どうしたら、いいんだろう。
そんな二次作者向けのなんやかんや。
少しでも楽しんで貰えたら幸いです。

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あんまり真に受けたらダメだゾ?はっきりわかんだね。


評価バーを『黄色』から『赤』に?できらぁッ!

 僕は悩んでいた。

 人間いろいろな悩みがあるものだけれど、僕も同じように悩んでいる。

 その原因は何かというと……。

 

 とある二次創作サイトで、まったく自分の作品が読まれないのだ。 数ヶ月前にこの二次創作サイトを知り、沢山の二次創作に触れるに連れて、自分でも同じように書いてみようと思い立った。

 苦心して書き上げ、ようやく仕上げることができた自分の二次創作。

 早速投稿してみたのだけれど……。

 

 ま、全くといっていいほど誰も読みに来なかった。

 これからドンドン人がくるかもと、希望を持って二話・三話と続きを書いて投稿する。

 

 変わらず来ない。泣きそうになった。

 

 別に沢山の人に見てもらいたいとは思わないけれど、それでもここまで日に当たらないとは思わなかった。

 

 どうしてこうなったのか解らない。どうすればいいのか解らない。

 まったく打開策が見えない中で、もう二次創作を読む専門、『読み専』に戻ろうかと思ったその時。

 

 「少年、お姉さんが来てあげたわッ!」

 

 自称、神様に会った。

 

 「いやぁ、最近は神様転生があんまり好まれなくなってきてね?お姉さんも暇だったのよ……」

 

 服装は「私、神様だぞッ!」と言わんばかりのギリシャ神話風味の服装。

 突然部屋に現れ、勝手に冷蔵庫を漁ってコーラを直飲みしている。なんだこいつ。

 

 「『に◯ファン』の時は出番引っ張りだこだったのになぁ、みんなの信仰が薄くなってきてお姉さん悲しいですわ。もっとみんなピュアに受け入れてくれればいいのに、そんなに頭が固くなって疲れないのかしら。金・女・パワーって最高じゃないの、もっと人間は欲望を解放するべきよ」

 

 やれやれと首を振っている自称神様。

 人間、想像もできない事態になると実際なにも動けないものだとわかった。今の僕のように。

 というか、こいつ本当に神様なんだろうか。欲望ダダ漏れだぞ。

 

 「それで少年……少年?いや、青年?もうなんだって良いわ。お姉さんが、ほんの少しアドバイスをしてあげるわッ!」

 

 ごめんなさい、全く意味がわからないのですが。

 

 「え?じゃあ、なろうみたいに転生トラックの方が良かったかしら。あれも用意するの大変なのよ?あんまり転生トラックが行われるせいで、トラック乗りの運転手さんが乗りたがらなくなって、業界が人手不足になりつつあるってクレームが来たのよ」

 

 そんな裏話は聞きたくなった。

 

 「そんなことより、二次創作よ二次創作ッ!アドバイスが欲しくないの?しかもネット二次創作読み放題と同じようにタダよッ!どっかのインターネットバナーにあるように、『◯◯名様限定!』とかそんな怪しいやつじゃないから安心してッ!」

 

 あの、それ以前に貴方の存在自体が信用できないし、安心できないのですが。

 

 「もう、気の抜けた返事ねぇ。ともかく、何かこうだったら良いのにってものは無いの?」

 

 こうだったらいいのにかぁ……。

 

 ふと思い至って自分の投稿済み小説を見る。

 情報で開いて真っ先に目に飛び込んでくるのは、評価の欄だ。

 自分の二次創作の評価バナー。そして調整平均で表示された、自分の評価の『色』を見てため息がでてしまった。

 

 「む、『評価バー』の色が気になるの」

 

 こんなやつに正直に言うのは嫌だが、諦めて頷いた。

 

 このサイトでは、ユーザーが『0』から『10』までの点数で二次創作を評価できる。

 その平均が高ければ高いほど、評価バーの色は暖色になっていくのだ。

 

 僕の評価平均は7ちょっと。だから色は『黄色』だ。

 ランキングにのってる作品を見ると、最高の評価色である『赤』が多いのだ。

 つまり、それだけ多くの人に認められているということ。

 

 「ふふ~ん、つまりキミは評価バーで『赤』の色が欲しいのねッ!」

 

 ……まぁ、はい。

 

 「当たり前よね~、承認欲求だとか難しい言葉は、うんちく語りたい連中に任せておけばいいとして。誰だっていい評価を貰えたら嬉しいし、楽しいに決まってる。モチベの維持になることもあるし、どうせなら評価バー『赤』の方がいいわよね」

 

 「お姉さん、正直な子は好きだぞ♪」とポーズを決めてみせるが、なんだろう。いろいろ見せられる側としてはキツイものがある。ラノベの主人公はよくこういうので赤面できるなと思った。

 

 「よし、お姉さんに作品情報を見せてね~」

 

 そう言ってマウスを動かす女神(自称)。

 

 「……話数は、あ、十話超えてるのか。で、評価数も二十人を超えてて……。ジャンルも、うん、二次でも人気ジャンルね」

 

 やっぱり、文章が上手く、面白く書けるようにならなくちゃいけないのだろう。

 だからどういう風に書いたら良いのか、教えてくれると助かるんですが……。

 

 「……」

 

 あの、女神様。

 どうして無言で小説情報をずっと見てるんでしょうか。早く内容を読んで教えてもらえると助かるんで

 

 「うん、この作品じゃ『赤』評価は無理ですわッ!さぁ、キミッ!新しい二次創作を書こうぜッ!」

 

 わかった、お前の話を少しでも真面目に聞こうとした自分が馬鹿だったよ。

 取り敢えず、警察を呼んでこいつをしょっぴいてもらって今日のことは忘れて寝よう。

 

 「はっはっは、落ち着け、落ち着くんだキミ。その手に持ったスマフォを置くんだ。違う、今のは『その修学旅行で買ったであろう木刀を代わりに持って』と言ってるんじゃないんだ。真面目な話だから、ね、ちょっと聞いて」

 

 それ以上はいけない、と全身で表す女神を前に、仕方なく木刀を下ろした。

 人の二次創作の内容を、一文字も見ないでそれは喧嘩を売られてると言ってもおかしくないぞこら。

 

 「えーと、まずね。評価バーを『赤』の色にするのは、あまり難しくはないの」

 

 だったら早く教えてほしい。

 

 「だけど時間が経過して、投稿回数が増えれば増えるほど、それは難しくなってくる。キミの作品は、残念だけど今後どれだけ展開が面白くなろうと、評価バー『赤』に値するものになろうと、そうなることはまずないと思う」

 

 ……ええと、意味がちょっと解らない。

 要するに、今後どれだけ自分が努力しても報われないって事なのだろうか。

 

 「……まぁ、例外はあるけれど恐らく。気を悪くしないで欲しい、ただこればっかりはどうしようもない」

 

 そう言って女神は大きく息を吐きだした。

 

 「まず、覚えておいて欲しい事が一つ。このサイトの二次創作評価バーの色は、初期評価がそのまま後に繋がってくる。つまり、初動が全てなんだよね」

 

 女神は困ったように頬を書いた。

 

 「要因は四つある。まず一つ目はこれだ」

 

 そう言ってどこからかテロップを取り出した。

 どこから取り出したのかは、気にしてはいけないのだろう。

 

 『①読者は一回入れた低評価を覆さない』

 

 「例えば、最初の一話目見て『この作品クソだわ(笑)』なんて考えた読者が、簡単にマウスクリックして評価するでしょ?その読者は、今後その二次創作を見てくれるでしょうか」

 

 ごくり、と喉が鳴る。女神は目を細めて口開いた。

 

 「悲しいけど、九割九部は見ない。低評価を付けた読者は、そこで作品の評価を完結させてしまう。例え、どれだけその作品が面白くなろうとも、もうこれっぽっちも関係がないし興味がない。『7』とか付けてくれる読者は、まだ見てくれる可能性があるよ。でも『1』とか『2』、あるいは『0』を付けた読者はずっとそのまま」

 

 つまりそれは、低評価がずっと作品に残ってしまう事になる。

 そうなると、今後どれだけ良い評価をもらっても、その低点数が平均を下げ続けてしまうのだろう。

 

 「よく、作者の人が思う勘違いがある。それは『話が面白くなったら、きっと低点数の人は考え直してくれるだろう』と思うこと。実際は一度見切りを付けたら、よっぽどのことが無い限りはそのままよね。勿論、読者として戻ってきてもくれない。そして次が」

 

 『②低評価が一度入り始めると、ドンドン低評価は増えていく』

 

 ……うわぁ。なんか心が痛くなってきた。

 

 「もうこれ、優柔不断と海外に揶揄される日本人の特徴と言っても過言じゃないよ」

 

 女神が死んだ魚のような目でそう言った。彼女も何かトラウマでもあるのだろうか。

 

 「評価バーが、真っさらな作品があるわよね?そこに低評価を入れるのは、誰でもちょっと迷うものなの。でも一人でも低評価に入れている人を見たら、『ああ、俺のこの感性は間違いじゃない』って安心するでしょう?そうすると低評価を入れる忌避感が無くなっていくわけ。低評価の人数が増えれば増えるほど、低評価を入れる人の忌避感は無くなっていく。低評価を入れる人は相関的に増えていって、最終的には『低評価で当然』みたいに思えてくる人もいるかも」

 

 ひとりぼっちは……寂しいもんな、でドンドン増えていく。魔女化待ったなし。

 

 「低評価が多い作品は多くの人は見ない。しかし評価バーが寒色になればなるほど、そういうのを批評して低評価をする層が集まってくる。この負のスパイラルになったら、後から挽回しようなんて思っても出来ない。だって挽回してくれる読者が、低評価だからって理由で見なくなるんだから。こうなると将来的に話が面白くなろうが関係ないのよね……

 

 心が叫びたがってるんだ。止めてください死んでしまいますって。

 

 「でも逆に言えば、高評価が沢山入ってくると、評価の基準も甘くなるよ。それに低評価を入れる人に対する抑止力にもなるし、しばらくは低評価がつけ辛い空気になる。どうしようか迷っている中間的な層も高評価に入れてくれるようになるの」

 

 日本人の「みんなが良いって言うなら良いものなんだろうね」、もしくは「良いものに思えてきた不思議ッ!

」はネットの世界でも変わらないのだろう。日本人ぇ……。

 

 『③時間が経過すれば、低評価も高評価も増える』

 

 「で、これが来る。当たり前だけど。時間が経てば多くの人に見られるし、ランキングにのったら一気に読者は増えていく。そうなると次々高評価と低評価が飛び込んでくるよね」

 

 ランキングにのったことはないけど、そうなるんだろうなぁ。

 と、遠い目でいう自分から女神は気まずそうに目をそらした。

 

 「そ、そうなると数が安定してきて、平均点が動きにくくなる。つまり評価バーの色が固定化されてくるの。例え最高の『10』評価を貰おうと、簡単には平均をあげることはできなくなるんだ。この安定期で今後の評価バーの色は、ほぼ決まると言っても過言じゃないわ」

 

 平均という仕組みである以上、これも当然だ。

 そうなると、本当に低評価が足を引っ張ってくる……。

 

 「言っておくけど、二次創作サイトには『高評価をノリで甘く付けてくれる読者』と『厳し目低評価で加点法から始まる読者』は必ずいる。そりゃ感性は人それぞれだから、当たり前だよね。だから低評価をつけられても、ある意味で言えばしょうがないんだ。問題は低評価が低評価を呼び、平均がダダ下がり、それが評価バーの色が安定化し、見てくれるかもしれなかった読者が見てくれなくなることなんだよね……」

 

 そして最後が、と女神は言って一際大きなクリップを取り出した。

 

 『④評価バーの影響力は低評価>>>中評価>高評価』

 

 「大体これで間違ってない」

 

 おい、急にアバウトになったぞ。

 

 「いやぁ、こればっかりは自分が書き手に回らないと分かりにくいと思う。低評価の影響はマジで洒落にならんってことよ」

 

 ぶるりと体を震わせて、女神が言葉を続ける。

 

 「低評価は避けられない。そして人間は高い評価よりも、負の評価を気にしたがる。そしてそれは評価をどうしようか悩んでいる人達の心を動かしてしまう」

 

 通信簿でどれだけ『5』をもらっても、一つの教科だけ『2』をもらったら気になってしまう。

 そうなると全体的にそんなに良くなかったように感じてしまった経験が、自分も小学生の時になった。低評価は図工とか割りとどうでもいい教科なのに。

 

 そういうのと同じなのかもしれないな……。

 

 「あとね、低評価を付ける人は、大体は一話目か二話目で付けてしまう。だから低評価を減らす決定的な機会は、その間でしか行えないわけ。その時点で対策を打てなければ、どれだけ後で挽回しようとも、挽回できないのよ」

 

 「キミの二次創作は十数話も続いていて、評価の平均値が安定してしまい、悲しいことに『この評価が相応しい作品』となってしまった。もうこうなると、内容云々やら文章の上手さなんて関係ないんだ。一人や二人が高評価してくれても、バーの色は『赤』にならない。今後高評価をくれる可能性がある新規読者も、よっぽど特別な機会がない限りは来ない」

 

 「評価バーを赤にするのは諦めるしか無い」

 

 一つ一つの言葉が胸を打った。

 胸に押し寄せてくる思いが、心を暗くしていく。

 

 「だから言いたい、これが『キミの二次創作の正当な評価』だなんて思わないで欲しい」

 

 え、と思い顔をあげると、女神が優しい顔で微笑んでいた。

 

 「文字を打ち、考える中でキミは間違いなく成長していっている。作品に対する想いも大きくなっている。ただそれが、このような状況になってしまったが故に、評価されにくくなってしまっただけ」

 

 諭すように、女神が言葉を重ねていく。

 

 「それに今までの話を聞いたら、評価バーの『赤色』だって初動の運が絡んでくることも解るでしょ?勿論最低限の文章を作る力は必要だし、いくつか小細工……もとい『赤』にする為のテクニックはある。でも結局は運だよ運ッ!」

 

 運……かぁ。

 

 「自分の妄想を楽しんで書いている、書き続けられるっていうのなら、私のこれまでの話なんてこれっぽっちも気にしなくていいッ!でも、評価バーの色を気にするって言うことは、それでも出来なくなってきているってこと。そこを気にするんなら、いっそ初めからやり直しちゃうのも一つの手よッ!」

 

 良いのだろうか。

 今読んでいる読者さん達を裏切ることに、ならないだろうか。

 

 「えー、だって自分が楽しくないなら意味は無いと思うわ。その原作に燃えているから二次なんて書けるんじゃないの。書くのが辛くなっていったら、終いにゃその原作自体が嫌になってくるわよ。それって悲しいじゃないの」

 

 その言葉の意味をわかってしまう自分がいた。

 あれだけ好きだったのに、あれだけこうだったらという想いを書きたいと思っていたのに、いつのまにかそう思えなくなっていた。

 無理して書き続ける内に、書くことすら嫌になったし、原作自体に対する熱も冷めていってしまった。

 

 「勿論、無責任になれって言ってるわけじゃないわよ。完結させたらそれは素晴らしいし、二次創作のサイトで投稿しているのだから、そこのルールは守らなければならないわ。でも、無理に書く必要もない。規約にそんなの書いてない。リアル大事、精神衛生も大事よ。自分の人生を楽しむ為に書いてるのに、それで心病んじゃしょうがないじゃないッ!」

 

 女神さん……。

 

 「それに、二次創作は九割九部エタるものよッ!みんな大体察してくれるわッ!」

 

 

 いや、それはどうなんでしょうか。

 

 「エタった作品の新規の感想は見ないようにね……。現行で書いてる二次がすんご~く書きづらくなるから

 

 生々しすぎてコメントしづらいのですが、それは。

 

 「というわけで、心気一転してエタってみるのもいいわよッ!というかエタる事ぐらい許す優しさをみんなも持とうねッ!じゃないとどっかの歴史的文豪の如く、この世からアイキャンフライするぐらい病むからッ!いや、本当にごめんね許してくださいマジで」

 

 やっぱり、この女神はダメだと思う。

 最後までしまらない彼女を見ながら、頭痛がしてきた頭を抱えた。

 

 うん。一瞬でも、尊敬の目で見た自分が間違ってた。

 




文頭 (b》(big》
文末 (/b》(/big》

『(』を『《』に修正。
これで巨大化太字に出来るゾ。

文頭 (b》
文末 (/b》

『(』を『《』修正。
これで太字に出来るゾ。

取扱説明書にもありますが、以外と知っておくと便利です。
ギャグな文章を無理押しできるから(小声

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