ナツメの義兄へ転生   作:アステロイドベルト

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 全然関係ないんですが「コードギアス 亡国のアキト」を見てきました。
 いやあ、面白かった。
 アレクサンダカッコ良かったです。
 では、第十四話始まり始まり。


十四話

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はカントーに帰ったら、ひたすらこいつらとの修行に励もうと思う。

 情けない話だが、俺が俺自身を強くするより、仲間であるポケモンに頼った方が幾分マシなのだ。

 

 だから、ああ。俺の遂げるべき二つの成長。一つ目は単純な"強さ"だ。

 

 そして二つ目。それは今から手に入れられるか否か。

 そんなところだろう。

 

 

 現在、俺は四匹の仲間たちと共に、久々の温泉に浸かっている。ちなみに、クチート以外はあっという間にのぼせて既に湯の中から撤退している。

 鋼タイプだから仕方ない。

 

 唯一クチートのみが鋼の顎を湯から出し、体だけぷかぷか浮いていた。非常に微笑ましい光景である。

 

 そういえば、こいつメスだけど男湯入れても大丈夫だよな……?

 

「………………そろそろ上がるか」

 

 

 

 今日は偶然他にお客さんがおらず、ほぼ貸し切り状態になっていた。

 勿論温泉に入っても一人。着替えてても一人。まあ、そっちの方がいいんだけどさ。

 

 なんかこう……心細くなるんだよね。やっべ、ホームシック発動しようとしてんのかコレ。

 

「ま、お前たちがいるから、全然寂しくないけどな」

 

 賑やかな仲間たちを連れ、騒々しく旅館の廊下を歩いていく。

 旅館、温泉といえば浴衣。当然今の俺も浴衣姿だ。

 

 左右手を左右の袖に入れて歩く。一回これやってみたかったんだよな。

 

 もう上がったから、露天風呂に行っても大丈夫だぞー、とナツメに知らせてやろうと思って扉を開くと、そこには既にナツメの姿は無かった。

 どうやら、とっくに温泉に向かったようだ。

 

「信用されてんだかされてないんだか……全く……」

 

 思わず苦笑が漏れ、畳の上に置かれた座布団に座りこむ。

 

 メタングはジバコイルと互いに浮遊しながら遊んでおり、双方の上をクチートが行ったり来たりしている。

 ハッサムだけ、まるでボディーガードのように俺の右斜め後ろへあぐらをかいて静かに座っていた。

 

「ふあ~あ……」

 

 なんだか眠くなってきた。

 俺が横になろうとすると、メタングが背中を自分の体で支えてきた。

 その横にジバコイルも寄り添い、俺の膝の上にクチートが乗る。

 

「みんなでひと眠りするとすっか」

 

 オマエも来いよ、とハッサムに手招くと、両目を閉じ、腕を組みながらジバコイルに背中を預けた。

 

 鋼タイプって金属で冷たいのに、なんだかあったけーのな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女は火照った自らの体を見つつ、こんなことを考えていた。

 

 多分、このまま部屋に戻ると義兄が座っていて、

 

『お、浴衣姿も似合ってんじゃん。火照っててなんかエロい』

 

 などと言われるのだろうと。そしてまた無意識に自分は顔を赤くし、からかわれるのだ。

 

 想像するとムカつくはずだ。

 腹が立つはずだ。

 なのになぜ、嬉しいという感情があるのだろうか。そういう欲求があるのだろうか。

 

 これも兄妹愛なのか? 義兄に可愛いだの、エロいだのと女性として褒められ、顔を赤くして素直になれなくなるのが、本当に兄妹愛の範疇なのだろうか?

 

 それを決めるのは自分だ。それをどうだと判断できるのも自分だ。

 

 だから聞く。そして問う。

 義兄はカントーに帰ったら、もっと力をつけるためにヤマブキを離れるつもりだ。

 肝心の彼がいないのであれば、この感情を決定づけるのがもっと先の話になってしまう。

 

 だったら今しかない。

 

 今日、彼に確かめる。

 

 

 決心した少女が扉を開くと、すぐに目的の人物が視界に入った。

 

 

 けれどそれと同時に、安らかな寝息も聞いた。

 

 四匹の仲間に囲まれ、寄り添うように眠っている兄。

 

 

 少女はため息をつくと、机を挟んで兄と反対側に座った。

 肘をついて、彼の寝顔を眺める。

 

 

 彼女が自然と自分の頬が緩んでいる事に気づくのは、それから数分後の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を覚ますと、反対側の席でナツメが机に身を乗り出したままニヤけた顔で俺の顔を見ていた。

 

 まだ起きていることには気づかれていない。目を極細に開いた状態でなんともいえん空気の中寝たふりを続ける。

 こういうのって、一回フリを始めるとどうにも抜け出せない。

 

 俺が目を開くタイミングを伺っていると、不意にナツメが口を開いた。

 

「私、やっぱりあなたのことが好きらしいわ……」

 

 ドキッ、とした。

 

 両足が跳ね上がりそうになった。だがここは死ぬ気で堪える。

 

 独白するナツメの言葉は、また繋がり始めた。

 

「こうして寝ている無防備な姿を見ると、その唇に触れたくなってしまうもの。奪いたくて仕方がない」

 

 

「お、俺も……」

 

 

 気づいた時にはもう遅い。

 

 我慢弱い俺の口が、腹から絞り出すように声を出していた。

 

「オマエのその優しい顔を見ていて、どうしようもなく…………」

 

 ナツメは俺がずっと目を覚ましていた事に気づくと、頬を染めて目をそらした。

 

 ここで逃げる訳にはいかない。逃げられる訳にはいかない。

 

 乗り出した体を引こうとするナツメの肩を掴み、ジッ……と外れてしまった視線を合わせようとする。

 

「わっ、私は…………」

 

 

 今しかない。行け、俺。

 これを逃したら、いつまでたっても……。

 

「俺もオマエのことが「ご夕飯をお持ちしましたー」……」

 

 ………………。

 

 

 一瞬、何が起こったのか分からなかった。

 

 しかし、三秒後には既に、俺の頭の中には"K"と"Y"の二文字が渦巻いていたのは思ってのとおりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食事を済ませた俺とナツメは、気まずい空気に包まれながらそれぞれの敷布団にもぐりこんでいた。

 

 ナツメの気持ちの判断から始まったのに、一日も過ぎない内に俺の気持ちが爆発してどうすんだよ。

 そんな自己嫌悪に陥りそうな感情の"のしかかる"を受けている俺に、背を向けて横になっているナツメがポツリと口を開いた。

 

 

「あの言葉の続き、聞かせて?」

 

 

 顔が見えないため、表情はうかがえない。

 

 告げるかどうか迷ったが、どっちにしろ心を読まれるから変わらないだろう、と決断して言葉に表した。

 

 

「俺は、オマエのことが好きだ。情けねーけど、一人の男として…………」

 

 おかしいのは俺じゃないか。本当に悩むべきはナツメじゃなくて、本気でこんなことを思っている俺だよ。

 

 あー、恥ずかしい。一世一代の静かな大告白を終え、笑っているように見える天井から遮るように、腕を両目に乗せた。

 

 強くなるって決めたのに、拒絶されたら絶対泣いちまうぞ。

 男の涙とか誰が得すんだ。女の涙も見たくないけど。

 

 俺は無言の空間で待つ。耳鳴りが酷い気がしたが、気のせいだと分かって唇をかみしめた。

 

 

 ごそごそと物音が聞こえたのに反応して腕をどけてみると、そこには眼前に迫ったナツメの姿があった。

 

 直後、唇に温かいものが触れる。俺は驚いて両手両足を上げてしまったが、数秒続くソレに力を抜かれていった。

 

 

「私も、あなたのことが好きで好きでたまらない。もう我慢なんてできないわ…………これからずっと好きを伝えたい……」

 

「…………なんで泣いてんだ……?」

 

「嬉しいからよ」

 

 

 訳わかんね。

 

 でも、俺も気づくと、笑いながら頬に雫を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レポート

 

 

 名前 アンバー

 

 

 手持ち

 

 ハッサム Lv44♂ 特性 テクニシャン

わざ メタルクロー シザークロス てっぺき バレットパンチ

 

 メタング Lv42 特性 クリアボディ

わざ メタルクロー サイコキネシス てっぺき どくどく

 

 ジバコイル Lv33 特性 じりょく

わざ だいばくはつ こらえる

 

 クチート Lv42♀ 特性 いかく

わざ かみくだく てっぺき バトンタッチ まもる

 

 

 

 

 名前 ナツメ

 

 

 手持ち

 

 ユンゲラー♂ Lv38 特性 シンクロ

わざ サイケこうせん かなしばり めいそう じこさいせい

 

 バリヤード♂ Lv36 特性 フィルター

わざ サイケこうせん リフレクター ひかりのかべ みがわり

 

 スリープ♂ Lv33 特性 よちむ

わざ さいみんじゅつ ねんりき サイケこうせん ずつき

 

 キルリア♀ Lv31 特性 トレース

わざ ねんりき しんぴのまもり おんがえし かげぶんしん

 

 ヒトデマン Lv34 特性 しぜんかいふく

わざ じこさいせい バブルこうせん こうそくスピン スピードスター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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