IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
「準備はいいかカノン?」
「お、おーけーです!! いつでも大丈夫です!!」
真横に居るカノンは俺に向かって了解の意を示 す。
そして俺は正面の敵を見据える…
今回の相手はセシリアと一夏のペア。
対するは俺―星村希とカノンである。
カノンの機体―スヴェンガーリーはカノン曰く 「いつもも凄いの撃てますよ~!!昔とは違う私に ビックリですよ!!」だそうだ。
全く説明になってないが取り敢えず射撃型なのは分かった。
「いつでもかかってこーい!!」
「じゃあ…行くぜ!!」
そう言った途端に一夏は
俺も腰の日本刀「政宗」(シャルロットによって刀 の銘が変えられていた)を中段に構え、地面を蹴 りスロットルを全開まで踏み込み加速する。
そして雪片と政宗が交わる。
そして俺は刀を操り一夏の一撃を受け流す。
「よっと!!
…ってあれ?」
「一発でやれると思ったかよ!!」
受け流した手を返し上段からの袈裟斬り。
しかし白式の左手に装備された
「でも甘い!!」
政宗と雪羅が交わることによって火花が散る。 しかし受け止めていた光の刃を
「嘘だろ?!
ちゃんと受け止めていたはずなのに?!」
「昔っから言ってなかったッスか?
俺に斬れねぇものはねぇってな」
◇ ◇ ◇
確かに希は昔っから俺に斬れねぇものは存在しな いって言っていた。
でも日本刀でエネルギーの刃を斬るなんて出鱈目 にも程があるだろ!?
「ごめんな一夏。
今日の俺は本気モードで行くッスよ!!」
「くうっ!」
希による怒涛の攻撃が俺に襲いかかる。
ただでさえ少ないエネルギーを攻撃によって削られるとこっちとしてもきつい。
寧ろパートナーのセシリアに迷惑をかける。
なんとか…間合いを開けて体勢を立て直さないと!!
「これ以上はやらせませんわよ!!」
「ぐあ!!」
キュインという甲高い音と共に希に青い閃光が突き刺さる。
一度距離を取り光の元を辿るとそこには右手に大きなライフルを持った青い機体-ブルー・ティ アーズを駆るセシリアの姿があった。
「大丈夫ですか一夏さん!!」
「サンキューなセシリア。
間一髪だったぜ」
「この程度で…やれると思うなぁああああ!!」
再び希がスラスターを全開にしこちらに接近してくる。
俺が雪片を構え、セシリアがスターライトmk.Ⅲを構える。
しかし…
「ぐうぅ!? 突然なんだ?!」
希は突然起きた爆発よってふっ飛んだ。
「射線上に入るなって…私言わなかったっけ?」
「なん…だと…?!
シールドエネルギー残量…0……?!」
なん…だと…?!
希が誤射でやられた…だと…?!
◇ ◇ ◇
「ご、ごめんなさい希くん!!
これからは気をつけますので本っ当にすみません!!」
「いいよいいよ。
勝ったんだから結果オーライでしょ?」
今いるのは1年寮の廊下。
結局模擬戦は俺達の勝利に終わった。
だがしかし…序盤に仲間の誤射によって退場なんて…解せぬ。
誤射…ごしゃ…ゴシャ…548…
これ絶対夢に出るやつだって…
「でもカノンの機体すっげぇな!!
ほぼ満タンのストライクのシールドエネルギーを一気に空にすんだもん。
まさかの超高火力!! 篠ノ之束さまさまッスね」
「の、希くん!!
一つお願いがあるんですけど…」
「おう!!
俺に出来ることならなんなりと」
「わ、私を鍛えてください!!
もっと強くなりたいんです!!
簪さんや空さんに負けないくらい強く!!」
突然の申し出…思わず俺は目を見開いた…
2対1、その上片方は国家代表候補生を相手取り エネルギー残量は半分くらいで勝利して尚も強 なりたい、か…
「まあ、先ずは面談からだな。
よし、晩飯食い行くぞ晩飯!!」
「は、はい!!
簪さんと空さんにも相談に乗ってもらいたいのですが、お会いする時間はありますか?」
「ちょうどいいじゃねぇか。
今日の晩飯は空達も一緒なんスよ」
「じゃあ、早く行きましょう!!
善は急げです!!」
カノンが俺の手を取り、廊下を駆けて行く。
暫く走ると突然立ち止まり、走っている勢いのままでカノンの背中に俺が突っ込む。
「あの…希くん?」
「まさかとは思うが…
続きをどうぞ」
「食堂ってどこにあるんですか?」
「デスヨネ~ わかりマセンヨネ~
ほれついてこい」
先ほどまで引っ張られていた俺が今度は引っ張る側に変わりカノンを先導する。
そして2分も歩かないうちに食堂に到着した。
「うわ~
結構広いんですね~」
「それだけメニューの数も多いぞ。
俺のお勧めはカレーだが」
「希くん。
私のお勧めは日替わりセットです。
希くんはカレー以外の食べ物も食べてください。
それにカレーだけだと緑黄色野菜が足りませんからカレーを食べるにしてもせめてサラダも一緒に食べてください」
まさか…カノンにこんなことを言われる日が来るとは…
「お前…成長したなぁ…」
「そうですよ。
私だって2年の内に…って突然どうしたんですか!?」
「あ、兄さんにキャノンちゃん!!」
「簪さんに空さん!!
簪さんはお久しぶりです」
「ちょうど1年半くらい前にグラスゴーで会って以来だね」
簪とカノンが再会を喜ぶように握手をする。
確かにこの2人、日本の代表候補生だから面識があってもおかしくないのか。
「取り敢えずご飯を買おう。
話はそれからだ」
「話ってなに?」
「俺らに相談があるそうだ」
「花音から相談事って今までになかったかも」
「もっと強くなりたいそうだ。
セシリアと一夏のペアを一人で倒しときながらもっとって向上心に感服だぜ」
「そんなことあったの!?
というより兄さんは!?」
「私は犠牲になったのだ」
「花音の射線に入ったんですね。
わかります」
うんうんと頷く簪。
きっと彼女も同じ目にあったことがあるのだろう…
「準備できましたよ希くん!!」
「おう。
席は…お。
あっちの奥で良いよな」
「私達、いる意味ある?」
「あります!!
というよりいてください!!」
余程簪達の意見も聞きたいらしい。
そして俺達はそれぞれのトレーを持って席に着く。
俺はカノンに言われたとおりにカレーとサラダ、カノンは日替わりセット(豚カツ定食)、空と簪は二人そろってかき揚げうどんだ。
「それでは面談をよろしくお願いします、教官先生!!」
「教官先生って俺のこと?」
「はい。
希くんは射撃の腕はこの学園一だと聞いたので尊敬の意を込めて」
そういう意味ではそうかもしれないが…教官が先生かどっちかにしないかカノンくん…
「ま、まず最初にカノンが前の教官に言われたことを教えてくれ」
「はい!
ええと…「いいか?物陰からよく狙え。
そのまま戦闘終了まで狙い続けるんだ」と言われました。
でも、積極的に動かなければやられてしまいますよね?」
…なんか可哀想になってきたこの子…
俺が…いや、俺達がちゃんと導いてあげなければ!!
「よし!!
まずは…何か聞きたいことはあるか?」
「なるほど…そうですねぇ…
何を聞いたらいいかわかりません」
首を傾げながら答えるカノン。
その素晴らしい返答に体が無意識に脱力し、顔面からカレーの器にダイブしかけた。
しかしその表情に嫌みなどの感情は一切なく、純粋に何を聞いたらいいかわからない様子だ。
「あ、でもそういう意味ではないんです!
私なりには頑張っているのですが…どうも戦績はよろしくなくて…
でも、何が駄目なのか自分でもよくわからないんです…」
「ねえキャノンちゃん。
自分の誤射には気づいてる?」
「私の射撃の腕が優秀じゃないのはなんとなくわかってます。
でも…仕方がないんです」
「なにが?」
「タイミングも悪いんです。
相手が動いたり、突然射線に味方が入ってきたり」
「カノン、戦いって言うのはそういうものだと思うんだけど…」
「ええ、わかります。
つまり、よく見て当てろという寝る子は育つ的な基本に帰れということですね!!
流石は教官先生!!学園最強の名は伊達ではありませんね!!」
確かに何事も基本は大事だと思う。
でもどっから湧いてきた「寝る子は育つ論法」は…
「凄く勉強になります!!
教官先生、ありがとうございました。
それでは失礼します」
「「「待て待て待て!!」」」
「へ?」
「何で自問自答風に解決して終わりにしようとしてんだよ!!
それにいつ飯食べたし?!」
「ちゃんと会話の間に食べてましたよ?」
「はあ…こいつは前途多難ッスねぇ…
まずは機体のスペックと武装の詳細なデータ、あと出来ればグラスゴーでの戦闘映像をくれ。
面談の続きはそれ見てからだな」
「そう言われると思って機体のデータはありますよ。
戦闘映像は部屋の荷物の中に入ってます」
「お、準備良いじゃねぇか。
よし、次はカノンの部屋に行くッスよ!!」
「はい!!
部屋番号は…1026ですね」
「私達のお隣さんだね」
「あそこはレオスの部屋か…」
◇ ◇ ◇
「アドバイスかぁ…」
「どうしたの?」
カノンのグラスゴーにいたときの戦闘映像を見ながら希は苦悶の声を漏らす。
私も映像の移されたパソコンの画面を見つめる。
そこには敵である何処ぞの国の専用機持ちをなぎ倒す(というより吹き飛ばす)花音の姿が映っていた。
しかもコレまた2対1。
「なんか話を聞いてるよりも全然強いんだけど…
本当に成績不振?」
「この戦闘でもカノンは
きっとこれのせいで評価が下がってんだと思う」
「じゃあ、戦闘能力的には問題ないと?」
「ああ。
機体との適合率の高さとセンス、双方ともにかなりの高水準だ。
ここまですごいのはなかなかいるもんじゃないぞ」
「じゃあ、なんて言うの?」
「それが問題なんだよぉおおおお!!」
頭をガシガシとかきむしる希。
そして机にうなだれる。
そんな希の肩に私は手を乗せる。
「気長にやろうよ。
時間も沢山あるし…そうだ!!
暫くは模擬戦をして自分の欠点を自分で気づかせるなんてどう?」
「それだぁああああ!!
そうとわかれば一夏に連絡入れて明日も一緒に模擬戦だぁあああ!!」
そう言って携帯電話を操作し始める希。
しかし突然その手を止め、私の方を向いた。
「簪、変わったなぁ…」
「そう?」
「うん。
会ってすぐの頃よりも明るくなった気がする。
何かあった?」
「それは…
やっぱり言わない!!」
「えぇ~!!
何でだよ~」
「何でも!!」
きっとそれは…希の太陽みたいな明るさが私にも移ったからかな?
これからもずっと照らしてて欲しいなぁ…
誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他 出して欲しいキャラクターのリクエストな ど色々お待ちしてます。
次回
最速と最強は紙一重
お楽しみに~