IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-43 開戦、男の子(娘)争奪戦(ポロリはねーよ)

「まさかここまで酷いとは…」

 

「うん。

俺もかなりびっくり」

 

襲撃事件翌日の夕方。

俺は簪、空、山田先生と共に整備室にいた。

ちなみにもう文化祭の公開は終わっており今は後夜祭までの休憩時間だ。

そして目の前にはボロボロのIS―もとい俺の星彩が鎮座していた。

 

「検査の結果総合ダメージレベルDを超えています。

特に両腕部マニュピレーターの損傷レベルEを超えていますね」

 

そう言って山田先生は俺にタブレット端末を手渡す。

機体装甲損傷レベルC→交換必須…非固定部位(アンロックユニット)損傷レベルB…両脚部損傷レベルC…スラスター損傷レベルB…特記事項サイコフレーム損傷なし…

腕の損傷が異様に高いのはあの衝撃波のせいか…まあサイコフレームが無事なだけよかったが。

 

「暫くは星彩を使用しての模擬戦などは避けてください」

 

「でも兄さんはこの学校の男で最強のIS乗りですよ?

もしまた亡国企業(ファントムタスク)に襲撃されたら…」

 

「なら、変えの機体を用意してもらうッス」

 

「だれに?」

 

「オーギュストさん」

 

「「「は?」」」

 

俺は携帯電話を取り出し、とある番号を選択し電話をかける。

プルプルと電子音が耳に届く…数回なると電話の主の声が聞こえてきた。

 

「あ、もしもしオーギュストさん?」

 

『ああ、希くんかい?

突然どうしたんだ?』

 

「恥ずかしながら星彩の修理が必要になりまして…

それで代わりにM1を一機貸していただきたいのですが…」

 

『ちょうどよかった。

希くんが7月ごろに送って来たストライクの新規パッケージが完成したんだ。

テストの為にそちらに送ろうとしていたのでちょうどよかったよ。

ついでにストライクも一機送っておこう』

 

「マジですか!!

本当に感謝感激飴あられッス」

 

『ははは。

そちらに星彩の修理の為にも技師を4人程送ろう。

シャルロットによろしく頼む』

 

「はい。

お忙しい中ありがとうございます」

 

『こちらこそいつもありがとう』

 

プツンと回線が切れた。

俺は携帯をポケットにしまい、簪達の方へ向きなおる。

 

「数日中にフランスからストライクが送られてくるそうです」

 

「何したの!?」

 

「デュノア社の社長とお話ししただけ」

 

「希のコネって本当にどうなてるの?」

 

「ところで空。

一夏達を襲撃したやつは逃げたの?」

 

「う、うん…

ごめん…逃がした…」

 

「別に怒ってるわけじゃないんだから。

で、介入してきた機体の特徴とパイロットから感じた気配を教えて欲しい」

 

「うん…機体は…イギリスから強奪された「サイレント・ぜフィルス」。

装備はビット6機とシールドビット、銃剣型BTライフルだった。

ビット使用中にも動けてたからセシリアのよりも完成度は高いと思う。

あと…気配は…」

 

理由はわからないが空が口を濁した…なにか良いずらいことでもあるんだろうか?

それとも逃がしたことを結構引きずってるんだろうか…

 

「誰にだってミスはあるよ空。

だから言ってみて」

 

「うん…」

 

簪のフォローに空が閉ざしていた口を開いた。

 

「なんか…一夏くんと千冬先生に似てた…」

 

「織斑くんと織斑先生と?!」

 

俺の経験上、似たような気配を持つ人間は血の繋がっている人間同士しか存在しない。

しかし千冬さんと一夏には他に兄弟やいとこ、はとこはいないという。

 

「ありがとう空…

よし!!そろそろ後夜祭の時間ッスから行くッスよ!!」

 

「え?あ、ちょっと!!」

 

「待ってよ兄さん!!」

 

「待てと言われて待つ人間はいないぞ!!」

 

ふははははと笑いながら俺は整備室から走り去っていく。

まずはこの鬱々とした雰囲気から脱却してお祭りを楽しむことが俺にとって重要なことだ。

千冬さんから話を聞きだすのはあとまわしだ。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「自分で作っておいてなんだけどこのジャージ結構動きやすいな」

 

「真っ白だからすっごい目立つけど」

 

「まあ夜だからしょうがないだろ」

 

現在俺を含む生徒会メンバーと一夏が拠点である学園内のとある教室に集まっていた。

全員白いジャージ姿で腕には桃色のバンドがついていた。

これが「うさぎさん印の武装換装システム」である。

ISの技術を応用し各々が使いたい武器をそれに登録し好きな時に取り出せるというシステムだ。

ちなみになぜ生徒会室を使わないのかというと、そこで本音が俺達のオペレートするために使う上のと重要な書類が沢山あるためペイント弾で汚れるのはまずいためである。

 

「取り敢えず5階だから攻められにくいとは思うけど…」

 

「攻められたら逃げるのが難しい…」

 

「と、言うわけで拠点防衛班と拠点攻撃班に分かれま~す。

まずは拠点攻撃は俺、簪、空。

で拠点防衛は虚さん、楯無さん、一夏に任せます」

 

「え?!

俺は守りかよ!!」

 

「お前は外で客寄せパンダやってりゃいいの。

だからこっちに学年主席と学園最強おいてんだろ」

 

「俺の信頼のなさ!!」

 

「実際にこの中で一番弱いのって一夏くんじゃない」

 

「……」

 

楯無さんのマジ発言に一瞬にして沈黙する一夏。

いや沈黙より撃沈の方が正しいな。

 

『マイクテストマイクテスト…

参加者のみんな聞いてるー?!』

 

「あ、マクグリフ先生の声だ」

 

『山田先生のカウントダウンで始めるわよー!!

真耶、よろしく!!』

 

『は、初めー!!』

 

一ミリたりともカウントダウンの要素がねぇーーー!!

なんか全員が唖然としているなか、部屋の中央に立っている旗が立たせている金具に当たってカタカタと音を立てている。

 

「気のせいかな…」

 

「きっと気のせいじゃない…なんか揺れてる…」

 

「きっとあれだろ…」

 

「どっかの奴らが同盟組んでこっちに攻めて来てんだろ。

本音、例のトラップ頼む」

 

『りょ~か~い』

 

耳に付けたインカムから間の抜けた声が聞こえてくる。

その直後廊下から鼓膜を裂かんばかりの音量の叫び声が聞こえてくる。

トラップとは前方から飛んでくるペイント弾用のペンキを使った水風船攻撃である。

俺達は罠を張ってはいけないという事は一言も言っていない。

つまりこれはルール違反にならない。

 

「まさか本当に希くんの言うとおりになるとは思わなかったです」

 

「専用機持ちが4人もいるチームを潰しに来るのは当然ですよ。

残りはきっとキラ達を潰しに行ったんでしょう?」

 

そう言った瞬間、外から悲鳴が聞こえてきた。

きっとキラ達も迎撃したのだろう。

 

「ささ、俺達も動きますか」

 

「うん!!」

 

「わかった!!」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「危な!!」

 

「キャ!!」

 

アリーナ近辺を移動中に柱の影からの突然の銃撃。

俺はそれを紙一重で避け、右手に持ったハンドガンを発砲。

見事撃って来た女子生徒の腹部に命中させた。

 

「一回拠点に戻って出直して来てくださいね」

 

「むぅ~星村くん強すぎ!!」

 

むっすーと頬を膨らませながら女性とはとぼとぼとグラウンドの方へと歩いて行った。

ゲーム開始から3時間程経ち、33あるチームのうち残りは10を切っていた。

学園女子生徒陣の男を入部させることへの熱意の現れである。

 

「どんどん行こう!!

少しでも数を減らして楯姉達に楽させよ!!」

 

「おう!!」

 

俺達は残りの敵の撃退の為移動を開始する。

しかしどの部が残っていてどの部がやられたかなどの情報を入手していない。

 

「本音ー残りの部活数と部活名全部教えてくれー」

 

『えっとね~

残ってる部の数は~私たち含めて~7つ~

で~部活名は~キラキラ達のチームと~ラクロス、茶道、剣道、料理、テニス部だね~』

 

「ほいほいサンキュー」

 

「これが私のお仕事~

昼寝が終わった後の私は出来る子~」

 

どーりでさっきから呼び出しに応じないわけだよな!!

にしても剣道か…まさか箒のチームが残ってるとは驚きだな…

普段使ってるのが竹刀だから銃撃戦は苦手なのだとてっきり…

まあスポーツチャンバラ用の剣にスポンジ付けてペンキをしみ込ませた感じの近接戦闘用の武器も用意したからそっちで戦ってるんだろう。

 

「希!!

危ない!!」

 

「うわ!?」

 

突然簪が俺にタックルしてきて簪に押し倒される。

刹那、俺が先ほどまでいた場所に桃色のペンキがぶちまけられた。

正確に言うとペイント弾がそこに被弾し、ペンキが飛び散ったのだ。

空が射角などから狙撃位置を特定しそこに向かって発砲するも銃口から放たれた弾丸は何もない空間を飛んで行った。

 

「狙撃…しかもかなり高度な技術だな…」

 

「使ってる武装がガスガンだからマズルフラッシュも見えないね。

それにサイレンサー付けてるっぽいから第2射を待つしかないね…

あと頼れるのは己の空間認識能力のみだね」

 

空は状況分析結果を冷静に口にする。

普段のふざけた言動や行動からは予想出来ない発言だがこういう場面での分析力は流石元ロンドベル隊の副隊長である。

 

「取り敢えずここから離れよう。

ここは広いから危ない」

 

「「了解」」

 

簪の指示によって俺達はアリーナ近辺から剣道部の拠点がある方向へと移動を開始する。

しかし…

 

「見つけた!!

みんな行くわよ!!」

 

「げ?!

敵の増援かよ!!」

 

突如移動中に取り過ぎた校舎の入り口から15人ほど女子生徒が出てきた。

 

「嘘…みんなで同盟組んでるの…?」

 

「ボク聞いたことある。

「男子強制入部反対組」だよ。

確かラクロス部、剣道部、テニス部、料理部、茶道部がそうだったはず」

 

「残ってる部全部じゃねえか!!」

 

銃弾の雨を避けながら俺達は空の発言に対し大声で答える。

それでも後ろを振り返りながら手に持った拳銃で一人一人確実に仕留めて行く。

それでも数は全然減らない。

 

「じゃあさっきの狙撃もここに誘き寄せる為のってことね…

まったく…見事に嵌められたねボク達!!」

 

「本音!!

お姉ちゃん達はどうなってるの!!」

 

『お嬢様達は拠点前で交戦中!!』

 

「くっそ!!

向こうもヤバいか!!

空!!例のあれ(・・・・)頼む!!」

 

「え?!

でもあれ一発しか…」

 

「いつ使うの?!」

 

俺は空に秘密兵器の使用を促す。

そして空は覚悟を決め、両手に持っていたハンドガンを量子化し別の武装を展開した。

 

「今でしょ!!」

 

空が展開した大きな筒から桃色の塊が飛び出し女子生徒部隊にぶち当たり爆発し周囲にペンキが飛び散る。

これは生徒会が各部隊に1つだけ配給した対集団戦要武装「ペイントブラスト」である。

文字通り大勢の相手を一網打尽に出来る武装だが一発しか撃てないのが偶に傷だ。

 

「殲滅完了!!

楯姉達の援護に行こう!!」

 

「「「「させるかぁああああ!!」」」」

 

「な?!」

 

後ろから聞こえた来た声に振り向く。

声の主は箒、鈴、シャル、ラウラだった。

そして箒を除く3人は発砲してくる。

 

「お前ら邪魔すんなー!!」

 

「キラは私の幼馴染だぞ!!

嫌がるアイツを強制的に部活に入部なんてさせない!!」

 

剣を持った箒が俺に向かって斬りかかってくる。

俺は右手に持った拳銃で受け止め左手にもう一丁拳銃を展開。

左手の銃で箒の腹部に一撃を見舞う。

ちなみにこのジャージは特殊素材でできているため弾丸を至近距離で撃たれても全く痛くない。

 

「くあっ!!」

 

「そう言う意味では俺も一緒だっつーの」

 

そして飛んできた弾を後方宙返りで避け片手で弾丸の主のラウラに向かって発砲。

命中確認。

その時だった。

 

『ゲーム終了ー!!

最後まで残ったのはラクロス部、剣道部、テニス部、料理部、茶道部と男の子チームだー!!』

 

「マジでか!!」

 

『ごめんなさい希くん…』

 

インカムから楯無さんの申し訳なさそうな声が聞こえてくる。

 

「じゃ、じゃあ…鈴ちゃん達はボク達の足止めってわけ…?」

 

「上手くいってよかったわー」

 

「正直危なかったけどね」

 

俺達は2重の意味で嵌められていたらしい。

こうして俺達の戦いは終わった…




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
登場サード幼馴染!!~ニューフェイスはプリンセス?~

お楽しみに~
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