IS-インフィニット・ストラトス-~星の扉の向こう~   作:ぼいら~ちん

9 / 66
PHASE-7 決闘のその後

決闘終了後の夕方、学生寮の俺とレオスの部屋

 

「ふぃ~

重かった~」

 

「お疲れ様…」

 

簪に連れられ、部屋に帰ってきた俺達。

クッソ重いルールブックを持って帰ってきたのである。

ぶっちゃけ戦闘の疲労と本を持つのでかなり疲労困憊だ…

 

「ところで聞きたいことって?」

 

レオスが簪に問いかける。

 

「確かに、マルチロックオンシステムことならもうほとんど完成ッスよ」

 

「ちがうの…」

 

「じゃあ何?」

 

「えっとね…

機体開発のヒントに星彩とエクストリームのデータを見せて欲しいの…

ダメ…?」

 

くぅっ!!

そんな上目づかいで話しかけられたら…

 

「OK!!」

 

って言うしかなくなるでしょう!!

そして簪に端末を手渡す。

そこには星彩のスペッデータと装備の一覧が表示されている。

 

「とりあえず星彩の武装から説明していこう。

ビームピストル『スぺムエクシギュラム』

対IS用打刀『クライム』及び『ペナルティ』

アンカーランチャー

非固定部位(アンチロック・ユニット)『アラスヴァーバ』起動兵装ウィング

プラズマ収束ビーム砲『アウロラ』

アラスファンネル

アームド・アーマーDE

アームド・アーマーXC

装甲素材はVPS装甲と一部にサイコフレームが使われてる。

あと単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)は星火燎原。

待機形態は右腕のブレスレットだね。

質問ある人?」

 

「はい…」

 

「はい!!

簪さん!!」

 

「VPS装甲ってなに…?」

 

「ほいほ~い

VPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲ってのは

機体の装甲に一定量の電流を流して実弾兵器を無効化できるんだ。

あとビームマシンガンくらいなら耐えることができる。

でもこれには欠点がある」

 

「欠点…?」

 

簪は首をかしげる。

 

「1つ目は実弾を無効化するために機体に電流をかけ続けるために機体の稼働時間が大幅に削られること。

2つ目は高出力のビーム兵器の直撃に耐えられないこと。

3つ目はVPS装甲が展開されているか否かが一目でわかるってことだね。

さっきの戦闘中に装甲の色が変わったろ?」

 

「うん

グレーから白と青に変わってた…」

 

「そういうこと

電流をかけてる時は装甲の色がグレーから他の色に変るんだ。

まぁVPS装甲はスウェンのノワールにもついてるから色々聞いてみるといいよ」

 

「ありがとう…

次はレオスお願い…」

 

「実はだな…」

 

レオスは苦笑いをする。

 

「エクストリームのことについてオレはあんまり知らないんだ…」

 

「「へ?」」

 

「各フェースの装備のことは大体分かるんだけど、動力とか装甲素材について一切わかんないんだ…」

 

「なんで?」

 

「セシアが教えてくれない…」

 

「自分で調べろよ…」

 

「データにロックがかかってて…」

 

レオスの苦笑いは未だ継続中…

 

「とりあえずわかる範囲で説明しよう!!

エクストリームには3つの形態があって、格闘進化形態の『ゼノンフェース』、射撃進化形態の『エクリプスフェース』、そしてファンネル進化形態の『アイオスフェース』に進化できるんだ!!」

 

レオスは突然ドヤ顔になる

 

「進化って第二形態移行(セカンド・シフト)のこと…?」

 

「第二形態移行?なんだs『それは私が説明しましょう!!』せ、セシア!?」

 

突然目の前にセシアが現れる。

突然のことで簪はまるでお化けでも見ているかのような驚きようだ。

 

「なあセシア…

いきなりすぎるだろ…

簪泣きそうだぞ…」

 

『す…すみません

あの…泣かないでください…

食べるつもりはありませんから…』

 

「食べるってなんだよ…」

 

簪が泣きやんでる。

別にホロアクターはお化けじゃないよ…

 

「そんなことよりも…」

 

『す、すみません!!

エクストリームの進化についてですよね』

 

「うん」

 

『元々エクストリームは、イクスという人物が開発し、それを私が常識的にデチューンした機体です。

しかし、デチューンと言っても現行の機体を上回る程のスペックを有しています。

そしてこの機体の最大の特徴がGA(ジェネラルアンサー)で得たデータを最大限に生かすことが可能な形状に進化することのできる機体です。

ちなみに各形態の設計はすべて私がやったんですよ』

 

「へ~

まさに極限の可能性を秘めた機体ってことだね」

 

『そういうことです。

あと、簪さんが言った通り、エクストリームから各形態に進化する際は第二形態移行、各形態が極限進化する際は第三形態移行(サード・シフト)を行います。

ちなみに単一仕様能力の発現は確認されていません』

 

通常、単一仕様能力は第二形態移行後に発現するものらしいが発現しないパターンもあるらしい。

俺の場合は第一形態から発現しているがかなり特異ケース、それどころか前例がないって簪が言ってた。

 

「質問…」

 

「なに?」

 

「なんでエクストリームが進化するとレオスの口調とか雰囲気も変わるの…?」

 

『それはですね

各フェースのベースになっている機体のパイロットの影響を受けているからです』

 

「例えばゼノンのベースになったデータの機体のパイロットは熱血漢な人が多かったからオレの性格も暑苦しくなったり、

エクリプスならクールな人が多かったからオレもクールに、

アイオスなら理想家っぽい人が多いからオレも理想家っぽく

ってところかな」

 

「面白い機体だね…」

 

簪が微笑む。

最近簪が笑ってるところを見るのが多くなってきた気がする。

 

「よし!!

時間的にもいい感じだから飯食いに行こうぜ!!」

 

「うん…」

 

「よ~し!!

今日は俺の奢りッスよ~!!」

 

俺達3人は満面の笑顔で部屋をあとにする。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

IS学園、学生寮、廊下

 

「本当にカステラ好きだね…」

 

「俺の命の源、カステラ!!

まぁこれは鈴カステラだけどね

一個食べる?」

 

「うん…」

 

「オレにもくれ!!」

 

夕食が食べ終わり、自室に戻るために廊下を歩いている。

俺は途中で買った鈴カステラを簪とレオスに配り、俺も1つ口にくわえる。

もぐもぐ

これがまたうまいんだよね~

 

「「「「あ」」」」

 

「お、オルコットさん…」

 

「ほ、星村さん…」

 

出会ってしまったのである。

放課後に決闘をしたレオスのパートナー-セシリア・オルコットに…

 

「「ご、ごめんなさい!!」」

 

俺とセシリアの声が重なる。

 

「あ、謝るのはわたくしの方ですわ。

大人げなく怒ってしまい、さらにはあなたの祖国を侮辱してしまうなんて」

 

「俺の方こそごめん。

ついカッとなってあんなことを言うなんて…」

 

そう言いきると訪れる沈黙…

そんな空気を変えたのはレオスだった

 

「お互いに悪いと思ってるなら、握手して仲直りしたらどうだ?」

 

「それがいいと思う…」

 

レオスの言葉に簪が賛同する。

 

「それがいいッスね」

 

「そうですわね」

 

お互いに手を出し握手をする。

セシリアの笑顔につられ俺も自然と笑顔になる。

そこで一つの疑問が生まれる。

 

「ところでクラス代表にはオルコットさんがなるの?」

 

「いえいえ

わたくしのようなものがなっても全く意味がございません!

なのでここはレオス(・・・)さんにお任せしようかと…」

 

え!?

セシリアがレオスのことを名前で呼んだ!!

これは何かあるんだろうか…

いや考えない方がいいかもな…

 

「え!?

オレはパス!!

ノゾミ、任せた!!」

 

「俺は嫌だ!!

簪!!」

 

「私…クラス違うし…

それに…もう4組のクラス代表…」

 

「「……流石は日本の代表候補生……」」

 

ピコン!!

 

「いいこと思いついた!!」

 

「どんなことですの?」

 

「えーっとだな…

ごにょごにょごにょ…」

 

俺がセシリアに耳打ちをする。

 

「はい…はい…

それは名案ですわね!!」

 

「オレにも聞かせろ!!」

 

「クラス違うけど…

私も…」

 

「「うん…うん…」」

 

さらにレオスと簪にも耳打ちをする。

 

「それはいい考えだ!!」

 

「よっ…知将…」

 

「これで決定ですわ!!」

 

最後にセシリアがしめる。

そうしてまた部屋に向かって歩みを進める。

 

「の、希さん…」

 

セシリアが小声で話しかけてくる。

 

「なんだ?

セシリアも鈴カステラいるか?」

 

そういい俺はセシリアに鈴カステラの袋を差し出す。

 

「では、お言葉に甘えて…

ではありませんわ!!」

 

そんなことを言いつつもセシリアは鈴カステラを口に入れる。

 

「じゃあ…なんスか?」

 

ごっくんと飲み込みセシリアが話しを続ける。

 

「え、えっと…

さっきの作戦の発案者をわたくしにしてほしいのです…」

 

そう言うセシリアの顔は少し赤くなっている。

 

「まさか…

一夏に惚れたんスか?」

 

「な!?

そんなことはないですわ!!

わたくしはただの罪滅ぼしにと思って…」

 

「はははは

ニュータイプ()をだませると思うなよ!!

ばればれッスよ!!

まあ

一夏は手ごわいッスよ~

心してかかるがいいッス!!」

 

「だから!!

わたくしはそんなことは思ってないですわ!!

ちょ!!

待ってくださる!!

わたくしにも弁解の余地を!!」

 

そんな他愛もない会話を交わしながら俺達は自分の部屋に戻っていった。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

PM9時37分、IS学園学生寮、屋上

 

俺は寝っ転がって星を眺めていた。

耳にはヘッドホンを付けており、スローテンポの曲を流しているためかだんだんとウトウトしてきた…

そんな中、俺の額に何か物が乗っかるのを感じた

 

「冷たっ!?」

 

突然のことに驚き、ガバっと起き上がる

額に乗っていたコーラの缶は起き上がるのと同時にころころと転がっていく。

背後の気配に気づき、後ろを向くと…

 

「お疲れ様…」

 

「あ、ありがとう簪…」

 

ニコっとほほ笑む簪がしゃがんでいた。

右手にはぶどうジュースの缶が握られている。

いつもの制服とは違い、パーカーにスウェットと普段の簪から想像もつかないラフな格好をしていた。

 

「なんでここにいるのがわかったんスか?」

 

「レオスから聞いた…

この時間なら屋上で星を見てるよって…」

 

プシュっと音を立てて簪がジュースを開け、飲み始める。

それにつられて俺もコーラを開ける。

 

「のわ!?」

 

「ひゃぁ!?」

 

突然コーラが噴き出る。

当然俺にかかり、さらには近くにいた簪にもかかる。

 

「ご、ごめん!!

あとでジュース奢るから!!」

 

「大丈夫…」

 

「ダメ!!

そんなんじゃ俺の気が済まない!!」

 

「じゃあ…

新しい服…

一緒に買いに行こ…」

 

「お、おう!!

いいぞ!!」

 

訪れる沈黙…

少し大きめで聞いていた音楽が音漏れしてる…

 

「な、なんでノゾミはここにいたの…?」

 

少し裏返った声で簪が質問を投げかける

 

「えっと…

星が見たいってのもあるけど

一番の理由は祈ってるってところかな…」

 

「祈る?

なんで…」

 

「俺のいた世界では戦争してたんだ…

俺の知り合いもいっぱい死んでる…」

 

不意にナタルさんやフレイの顔を思い出してしまう

 

「この世界の仲間まで失いたくない…

今度こそは仲間を守って見せる

だから…力を貸してくださいって祈ってる…

…ごめんな…しみったれた話しになっちゃって」

 

「大丈夫…

それに守れるよ…ノゾミなら…」

 

簪がつぶやいた言葉は春の夜風に流されて次第に消えていった。

 

「ありがとな…簪」

 

「ふぇ!?

な、なに!?

突然に!?」

 

「フランスで簪にあった時…

それ以来、俺の毎日は今まで以上に楽しいものになったんだ…

本当に感謝してる」

 

その言葉を聞いて簪は首を横に振る。

 

「ううん…

感謝するのは私、の方だよ…

もしあの時、ノゾミが私に声をかけてくれなかったら、見知らぬ街で迷ってたかもしれないし…

それに、空港の事件の時も…希とレオスがいなかったら私…死んでたかもしれない…」

 

そして簪は微笑む

 

「だから私も…希には、すっごく感謝してる…」

 

「今日は色々話せて楽しかったッス!!

なんか冷えてきたからそろそろ部屋に戻った方がいいッス」

 

「希は?」

 

「俺はもう少しここにいるよ。

やることなくて暇だし」

 

「わかった…

じゃあ…またね…」

 

「おう!!」

 

そう言って簪は屋上をあとにする。

話の内容を一通り思い出すことにする。

えっと…ここにいる理由、簪と買い物…

 

「ん?

もしかして…」

 

簪とデートの約束しちゃったの俺!?

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

翌日の朝のSHR。

 

「では、1年1組代表は織斑一夏くんに決定です。

あ、一繋がりな感じでいいですね!」

 

そう山田先生が告げると他の女子生徒が大盛り上がり。

そんな中一人だけオーラが違う…

山田先生に名前を呼ばれた男-織斑一夏である。

 

「先生、質問です」

 

突然一夏が手を挙げる。

 

「はい、織斑くん」

 

「俺は昨日の試合で負けたんですが、なんでレオスでもオルコットさんでもなく俺がクラス代表なんでしょうか」

 

「それは―――」

 

山田先生が理由を告げようとした時…

セシリアからレオスに合図が送られる。

 

「「それはわたくし(オレ)達が辞退したからですわ(だ)!!」」

 

がたんと盛大な音を上げて立ちあがり、二人で腰に手を当てるポーズをとる。

 

「勝負に負けたのは一夏達だが、それは考えてみれば当然だ。

なんせオレとセシリアが組んで相手をしたんだからな!!」

 

うん…

確かに打ち合わせ通りなんだが…

なんだ…あれだ…

レオスのキャラが変わってる…

 

「それで、まあ、わたくしが大人げなく怒ったのを反省しまして

一夏(・・)さんにクラス代表を譲ることにしましたわ」

 

「やっぱりIS操縦には実際に戦うのが大切だ。

クラス代表になれば戦いには困んないだろ?

まあこれの発案者はセシリアなんだけどね」

 

「いやあ、セシリアわかってるね!」

 

「そうだよねー。

せっかく世界初の男性IS操縦者がいるんだから、同じクラスになった以上持ち上げないとねー」

 

「私たちは貴重な経験が積める。

他のクラスには情報が売れる。

一粒で二度おいしいね、織斑くんは」

 

 

最後のなんだ!?

おいしいのお前だけじゃね!?

 

「そ、それでですわね」

 

セシリアがコホンと咳払いをし、ポーズを変える。

 

「わたくしのように優秀かつエレガントな人間がIS操縦を教えて差し上げれば、それはもうみるみるうちに成長を遂げ―――」

 

バン!!

突然窓際から机を叩く音が響く。

音の主を見るとそれは箒だった。

 

「あいにくだが、一夏の教官は足りている。

私が直接頼まれたのだからな。」

 

くう…

これは予想外デス…

戦術予報には自信があったのだが、10年もやってないと腕も落ちるなぁ…

 

「あら、あなたはISランクCの篠ノ之さん。

Aのわたくしに何かご用かしら?」

 

「ら、ランクは関係ない!

頼まれたのは私だ。

い、一夏がどうしてもと懇願するからだ」

 

いやいや

あの後一夏と話したけど…

そんな話は一切聞いておりません!!

 

「え、箒ってランクCなのか……?」

 

「だ、だからランクは関係ないと言っている!」

 

一夏が怒鳴られた…

ちなみに俺、レオス、スウェン、ソルはAらしい。

そして一夏はBだという。

まぁ起動してから数日後に訓練機に乗せられて測った値で、最初の数値だからあんまり気にするなって千冬さんにもセレーネからも言われたけど――

 

バシンバシン!!

 

「「アッー」」

 

「座れ、馬鹿ども」

 

すごすごと席にもどるセシリア、箒も頭を叩かれ、頭を押さえてる。

相変わらず痛そう…出席簿…

 

バシン

 

「その得意げな顔はなんだ」

 

今度は一夏が叩かれる。

なんもしてないのに…

 

「お前たちのランクなどゴミだ。

私からしたらどれも平等にひよっこだ。

まだ殻も破れていない段階で優劣をつけようとするな」

 

思わぬ介入者に自軍は総崩れ…

セシリアも何か言いたそうだが、結局言葉を飲み込んだ。

 

「代表候補生でも1から勉強してもらうと前に言っただろう。

くだらん揉め事は10代の特権だが、あいにく今は私の管轄時間だ。

自重しろ」

 

流石は千冬さん…

でも家ではおかずの味が薄いとか文句ばっか言ってる人と同一人物であることが信じられない…

あ、また一夏叩かれてる…

痛そ…

 

「クラス代表は織斑一夏。

依存はないな」

 

はーいとクラス全員が返事をする。

作戦成功!!

やったぜ!!




どうでしたか
誤字脱字、文法的な間違い、感想などお待ちしてます。

次回
実習とお買いもの

お楽しみに~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。