IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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PHASE-51 対決!!肉食系フランスガール!!

「学園最強星村希!!

あたしと勝負だ!!」

 

「はあ?!」

 

教壇上の制服の上に緑色のジャージを着た少女はそう言った。

学園にマロヒコが迷い込んだ次の日、ノエルは俺達のクラスに転入してきた。

曰わく「同郷の代表候補生がいるので」だそうだ。

しかしソースは誰だか知らんがなぜか俺は学園最強と言うことなっているらしくノエルに勝負を挑まれた。

なぜか。

んなこた知らん。

 

「ちょうどよかった。

今日の1限目の授業は専用機持ち同士の模擬戦闘をやって貰おうと思っていたんだ」

 

「やたー!!」

 

「ええ?!

何でそこで了承しちゃうんスか?!」

 

「何か文句でもあるのか?」

 

「いいえ…ありません…」

 

こんな時の千冬さんってノリ良すぎるからな…

しかもまどかがこのクラスに転入してからそれに拍車がかかってるし…

 

「わかったよ。

やってやるよ!!

かかって来やがれ!!」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「準備よーし!!

そっちは?」

 

「何時でも行けるッスよ!!」

 

少し時は進み1時限目。

何で了承したのか千冬さんに聞いてみたところ「気分だ」と言われた。

 

『では、正々堂々と戦うように』

 

「ウッス!!」

 

「はい!!」

 

『試合開始5秒前!!』

 

千冬さんの声が試合開始までのカウントダウンを始める。

 

『4…3…』

 

深呼吸をして精神を安定させる…

 

『2…1…』

 

「希君!!

負けた方が買った方にビフテキ奢りね!!」

 

「マジで?!

はあ…やるか…」

 

『試合開始!!』

 

「行くッスよ!!」

 

「ふっ!!」

 

互いに近接型だったらしく距離を縮めようと地面を蹴った。

 

「ほあたぁあ!!」

 

「くっ!!」

 

相手の速度は予想よりも速い…星彩と同じ…

いや、それ以上あるな…

ノエルの至近距離での拳を左手で受け流し右手に展開していた刀で一閃。

 

「甘い甘い!!」

 

と思ったが、右足のISの装甲によって決定打は阻まれた。

よく見ると防いだ部分は鎧甲の具足のようになっている。

 

「あたあ!!」

 

「くっ!!」

 

防がれていた刃が弾かれる。

 

「今度はこっちの番!!

あたたたたた!!」

 

弾いた途端にこちらに走り出しその勢いで飛んだと思えばバタ足を繰り出してきた。

普通は後ろに少し移動すれば威力は軽減されそうなものの今回はIS戦だ。

しっかり背部スラスターで加速してるので威力の軽減は難しいそうだ。

手を交差してガードする。

 

「上からアチョー!!」

 

「がっ!!」

 

着地の瞬間にガードの上から縦方向の回し蹴りを後頭部に食らい、崩される。

 

「ドラゴンキーック!!」

 

「ぐっ!!」

 

終いにはしゃがんだ状態からの飛び蹴りを食らい吹き飛ばされる。

何とか空中で体制を立て直す。

俺が下を向くと視線の先には余裕綽々な表情のノエルが笑みを浮かべている。

 

「どうしたの学園最強?

このままだとビフテキはあたしのものだよ?」

 

「ははっ…

舐められたもんッスね。

まだまだこっからだっつうの!!」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「凄いねあのノエルって子。

3人係りでも敵わない希をあそこまで圧倒するなんて」

 

アリーナの中央で激しい戦闘を繰り広げている希とノエルの模擬戦を観ながら鈴は呟いた。

 

「確かにノエルはフランスの代表候補生に選抜された人達の中で別格級の強さを誇ってるからね。

僕は一応2番目だけど全く歯が立たなかったよ」

 

「でもさ…なんか兄さん、手を抜いてると言うか…

様子を見てるというか…なんかそんな気がしない?」

 

「確かにオレも思った!!

希にしては慎重過ぎると言うか何というか…」

 

「希にはまだ秘策がありそうだな」

 

「そうですか?

私には一方的に押されている様にしか見えませんが…」

 

希の戦い方を見て空、レオス、まどか、セシリアはそれぞれ意見を述べる。

 

「そろそろ…希くんも何かする頃ですね…」

 

反撃に必死な希を見ながら花音も呟く…

この戦いの結果はどうなるのか…その答えは神のみぞ知る…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「流石はフランス国家代表の妹。

強えな…」

 

「あはは…井の中の蛙期待してたんだけど…

希君も強いね…」

 

俺は刀を中段に構え毒づいた。

完全に相手のペースでアルバスもかなり消耗している…

それに機体の性能もかなり高い。

人の形に近い造形は各種格闘を繰り出す際の空気抵抗を出来るだけ無くなるよう作られている上にに各関節部の柔軟性はアストレイ以上…アストレイでも幅広い武術の再現が可能だがそれ以上にしなりのある動きからこの機体の設計技師の腕の高さが伺える。

 

「そっちが来ないならこっちから行くよ!!」

 

「セシア…右腕部プラグ、最大出力で放電開始…」

 

『はい!!』

 

再びノエルの突進による一撃が繰り出そうと近付いてくる。

 

「ほあっちゃあ!!」

 

ノエルの初段の拳がこちらに飛んでくる。

 

「油断したッスね!!」

 

俺はノエルの一撃を左手のアッパー気味の掌底で弾く。

 

「な?!」

 

「まだまだぁ!!」

 

そして今度は刀による一閃ではなく右足による蹴りを見舞う。

 

「がっ!!」

 

そして右足で踏み込み右腕をノエルに向けて突き出す。

そこには既に人の顔の1.5倍程の大きさの電気の球が形成されていた。

 

「今までの仕返しだ!!」

 

右手の電気の球を握り潰す。

安定していた荷電粒子が崩壊し元々の形である稲妻へと姿を変えた。

 

「ぐぅうう!!」

 

電撃にもろに晒されるノエル。

こっちの狙い通りではあるが問題はこの後だ…

 

「そろそろこっちも本気で行くか!!」

 

「あたしもマジでやらなきゃやられちゃうね…

ロレームシステム起動…守って…ドラゴンアーーーム!!」

 

機体脚部と機体腕部の外側の楕円形のパーツと本体に少し隙間が空き、底から青い光が漏る。

 

「いくよ!!」

 

再びノエルが俺を肉薄する。

しかし…

 

「さっきよりも速い?!」

 

「まだまだ序の口!!」

 

「がはっ!!」

 

気付くと腹部に光り輝く拳が叩き込まれていた。

そしてそのまま打ち上げられる。

 

「これがあたしの最終奥義!!

単一仕様能力(ワンオフアビリティー)Roar du dragon(龍の咆哮)!!」

 

掛け声と共にノエルの体がオレンジ色のオーラのようなものに一瞬包まれる。

そして俺は体制を整えようと体を動かそうとする。

しかし…

 

「どうなってやがる?!

身動きが取れねえ!!」

 

「はいっ!!」

 

回し蹴りをするように少し前に飛ぶノエル。

このままだと…まずい…

 

「どーん!!」

 

「いづっ!!」

 

ノエルの強烈な蹴りが左腕を抉るように蹴り飛ばす。

その勢いでぐるぐると回転しながら俺は吹き飛ばされた。

 

「むう…芯食わなかったか…」

 

「うげ…左腕止まってる…」

 

今の一撃で左腕の制御系が壊れてしまったようだ。

なので左腕の装甲が邪魔なのでそこだけ収納する。

 

「右さえ動けば何とか!!」

 

「甘い甘ーい!!

諦めた方が…良いよ!!」

 

ノエルは地面を蹴り俺を肉薄する。

そして俺は右の腰に政宗を鞘ごと展開する。

そして鞘の固定を解除…

刀身が露わになっていない刀を振り上げる。

 

「なっ?!」

 

振り上げられた刀は遠心力で鞘がノエルの顔に向かって飛んで行く。

 

「でも…こんなもの?!」

 

「常に視野は広く持っておくべきだな!!」

 

ストゥルタスと星王の魔槌(ポラリス)を展開しノエルの目の前で振りかぶる。

そして槌の尾部から炎が吹き出る。

 

「仕返しだ…どーん!!」

 

「かっはあ!!」

 

槌をノエルに向かって振る。

咄嗟に両腕でガードしたところは流石と言うべき所だがこれだけ加速した槌を受け止めることは不可能。

そのまま壁まで吹き飛ぶ。

ノエルが殴られた空間には青い炎でかたどられたアスタリスクが宙を浮いていた。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「うぅ~~っ!!

負けた~~っ!!」

 

「格闘機ってのは聞いてたけどまさかリアル格ゲーキャラが出て来るとは思ってもなかった。

流石はフランス代表候補生最強」

 

放課後の食堂。

ノエルは1限目の事を未だに気にしながらわーわー喚きながらビフテキにかぶりついていた。

昼飯じゃないのかって?

昼飯はちゃんと食べましたよ。

ただこの子の食い気が凄すぎるのです。

それだけです。

 

「そういやさ。

ノエルの機体…ドラゴンアムだっけ?

あれって飛べないの?」

 

「!?

な、何でそれを…?」

 

「いや、ISって空中戦がメインなのに殆どノエルが飛んでるとこ試合中所か2限の訓練中も見てないからそうなのかなーって。

どっか壊れてたりするのそれ?」

 

「そんな事ないよ。

元からこの子は地上格闘戦に特化した機体だからね。

まあその所為でものすごい苦労したけどね。

でも第二形態移行(セカンドシフト)したときに発動した単一仕様能力のお陰で解決したんだけど」

 

「色んな意味で変わり種だな」

 

「希君のそれも本当の機体じゃないでしょ。

臨時?」

 

「げっ…バレてーら」

 

「教えてくれる?

何で本当の機体使わなかったのか」

 

「まあ…いいか。

どうせここに居る専用機持ちは嫌でも関わることになるしな」

 

俺は先日の学園祭で起きたこと。

本人が襲撃してきた機体の整備師であったため大体知っていたようだが新情報も程々にあったようだ。

 

「…ま、ざっとこんなもんッスかね」

 

「へえ…それって亡国機業(ファントム・タスク)の仕業だよね?」

 

「何で知ってんの?!」

 

「まあ女の勘?」

 

「意味わかんねえよ!!」

 

「うそうそ。

実際は自分で調べたんだ。

自分が手塩にかけて整備してきた機体を奪う奴ら…

人の努力を踏みにじるような奴ってあたし許せない性格なんだよね。

お姉ちゃんはちゃんとエクレールが無事に帰ってきたから良いって言ってたけど…私は許せなくて…」

 

「…その気持ちわかんなくもないかな。

でもさ、過ぎたことをうじうじ言っててもしょうがなくない?」

 

「まあそうなんだけどね」

 

あははとからっとした笑い声をあげるノエル。

 

「実際は悔しかったんだ…

あたしにはこの子がいて力もあった。

だけどエクレールの研究に携わった人達の大半が殺されるのをあたしは見ていることしか出来なかった…

今でも覚えてるよ…殺されていく人達の断末魔…敵が居なくなってから見た血塗れのIS格納庫…」

 

言葉を口にすれば口にするほど曇っていくノエルの表情…

俺はそんなノエルの頬を摘まみ口が笑ったようになるように横に引っ張った。

 

「な?!

ひひゃいよ!!」

 

「悲しい過去を忘れろとは言わない。

でもノエルが生きてるのは今ッス。

研究所の人達もみんなノエル達の笑顔を守るために戦ったんだ。

だから笑っとけ」

 

「…ありがとう…」

 

テーブルの上に水滴がパタパタと落ちる。

 

「笑えって言ったのにな…

よーし、今日は俺の奢りだ!!

何枚でも食え何枚でも!!」

 

「ぐす…ほんと?」

 

「大抵俺は嘘をつかない!!」

 

「ぷっ!!

あはははは!!

大抵ってなによ大抵って!!」

 

ノエルの顔に再び笑顔がもどった。

やっぱり女の子は笑顔が一番かわいい。

特にノエルみたいな元気一杯系女子は。

 

「ありがと…」

 

「ん?

何か言った?」

 

「ううん。

何でもない!!

おばちゃん!!ビフテキ10枚追加で!!」

 

「じゅ?!

お前、そんなに…」

 

「だって何枚でもって言ったでしょ?」

 

はあ…バイトでもするかな…




誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他 出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。

次回
誰と組む?専用機限定タッグマッチ!!
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