って感じで投稿させて頂いています。
目覚まし時計がうるさい音を鳴らす中、俺は暗闇から目を避けた。
「うるっさい」
俺が叫ぼうとしたその瞬間、バタンと扉を開けた少女が代わりにしかめっ面で俺に向かってシャウトした。
目覚まし時計の音を止めると、黙って扉を閉じる。どうやら隣の部屋まで聞こえていたらしい。
ハッサムもさっきのナツメの声でびっくりしたのか、既に目を覚ましてポカーンとしている。
「怒鳴られちった」
朝ごはんを食べにリビングへ向かうと、そこには既にムスッとした表情のナツメが席に座っていた。
「なんだよ、別にお着替えシーンに直面したって訳でもないだろうに」
「そんなことをしてみろ。明日から足で歩けなくしてやる」
「いや、でもさ。これから旅する訳だから、自然と節約のために宿は一部屋になる。そうするとそういうラッキーイベントも起こりうるんだぞ?」
「それ以上言うな。気分が悪くなる」
内の義妹は短気だな。
聞こえぬようにそう呟いていると、次は父さんがリビングにやってきた。
大きなあくび。昨日は親子だから似ているだの何だのと言ったが、ナツメは絶対に人前であんなことはしないだろうな。
(恥ずかしがり屋だからなーもー)
「恥ずかしがってなどないっ!」
「人の心を勝手に読まないで頂こうか」
まったく。ああしてムキになってるところは可愛いんだが、いかんせん無愛想極まりないから。
「可愛いとかいうなっ!」
「だから何で俺の心読んでんだよ?」
「はいはいアンバー、ナツメちゃんをいじめるのはその辺にしておきなさい」
母さんがそう俺に言いながら、朝食を運んでくる。どう見たら俺がナツメにちょっかい出していたように捉えられるんだ……。
まあいいか。今日は大変な毎日の頭だ。初日から一々細かいことに怒りを覚えていては身が持たない。
ムスッとしたままのナツメ。きまずい……気まずいぞっ。
パンを頬張りながら俺が心底叫んでいると、ナツメの正面に座っている父さんが、彼女の方を向いて軽い感じで口を開いた。
「それにしても、お前が簡単に旅に赴くとは思ってもみなかったよ」
「良い経験だと思ったんだ。ポケモンたちも、いつまでも陰気な部屋で閉じこもっていたくないだろうから」
「ポケモンもそうだが、私はナツメにも外の空気にあたってほしいんだ。愛娘が外の楽しさを知らないまま、一生を過ごすのは親として如何な物かと思ってね」
「………………」
珍しくいやそうな顔をしていない。いや、そんな嫌悪の表情は俺にしか向けな…………空しくなってきた。
「ナツメちゃんは、どんなポケモンを?」
母さんがそう尋ねると、ナツメは素直に腰からモンスターボールを取りだした。
数は3。中から現れたのは、ユンゲラー、バリヤード、スリープ。
タイプの相性的には連勝出来そうなパーティーだが、俺以外の相手に対しては圧倒的だろう。
ハッサムはエスパーが苦手なタイプが折り重なったようなタイプだからな。
「賢そうな子たちね! アンバーは?」
「知ってるだろ、ハッサムだよ」
「へぇ~……あなたたち、小さいころからずっと一緒よね」
「親友だよ」
最後のパンの一切れを口に放り込むと、父さんが既に何も乗っていない皿を俺の皿と重ねて台所に持って行きながら、最初にどこへ向かうのか尋ねてきた。
俺は間髪いれず、
「クチバの港。そこから別の地方に行こうと思ってます」
「ほう……さっそく私の上げたチケットが役に立つ訳か!」
何から何まで感謝します、と頭を下げた後、俺は隣の席でいまだにパンの一枚も食べきれていないナツメの方を向いた。
大分昔に「食べるの遅いな、ナツメは」と言ってやった時、にらみつけるで防御力を下げられたことがあるがあえて何も言わんっ。
「最初に行きたい地方は? リクエストはあるか?」
「別にどこでも構わない…………」
「そっか……」
意気ごんでいたのものの、いざ決めるとなると迷う。
女の子を品定めしてる気分だぜ!
「最低だな……」
「まさかと思ってカマ掛けてみたが、またか? 実はお前俺のこと大好きだろ」
「馬鹿を言うな。高々虫タイプ一匹で鼻を高くするんじゃない」
「何だとぅ? 三縦してやるから外に「なら、シンオウ地方なんてどう?」
喧嘩を売りそうになった俺を遮って、母さんが急に意見を出した。
三縦はまた今度にして、今は母さんに理由を聞いてみるとしよう。
「ほら、あそこって北だから雪が見れるじゃない? この辺りじゃ滅多に振らないし、行ってみたら?」
まあ、確かに生れてこの方テレビでしか雪なんざ見たことないが、そんな理由で安易に選ぶべきだろうか?
「いいんじゃないか? 私はそれに賛成だ」
「ふむ。ナツメがそういうならそうするか」
「あらあら、アンバーったらナツメちゃんの事が大好きなのねぇ」
「何を今さら……」
「え……?」
「え?」
ナツメの疑問の「え……?」に、俺もつられて同様に呆けた顔をしてしまう。
え、何? 何その「お前私のこと嫌ってたんじゃねーの」みたいな顔は?
愛情たっぷりに接していたつもりなんだけど。
「そ……そうか……」
何だこのいまだかつてない気まずい空気。
「私は部屋で最後の確認をする。準備ができたら呼びに来てくれ……」
「あ、ああ…………了解」
何だったんだ?
レポート
名前 アンバー
手持ち
ハッサム Lv28 特性 テクニシャン
わざ
メタルクロー れんぞくぎり きりさく
名前 ナツメ
手持ち
ユンゲラー Lv23 特性 シンクロ
わざ
サイケこうせん かなしばり めいそう
バリヤード Lv20 特性 フィルター
わざ
ねんりき リフレクター ひかりのかべ
スリープ Lv 21 特性 よちむ
わざ
さいみんじゅつ ねんりき