IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~ 作:ぼいら~ちん
「俺には双子の妹がいるんだ…
名前は星村 空…」
「確かにそらちゃんの名字は星村だけど…」
「いや。
ただ単に同姓同名の子かもしれないが…」
「でも…
ノゾミに妹がいるなんて初めて聞いたぞ」
「ああ。
俺も初めて言ったからな。
本当に人違いかもしれないから…
流していいよ…」
「でも~
なんでほしむーの妹がこの世界に来てるなんて思うの?
向こうの世界でもう亡くなってるかもしれないし…」
え?
いまなんて?
「な!?
なんで布仏さんは俺が異世界人だってこと知ってんの!?」
「かんちゃんから聞いたの~」
簪がうつむいている。
ごめんなさいを体で表現してる感じだ
「確かに布仏さんの言うとうりだけど…
俺は
そしてそれはこのアクセサリーの
俺は右手を突き出す。
そうして俺は淡々と説明していく。
このアクセサリーがサイコフレームでできていること。
そしてニュータイプであることを…
「…一通り話したが…
質問は?」
「ノゾミの秘密はわかったけど…
それと妹さんの死となんの関係が…?」
「俺達ニュータイプは人が死ぬときにその人の遺言みたいなものが聞こえるんだ…
でも…そらがいなくなったとき…
俺はそれを聞いていない…」
そう
聞いていないのである。
自分の父と母の死に際には間違いなく聞いたのにそらがいなくなった時には聞いていないのである。
というかレオスと本音がいない!!
「そういうことは置いといて…
簪はここで何してたんスか?」
「置いといちゃダメ…」
少し怒り気味の口調で簪が返してくる。
すいませんでした!!
「でも…
そらちゃんとノゾミはすぐに会えるよ…」
「本当か!?」
「うん…
彼女も日本の代表候補生…
ひと月くらいでIS学園に来るって…」
「なんで普通に入学しなかったんだ?」
「もう入学手続きは済んでる…
でも…
今はフランスに行ってる…
自分の機体のパーツ探しの旅…だって。」
「入れ違いか…
電話とかできないのか?」
「うん…
あの子普段から携帯持ち歩いてない…」
「そっか…」
あからさまにしょぼーんとする俺。
「でも…
ノゾミのニュースがやってた時…
ノゾミのこと…『兄さん』って言ってた…」
「本当か!!」
「うん…」
「そうか…
よかったぁ…」
そらが生きていることを知った俺の目から涙がこぼれる…
「よしよし…」
簪が頭をなでてくる。
「こういうのも…
悪くないかな…」
◇ ◇ ◇
そんなこんなで放課後。
あの後色々聞いてみたら、簪はあの場所でISを制作するらしい。
なんでかというと機体を作るのがほったらかし状態になったらしく、自分で作ることを決意。
あそこではそれに必要なパーツを待っていたらしい。
今俺、レオス、簪は学生寮の廊下を歩いてる。
ちなみに俺とレオスは同室で1026番の部屋らしい。
あと生活に必要な荷物は千冬さんが用意してくれたらしく放課後に渡された。
なんだかんだいってやさしいね。
「じゃあ…
私はここで…」
俺たちは部屋のドアの前で止まる。
そのドアには1026と書いてある。
つまり俺達の部屋だ。
「時々遊びに来いよ!!」
「うん…
じゃあまたね…」
「「おう!!」」
ガチャリ
部屋のドアを持っていた合鍵であける
「「お~!!
すげ~!!」」
すごい…
豪華な内装。ふかふかのベッド。まさに高級ホテルである。
「よし!!レオス!!
食堂に行くぞ!!」
俺は荷物と制服の上着を置きながらレオスに言う。
ちなみに俺の制服は少し手を加えており、襟の所にフードがついている。
いいじゃん
カッコいいじゃんフード
「なんでだ?
夕食の時間までだいぶあるぞ」
「甘い!!
甘いぞレオス・アロイ!!
引っ越し蕎麦を取りに行くのさ!!」
「引っ越し蕎麦ってなんだ?」
「江戸時代から行っている日本の風習だよ。
当時、蕎麦が安かったってのと、細く長くお世話になりますってお隣の人に蕎麦を送るんだ。」
「そうなのか!!」
「さっそく行くぞ!!」
「おう!!
引っ越し蕎麦の重要性、学ばせてもらう!!」
◇ ◇ ◇
「おい、一夏…
なにやってんだ?」
食堂から蕎麦をもらって戻ってくると…
隣の1025号室の扉の前に一夏が座っている。
しかも扉の至るところに穴が空いておりそのうちの一つから木刀が伸びていた。
「あっ、織斑君だ」
「えー、あそこって織斑君の部屋だったんだ!
いい情報ゲット!!」
騒ぎに気づいたらしく近くの部屋の子達が集まってきた。
「あ、アロイ君に星村君もいる!」
「なんでざる蕎麦持ってるの?
しかも4枚も」
「引っ越し蕎麦だ。
隣の部屋の人に配ろうと思って取って来たんだけど…」
「2枚は一夏とそのルームメイトに、あと2枚は自分らで食べる用ッス。」
途中で山田先生と遭遇、両隣の部屋の人について聞いたのだ。
ちなみに1027号室は空き部屋らしい。
「…箒、箒さん、部屋に入れてください。すぐに。まずいことになるので。
というか謝るので、頼みます。この通り」
一夏が部屋の前で合掌する。
そして1025号室のドアが開く。
中から出てきたのは剣道着を着た箒が現れた。
「…入れ
希、そしてアロイもだ。」
「お、おう」
「サンキュー!!
みんなで蕎麦食うッスよ!!」
「お邪魔します。」
そうして俺達3人は1025号室に入る。
そして机に蕎麦をそれぞれに渡し食べ始める。
「「「「いただきます!!」」」」
ずるずるもぐもぐ
「にしても久しぶりだな箒!!
6年ぶりだな!!」
「え?
篠ノ之さんとノゾミって知り合いなのか?」
「おう!!
そう言えばまだ紹介してなかったな。
箒、こいつはレオス・アロイ。
俺と同じく異世界人だ」
「レオス・アロイです。
よろしくお願いします」
「私は篠ノ之箒だ。
箒でいい。
よろしく頼む」
「じゃあ俺のこともレオスって呼んでくれ」
ずるずるもぐもぐ
「ところでなんで蕎麦なんだ?」
一夏が質問を投げかける。
口元には蕎麦に乗っていた海苔がついている。
「「引っ越し蕎麦だ!!」」
「お、おう」
「…一夏…貴様どうつもりだ…」
「へ?」
やばい…
箒が怒ってる…
なんとなくレオスも察したらしく目が合う。
そして俺達は小さく頷く。
「じゃあ…
オレ達はこれで…」
「そうだな!!
蕎麦のせいろは俺達で片しとくッス」
「……」
「ありがとう…」
そうして部屋を後にする。
「「一夏…死ぬなよ…」」
その晩
何かが殴られるような音が1年の寮中に響き渡ったという。
◇ ◇ ◇
翌朝
俺は一夏達と別れ一人、整備室を訪れた。
その手にはパンと牛乳の入った袋を握っている。
「おはよう簪!!」
「おはよう…」
整備室の真ん中で簪がISのパーツに囲まれてちょこんと座っている。
ここに簪がいると予想し、見事的中。
朝食もまだだと思い、簪の分も買ってきた次第だ。
「機体の組み立ては順調スか?」
「……」
ふるふる
簪は首を横に振る。
「そっか
この手の作業は俺の得意分野ッス!!
何か手伝えることがあれば言ってほしいッス!!」
「じゃあ…」
簪はそう言うと携帯端末を操作し、俺に見せたいものに画面を切り替え、俺に見せる。
「第三世代の技術を使ったマルチロックオンシステムか…」
「うん…
『
「俺もちょうど星彩用のオートクチュールの制作で実弾を使ったマルチロックオンシステムのプログラミング中だったんス。
まだ完成してないッスけど、星彩に使われてるビーム兵器を使ったマルチロックオンシステムを応用すれば数日で完璧ッス!!」
『オートクチュール』とは専用機用の機能特化専用のパッケージで、俺は広範囲殲滅に特化したものを作ろうと日々研究中である。
ちなみに『パッケージ』とは換装用の装備でパッケージを追加するにはそれなりに
「じゃあ…
お願いしてもいい?」
「おーまかせってね!!」
簪は笑顔になる。
かなりうれしいっぽい。
「やっぱり簪は笑顔の時が一番かわいいッスね」
「なっ…!!」
簪の顔が赤く染まる。
「…ありがとう…」
「で…他には?」
「あ…えっと…
ひとつ質問…」
「なんスか?」
「前に星彩を見たときに…
右肩についてるマーク…
あれ何…?」
「ああ、これか」
星彩を展開して右肩のアスタリスクを指さして言う。
「えっとだな…
これは俺が向こうの世界でオーブって軍に所属してた時の話なんスけど…
向こうの世界で俺、『流星のノゾミ』って呼ばれてて…」
「くす…」
「わ…笑うなよ…
呼ばれてるこっちは結構恥ずかしいんスから…
でそのせいで星を意味するアスタリスクが気づいたら機体にペイントされてた…」
「ふふっ…
自分でやったんじゃなかったんだ…」
「あ~~~~~
笑うなよ~!!」
そんな他愛のない会話を交わしながら俺達の朝は過ぎて行った。
◇ ◇ ◇
その日の昼休み
俺と箒と一夏の3人で食堂にいる。
俺は券売機買ったカレーの食券をカウンターに置く。
「なんかすごいよな~」
「なにが?」
「だってさ
機体に余りがないからってお前は専用機がもらえるんスよ
俗に言うエリートへの格上げだ」
「それはいいんだけどさ…」
さっきから箒の視線が痛い…
ザクザク刺さってくる…
「とりあえずだな…
箒はもっと人と話せ!!
根はいいやつだし見た目もかわいい
人気者間違いなしだ!!」
「そうだぞ
俺がさっきはどんだけ穏和に接してやると思ってるんだ馬鹿。
台無しにしやがって。
お前、友達できなかったらどうすんだよ。
高校生活くらいとつまんないだろ」
「わ、私は別に……頼んだ覚えはない!」
「俺達も頼まれた覚えがねえよ。
あ、おばちゃん、日替わり2つで。
食券ここでいいんですよね」
さっきのこととは俺と一夏で休み時間中に計画した
しかし強引に攻めすぎたせいで作戦は失敗。
現在に至る。
一夏も箒の分も含めた日替わり定食の食券をカウンターに置く。
右手だけで作業をしているのでかなり不便そうだ…
ちなみに左手は箒の腕を掴んでいる。
しっかり掴んでないと逃げられる…
箒の逃走率はサボテ●ダーやはぐ●メタル並みなのだ
「まあ
頼まれてもふつうはやんないッスけどね
俺は一夏に頼まれてそれが箒だったから協力したんだ」
「な、なんだそれは…」
「コレンもなんだもあるか
おばさん達には俺も一夏も世話になったし、幼馴染で同門で更には俺の命の恩人ときた。
そんくらいやって当然だろ」
「……」
箒がむすっとしている。
いいじゃんそれくらい。
「そ、その…ありが―――」
「はい、日替わり2つとカレーお待ち」
「おお!!
うまそうッスね!!」
「うまそうじゃない
うまいんだよ」
さらにむすっとしている。
しゃーない…
これは神のいたずらか…悪魔の罠か…
「ほ…箒…?」
「…向こうが空いている」
そう言って一夏の手を振り払ってすたすたと歩き始める。
箒を追って空いた席に座る。
「そういえば…」
「うん?
どうした?」
「2人で俺にISのことについて教えてくれないか?
このままじゃ来週の勝負に何もできずに負けてしまいそうだ…」
「くだらない挑発に乗るからだ、馬鹿め」
「俺は構わないッス
パートナーだしね。
箒は?」
「……」
箒に無視された…
嗚呼無情…
「なあ、箒―――」
「ねぇ、君って噂の子でしょ。」
いきなり女の子が現れ一夏に話しかけてくる。
リボンの色が違うため3年生と思われる。
ちなみに1年生が青、2年生が黄色、3年生が赤である。
「はあ、たぶん。」
「代表候補生の子と勝負するって聞いたけど、ほんと?」
「はい、隣の希と組んで勝負します」
女子の情報網すごい…
噂の広まる速さがパソコンと同等かそれ以上ではないんだろうか…
「でも、君、素人だよね?
ISの稼働時間いくつくらい?」
「いくつって…20分くらいだと思いますけど…」
「それじゃあ無理よ。
ISは稼働時間がものをいうの。
その対戦相手、代表候補生なんでしょ?
だったら軽く300時間はやってるわよ」
すごいな代表候補生。
まあソルやスウェン、レオスの足元にも及ばないだろうが…
「でさ、私が教えてあげようか。
ISについて」
「はい、ぜ―――」
「「結構です。
私(俺)が教えることになってるので。」」
うんいい連携だ。
二人で行けば恐れるものは何もない!!
「あなた達も1年でしょ?
私の方がうまく教えられると思うなぁ」
「…私は篠ノ之束の妹ですから」
「篠ノ之って―――ええ!?」
「そう言えば先輩。
このあいだの空港のISによるテロはご存知ッスか?」
「うん…
まぁ…ニュースで見たし…」
「俺、その事件の鎮圧に貢献したISパイロットの1人なんスよ。」
「ええ!?」
二つの事実にかなり驚いている先輩(名前は知らない)。
かなり引いてる…
「「ですので、結構です(ッス)」」
「そ、そう。それなら仕方ないわね……」
そう言って先輩は引いた感じ去っていく。
「なんだ?」
「いや…
一夏に教えてくれるのか?」
「そう言っている」
俺も機体整備の過程で覚えるつもりだが説明しづらいところが多々ある。
箒先生お願いします!!
「今日の放課後」
「ん?」
箒が一夏の方を向き言う。
「剣道場に来い。
一度、腕がなまってないか見てやる。」
「それがいいな。
俺も近接戦のベースは剣道だからな。」
「いや、俺はISのことを…」
「見てやる」
「見てもらえ」
「わかったよ…」
そう言うと3人で食べ終えた食器を片づける。
そして一夏と箒は教室へ、俺は整備室へと向かった。
◇ ◇ ◇
放課後、剣道場。
「どういうことだ」
「いや、どういうことって言われても…」
「一夏弱くなりすぎ…
俺がいなかった2年間なんもしてないだろ…」
「はい…
受験勉強してたってのもあります…」
箒と一夏が手合わせを初めておよそ10分。
一夏は箒に瞬殺された。
「…部活は何部に所属していた」
「帰宅部。3年連続皆勤賞だ」
「―なおす」
「はい?」
「鍛えなおす!!
IS以前の問題だ!!
これから毎日、放課後3時間、私が稽古をつけてやる!!」
「そ、それはちょっと長いような―――ていうかISのことをだな…」
「だからそれ以前の問題だと言っている!!」
「IS関連の知識は俺の部屋に来ればセシアが教えてくれるよ。
毎日レオスの為に特別講義やってるから」
「それにしても情けない。
ISを使うならまだしも、剣道で男が女に負けるなど……
悔しくはないのか、一夏!!」
「そりゃ…まあ格好悪いと思うけど…」
…かなり長くなりそうだ…
鶴の一声でもかけてやるか…
「き、今日はこの辺でお開きにして、晩飯の後に、一夏の部屋で作戦会議だ!!」
「「おう!!」」
そう言って各々は着替えなどをしに更衣室へと向かった。
どうでしたか?
感想、誤字脱字の指摘、文法的なミス、アドバイスなどなど待ってます。
次回
決闘!!
お楽しみに~