IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
今回もごゆっくりお楽しみください。
「なんで…
なんでお前は千冬さんにそっくりなんだよ!!」
俺は目の前の真っ黒の機体-千冬さんと彼女が現役時代に乗っていたIS『暮桜』もどきに向かって叫ぶ。
「あれは…
VTシステム…!?」
「知ってるのか簪!!」
「うん…
本で見た…」
簪が説明を始める。
VTシステム-Valkyrie Trace Systemとは
過去のモンド・グロッソ-ISの世界大会-の戦闘をデータ化、それを機体に再現、実行させるシステムのことを指す。
しかしこのシステムの起動には条件が設定されており、今回は「機体損傷率が一定値を超える」そして「操縦者の負の感情(今回は死に対する恐怖)」がトリガーで起動したらしい。
そして簪が最後に付け加える。
「でもこのシステム…
現在は研究、開発が禁止されてるの…」
「じゃあ!!
なんでそんなものがここにあるんだよ!!」
「落ち着けノゾミ!!」
激昂する俺をレオスがなだめる。
簪の悲しみが俺の機体を通して伝わってくる…
俺はなんてことを言ってしまったんだろう…
「ごめん簪…」
「いいよ…
そのかわりに…
後でさっきの光の事…ちゃんと話してね…」
「ああ
約束だ…」
すーっと深呼吸をする。
今自分のすべきことを再確認する
そうだ守らなければならない…みんなを…簪を…!!
「レオス
今回の相手は
行けるか?」
「どんな戦いが待っているのか、正直ワクワクするよ!!」
「行くぞ!!」
「ああ!!
世界最強の力!!学ばせてもらう!!」
俺は偽物に突進していく。
「進化発動!!
アイオスになら、すべて託せる!!」
レオスがそう言い機体が光に包まれる。
光がおさまるとレオスの機体はファンネル進化形態-アイオスフェースに変っていた。
機体背部の折りたたまれた翼が印象的な形態である。
「行け!!
アリスファンネル!!」
レオスは機体の翼を広げ、アリスファンネルを射出、俺の援護に向かわせる。
「取り敢えず、お前も盛大に斬られろよ!!」
ガキン
俺の放った攻撃はいとも容易く偽物に止められ、空いている右足で腹部に一撃を見舞われ盛大に吹き飛ぶ。
数メートル飛ばされた俺に偽物はさらに攻撃を加えようと突進してくる。
「ぐっ!!」
ガードしようとアームドアーマーDEを構えるが攻撃は来ない。
視界には偽物の攻撃をビームサーベルでガードするレオスが移る。
「ノゾミ逃げろ!!」
俺はまたみんなに迷惑をかけてる…
この世界に来る時もそうだ…
でも…今度はみんなを守りたい…
絶対に!!
『ノゾミ!!
発動の許可を!!』
ディスプレイには大きく「単一使用能力『星火燎原』発現」と書いてある。
「ああ
やってくれセシア!!」
◇ ◇ ◇
「ノゾミ逃げろ!!」
オレがそう叫ぶ。
相手の力はかなり強くこのまま押し切られそうだ
「万事休すかな…!!」
刹那
鍔迫り合いをしている機体に薄い緑色の日本刀が突き刺さる。
相手の力が緩み解放される。
刀の飛んできた方向には緑色の光を放ちながら刀を構えるノゾミと星彩の姿があった。
◇ ◇ ◇
「サイコフレームの共振現象か!!」
俺の機体-星彩は緑の光を放ち、機体の周囲には数多の日本刀が浮いている。
『はい!!
通常ではその刀を生成するのには数秒かかりますが、今はサイコフレームとあなたが共振しているため生成の為のタイムラグが生じません!!
そしてその刀を生成する能力こそが『星火燎原』の能力です!!』
そうか…これが星火燎原…星彩の真の能力…
いける…違う…守るんだ…仲間を!!
「レオス…
下がっていろ…
こいつは俺が倒す!!」
そう叫ぶと俺の周りに刀を6振り展開する。
「さーて…スクラップのお時間だぜ!!」
展開されているを3振りの刀の刃先を相手に向け平行に並べる。
「飛んでけ!!」
3振りの刀の柄頭を斬り、相手の方向に飛ばす。
2発は防がれるが一発は腕をかすめわずかな隙が生まれる。
「隙多すぎ!!
斬られても文句なしな!!」
すかさずアンカーランチャーを打ち込む。
あたったのを確認すると真上に投棄、刀を2振り投げつけ、偽物に突き刺さる。
アラスファンネルを展開しながら相手に接近、真上に切り上げる。
「アラスファンネル!!」
叫びに呼応してファンネルが火を噴く。
砲撃が止むと偽物があたりを見回すが敵はいない。
「俺は…ここだ!!」
声に反応して偽物は上を向く。
だが…もう遅い
「こっから先は侵入禁止!!
聞かぬ者には星彩による制裁をってね!!」
俺は握った2振りの刀-クライムとペナルティを構え、偽物に突進する。
「ぶっ壊れろ!!」
そのままスラスターを吹かせ地面に突進、偽物を地面に叩きつける。
「とどめ!!」
俺の後を追うかの様に数十本の刀が偽物に降り注ぐ。
「終わったのか…?」
「ああ…今度こそね…」
俺はそう言い星火燎原を切る。
機体の光がおさまるのと同時に星火燎原によって生成された刀は緑色の粒子となり、風に吹かれどこかに飛ばされ、やがて見えなくなった。
◇ ◇ ◇
「お前たちがなんでここにいる!!
星村希!!更識簪!!
そして貴様は誰だ!?
このアホ顔金髪天パは!?」
「アホ顔金髪天パ…」
今事件の取り調べ名義での説教で俺とレオスは絶賛怒られ中。
相手は本物のブリュンヒルデ-織斑千冬さんである。
セレーネが日本政府に応援を頼んだらしく、空港に一番近かったIS学園の教師陣がその任務に駆り出されたようだ。
ちなみにセレーネもIS学園の教師である。
一時期、日本の代表候補生を務めておりその技能を買われ現在に至る。
「お前たち…
犯人はどうした…」
「「「取り逃がしました…」」」
「バカ者!!」
「「「アッー」」」
千冬さんがお茶の乗っていたトレーで俺たちの頭をたたく。
ヤベェ…死ぬほどイテェ…
一般に一回頭を叩かれると脳細胞が五千個死滅すると言うが、今の一撃で一万五千個ほど死滅したのではないだろうか…
「そんなことはもういいでしょう千冬」
俺たちが悶えているとセレーネが救いの手を差し伸べる。
「しかしだなセレーネ…」
「いいじゃないみんな無事なんだから」
「それもそうだな…
更識妹、貴様はセレーネともう少し
星村と金髪天パはこっちに来い」
「オレは金髪天パじゃなくてレオス・アロイという名前が…」
バシン
「黙ってついてこいアロイ」
「ひゃい…」
ドンマイレオス…
◇ ◇ ◇
しばらく歩くとそこにはソルとスウェンが立っていた。
二人とも怪我はなくニコニコして手を振っている。
嗚呼一安心…
「お前たちにひとつ言いたいことがある」
千冬さんが唐突に口を開く。
「お前たちにはIS学園に入学してもらう」
「あの…
IS学園ってなんですか?」
レオスが質問する。
「なぜ知らん」
「だってこの世界に
「あぁまた異世界人か…」
ソルとスウェンはぽかんと口を開け放心状態である。
「まあいい
説明はこいつらやセレーネがしてくれるからいいだろう。
入学は強制だが…ひとつ頼みがある」
「頼みってなに?」
俺が聞き返す。
放心してる二人はほっとこう。
「私の愚弟…一夏の護衛をしてほしい」
「と言うと…」
「あいつは今世界初の男性IS操縦者だ。
悪人に狙われる可能性もあるかもしれん…だから…」
「別に頼まれなくてもやりますよ。
なんせあいつは俺の友達だ。
困ってる友達を見過ごすようなこと俺はしないよ」
「オレもできる限りのことはしましょう!!」
「…ありがとう。」
千冬さんが照れながら小声で言う。
「さぁ戻るぞ。
…ところでアロイ」
「なんですか?」
千冬さんがレオスに対して質問する。
「お前…
宿はあるのか?」
「ないです!!」
いやいやドヤ顔されても困るんだけど…
「だったらIS学園の入学式まで私の家に泊まるがいい」
「いいんですか!!
ありがとうございます!!」
『ダメですよレオス!!
ご迷惑をかけてはいけません!!』
「別にいいだろ!!
快諾ムードだし…」
セシアとレオスが喧嘩を始める…
あれ?レオスの隣にセシアが見えるぞ…
さっきのトレー攻撃のせいで幻覚が見えるんだろうか…
「どういうことだ…
突然アロイの隣に女が現れたぞ…
ビールの飲みすぎで幻覚まで見えるようになったのか…」
「いや俺も見えてるから幻覚じゃないよ千冬さん…
レオスのいた世界ではこれが普通なんだよ…
たぶん…」
『そうです!!
私は幻覚ではなく
立体映像なので触れませんよ…ノゾミ』
「てかなんで俺!?」
『だって
ノゾミは…その…エッチなことを考えてそうなんですもの…』
「「うんうん」」
「否!!
断じて否!!」
絶対に違う!!
そしてそこの二人頷くな!!
◇ ◇ ◇
パンパンパンパン!!
俺たち6人は各々手に持ったクラッカーを鳴らす。
今いるところは織斑邸-要するに一夏の家である。
なんでクラッカーなのかって?
それは現在「ノゾミお帰りなさいパーティー」と「レオス歓迎パーティー」を絶賛開催中である。
テーブルの上には俺と一夏が作った料理が置いてある。
「いや~
突然ノゾミが帰ってくるから驚いたよ~」
「だって
お前だけに内緒にしてたんだもん」
「え!?
酷い!!」
うん…
俺からは言ってない。
セレーネには今日帰るって伝えたんだけど…
ちなみに一夏とレオスは何かとうまが合うらしく、すぐに仲良くなった。
「なんで一夏にだけ言わなかったんですか?」
レオスがセレーネに質問する。
なんか大体どんな答えが返ってくるのか予想できるのは俺だけかな…
「だって連絡するタイミングがなかったんだもの」
「「「Oh…」」」
思わず俺、一夏、レオスは声をあげる。
いや~スタンスに変化ないな~セレーネは…
「いや~
まさかその腕のやつがISだとはな~」
うんぶっちゃけ俺も驚いた。
「なあノゾミ?」
「うん?
どうしたレオス?」
レオスがまた質問を投げかける。
今の俺は通常の3倍は機嫌がいいからなんでも聞いて良いぞ
「ISってなんだ?」
「「「「「へ?」」」」」
「いやだから~
ISってなに?
まさか…インター…」
「いやいや!!
半陰陽は関係ないッスよ!!」
すかさずツッコミをいれる。
確かにこちらの世界に来てからあまり時間が経っていないってのもあるけどさ…
そっちと勘違いするのはどうなの…
ちなみに一夏にはレオスも異世界人であることをもう伝えてある。
「でもレオスもISに乗れるんだよな!!」
「エクストリームのことか?
それならここに…」
そう言って胸元についたバッジを指さす。
セシアの帽子についているものと同じものがついていた。
これがエクストリームの待機形態のようである。
「それがISだよ…レオス…」
「ええ!?
これMSじゃないのか!?」
「どう見てもISだよ…
まずサイズが全然違う…」
「…確かに…」
『さっき説明したじゃないですかレオス!!』
「ごめんセシア…覚えてない…」
「説明するのが面倒だなぁ
一夏、参考書持ってきてよ」
「わかった」
IS学園の生徒にはISの参考書が配布されるらしい。
俺たち4人の分もそのうち来るらしい。
数分後一夏が電話帳-もとい参考書を持ってきた
「はい」
「ありがとう…でもいいや」
「だってこれ後でもらえるって言われたし…
それにセシアが教えてくれるみたいだし…」
『ビシバシ行きますよ!!』
「だそうだ」
レオスの隣には赤いジャージ姿で竹刀を持ったセシアが立っている。
「「「「どちら様で…?」」」」
その後説明に数時間かかったのは言うまでもない。
◇ ◇ ◇
風呂をあがったあとのリビング。
今現在俺とレオスの二人きりである。
ちなみにセレーネ達はもう疲れたみたいで自室で就寝。
「なあレオス」
「なんだ?」
「ベランダで星でも見ないか?」
「いいね!!」
そう言い二人でベランダへと向かう。
そこに待っていたのは…
またしても流星雨だった。
「きれいッスねぇ…」
「そうだな…」
『そうですねぇ…』
ちなみに順番は俺、レオス、セシアである。
「そう言えばノゾミ」
「なんだ?」
「簪との『約束』は?」
はて?
約束?
約束…約束…
『後でさっきの光のこと…ちゃんと話してね…』
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その夜…町内に響き渡った俺の声に気付かなかった人間はいなかったであろう…
~その頃の更識家~
「なに怒ってるの簪ちゃん?
お姉ちゃんに教えてよ~」
「怒ってない…」
「怒ってるよ~
ほっぺた膨らませて~」
「…怒って…ない…!!」ギロ
「ひぃ!!」
その日の簪はまさに鬼のようであった。
楯無の後日談より
どうでしたか!?
テスト週間が終わりまして…
部活の再開に伴い更新が遅くなります。
たぶん1~2週間に1度の更新になると思いますが
末長く見守っていただけると嬉しいです。
次回
入学…そしてすみませんでした!!
お楽しみに~