの?」

 

「名前の通りだよ。

正式名称はGSX-401FWスターゲイザー。

開発途中は401って呼ばれてたんだけどヴォワチュール・リュミエールの起動試験の時ソルが401に失礼じゃないのかって言ってさ…

その時の401が上を見ててさ…上を見るもの…その先にある星を見る者…だからスターゲイザーって名前がついたんだ」

 

「へえ…」

 

俺の説明を受けた簪はこくんと頷き納得したような表情をしていた。

前々から疑問に思っていたことがやっと解決したようである。

 

「星を見てると…あれを思い出すなぁ…」

 

「あれってヤキンの戦いが終わった後の?」

 

「そうそう。

そう言えばお前らまだお守り持ってる?」

 

「当然!!

いつも肌身離さず手に持ってるぜい!!

なんせこれがレヴィス・コルデの待機形態だからね!!」

 

「俺もいつも持ってるぞ。

ソラのと同じくこれがジャスティスの待機形態なんだ」

 

「僕のフリーダムの待機形態もこれなんだ」

 

各々がポケットから紺、赤、青の星型のアクセサリを取り出す。

これは俺と空がコペルニクスから地球に移住する際にキラ、アスラン、空の3人に渡した再会のお守りと言うもので、母曰く「私の生まれた村の伝承で、これを渡した人と離れ離れになっても必ず再会出来る」というものらしい。

 

「ヤキンの時にはソラがいなかったからね…

ノゾミのお母さんの言うとおりまたみんなで会えたね…」

 

「うん…そうだね…」

 

「ああ、そう言えば…簪にもこれ」

 

「へ?」

 

俺はポケットから水色のお守りを簪に差し出す。

これは先日俺が簪の為に作ったもので、簪にバレないように結構苦労したのを思い出す…

 

「嫌か?」

 

「ううん!!全然!!

む、寧ろ…嬉しい…」

 

「そ、そうか!!」

 

「「「どぅえきてるぅ~」」」

 

「「ふぇ!?」」

 

突然の空達の発現に変な声をあげてしまう俺達。

 

「な~んか変だと思ってたんだよね~

臨海学校の後からの二人の態度が~」

 

「へ~

やっぱりノゾミと簪って出来てたんだな」

 

「そ、それはお前とカガリだってそうだろ!!

それにキラとラクスも!!」

 

「そ、そうだそうだ!!」

 

「「うんそうだね」」

 

こいつら付き合ってるのを隠す気がねぇ…

お前らこの学校で10人(教員含む)しかいない男だぞ…自覚しろ自覚…

後ろから刺されても僕は知りましぇん!!

 

「…こうしてみんなで話が出来るって言うのは…とってもいいこと…」

 

「そうだな…

簪の言うとおり、みんなでこれまでの話とこれからの話でもしますか!!」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

団体戦から数日後の金曜日の今日は一学期の終業式だ。

先生方がまだ来ておらず、他の生徒たちはまだガヤガヤと話をしている。

現に俺-織斑一夏もクラスメイト達と会話をしているところだ。

 

「そう言えばシャル。

希のヤツ何処行ったんだ?」

 

「さあ?

そら(ねえ)はそこにいるけどのぞ(にい)は何処にもいないねぇ」

 

「あ、そうそう。

兄さんは用事があるから俺がいなくても気にすんなって言ってたよ」

 

「そうか

なら大丈夫そうだな」

 

『全員静かに!!

整列しろ!!』

 

壇上に進行役の千冬姉が立った。

マイクによって大きくなったその声は普段よりも数倍おっかなく聞こえる。

 

『まずは生徒会長からの連絡だ。

更識、頼むぞ』

 

千冬姉がそう言うと舞台袖から水色の髪の生徒が現れる。

確か希が言ってたがこの学校の生徒会長は簪のお姉さんらしい。

道理で髪の色が同じなわけだ。

 

『みなさんこんにちは。

生徒会長の更識楯無よ。

今日は文化祭関連の事ではないんだけれど、生徒会に新しい役員が2人も増えました!!

拍手!!』

 

回りからパチパチと拍手の音が聞こえてくる。

俺も拍手を始める。

しかし…新しい役員も女何だろうか…

 

『はいありがとう。

と言うわけで早速登場していただこうと思います!!

簪ちゃーん!!希くーん!!』

 

簪と希…?

そんなことを思っていると舞台袖から会長さんと同じ水色の髪をした女子生徒と真っ黒な髪の男子生徒が現れる。

 

『只今ご紹介にあずかりました。

このたび生徒会副会長の任をあずからせていただきました。

星村希です』

 

『そして生徒会副会長補佐の任を任されました。

更識簪です』

 

『俺達はまだまだ未熟者ですが、学園の為に精いっぱい頑張って行こうと思っておりますので』

 

『『よろしくお願いします』』

 

「「「「キャアアアアアアア!!」」」」

 

二人のあいさつが終りと共に全校生徒の叫び声が響き渡る…

この学校の未来はどうなるんだろうか…希が副会長的な意味で…




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
夏休みと買い物時々メイド

お楽しみに~
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