第五問:次の例文の下線部について、後に省略されている語句を補い、それを口語訳せよ。
⑨:これ、こぶしの花にや。よくもしらず
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
姫路「『あらむ』訳『こぶしの花である』」
教師のコメント:正解です。
明久「『ん』訳『こぶしの花にゃん』」
教師のコメント:さらにハートでもあれば補修室へつれて行けたのに残念です。
椛「『ん』訳『こぶしの花だわん』」
教師のコメント:犬と猫の奇跡の共演が果たせました。
にとり「『こぶしの花にや』訳『ネオストロングアームフラワー』」
教師のコメント:そういう訳ではありません。
雄二「『拳』訳『拳の花である』」
教師のコメント:どんな花なのか、先生は気になって夜も眠れません。
雲山「『拳』訳『拳骨スマッシュぜぇ』」
教師のコメント:あなたもテストに参加するんですね。
幽香「『あらむ』訳『どんな花なのかあとで教えてくださる?』
教師のコメント:先生はいつでも眠れません。
「はぁ……あ、もういいですよ」
シュン!!(秀吉が見えるようになる音)
「ふぅ……音をたてずにおるのはキツいのう」
まるで木や石などの役をやらされとるようじゃった。
「まぁそこは我慢してよ、さてと、早速このカメラの修理といこうかな」
んー……そのカメラ、どこかで見たことあるのじゃが……というよりほぼ毎日見ておるような……。
「あんな上司の頼みなんて受けなくてもいいのに……」
「まぁまぁ椛、こればっかりは仕方ないのさ。それに、私自身これに興味津々だったりするんだよ」
「………(ぷい)」
椛さんは機嫌が悪くなってしもうた。
まぁ、ワシかて苦手な人はおるじゃろう。
「むぅ……」
「ところで秀吉さんはさっきからどうかしたの?」
「いや、そのカメラのことで気になってのう」
「これ秀吉さんのかい?」
「ワシのではないのじゃが……いつもカメラを見ておる気が……ああ!!」
「ひゅい!!?」
「お、驚かせてすまぬ!!じゃが思い出したのじゃ!」
「なにを?」
「それはムッツリーニというワシの友人のカメラによう似ておる!!」
「ほぅ……外来人の持ち物ならあんなとこで落ちてた理由に納得がいくね」
「もし良かったらそれを譲ってはいただけぬか?」
「今すぐは無駄だと思うよ」
「そ、そうか……やはりにとりさんの邪魔はしてはいけぬ……」
「???何を思ったか分かんないけど修理してからならいいよ?」
「ほんとかの!?じゃがそちたちの上司は大丈夫かの?」
「そこは上手く言いくるめとくから大丈夫さ」
「何から何まで申し訳ない!!」
ワシは感謝の気持ちを込めて頭を下げて礼をした。
「いいってことよ、私達、盟友だろ?」
「ワシは初めて会ったばかりじゃがな」
「ショボーン」
「あ、す、すまぬ……」
なんだかワシ、謝ってばっかじゃの。
「修理が終わったら魔理沙に届けさせるから、あんたは姉を探しに行きな」
にとりさん……今のそなたはかっこいいぞ!
「にとりさん!!」
「さんなんて他人くせい、呼び捨てでいいぜ?」
「にとり殿!!」
「ど、殿? ま、まぁいっか……」
「今までありがとうございますじゃ!!」
「気をつけて、頑張りなよー」
「はい!!椛さんもありがとうございます!!」
「あんなのに見つからないようにしてくださいね?」
多分上司のことじゃな。
「人里に降りればいろんな情報が集められると思うから迷ったらそこを目指した方が安全だよ」
「了解なのじゃ!!では、行ってくるのじゃ~!!」
にとり殿、椛さんの為に、そして、ワシ自身のために頑張るのじゃ!!!
――――☆――――☆――――☆
『………行っちゃいましたね』
『そうだね』
『………辛くなかったんですか?』
『え? なにが?』
『隠してもダメです。私にはなんだかアナタが悲しい表情をしているように見えてしまったのです』
『……………』
『私の知らない事情でもあったのですか?』
『………ねぇ椛――』
『なんです? 私で良ければ相談にのりますよ』
『――姉妹って、何だろうね』
『姉妹……ですか? それは、いつもすぐそばにいて、悲しい時も嬉しい時も共感できる一番身近な家族なんじゃないですかね……』
『いつも……すぐ近くに……』
『どうしたんですか?』
『ちょっと思い出しちゃってね……』
『思いだしたって……誰を?』
『遠い遠い地底のさらに奥深く、暗闇に閉じ込められた空間にただただ過ごす……一人の赤河童を……ね』
さて、にとり殿達と別れを告げ人里へ向かうとしよう。
「そういえば……」
ワシはふと思い出し、アレをポケットから取り出した。
妙な形をしていて、あまり見たことがないアイテムだったのでつい拾ってしまった。
もしかすれば何かの役に立つと思い衝動的に拾ったのじゃが……まぁよいか。
「山なのは分かったから、下山、つまり下を目指せばよいはずじゃ」
いくら姿を隠せたからと言って完全に安全ではないからの。
「音や声は出さぬようせんとな……」
さっさと降りれればいい話なのじゃがな……。
今のワシからは不安とかがなくなっておる。
何だか行ける気がする!
「っ!!まずい!!」
なにやら人の気配じゃ、まずは冷静に、今のワシは見えてないはずじゃ。
正面から二人来とるが、大丈夫、ワシを、にとり殿を信じよう。
『それでね、椛様ってば山に生えてるキノコを凄く警戒してたのよ』
『椛様はかっこいいし、可愛し、強いし、私たちの英雄だよ』
大変人気じゃな椛さんは。
見た目も椛さんに似ておるところ、部下かなにかかの?
『そのキノコを私が食べて大丈夫と確認してもまだ疑ってるんだよ。その時の椛様の耳がピクピクって!』
『うわぁなにそれ見たかったなぁ……』
……………ワシを間にして二人とも素通りしていきおった。
「よしよし、ちゃんと見えとらんようじゃの」
このままさっさと慎重に行ってしまうとしよう!!
「やっと進んだ気がしてきたのう」
周りの風景も変わってきとる……少し薄気味悪いがこの先で大丈夫なはずじゃ。
「む? あれは……」
今までみたことがない人じゃな。
椛さんたちと雰囲気が違うのう……何というか、ワシ自身精神的に近寄ることを嫌がっておるようじゃ。
「しかし、この先なにが起こるか分からぬし……聞いた方が吉と出そうじゃ」
そうと決まればダイヤルを左に回して……っと。
「これでよし、早速向かうとしよう」
――――☆――――☆――――☆
『ヤックヤクにしってあげるー』
………声をかけづらい。
こんな時は、待つしかないの。
タイミングを図るのがよいじゃろうな。
「ふぅ……今日も厄が沢山……あら?」
あ、気付かれた。
「アナタ……人間ね」
やはりここでは人間というのは珍しいのかの。
「私は鍵山 雛、ただの厄神です」
彼女は今のワシとほとんど着ている服装が同じじゃった。
緑色の髪で、どこか古めかしい雰囲気を感じる。
「ワシは木下 秀吉じゃ、見てのとおり男なのじゃ」
「どうみてもそのフリフリでは女の子にしか見えませんが……今時耳にしない喋り方ですね……」
「ワシは男なのじゃ! 喋り方は気にせんでおくれ」
「ふむ……木下さん、あなたはよく間違われる理由をあなたはご存知ですか?」
そういえば、考えたことなかったのう。
気がつけば『秀吉』という性別がついていたかの……。
「少なくとも原因はあなたの厄にあります。あなたはここに着いてから下山してきた間になにか不幸なことは起きませんでしたか?」
「そうじゃのう……道に迷ったくらいかの」
危ない人に見つからず、無事ここまでここれたのじゃから。
まぁ最初は道に迷って椛さんたちの邪魔をしてしもうたが……。
「今はそれだけかも知れませんが時期に必ず……不幸が起こる」
「なんじゃと!?」
鍵山さんは占い師かなにかかのう?
たしかにそれっぽい雰囲気を出しているが……。
「今すぐあなたの厄を吸い取ってあげる」
「……厄とな?」
「このままだと、あなたは永遠に友達やご親族にも会えなくなる」
「っ!!!?」
そ、それは本当なのか………?
「今のあなたには厄がそれだけ取り付いてしまったのです」
「じゃったらどうにかならんかの!!」
「安心してください。私は厄神、厄をため込む程度の能力を持つ……すぐに取り除きます」
「それはありがたい!」
「ただし、私が厄を取り除いた後、直ちに私から離れてください」
「な、なぜじゃ?」
「……あなたが見えているのはなんですか?」
ワシが見えているもの……鍵山さんと……そういえば。
「この禍々しいのはなんじゃ?」
「それは私が集めた厄の集合体、私はただため込むだけであって吸収はしていない……つまり、私の周りにいると不幸がやってくるのです」
なんと悲しい事じゃろうか……まともに近寄れんとは……。
「では、行きますよ」
鍵山さんに、親しい人はいるのじゃろうか……。
「ヤックヤクにしってあげるー(くるくる~)」
……………
なんと悲しき事じゃろうか。
「ヤックヤクにしってあげるー」
あの振り付けは必須なのかの……?
しかし、ワシは話しかけておいて良かったのじゃな。
あのまま素通りしておればワシは永久的に迷っていたに違いない。
「ヤックヤクにしってあげるー」
「……………」
ギャップが酷すぎてなんと声をかけたらよいのか分からぬ。
しかし、こうして見ておるとまるで雛人形のようじゃ。
ひなあられとかも今だと懐かしく思えてしまうのう。
「はい、これであなたを襲う災いは全て取り除きました」
「え、あ、はい!!ありがとうございますじゃ!」
き、急に変わらんでくれんかの……。
「さぁ、早く行きなさい。但し忘れてはいけません。厄は常にたまるもの……気をつけて」
「り、了解なのじゃ……では!!」
鍵山さんに礼をし、なるべく速めに走った。
厄とやらがたまらぬその場所まで――
『私の出番これだけなのかしら……厄いわ』
「さてと、ここは……どこじゃろうか……」
鍵山さんと別れ、また一人歩いていると先ほどの空間がどんよりした辺りを抜けた。
するとまた同じようなあたり一面紅葉だらけが続いておる。
秋の色が冬の色に染まる前に、一望出来たのは運が良かったの。
そんなことを思いつつも、ワシは麓まで降りてきたと実感する。
「確実に下山してきておる証拠じゃな」
まぁ、テレビで見たことがあるのじゃが山は登るより降りる方がキツいらしい。
まだ気を抜いてはいかぬ!
『今年もいっぱい穫れたね~』
む?またまた人の声がする。
『そうね、私たちの存在もこれで安泰ね』
こっちから声がする。
『うん! あ、こっちの芋焼けたよ!』
『ありがと』
存在?安泰?
なにか悲しい話題のようじゃ。
「邪魔をしてはならぬ、ここはグッと我慢じゃ!」
焼き芋が美味しく焼けておるのが匂いで分かる。
その匂いが鼻に入る度に空腹を思い出す。
じゃが、なにやらあの中に入ってはまずい気がする……厄とやらを祓ってもらったばかりじゃというのに、寄り道は良くないしの。
「よし、先に向かうとするかの」
――――☆――――☆――――☆
『ねぇお姉ちゃん』
『……分かってる』
『私たち、名前すら出してもらってないよね』
『……うん』
『しかも焼き芋食べてただけだよね?』
『皆まで言うな!』
『私たちしかこの場にいないけどね……』
『『……………』』
『あ、お姉ちゃんこっち焼けてる』
『……ありがと』
「ついに着いたのじゃっ!!!」
ワシは帰ってきたぞ!
やっと人が沢山いる所へとやってきたのじゃ!!
予定より早く着いたのは鍵山さんのおかげかもしれぬ。
天候にも恵まれ、明るいうちに安全な地域に足を運べたのが本当に良かった!
「さて……どうしたものか……」
たしか、ワシが今いる場所が正しければここは人里と言うらしいのじゃが……。
「お? あんた外来人だろ?」
「ひゅい!?」
ワシが考え込んでおるといきなり声をかけられた。
「お、おい……大丈夫か?」
ちょっと驚いてしまいその様子に心配をかけてしまったようじゃ。
しかも今のはにとり殿と同じリアクション……つい移ってしまった。
「う、うむ、少し考え事をしてただけじゃ」
「そうか、そうそう。今外来人は寺子屋に集めているらしいぜ」
「寺子屋……学校じゃな?」
「場所はすぐそこだから迷うことはないよな?」
親切な人が寺子屋の方角を指を指して教えてくれた。
「あそこじゃな! 承知した!」
「じゃあな、私はちょっと用事があるんでな」
そういうと親切な人は空を飛んでワシが来た方角を戻るように行ってしまった。
「あ、そっちは――」
……気がつけばさっきの人はもうすでに米粒くらいになっていた。
妖怪の山には近付かない方がいいと言おうとしたのじゃが……あの人が人間以外なら大丈夫かの。
「しかし随分早く飛ぶのじゃな……よし!」
寺子屋とやらに行ってみるかの!!
「ここじゃな」
もうすぐ近くまで来てしもうた。
ほんとにすぐそこじゃったしな。
コンコン
「誰かおらぬか?」
暫くすると奥で誰かが返事をした。
「はーい、今開けまーす」
ふむ、しかし学校じゃというのに今とは別物のようじゃ。
昔の建物の勉強になるのう。
今度劇の時の参考にさせてもらおうかの。
ガラガラ
「お待たせしま――」
「っ!!?」
寺子屋から現れたのはなんと明久じゃった!!
「秀吉!?秀吉じゃなイカー!!」
「明久!!無事じゃったか!!」
「秀吉ィ――」
いきなり明久の姿勢を低くした。
ん?なぜじゃ?
「――好きだぁぁああああああああああーー!!」
意味が分からん!!
そしてなぜワシに抱きつこうとするのじゃ!?
あ、そうじゃの、無事こうして会えたわけじゃし、男同士熱く感動の再会と――
「愛してるぅぅぅううううーーー!!」
さらに分からなくなっておるぞ!!もはや暴走の域に達しておらぬか!?
「ひでよ――」
「「「五月蝿い!!!!」」」
ボコ!
スカ!
バキ!
「いっっっってぇぇええええ!!!」
なにやら騒がしいのう、この声は明久だけではないの。
「さっきから大声で喋るな明久! って秀吉じゃないか!!」
「おお!!雄二まで!!」
「………俺もいる」
「ムッツリーニ!!!」
「なになに?」
「え~っと……そちは誰じゃ?」
見たこともない人までおるのう。
「わたしは古明地 こいし、知らない人は覚えてね(はぁと」
「は、はぁ……」
子供のようにあどけなく挨拶をするこの子は全身に青く細い線のようなものに繋がれていた。
その線には目玉のような球体が印象に残る。
小さい背丈に頭に黒い帽子を被っておるが、かわいらしい笑顔とは対照的に不気味さを放っていた。
どうやら妖怪の類のようじゃの。
「しかし秀吉も来てたのか……これで俺を含めて五人か」
雄二がなにかを考えるように呟いておる。
「………よかった」
ムッツリーニがほっと胸をなでおろしておる。
心配してくれてありがとうなのじゃ。
「うう秀吉……僕はこんなにも愛しているのに……」
「じゃからワシは男じゃと!」
「大丈夫、ここは日本じゃないから! 結婚はできるよ!!」
「そういう問題じゃないのじゃ!!」
明久はいつも通りでよかった。
「そういえば雄二、さっき五人と言っておったが……もう一人は誰じゃ?」
「それは葉月ちゃんだよ」
明久が雄二に代わって説明する。
「僕がここに来る途中にいたから連れてきたんだ。一人だと絶対危ないからね」
なるほど、明久らしいのぉ。
まぁあんな小さな子供をこんな場所に置いておいては危険すぎるじゃろう。
「秀吉も加わったことだし、そろそろ俺たちも動かねえとな」
「それは私が絶対許しません」
雄二たちから隠れていたもう一人のワシの知らない人物がワシらを止めようとする。
「ッチ」
雄二は不意に現れた人に気づかれぬように舌打ちをする。
表情から察するに悔しそうじゃの。
「ところで、そちは誰じゃ?」
「私は上白沢 慧音と言ってここの先生をしています」
これはこれは、教師であったか。
「今の私の使命は外来人であるあなたたちに危険な目を合わさせないことです」
なるほど、この寺子屋にいるということは基本的に安全なのじゃな。
「それはそうと秀吉、今までどこにいたの?」
「まて明久、それは全員で聞こう。情報を集めたい」
雄二が明久を止める。
そうじゃな……ワシがいた……妖怪の山を……説明……せ……
バタッ!!
「「「――!!!?」」」
あ、あれ……ワシ……一体……か、体が重い……
「秀吉ぃ!!!」
明久がワシを呼んでおる。
なんじゃ……と――。
――――☆――――☆――――☆
「大丈夫?」
う……ここは……寝室かの。
「よかった、気がついて」
「明久……」
目を開けると明久がほっとした表情でこちらを見ている。
「急に倒れたから心配したよ」
「す、すまぬ……」
そうか、あれからワシはずっと歩きっぱなしじゃったからのう。
姉上のことも心配じゃが、今はワシ自身を気をつけねばならぬな。
「秀吉は相当苦労してきたんだね。服装で分かるよ」
ん? 服でかの?
「なぜ服で?」
もしやにとり殿からもらった光学迷彩の服のデザインがおかしかったのかの?
「いや、だってすごい汚れてたもん、洗濯してもなかなか落ちなくて」
服の汚れにも気がつかなかったのじゃな……ワシは。
というより、あれは洗濯しても壊れないかのう。
「秀吉の姉さんに怒られるんじゃないかなと思って必死に落とそうとしたんだけど、やっぱり、残っちゃって……ごめんね」
「いや、謝る必要などない、ワシが汚したのじゃからな」
「でも――」
「大丈夫じゃ、姉上はそんなことでは怒らぬ」
たぶん。
仮にもにとり殿からもらった服じゃし、怒られる道理はないはずじゃ。
「そっか、よかった……それじゃ僕皆に知らせてくるね」
「了解じゃ」
明久が寝室から出る時、なんだか嬉しそうじゃったの。
「ワシも、疲れておったのか……」
普段山なんぞ登らぬせいか……ま、今はゆっくりと休めばよい。
「もう一回寝るとしよう」
ここは安全なのじゃからな……慧音さんや明久たちに今だけ甘えさせてもらうかの。
そして、ワシは布団の温もりに包まれながらゆっくりと瞼を閉じた。
『おい、明久』
『………大丈夫?』
『うん、秀吉疲れているだけみたいだった』
『そうか……』
『………一安心』
『そうだね』
『『『これどうしよう……』』』
『どう考えてもこれ秀吉の服じゃないよね?』
『あぁ、明らかにこれはゴスロリという類だな』
『………(コクコク)』
『でもなんで秀吉はあんな服を? 制服はポケットの中から出てきたけど』
『さぁな、なにか事情があったんだろう』
『………苦労してる』
『そうだよね……こればっかりは秀吉に聞けないよね』
『バカなこと考えるなよ? 秀吉が変な方向に目覚めるかもしれん。それはお前らの為でもある』
『『了解』』
『………だが、まだ未解決な物がある』
『そうそう、秀吉の制服を入れてた同じポケットから出てきたあれだよね……あれは一体』
『………いつか、ビデオで見たことがある』
『え? ほんと!?』
『………危険レベル∞(インフィニティ)』
『ナ、ナンダッテー!!!?』
『落ち着け明久』
『そ、そんなにおぞましいものだったとは……僕の知らない世界に足を踏み入れてしまった気がするよ』
『………ウェルカム』
『どうぞお構いなく』
『ま、どう考えてもこれは秀吉の物じゃないな。どっかに落ちてたんだろ。それを本人は危険な状況下におかれていたんだ。(こんなものでも役に立つじゃろう)といった感じにでも拾ったに違いない』
『そ、そうだね……(そういえば姉さんがたまに僕の口に付けさせようとしたような……確か名はギャグ何とかのはず)』
『………同意』
『もし俺の言ったことが正しければ秀吉はコレを知らないことになる』
『『ざわ……ざわ……』』
『……ムッツリーニ、後は任せた』
『………承知した』
『結局ムッツリーニに預けるんだね……あとで秀吉に聞いてみるよ』
『あぁ、ごく自然に頼む』
『了解!』
「ん……う~ん……よく寝たぁ」
今、何時じゃろうか……一晩中寝てた気がする。
「秀吉、おはよっ、昨日からずっと寝っぱなしだったよ」
「なんじゃと!?」
大変じゃ、ワシとしたことが気を緩めすぎじゃ!!
「お、落ち着いて、どうしたの?(まさか例の物を探している!?)」
「あ、あぁ……すまぬ、つい気が動転してしまった」
「そんなに? 何か捜し物?(落ち着け明久、れれれ冷静になれ)」
「そうなのじゃ!!姉上が――」
「マジっすかぁー……」
む?なにやらひどく落ち込んでおる。
そんなにワシが姉上を探してはならぬのか!!?
「明久、なにか知っておるのじゃな?」
「ふぇ? な、なんのことかな? 僕は全然知らないよ?(うわぁムッツリーニが後ろで凄い剣幕でカッターナイフ構えてるよ)」
明らかに何かを隠しておるようじゃ。
まさか姉上になにかあったのか!?
「教えてくれ明久! 何かあったのか!?」
「へ? 多分正常なはずだけど……(まさか、やっぱり愛用してたの!?)
言い方が少し気になるが明久のことじゃ、気にしたら負けなのじゃ。
「そうか……なら安心じゃ。ワシも早く捜さねばならぬ」
「あぁダメだよ! まだ寝てないと! 僕らが代わりに探すから!」
「それは無理じゃ……昨日慧音さんに叱られたばかりではないか」
「え? あ、そうだね(秀吉はアレを外で落としたのかな……いや、そんなことはない! 僕のお嫁さんはそんなに汚れていない!!僕は――)」
「姉上のことが心配――」
「秀吉がそんなHなことをするわけがない!!!」
「「………え?」」
な、なんじゃ?明久の奴急に叫びおって。
「え? ま、まさか秀吉の捜し物って……」
「ワシのただ一人の姉上のことじゃが?」
「そっちかよ!!」
「なるほどのぅ、大体分かった。それは偶然拾ったものじゃ」
どうやらワシが途中で拾った物でみなが誤解していたようじゃ。
「よかったぁ……」
「………安心」
「お前らなぁ……」
雄二以外は本気で心配しておったようじゃな。
「そんなにワシがそれを持っていてはおかしいかの?」
「え? 秀吉はこれがどんなものか知らないの?」
明久が不思議そうに尋ねてくる。
も、もしや明久ですら知っておる超が付くほど常識的な物なのか!?
「も、勿論知っておる!!」
「「――!!!?」」
「秀吉……無理はするな、今ならまだやり直せる」
「な、何を言う! ワシはこれを毎日使っておるぞ!?」
「なん……だと?」
「………有り得ない」
「ほほぉ……秀吉、それはどう使うんだ?」
「バカよせ雄二!!あんな危険な物を秀吉に使わせるつもりか!?」
「む、むぅ……」
さ、流石に困ったぞ。
本当になにも知らぬ故どう使えば……形をよく見ればきっと使い方が分かるはずじゃ!
考えるのじゃ! ワシ!
「こ、これはじゃな……」
「これは?」
「秀吉……」
「……………」
三人が息を同時に飲む。
「こ、こう使うのじゃ!!(カチッ)」
「「「やめろぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!!」」」
東方にあまり詳しくない方へ
この場を借りて、お伝えさせていただきます。
今回の章でにとりが言った赤河童(=河城 みとり)ですが、原作には一切出てきません。二次創作で生まれたキャラだということを理解していただけたらと思います。