君の仮面は   作:JALBAS

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突然、見ず知らずの男の子と入れ替わった三葉・・・それだけでも驚きなのに、更には謎の怪物達に襲われます・・・・・そのピンチに、我らがヒーロー、仮面ライダー登場!
しかし、仮面ライダーを見た事が無い三葉には、ただの怪人にしか見えません・・・・




《 第二話 》

「ギイイイイイイイッ!」

カニとコウモリの怪物が、自前の鋏で緑の怪人に襲い掛かる。しかし、緑の怪人は難無くそれを交わし、チョップで応戦する。

「ライダーチョップ!」

「ギエエエエエエッ!」

怪物は、大きく体制を崩すが、すかさず反撃・・・・今度は、羽を振り回して襲ってくる。しかし、緑の怪人はこれも交わして、今度はパンチを放つ。

「ライダーパンチ!」

「グウエエエエエエッ!」

怪物は、大きく弾き飛ばされて、仰向けに倒れる。

つ・・・強い!この怪人・・・メチャ強い・・・・・

これでは適わないと思ったのか、怪物は、戦法を変える。翼を羽ばたかせて空に舞い上がり、上空から急降下して襲い掛かってくる。

「ギイエエエエエエエッ!」

「うおっ!」

さしもの怪人も、この攻撃は喰らい、体勢を崩す。

「ギイエエエエエエエッ!」

怪物は空中で反転し、今度は後ろから襲ってくる。

「ぬおおっ!」

怪人は、前転して、この攻撃は何とか避ける。しかし、怪物はまた反転して向かってくる。

「とおおおおおっ!」

すると怪人は、先程見せた異常な跳躍力で、大きく上空にジャンプする・・・・そして・・・・

「ライダーキィィィック!」

飛んでくる怪物に向かって、空中でキックを放つ!

「イィィィィィッ!」

凄まじい衝撃に、怪物は、断末魔の叫びをあげて木端微塵に砕け散る。

怪物を倒した怪人は、地上に着地する。そして、再び光に包まれ、元の顔の濃い隊長に戻る・・・・・・

私は、ただただ、茫然と見つめているだけだった。隊長さんは、こちらを向き、ゆっくりと私に近づいて来る。私が、腰を抜かしたまま、怯えたような表情をしていると、優しく声を掛けてくる。

「どうした?滝?・・・・俺が、仮面ライダーだという事は、お前も知っているだろう。」

か・・仮面ライダー?・・・そういえば、聞いた事がある・・・・昔、まだ私も生まれる前、悪の秘密結社“ショッカー”から、世界を救ったヒーロー、仮面ライダー!・・・・ただの、伝説だと思っていたけど・・・本当に居たんだ・・・・・

時が平成に変わってからは、東京等の都会では、毎年怪現象が起こって・・・・それに対抗して、毎年新しい仮面ライダーが現れる・・・なんて、都市伝説も聞いたけど・・・・確か、今年の仮面ライダーは・・・・“ケバイド”だったっけか?・・・・・ま、それは置いといて・・・

隊長さんは、手を差し伸べてくれる。私は、その手に引かれ、何とか立ち上がる。

や・・・やっぱり、お礼を言うべきかな?危ないところを、助けてもらったんだし・・・・名前は・・・確か、“本郷”って・・・・

「あ・・ありがとう・・・ございます・・・本郷さん・・・」

「本郷?・・・何だ、よそよそしいな。いつものように、“猛”でいい。」

「は・・はい・・た・・猛さん・・・」

「さん?」

猛さんは、怪訝な顔をする。この子、まさか、ずっと年上の大人を呼び捨てなの?

 

その後、猛さんにバイクでアパートまで送ってもらった。助けてもらったのに、そのまま帰すのは気が引けたが、自分の家では無く勝手も分からないので、そのまま、アパートの前で別れた。

アパートに入り、机に座っていろいろ考える・・・・

あの怪物や、覆面軍団は何?猛さんは“ショッカー”と呼んでいた・・・・ショッカーは、仮面ラーダーが倒したんじゃ?・・・・・まだ、生き残りが居たの?・・・・・でも、そのショッカーが、何故、私を狙うの?・・・・いや、私じゃ無く、滝君を狙ったんじゃ?・・・・・そもそも、何で、私が滝君になってるの?・・・・・・・・・

その時、突然スマホの着信音が鳴った。慌てて取り出すと、発信者は圭一君だった。私は、直ぐに受信ボタンを押す。

『もしもし、滝か?』

「う・・うん・・・」

『大丈夫だったんだな?あいつら、全くこっちに来なかったから、全部お前を追っかけて行ったと思って・・・・』

心配して、掛けてきてくれたんだ・・・・

「だ・・大丈夫やよ・・・かめ・・・・」

そこまで言いかけて、ハッとした・・・・正義のヒーローだから、やっぱり、正体は秘密なんじゃ?・・・・軽々しく、言ってはダメかも・・・・・

「た・・・猛さんが、来てくれたから・・・・」

『そうか~っ!あの人メチャ強いからな、そこらの3流プロレスラーなんか、目じゃねえか!』

プロレスラーじゃ無かったけどね・・・・でも、ショッカーだなんて言ったら、もっと不安がるから、言わない方がいいよね・・・・

『明日、話詳しく聞かせてくれよ!』

「う・・うん!」

そう答えて、その場は電話を切った・・・・・

 

 

 

昼休み、勅使河原と名取に誘われ、校庭の隅で昼食を食べた。

「なあ、三葉、何で殆ど喋らんのや?」

「ん・・・うん・・・・」

何と言えばいいか、未だに、悩んでいた・・・・・ここは、“三葉”という娘の振りをして女言葉で喋るべきか?開き直って、自分の言葉で喋るか・・・・・

「どこか悪いん?三葉・・・・」

名取は、真剣に心配しているようだ・・・・ええい!もう、ヤケだ!

「大丈夫・・・何ともないよ・・・」

結局、2人はまた怪訝そうな顔になる。だが、俺は構わず、その後も自分の言葉で喋り続けた・・・・

 

家に帰って、夕飯を食べる。何か会話を交わす度に、妹と婆さんは同じように怪訝な顔をする。しかし、もう一切気にせず、自分を押し通した。夕食後は部屋に篭り、下には降りて行かなかった。一度、風呂に入らないのかと聞かれたが、こんな女の体で入るのは、見たい願望を通り越して逆に怖かったので、断った。

部屋の中で、この女の日記を見つけたので、悪いという気もしたが少し読んだ。

やたらと出て来る名前が、“サヤちん”と“テッシー”。これはどうやら、名取と勅使河原の事らしい・・・・・今日は、そのまま名前で呼んでいたが・・・・明日は、このあだ名で呼んでやった方がいいか?

そうだ、猛が心配しているかもしれない・・・・・そう思って俺は、この女のスマホで、猛に電話を掛けた・・・・だが、何度掛けても、全く繋がらなかった・・・・・・

 

翌朝、目が覚めると、いつもの自分の部屋だった。体も、自分の体だ。あれは、夢だったんだろうか?全くの別人になって、朝起きてから、夜寝るまでを体験する・・・・そんな夢、今迄に見た事も無いが・・・・

朝食を済ませ、学校に行く。いつもの土手を歩いていると、後ろから、バイクの音が聞こえて来る・・・・猛のバイクの音だ。

「おはよう、猛!」

振り向いて、声を掛ける。

「よう、滝・・・・今朝は、いつも通りだな?」

「?・・・今朝は?どういう事?」

「ん?・・・こっちが聞きたいがな・・・ああ、そうだ・・・」

そう言って、猛は胸のポケットから、ポケベルのような物を取り出す。

「こいつを持ってろ!」

「何?これ?」

「そのボタンを押せば、どんなに離れていても、俺が直ぐに駆け付ける・・・・昨日のような事が、またあったらまずいからな!」

「昨日のようなこと?・・・・何?それ?」

「じゃあな!」

そう言って、猛は走り去る・・・・訳が分からない・・・・・・

 

学校に着き、教室に入る。既に、圭一と瑠璃は来ている。

「おす!」

いつも通りに挨拶をして、俺は席に着く・・・・が、2人の反応がおかしい・・・・・

「あれ?今日は、まともだな。」

「ほんと、いつもの滝君ね。」

今日は?・・・何こいつら、猛と同じような事言ってんだ?

「で・・・滝、昨日は、あれからどうなったんだ?」

「昨日?・・・あれから?」

「だから、猛さんに、助けてもらったんだろ?」

「うん!あたしも聞きたい!」

「はあ?・・・・何言ってんだ?昨日は、猛には会ってねえよ!」

「はあ?お前こそ、何言ってんだ?昨夜電話で、猛さんに助けられたって、言ったじゃんか!」

「俺が?・・・猛に?・・・いったい、何から助けられるんだよ?」

「だから、あの覆面軍団からだよ!」

「覆面軍団?何だよ、それ?」

「何だよじゃねえよ、昨日の事、もう忘れたのか?」

全然、会話が成り立たなかった。その後、直ぐに先生が来たので話はそこで終わったが、休み時間の度に、同じ問答の繰り返しだった。しかし、俺には全く覚えの無い事なので、いつまで経っても会話は成り立たなかった・・・・・・

 

家に帰ると、猛から電話が掛かってきた。

『滝、何か異常は無いか?』

「あるよ、圭一達と、話が噛み合わない・・・・昨日、何かあったのか?」

『ん?・・・何を言ってる?』

「いいから、答えてくれ!昨日、何があったんだ?」

『・・・・ショッカーに襲われたんだ!お前が!』

「な・・・何だって?・・・・」

 

 

 

スマホのメロディーが、聞こえてくる・・・・いつもの曲・・・・目を開けると、いつもの私の部屋・・・・あれは、夢だったのかな?・・・・

制服に着替えて、下に降りる。

「お姉ちゃん、おそい!」

居間に入ると、四葉に叱られる。

「明日は、私が作るでね!」

そう言って、ごはんをよそう。

「・・・・今日は、普通やな・・・」

「昨日は、ヤバかったもんなあ・・・」

そう言って、お婆ちゃんと四葉が、じっとこちらを見ている。

何なの?いったい・・・・・・

 

朝食を終え、通学の途に就く。

「三葉~っ!」

後ろから、サヤちんの声がする。振り返ると、サヤちんとテッシーが、いつものように自転車に2人乗りして近づいて来る。

「おはよう!サヤちん、テッシー。」

「おはよう!今日は、普通やね。」

「え?どういうこと?」

「だって、昨日は、言葉使いが変やったし・・・・」

「髪も、侍やったしな。」

侍?何それ?・・・・それに、言葉使いが変って?・・・・・

 

昼休み、いつものように、校庭の隅で昼食をとる。

「ええ~っ?私、自分の事、“俺”って言ってたの?」

「そうやよ・・・・私達の事も、“名取”、“勅使河原”やったし・・・・」

「完全に、男言葉やったしな・・・・・」

な・・・何なの?それ・・・・全然、覚えが無いんですけど・・・・・

「あれは、絶対狐憑きや!」

「何言ってんの、きっと、ストレスが溜まってんのよ・・・お祭りの事とか、町長選挙の事とか、三葉、気苦労多いに。」

「う~~~ん・・・・・」

完全に、覚えが無い・・・と言うより、昨日の事が、思い出せない・・・・変な夢なら、覚えてるんだけど・・・・・

と、不意に気になる事があったので、テッシーに聞いてみる。

「ねえ、テッシー?」

「ん?・・・なんや?」

「仮面ライダー・・・って、知ってる?」

「え?・・・ああ、もちろん知っとるで!世界を、ショッカーの魔の手から救った、英雄や!」

「本当に、居ると思う?」

「ん?・・・そやな・・・い・・いるんやないかな?・・・・」

「何、あほな事言うとんの!作り話やよ、あれは・・・・」

「いや、作り話や無い!いるで、仮面ライダーは、きっと居る!」

「ほんまに・・・いつまで経っても、子供やな、男は・・・・」

そ・・・そうだよね・・・・作り話だよね・・・やっぱり、あれは、夢だったんだよね?・・・・

 





1日だけの入れ替わりでは、まだ、2人とも夢を見たとしか思っていません。伝説の仮面ライダーを目の当りにした、三葉は特に・・・・・しかし、1日分の記憶の喪失と、自分の知らないその日の奇行を聞き、頭は混乱していきます・・・・・・
さて、2人は、これからどうなっていくのか?
そして、暗躍するショッカーの目的は?・・・・

エグゼイドが好きな方、申し訳ありません。私の第一印象が、ああだったんで。ただのギャグですので、読み流して下さい・・・・・
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