IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
「はぁあああ!!」
「チッ!!」
レールガンから弾丸を放ちピットから飛び降りる。
散会した2人の内緑の機体を纏った男、「シャムス・コーザ」の方へ落下の勢いをそのままに右手に持った対艦刀、フラガラッハ3を振り下ろす。
粉塵に紛れて行った攻撃は両手に持っていたビームライフルのバレル先端部に取り付けられた銃剣によって防がれる。
「ミューディー!!」
「わかってるって!!」
横合いからビールライフルとレールガンの弾丸の雨が降ってくる。
俺は開いていた左手からアンカーランチャーを射出。
手近な壁に打ち込み牽引する力を用いて弾丸を回避する。
「スウェン!!」
ピットからソルの声が聞こえてくる。
俺は大丈夫という意味合いを込めサムズアップ。
そしてスターダストとの
『2人は俺に任せろ。
お前はあの無人機を』
『でも2人とも相当な手練れだ!!
幾らスウェンでもーーー』
『これは俺のあいつらに対するけじめだ。
だから頼む』
一瞬の沈黙。
そして溜め息混じりの返答が帰ってきた。
『一回言ったらスウェンは何が何でも言ったことやろうとするからな…
全く…本当に頑固な同僚だよ』
『…恩に切る』
それにしても、秘匿回線とは通信同士の思った事を相手に伝えるものであると聞いたがまさか返答に溜め息が帰ってくるとは思わなかった。
余程ソルは呆れているのだろう。
回線が切れると同時にソルはヴォワチュール・リュミエールを展開し投げ飛ばされた無人機へと向かっていった。
「お仲間のコーディネーターとのお別れは済んだのか?」
「お陰様でな」
「じゃあ…気兼ねなく殺せるってもんじゃない!!」
ビームライフルを投げ捨て脛の脇にマウントされたビームサーベルを左手で抜き放ち接近してくるブルデュエル。
俺は右手の対艦刀でサーベルを防ぐ。
しかしそんな状況下でもミューディーは笑っている。
「私の右手が開いてるわよ?」
「…っ!!」
右側面から熱源反応があることがセンサーに表示される。
俺は開いている左手からアンカーランチャーを近くの壁に打ち込み牽引する。
俺の脇腹のあった場所を緑の閃光が空を切った。
ブルデュエルの腕部装甲と一体化したビームハンドガンによる攻撃だ。
俺は牽引中のワイヤーを対艦刀で切り裂き追い打ちをかけてくるミューディーの攻撃を回避する。
「ちょこまかと!!」
「さっさと殺されちまえよ!!」
ヴェルデバスターによる弾丸の雨に晒される。
両腕のビームシールドでカードする。
…辺りに煙が立ち込める。
視界0の中で精神を集中する。
ソルや花音達が無人機との戦闘による発生する音の中…微かに上方からの微かにスラスター使用時のボッという音が聞こえた。
「そこか!!」
「なっ!!」
真上に向かって対艦刀を振り上げる。
バチンと言う大きな音と共に対艦刀とブルデュエルのサーベルが交わった。
衝撃波が生じ辺りの煙が晴れる。
そして俺は右手に力を込めサーベルを払う。
「はぁあああ!!」
「がはっ!?」
そしてこちらにビームライフルの銃口を向けていたシャムスと俺の間にミューディーを蹴り飛ばした。
「くっ…やってくれんじゃないの!!」
「俺がお前達を止めてやる…」
左側のウィングにマウントされた対艦刀も引き抜く。
そして俺は2振の対艦刀を胸の前で交差するように構える。
「…道を誤った仲間を正しい道に引きずり戻すのも友の勤めだからな」
かつての仲間が乗っている2体の機体を見据える。
ここからが正念場だ…
◇ ◇ ◇
「くっ!!
なんなのよいきなり!!」
「ノエル!!
後ろから来てる!!」
「わかってるっ!!」
ガキンと大きな音を立ててノエルの機体、ドラゴンアムの脚部装甲と無人機の大型ブレードが交わった。
足に装備されたスラスターから光の奔流が溢れ出す。
速度の増したその足はブレードを弾き反対の足で回し蹴りのように無人機を蹴り飛ばした。
「…やっぱり狭いね…
もう少し広かったら山嵐が使えるのに…」
「出来れば外に出たいところだけど…
アイツらしっかり邪魔してくるもん」
私とノエルは背中合わせの状態でお互いの前にいる敵を見据える。
バイザーに灯る光からは無機質な殺意が飛んでくる…
「きりないね…
このままじゃジリ貧…だね」
「希がこっちに向かってるらしいけど…」
ーーー2人とも伏せろ!!ーーー
「…!!
ノエル!!しゃがんで!!」
「え?」
「良いから早く!!」
ノエルは私の言うとおりにしゃがむ。
すると私達の頭の上を荷電粒子の鞭が通り過ぎた。
「え?!え?!」
突然起きた出来事にノエルは驚きを隠せない様である。
しかしこれが誰の仕業か私ははっきりわかった。
こんな無茶苦茶な攻撃をする人はこの学園…というより世界中どこを探しても私達をこれだけ信用してくれる人は居ないだろう。
「遅かったね希」
「すまん。
遅れた」
真っ二つに引き裂かれた無人機の残骸を掻き分け私達の前に現れたのは青い翼を持つ白い機体-星彩を纏った星村希だった。
◇ ◇ ◇
「凄いね簪ちゃん。
なんかエスパーみたい」
「全然そんな事ない。
ただ希の声が聞こえたから」
「ニュータイプの力の賜物ッスね」
「ニュー…なに?」
「ま、その話は後でって事で」
瓦礫とISのパーツが散乱するピットの中、俺達は現在の状況の確認を始める。
簪やノエル曰わく、他のアリーナのIS操縦者の所にも無人機が襲撃に来ているらしい。
場所によっては
「希、近くの機体は?」
「…逆側のピットに有人機が2、無人機が1…
チッ…アリーナに更にもう2機侵入、行くぞ2人とも!!」
「「うん!!」」
閉ざされたピットのドアを星火燎原によって形作った日本刀で両断する。
ピットからアリーナへ飛び降りると底には丁度2機のISが地面に降り立った所であった。
「さあ、行くッスよ!!」
ドッカァアアアン
轟音と共に逆側のピットのハッチが砕け散る。
爆炎の中から大きな陰が現れる。
「楯無さん、箒!!」
その陰の正体はナノマシンを纏った槍で無人機の装甲を突き破らんとする楯無さんとその背中を押す箒だった。
そして青い機体を覆っていた水はみるみるうちに右手に収まっている槍に集まり更に大きな槍を形作っていた。
「あれは…ミストルテインの槍!!」
簪が楯無さんの姿を見て叫ぶ。
あんなもの…見るだけで危険だとわかる。
と言うよりも俺の勘がそう叫んでいる。
「くそったれ!!」
「希くん!!」
唯でさえミステリアス・レイディの
それの応用と思われるその攻撃の威力の高さは想像できない…むしろ出来るのは操縦者の傷付く姿のみである。
「ふざっけんな!!」
「な?!」
楯無さんがその手に持っていた獲物を両断する。
それを切り裂くと同時に無人機に青い刀を突き刺し蹴り飛ばした。
箒と共に降りてくる傷だらけの楯無さん。
彼女は俺の顔を見ると睨み付けた。
「希くん、あなたーーー」
「それはこっちの台詞ッスよ!!
何が自己犠牲だ!!
ふざけんじゃねえよ!!
アンタがそれを発動して見ろ!!
アンタ…死んでたかも知れねえんだぞ!!」
「だって…あれしか方法が…!!」
「それもわかってる。
それしか方法が無かったのも全部。
でもまだ試してない方法があるだろ」
「…仲間」
「仲間だよ!!
頼ってくれよ!!
幾ら学園最強だって言っても1人の人間だ。
1人で出来なきゃ周りの人間に頼れよ。
コレが俺がこの世界に来てみんなから学んだことだ」
「わかったわ…後は頼んだ」
「簪達は下がってろ。
後は俺がやる」
「でも…」
「みんなもう満身創痍だろ?
無傷の俺が戦うッス。
大丈夫、メサイアの時よか楽ッスから」
俺は簪の頭を軽く撫でると3機の無人機の方を向く。
「ファンネル射出。
…ヴォワチュール・リュミエール!!」
アラスファンネルが固定されていた翼の部分から新たに青い光の翼が現れる。
「後には通さねえよ。
ポンコツ、かかってこいよ」
文字通り右手の人差し指を使って挑発する。
そして3機はこちらへと向かってきた。
「人を思う気持ちは…!!」
両脇から切りかかってきた2機のブレードを青い刀で受け止め、目の前の機体の体を足の裏で受け止める。
「どんな不可能も可能にするんだよ!!」
両手の刀で2機を弾き飛ばす。
そして各4機ずつのファンネルで機体の装甲を打ち抜く。
そして配置されたファンネルは花が開くように陣形を変え、俺は刀を消し腕の長さ程の青いビームライフルを展開した。
そしてファンネルの花の中央には緑色の光の膜が張られている。
「今度の星彩は射撃もいけるぜ!!」
放たれた光の弾丸は緑の膜を通過すると光は大出力のビームへと変貌を遂げた。
「てめえも眠っとけ!!」
無人機を支えていた足を蹴り出す。
そしてライフルを収納し再び2振の刀を形成する。
「斬れぬ物無し、ってね」
俺がその無人機の横を通り過ぎると機体の装甲にに×の字に亀裂が走りバラバラと崩れ落ちた。
そんな中、後ろからビームの雨が降ってくる。
振り向くと一部の装甲を融解させながらもまだこちらに強く冷たい殺意を向けている2機の無人機が居た。
「ま、簪達狙ってくれなかっただけ良かったとするか」
機体のスロットルを全開にし左側の機体を肉迫する。
ビームの雨をすり抜け、機体の間接部を狙って刀を振るう。
MSにも言えるようにISも間接系統は弱い。
要するに幾ら大出力のビームで少し傷が付く程度の硬さの装甲でも間接に攻撃を加えれば紙屑同然というわけだ。
反対側の無人機は俺にしか目を向けていなかったためか簪に腕をもがれた後にノエルにどーんされていた。
「私達だって少しくらい戦えるよ」
「ごめん。
いや…ここはありがとうかな?
後はそこの無茶しかできない生徒会長を病室に連れて行って説経だな」
「げ…あれだけで終わりじゃなかったの?」
「冗談ッスよ。
流石にこれ以上やると楯無さんの傷に障るでしょう?」
「ま、私自体そんなに大きな怪我をいっつう!!」
ISを解除して立ち上がろうとした楯無さんは苦悶の表情と悲痛な叫びをあげた。
「お、お姉ちゃん?!
大丈夫?!」
「う、うん。
まあね。
でも暫く自力では立てそうにないわ。
肩かして、簪ちゃん?」
「うん」
簪が楯無さんの体を脇から支える。
そのまま俺達はアリーナの出口へと歩いていった。
誤字脱字、文法的な間違い、感想、その他 出して欲しいキャラクターのリクエストなど色々お待ちしてます。
次回もお楽しみに~