IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

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決闘と書いてデュエルと読む…


PHASE-6 決闘!!

翌週の月曜日、第3アリーナ・Aピット。

 

「なあ…箒…希…」

 

「「なんだ、一夏」」

 

「気のせいかもしれないが」

 

「そうか。気のせいだろう

希もそう思うだろう?」

 

「たぶん気のせいッスよ」

 

そうだ。

一夏の思っていることは気のせいだ。

そうに違いない。

てゆーかそうであってほしい!!

 

「ISのこと教えてくれる話はどうなったんだ?」

 

「「………」」カポ

 

箒は一夏から目をそらし、俺は首にかけているヘッドホンを装着する。

 

「目をそらすな

そしてヘッドホンつけんな」

 

だって簪に毎日こき使われてヘトヘトなんですもの…

まあ俺たちに非があるのは否めないが…

そして一夏の専用機はまだ来てない。

なんかごたついているらしい。

訪れる沈黙…

そんな中廊下からぱたぱたと足音が聞こえてくる。

 

「お、織斑くん織斑くん織斑くん!!」

 

3回も言わんでも流石の一夏でも聞こえるでしょう…

ピットに大急ぎでやってきたのは我らが副担任、山田真耶先生だった。

転びそうでとても危なっかしい…

 

「山田先生、落ち着いて!!

はい、深呼吸~」

 

「は、はい。す~~~は~~~、す~~~は~~~」

 

「はい、そこで止めて」

 

「うっ」

 

一夏がノリでそんなことを言う。

そんな冗談を真に受けて先生は息を止める。

みるみるうちに顔が酸欠で真っ赤になっていく…

冗談通じないなぁ…

 

「「「…………」」」

 

「……ぶはあっ!ま、まだですかあ?」

 

すみません

タイミングを掴めませんでした…

 

「目上の者には敬意を払え、馬鹿ども」

 

スパァンスパァン!!

 

「千冬姉…」

 

スパァン!!

 

「織斑先生と呼べ。学習しろ。さもなくば死ね。」

 

うわ…ひでぇ…

なんかかわいそう…

こんなんだから彼氏ができないんだよ千冬さん…

 

「ふん。馬鹿な弟と異世界人にかける手間暇がなくなれば、見合いでも結婚でもすぐできるさ」

 

うひょう

相変わらずすさまじい程の読心術…

この人ニュータイプなんじゃないの…

 

「そ、そ、それでですねっ!

来ました!織斑くんの専用IS!!」

 

「織斑、すぐに準備をしろ。

アリーナを使用できる時間は限られているからな。

ぶっつけ本番でものにしろ」

 

「この程度の障害、男子たるもの軽く乗り越えてみせろ。

一夏」

 

「勢いのある時は勢いに乗るッス!!

これ、戦いの鉄則!!」

 

「え?え?なん……」

 

「「「「早く!!」」」」

 

ごうんという低い音が室内に鳴り響く。

そしてIS搬入口が開き、ゆっくりと機体が姿を現す。

そこには真っ白な機体が鎮座していた。

 

「これが…」

 

「はい!織斑くんの専用IS『白式』です!!」

 

白式…

真っ白なその機体は操縦者になる一夏を待ち望んでいるかの様に見える。

 

「じゃあ

俺はBピットで出撃準備に取り掛かるから準備できたら呼んでください」

 

「わかった」

 

そう言い俺はAピットをあとにする。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「白式、準備完了しました

星村くん、準備は?」

 

「問題ありません。

いつでも行けますよ!!」

 

俺はカタパルトに向かって歩き出す。

その身にはグレーのIS-星彩を纏っている。

 

「カタパルトオンライン

機体射出タイミングを星彩のパイロット、星村くんに譲渡します」

 

「はい!!

星村希、星彩、推して参る!!」

 

機体が外へと押し出される。

この感覚…10年ぶりだな…

 

『前方に2つの機影を確認。

1つはイギリスの第三世代型IS『ブルー・ティアーズ』。

もうひとつはジュピターX所属『エクストリームガンダムtypeレオス』です』

 

「サンキュー、セシア」

 

そう言い俺は観客席を見渡す。

自分の後方に簪の姿を確認すると、そちらを向き、サムズアップする。

簪もにっこりとほほ笑みサムズアップ。

 

「あら、余裕ですのね」

 

「まあな

で、どっちから先にやられたい?」

 

「オレはそう簡単にやられないぞ!!」

 

「いいぜ

相手してやる」

 

「経験を積んだ戦いを見せる!!」

 

そうこう話をするうちに一夏も白式を纏いピットを出てくる。

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 

「まあな」

 

「あなた方に最後のチャンスをあげますわ」

 

「チャンスって?」

 

「わたくしが一方的な勝利を得るのは自明の理。

ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝るというのなら、許してあげないこともなくってよ」

 

そう言って俺達を嘲笑する。

 

「そう言うのはチャンスとは言わないな…」

 

「そうだな

あとひとつ言っておくが、戦場での慢心は自らの死を招くってことを忘れるなよ…

そんなんじゃ、戦場では生き残れないッスよ」

 

「そう?

残念ですわ。

それなら…」

 

『スターライトmkⅢの初弾装填を確認!!』

 

「お別れですわね!!」

 

キュイン

特徴的な音が鳴り響く。

しかしその閃光は一夏の前にある板によって遮られる。

 

「なんですのこれは!?

放熱板!?」

 

「半分は正解かな~」

 

そう言い俺はウィングからアラスファンネルを射出、自分の近くに停滞させる。

 

「行け!!

アラスファンネル!!」

 

ファンネルをブルーティアーズに向かって飛ばす。

その時、耳を劈くような警告音がハイパーセンサーから鳴り響く。

星彩のハイパーセンサーはヘッドホンのような形をしており、ハイパーセンサーの基本機能とともに、聴覚保護や三半規管の強化などにも役立っている。

ヘッドバンドは二股に分かれており、前のバンドにはガンダムタイプの特徴であるV字型ブレードアンテナがついている。

 

『敵機体接近中!!

格闘武装がすでに展開されています!!』

 

視界に入ってきたのはタキオンスライサーを振りかぶるゼノンフェースだった。

 

「オレがいることも忘れるなぁぁぁぁ!!」

 

「忘れてないッスよ!!」

 

すかさず右手でペナルティを抜き放ち斬撃を受け止める。

 

「流石はノゾミだな!!」

 

「腕あげたなレオス!!」

 

空いている左手でクライムを抜き放ちカウンターを決めようとするも斬撃は空を斬る。

 

「踊れ…!!」

 

声の聞こえた方向で、エクリプスに姿を変えたエクストリームが両肩に搭載されている武器『ブラスターカノン』の火を噴かす。

しかし俺はすかさず地面に向かってアンカーランチャーを射出、そのまま牽引して砲撃を回避する。

そのままクライムとペナルティを鞘にしまい、射撃用兵装『スぺムエクシギュラム』を展開する。

そのまま高く飛翔、レオスと撃ち合いになるが俺にもレオスにも攻撃がなかなか当たらない。

 

「わたくしをお忘れにならないでくださる?」

 

「ぐあ!!」

 

キュイン

またしても甲高い音が聞こえ、青白い閃光が星彩を右腕を貫く。

 

『バリアー貫通!!

ダメージ76、シールドエネルギー残量、724。

実体ダメージはありますが機体機動に支障をきたすレベルではありません!!』

 

セシアの声が聞こえてくる。

 

「一夏!!

流石に2対1はきつい!!

援護頼む!!」

 

「了解!!

えっと…武器は!?」

 

焦り気味の一夏の声が聞こえてくる。

 

「え…?

一個しかない…」

 

「何が!?」

 

「武器…

近接ブレード一個しかない!!」

 

「マジで!?

でもこのままじゃまずい!!

この流れをどうにかしてくれ!!」

 

「わかった!!」

 

一夏がそう言い近接ブレード(名称未設定)を展開しセシリアに斬りかかる。

それは避けられるが弾幕は少し緩くなる。

そしてバレルロールしながらアウロラとライフルでレオスに牽制する。

数発あたるがまだまだ健在といった様子だ。

ビームとミサイルの雨がやみ両者にらみ合いの状態になる。

 

「改めて

ニュータイプとコーディネーターの混合種(ハイブリット)の力

学ばせてもらう!!」

 

「さあ、踊りなさい!!

わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!!」

 

「だったらアンタも」

 

「俺らの曲を」

 

「「黙って聞いてろよ!!」」

 

そう言い俺と一夏は獲物を構えなおす。

戦闘はまだ始まったばかりだ…

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「…27分。

持った方ですわね。

褒めて差し上げますわ。」

 

「そりゃどうも……」

 

俺-織斑一夏はセシリアと言葉を交わす。

 

「そろそろ…

閉幕(フィナーレ)といきたいところだが…」

 

「無理っぽいッスね!!」

 

星彩のペナルティとアイオスのビームサーベルが交わる。

 

「踏み込みが甘い!!」

 

「ぐうっ!!」

 

ノゾミがレオスに吹き飛ばされる。

 

「隙ありですわ!!」

 

吹き飛ばされた先にはブルー・ティアーズによるオールレンジ攻撃が待っており、回避運動をしても数発あたる。

 

「極限進化…」

 

立て続けにレオスの機体がエクリプスに姿を変え、カルネージストライカーを構える。

 

「お前に未来などない…」

 

そして放たれた光にノゾミと星彩は呑みこまれる。

 

「ノゾミ!!」

 

ビームの照射終わり、着弾点は土埃に覆われている。

 

「よし!!

とうとうノゾミに勝ったぞ!!」

 

「くそ!!

俺が未熟なばっかりに!!」

 

 

「さあ

あとはあなた一人ですわ!!」

 

セシリアはスターライトmkⅢの銃口を俺に向け引き金に指をかける。

 

 

 

その時だった

 

 

 

「弱音なんて吐くなよ!!」

 

土埃の中から数多の閃光が突然伸びてくる。

それはエクストリームとブルー・ティアーズのあらゆる部分に突き刺さる。

 

「キャ!!」

 

「うわ!?

どこから!?」

 

次第に土埃が晴れる…

その中から現れたのは、装甲にほとんど傷のない星彩だった。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ノゾミ!!

無事だったか!!」

 

「そう簡単にやられるかってんだ!!」

 

一夏にニコっと笑顔を向ける。

我ながらいい笑顔だと思う!!

 

「で…でも何でですの!?

あなたはアロイさんの攻撃を直撃したはず…」

 

「直撃はしたッス。

でも…こいつのお陰で余裕だったぜ!!」

 

そう言って俺はアラスファンネルを射出、五つのファンネルを頂点として俺を囲むように青白い四角錐型のバリアーを展開する。

 

「でも…

それだけのものをあんな短時間で形成できるわけが…

はっ!!

まさか…わたくしの初弾を防いだ時…!!」

 

セシリアの初弾を防いだのもこのアラスファンネルである。

原理はνガンダムのファンネルバリアーと同じでそれを一つのファンネルでやっただけである。

 

「さぁて!!

本気を出すとするかな!!

セシア、VPS装甲起動!!」

 

『了解!!』

 

俺の掛け声に呼応し今までグレーだった星彩の装甲の色がホワイト、コバルトブルー、ダークブルーに変化する

 

「ふん!!そんなこけおどしが通用すると思って!?

それに本気と言ってもあなたは素人、わたくしの手のひらの上で踊るがいいですわ!!」

 

そう言いセシリアはスターライトmkⅢの引き金を引く。

しかしそれは俺に当たることなく、鞘から引き抜いたペナルティによって打ち消される。

 

「な…!?」

 

「そんな攻撃が通じるかっての!!」

 

「くっ…ならば!!」

 

セシリアは非固定部位からオールレンジ攻撃兵装『ブルー・ティアーズ』を射出、俺に向かって砲撃を開始する。

俺はアームド・アーマーDEとアームド・アーマーXCを背部に展開、さらにバレルロールをしながら加速、セシリアとの距離を詰める。

 

「速い!!」

 

「高速戦闘は俺の独壇場だぜ!!」

 

「…かかりましたね…」

 

「何!?」

 

セシリアがそう言うと腰にあった突起部分の先端が動き、俺の方に向く。

そしてそこから出てきたのはミサイル、放たれたそれに俺は直撃する。

そうこれは弾道型のビットだったのだ。

 

「効かねぇよ!!」

 

「な!?」

 

VPS装甲を起動していたためミサイルをフェイズシフトしていたのである。

そして自分の間合いに入るとすぐさまセシリアを一文字にに斬りつけその反動で前方宙返り、踵落としを見舞う。

 

「ノゾミ!!

手抜きは許さぁぁぁん!!」

 

レオスがタキオンスライサーによる攻撃を仕掛けてくる。

そしてまた俺はペナルティで受け止める。

 

「手抜きじゃないッスよ」

 

「どういうことだ!?」

 

「俺が弱いフリをすれば弱い方を潰そうと必然的に俺の方に攻撃は集まってくる。

それに本当の初心者の一夏が機体に慣れるまでの時間稼ぎにもなる。

基本のオセロの勝ち方は序盤に相手に多く取らせるってことさ」

 

事実俺の機体のシールドエネルギー残量は200をきっている。

また鍔迫り合いの状態になるが今度は俺がレオスを吹き飛ばす。

 

「決着をつけようぜ

レオス!!」

 

俺は鞘からペナルティを抜く。

 

「いいぜ…男は黙って…」

 

レオスはゼノンを極限進化形態へと移行させる。

 

「「格闘戦だろ!!」」

 

そう言い俺はスラスターを吹かし、レオスに急接近する。

同じくレオスもこちらに接近してくる。

 

「極限全力!!」

 

「さてレオス君…」

 

「シャイニングゥ!!」

 

「ばらんばらんに…」

 

「バンカァァァァァァァァァ!!」

 

「してやんよ!!」

 

ガキン

ゼノンの腕と星彩の刀が交わり金属音が鳴り響く。

そしてペナルティが吹き飛ばされる。

 

「もらったぁぁぁぁ!!」

 

レオスの掌が俺の腹部に迫る。

 

「まだ!!

この程度で希さんをやれると思うな!!」

 

空いている左腕にアームド・アーマーDEを展開、出力調整用のスラスターを吹かし勢いをつける。

 

ガスン

 

アームド・アーマーDEの先端はレオスの顔面に、レオスの掌は俺の腹部に突き刺さり炸裂する。

 

『星彩、シールドエネルギーが0になりました…』

 

星彩の装甲がまたグレーに戻る。

しかしレオスのエクストリームも進化形態から通常形態に戻り動かない…

 

「今のは効いたぜ…

流石だなレオス」

 

「エクストリームのエネルギーも0だ…

ノゾミも強いなぁ…」

 

今の一撃でエクストリームのエネルギーも尽きたようだ…

そしてほっと息を吐いて上で戦っている一夏を見つめる。

 

「あとは頼んだぞ…」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「よくもまあ、持ち上げてくれたものだ。

それでこの結果か大馬鹿者」

 

試合終了後のAピット。

一夏は千冬さんにこっぴどく叱られており、その様子を俺、レオス、箒、山田先生は見ていた。

俺とレオスが戦闘不能になった後、セシリアと一夏の戦闘は続き、押され気味の一夏は白式の一次移行(ファースト・シフト)が完了したことで逆転の兆しが見えたが、最終的には謎のエネルギー切れにより負けたのである。

 

「武器の特性を考えずに使うからああなるのだ。

身をもってわかっただろう。

明日からは訓練に励め。

暇があったらISを起動しろ。

いいな?」

 

「…はい」

 

あんな大見得切って負けるなんて…情けない…

しかしこのままだと序盤に手を抜いてた俺にも火の粉が飛んできそうだ…

 

「じゃあ

俺らはお先に失礼します」

 

「あ、あのですね

星村くんとアロイくんにはこれを渡しそびれたので、どうぞ」

 

どしっ

 

重っ!?

俺達2人の手にIS起動のルールブックと書かれた本が置かれる。

 

「じゃ…

じゃあな一夏、箒…

また…」

 

「お…おう…」

 

そう言い俺達はAピットを出る。

 

「お疲れ様…」

 

そこには簪が立っており、2人分のタオルとスポーツドリンクが握られている。

 

「あ…ありがとう」

 

「レオスと希の部屋について行っていい…?」

 

「ん?

なんで?」

 

「お…教えてほしいことがあるの…」

 

簪は俺達の手を掴み、アリーナの出口へと連れていく。

そんなに急いでどうしたんだ!?

これじゃあついて行くっていうより連れていくじゃん!!




読んでくれてありがとうございます。
感想、誤字脱字、文法的間違いその他もろもろ待ってます。
次回
決闘のその後…
お楽しみに~
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