ぐだとサヴァ   作:タクロス

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タマモキャット

 

彼女はいつもよくわからないことをする(自由気ままだ)。口調が日によって変わったり、裸エプロンでカルデア内を歩き回ったり、首輪にリードをつけて散歩させようとしてきたこともあった。(彼女の本体は顔を赤くして辞めさせようとしていたが)

だけど、よくわからないことを知っているんだ。遠慮のない優しさ、母の味を彷彿させる優しい、でも野性味も繊細さもある料理たち、純真無垢、縦横無尽、そんな彼女だから見ていて癒される。狂人(バーサーカー)だけど酷い人?猫?狐?(バーサーカー)ではない。今日も赤い男とともにカルデアのキッチンに立って猫の手(狐の手袋)も借りたい現場を手伝っている。

 

彼女と出会ったのは特異点F(初めての召喚)だった。最初は珍妙な見た目の彼女に困惑したものだ。狐耳と尻尾を生やし、リアルな質感の肉球や毛並みを備えた狐の手袋と足袋、赤い着物を着て彼女は言う、

 

「我こそはタマモナインの一角、野生の狐タマモキャット! ご主人、よろしくな」

 

所長が怒ってたなぁ、宝具を撃ったら寝ちゃうし、時々動かないし、大声でしっちゃかめっちゃかに話すしで。でも彼女がいなかったらオルレアンの時の食糧事情はきっと辛かっただろうし、海魔の大群を一気に屠ることもできなかっただろう。他にも温かみのないカルデアのキッチンに最初の火をつけたのも彼女だった。特異点Fを突破した後に召喚したアーサー王のIF(オルタ)と言える彼女の舌を満たすことができたのも彼女のおかげだ。

 

彼女は時々自室にやって来ては尻尾の毛づくろいや顎や頭を撫でろと不遜な態度で物言う。だけど彼女に感謝してるから櫛で梳かして、いろんなところを撫でてあげる。流石にお尻とかはないけど。でも嬉しそうにしているのが尻尾を見るとわかってしまうからつい微笑んでしまうし、もっと撫でてあげたくなる。

ある日に訪れた時はそのまま寝ちゃってたんだっけ。寝言を聞く趣味はないけど膝の上で寝てるから聞こえてくる。

 

「ごしゅじん…キャットは…こしゅじんの…ことが すき…だぞ

だから…ごしゅじんも……ぞんぶんにキャットを あいすがよい…キャットはねこだからなきまぐれ(いつでも)ご主人のそばに……グゥ」

 

 

「いつもありがとう、今度人参を使ってキャットにご飯…作ってあげるから」

 

田舎の一軒家、その縁側を彷彿させるように人は猫を撫でながら呟いた。

静かな一室に流れる声は、寝てるのか寝てないのかわからない不可思議な生物(なまもの)と、一人のご主人(マスター)だけが知っている。

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