といってもさほど変わらないかもしれませんが(汗
注意事項
・ややホラー描写がありますので、ご注意下さい(といっても私のような三流以下が書いたのでそれほど伝わらないかと思いますが、念のため)
・長いです
私と兎と永遠亭
「……ここは………」
あれから私はどこに飛ばされたのでしょうか……あのとき、美波ちゃんと私は八雲さんという方のおそらく何らかの力で空間を超えてワープさせたのでしょう。
「でも、そんなに日本の科学は発展していないはずです」
あの方は、一体何者でしょうか……よく、分からないことだらけです。
「それに、今私がいる場所も分からないと」
あたりを見渡しても遠くまでよく見えない。
それは何処までも高く、まるで雲までも突き破ってしまいそうな勢いで育っていた竹が防いでいたからだ。
「竹藪って、こんなにすごいんですね……」
近くで見たことありませんから思わず感動してしまいます。
「今の私は不安定な時にでも……どこかに余裕があるのは何故でしょうか」
この状況の重要さを理解しきれていない訳じゃないはずなんですが……。
「うーん……」
兎に角、歩いてみましょう。
人に出会えれば、なにか分かるかもしれません。
「よし! 姫路頑張っちゃいます!」
自分で自分を励まして、この未開の地を探索することに決めたのであった
少女探索中...
「…………」
あれからどれくらい歩いたか。
「おかしいですね……」
さっきから背景が全く変わらないなんて……。
どこをどう進めばいいのかな。
「なにかパッと目印になるようなものがあれば――ッ!?」
突然あのときと同じ感覚におそわれた。
体が不条理に浮いている。手や足をばたつかせてもなにもない空間。
私はまたどこかに落ちているのを悟った。
「イタッ」
あ……今度はすぐに着いたようですね……。
次の場所は……周りが土しか見えません。
『ゲゲッ! 人間!』
今の整理がつかない中また新たに考えなければならない謎が増えた。
私の上から誰かの声が聞こえた……え? ここどこなんですか!?
『ヤバいなぁ……こんなとこ誰かに見つかったら落とし穴掘れないじゃん』
兎に角、私は落ちてここにいるのだから頭上から聞こえる誰かに助けを求めてみる。
「あのー! すみません! 誰かいるんですかー!?」
喉を張り、大きな声で呼びましたが返事がありません。
上空を見て気付きましたがどうやら場所はさっきの竹藪が見えたのであまり変わっていないみたいです。
「あのー! 助けてくれませんかー!」
誰が通りかかったのか分からなかったけど、子供だったら私を引き上げるなんて出来ないから他に呼んできてもらわないと。
「困りました……」
しかもその声の主はどこかに行ってしまったのかもう聞こえなくなってしまった。
「ということは……私はこのまま一人っきりですか!?」
それはダメです! こんなところでは餓死してしまいます!
「誰かー! いませんかー! 誰かー!!」
どうしよ……このままだとほんとに死んでしまう。
「明久君!!美波ちゃん!!坂本君!!」
手当たり次第といったように私は無意識にFクラスの名前を呼んでいった。
ぱら……ぱら……(土が落ちてくる音)
「ッ!」
叫び続け少し疲れてきたその時、誰かが……この上の近くを通ってるのを感じた。
この量は風などで自然に落ちる音ではない。
足音も微かだが空間の中に響いてくる。
「助けて下さぁい! 誰かぁ!!」
私はまた必死に助けを求めた。
このチャンスを逃せば一生訳の分からないところに置いてけぼりを食らうから。
『え、ちょ、なに? どこから人の声が……』
「助けて!!助けて下さい!!」
『下から……あ、あんなとこに穴が』
足音が徐々に大きくなってくる。
良かった、私に気付いてくれた。
「うわ、深いなー。あのー、大丈夫ですか?」
「はい! 大丈――ゲホッ!」
返事をしようと声を張り、腹の底から出そうとした瞬間、口の中に土が落ちてきた。
「わわわっ! い、今すぐ助けますのでちょっと待ってて下さい!」
「分かり――ケホッ! 分かりました!」
まだ少量だが喉に砂利が入っているのか大声を出すたびにむせてしまう。
「とりあえず助かります……」
あとは上にいる人が帰ってくるまで待っていれば……良かった、これでココから抜け出せる。
「はい! 待たせたかしら」
少しホッとしていると思っていたより早く戻ってきた。
「そんなことはないです!」
穴が結構深いから声量を上げなければ聞こえないだろう。
私は助かるまで声を放ち続けた。
「それじゃ、これに捕まって!」
言われるとおりに上から垂らしたロープに捕まった。
「あとは、ちょちょいっと……そりゃ!」
ロープに捕まった瞬間、私の体は中身を失った空箱のように容易く引っ張り上げられ、そして私はようやく竹藪の景色を見ることが出来た。
「え! 人間!?しかも、外来人!!」
「あ、アナタが助けて下さったのですね。有り難う御座いました」
目の前にはぴょこんとした可愛いうさ耳にブレザーを着ている。
目は真っ赤でまるで人の血のような色をしていた。
「あ、ダメ!」
声とほぼ同時にいきなり彼女が私を突き飛ばす。
「……あ」
訳の分からぬまま這い上がった地下からまた戻され、小さく聞こえたその声を最後に再び深い穴へと落とされてしまった。
「いたた、どうして……」
色々疑問に思うことはありますが、まずは身の確認です。
不意の出来事でしたので体中が痛い……骨とか大丈夫でしょうか……。
あ、足がうまく動かせない!
彼女の足は奇妙に曲がってしまい、手だけが何とか動かせる状態だった。
なにがなんだかわからぬ私を追いうちをかけるかのように上から無邪気の子供のような恐ろしい言葉が耳に入ってきた。
「コノママ、ウメチャエ」
「ッ! だ、だ……ゲホッ!!」
上から大量の土砂が降ってくる。
その一片が私の口の中に入り、喉から食道へ、一部は気管にまぎれてしまった。
その衝撃で、私は吐血をしてしまった。
次から次へと土砂が送り込まれてくる。
もう私助からないんだ……最悪の事態が脳裏をよぎる。
誰か……タスケ……テ。
そして、私はゆっくりと目を閉じた。
深い深い地面の底、誰にも気づかれずただ自らの心拍音だけが彼女の耳に響いてくるだろう……。
「という夢に決まってるじゃない」
「ほぇ?」
気がついたら、私はいつの間にかどこかの部屋に寝かされていた。
「ここは永遠亭、あなたは外来人ね」
目の前にはどこか神秘性を感じさせる服をきた女の人が私に話しかける。
「あ、ごめんなさい。名前はなにかしら」
私の考えが筒抜けだったのか女性は質問を変更した。
「私は姫路 瑞希といいます。あの、私はなにを……」
確か深い穴に落ちて……ブレザーを着た兎さんが……あれ? そこからの記憶が思い出せません。
「あなたは優曇華の『眼』を見てしまったのよ」
「……目、ですか?」
人が相手の目を見ただけでって……こんなことって起こり得るの……?
「優曇華は狂気を操る程度の能力を持っているから、気をつけて」
さらに訳の分からないことを言われて私の疑問は広がるばかり。
「さて、自己紹介と歓迎をしないと」
「歓迎?」
歓迎されることはなにもやっていないのですが……むしろ私がお礼をしたいくらいです。
「そう、あなたは幻想郷に来たの。私は八意 永琳」
「八意さん……」
「別に永琳でもいいわよ」
「それは出来ません! 助けていただいて呼び捨ては失礼です!」
「そ、そう……」
永琳が姫路の勢いある反論に引かれているとふすまを叩く音が聞こえた。
「入りなさい」
誰かがこの部屋に訪れたようです。
八意さんの返事を聞くと振り払う勢いでふすまが開かれる。
「師匠! 例の外来人は大丈――!」
入ってきたのは私を助けてくれた方でした。
先程とは服装が違い、ブレザーを脱いだのか少しぷっくりとした胸が長袖のブラウス越しに見える。
慌てて私の様子を見にきてくれたようですね。
「よかったぁ、一時はどうなることかと思いました」
「そう、よかったわね。さて、優曇華『さん』?」
永琳はニコっと笑顔で優曇華の方へと向けると怯えるような表情で返事をする。
なぜならその人の目は笑っていなかったから。
「は、ハイィ!」
「今からおしりペンペン×私の年齢の刑よ(はぁと」
「ヒィィ……あ、でも、それって師匠の歳がバレ――」
「早く座れ」
「ぎゃふ!」
お、おしりぺんぺん……ですか。
私も明久君へのお仕置きメニューに加えてみましょうか……うふふ。
「お、お尻が二つに割れたぁ」
「そんなお約束は言わなくていいわ」
「うう……気をつけます」
あれから私を置いてけぼりにして二人はお仕置きとして兎さんの方は凄く赤く腫れてました。
「それと、姫路さん」
突然話のターゲットを私に変えられ少々驚いてしまう。
「は、はい! なんでしょうか?」
「彼女の名前は好きに呼んでくれていいわ。うどんとか、そばとか」
「え!?罰ゲームってまだ続いてたんですか!!」
「さっき思いついたの」
私を助けてくれたあの方の呼び名を勝手に決めちゃっていいのかな。
「私の名前はれい――」
「アウト」
ピチューン
「え……え!?」
や、八意さーん!!
「慌てなくてもいいわ、これが私たちの日常なのよ」
「でも……ひ、人殺しはよくないと思いますッ!!」
「大丈夫よ、もうじき理由が分かるから」
人殺しに理由があっても、それは犯罪だと思うのですが……なにが始まるのでしょうか?
「デデーン! っと登場! れ――」
「だから名前は禁止」
ピチューン
「また殺したーッ!」
「ダメじゃない、患者がそんな大きな声だしちゃ」
「あ……ごめんなさい。じゃなくて! これはどういうことなんですか!!」
「そうね。ある程度説明しておいても大丈夫のようだし」
そう言うとここ、幻想郷について大体は教えてもらった。
少女清聴中...
「弾幕……博麗……妖怪……どれも私たちの世界ではあまり聞かないワードです」
「あなたは飲み込みが早いのね」
「はい、八意さんの説明を鵜呑みにしましたので」
かなり流暢に教えてくれたのでここがどんな場所なのか把握することが大体出来ました。
「そう、それであの月兎はなんて呼ぶのかしら?」
「ええい! 好きにして下さい!!」
「え……そうですね……」
服装は女子高校生のような学生服、だけど学生ではない。
妖怪の一種みたいですし……でも可愛くてまるで本当の女子高生のようです。
今までの会話の中で何かヒントはなかったか思い返そうとすると、
「私はうどちゃんにするわ」
「きゃあ!」
後ろから突如声が聞こえた。
さっきまで誰もいなかったのに……。
「姫様……それはアウトに近いセーフです」
「それってどっちよ」
「わ、私もダメだと思います」
「アウトなのね、残念」
このお姫様のような格好をした人は誰なんでしょうか。
「新しい外来人ね」
「はい、そうです」
八意さんが丁寧にお姫様に返事をする。
「名前は?」
「私は姫路瑞希と申します」
思わず跪いてしまいそうな貫禄を持ったお姫様に緊張してしまう。
「そんなに堅くならなくていいわ。この服も邪魔で仕方ないのよ」
「は、はぁ……」
どう答えていいのか困ってしまい曖昧な返事をする。
「そろそろ自己紹介タイムと行きますか。私は蓬莱山 輝夜」
「ほうらいさん……かぐや……さん?」
珍しい名字なのでつい聞き返してしまった。
それに気になることが。
「そうよ。私の名前が珍しい?」
「はい。というより、私たちの世界の童話と似ていたので吃驚しました」
「うふふ、私はね、月からやってきたのよ。今ここにいる人皆月兎、月妖怪なの」
「みなさん月から……それはすごいです! 八意さんの話だと私たちの世界より田舎に近い雰囲気だったので……」
ここにいる方々はみんなすごい……妖怪っていうよりも見た目なんてただの可愛い女の子ですもん。
「それじゃ、改めてあの月兎の名前を決めましょうか」
「な、名前ですか? 呼び名じゃなくて……?」
「名前で。変な名前なんだし。私たちが付けた名前でもあるし、変えてもいいでしょ」
「姫様ぁ!!」
今にも泣きそうなのですが……。
「「さぁ、どうする!!」」
「うぅ……」
私の決断で彼女の人生の天秤が左右されている……。
ど、どうしましょ……正直困ってしまいます。
私はとにかく周りを見渡し、目に入った言葉を口に出した。
「えっと……それでいいの?」
どうやら私の言った名前は正解だったらしく、本人以外は全員きょとんとしていた。
「はい、私にはみなさんの期待を裏切る形となってしまいますがこれが一番いいと思うのです」
蓬莱山さんは顔におもしろくないっとはっきり書いてあるように分かる表現をしているので罪悪感が残ります……。
「姫路さん!」
「ほぇ?」
「あなたは一番真面目だ!」
「あ、ありがとっ! 鈴仙ちゃん」
ぴょんっと飛ぶような勢いで話す鈴仙の姿を見てほっとする姫路。
見知らぬ土地で見知らぬ妖怪と出会いどうなるかと思いきや事は順調に進んでいる模様であった。
「さて、私はもう一眠りしてくるわ。それと姫路さんだっけ? 私のことは輝夜さんでいいからね」
何故だか名字で呼ぶと長すぎてしまうのか違和感が出来てしまうのでこっそり悩んでたのですが……。
「私、一度でも上の名で呼びましたっけ?」
「なんか私に対して態度が違うからね。普通でいいわよ」
すると横から八意さんが輝夜さんに注意をする。
「姫様は仮にもお姫様なのですから、下の名前は……」
あ、やっぱり不味かったでしょうか……。
「大丈夫よ、私ニートだし」
「……………?」
え? 今お姫様らしくない発言が聞こえたような……。
「あ、瑞希はなにも聞かなくていいから」
後ろから鈴仙ちゃんの声が聞こえる。
そうですよね、お姫様が『ニート』だなんて言葉を軽々と発するわけないし。
仮に言ったとしてもその通りなはずがない。
姫というのは、その国の最高責任者――王の代理といっても過言ではありません。
ここには王の立場な人はいないようなので、この場所で一番優れているのは輝夜さんなはずです。
幻想郷ではどうなのかまだ分かりませんが、とにかく輝夜さんがそんなだらけた生活を送っているはずがありません!
「それじゃ、帰りたくなったら博麗のとこに行きなさい」
「わ、分かりました」
別れ際に輝夜さんが助言を残す。
博麗というのは幻想郷にある神社の中の一つみたいですね。
そこに行けば元の世界に帰れると聞きましたが……。
(美波ちゃんを見つけるまでは帰れません)
明久君たちもみんなこのどこかに飛ばされていることも有り得ます。
もう少し情報を集めてからでも、遅くはないはず……今はここでお世話にならせていただきます。
「ところで、なんで私の名前が『鈴仙』って気付いたの? 優曇華としか聞いてなかったはずだけど」
うーん……ここで「偶々目に入った文字が鈴仙だったから」というのは今の彼女の期待を裏切ってしまうかもしれませんね。
でも、なんといえばいいのでしょうか……とりあえず、期待をそがないようにやり過ごしましょう。
「え? えっと……なんとなくです。うどんちゃん、なんて恥ずかしいかなと思って」
「うぅ……やっぱ瑞希って呼ばせて!」
私の理由を聞くと鈴仙ちゃんは半泣きになりながら話す。
どうやらなんとかなったらしく、鈴仙ちゃんはより私を慕うようになっているみたいだった。
「鈴仙ちゃんがそういうのなら……別にかまいませんよ?」
鈴仙ちゃんの明るい性格には、ついつい呼び捨てでもいいかなとなってくる。
「あぁ……浄化されるぅ」
「ちょ! 溶けてませんか!?え? 大丈夫ですか!」
「平気よぉ~ちょっと最近辛すぎて、死んでやろうかなーって」
「そんなことで命を失ってはダメです!」
「あ、うん。私もまだまだ生きるし、本気で死ぬつもりじゃないよ」
「あ……良かった」
「やっぱり瑞希は優しいなぁ……私に出来ることがあったら何でも言ってね!」
「ありがとう、鈴仙ちゃん」
鈴仙ちゃんとすっかり仲良くなり、今の時間をゆっくりと楽しんでいた。
ゴンゴン!!(玄関を強く叩く音)
『す、すみませーん!!』
玄関から大声で誰かを呼ぶ声がする。
かなり慌てているようですね。
「ちょっと待っててね。患者かもしれないから」
「分かりました」
医学にはそんなに詳しくないので、素人の私は大人しく待っておくことにした。
「患者さん……大丈夫かな?」
それでも、やはり赤の他人だろうと心配になる。
軽い怪我とかなら心配ご無用ですが……。
「そこのお嬢さんっ」
「ひぇあ!!」
いきなり呼びかけられた上に誰もいない部屋から声が聞こえ、度肝を抜かれる。
「そんなに驚かなくてもいいじゃん。あんた外来人なんでしょ?」
「え……あ……はい。姫路瑞希って言います」
見た目は女児そのものだがこの娘にも兎のような耳が生えていた。
「私は因幡 てゐ、つまらないことを聞くが私をどこかでみたことはないかね?」
女の子にしては少し変な口調で語りかけられたけど私はいつも通りに質問に応じる。
「えっとですね……私はあなたを知りませんが……」
「ならばいい。余計な捜索はしない方が身のためさね」
「は、はぁ……」
「さて、では私はお暇するとしよう。ちなみに私もここに住む者だ。仲良くしようじゃないか」
白いふわふわした服に人参のペンダントを身に着けていた子が手を差し出す。
なんの疑いもなく、その子の手を握る。
「こちらこそ、お世話になります。てゐちゃんは普段何処にいるの?」
「私は一定の場所には留まらない主義でね……私を見つけるのは困難だよ。ではでは」
てゐちゃんと握手を交わした後にそのままぴょんと軽快に部屋を出て行ってしまった。
「あの女の子はなんだったのでしょうか……」
そういえばどこかで聞いたことがある声だったような……ううん、気のせいですね。
「おっと、最後に一言忘れてたよ」
てゐちゃんがくるりと何かを思い出し、翻す。
少し大きめなたれ耳がふわりと風に乗っているのが見えた。
「鈴仙の名前、思い出せてよかったね」
そういうと彼女は兎らしく飛び跳ね、竹やぶの中へと消えてしまった。
何故あの子がそのことを、さっきの流れを見てきたかのような口ぶりでしたが……。
まさか、あれはてゐちゃんの――。
「………けほっ」
あ、あれ? 風邪……でしょうか。
「喉が……あー、あー、あ――けほっぉほ」
しまった……少し無茶をしすぎた所為か風邪を引いてしまったようです。
「お待たせー! いやぁまだまだ私も勉強不足です……」
「そ、そうですか……」
うぅ……どうやら熱も出てしまったようです……。
「今日は外来人がやたらと――ってか、顔赤いけど大丈夫?」
「え、えぇ……なんとか……あ、大丈夫れす、鈴仙ひゃんの目は見てないから」
おかしいな……鈴仙ちゃんの目を直視していないのに……鈴仙ちゃんが二人に見える。
そんな様子を悟ってか、鈴仙が行動に移す。
「完全に風邪ね。布団はひいてあるから、とりあえずそこで横になってて!」
「そ、そうですね……」
ここは診療所ですし、診てもらった方がいいです……ね。
「では、師匠を呼んできますのでそのまま待っていて下さい!」
「分かりまし……た」
そう言うと鈴仙ちゃんは襖を開け部屋から出て行った。
「………はぁぅ」
あ……もう……意識が……。
――――☆――――☆――――☆
「目が覚めたようね」
「あ……八意さん……」
目を開けるとそこにはあのときと同じように八意さんがいた。
その隣には鈴仙ちゃんが心配の眼差しを私に向けていた。
「よかったぁ……。眠っている間に注射をしましたのでもう大丈夫! 師匠の注射で治らない病はほとんど無い!」
「誰かのセリフっぽく聞こえたのだけど気のせい?」
二人の会話を横目にやり、ふと外を見るとすっかり暗くなっていた。
「もう遅いし、その様子だと明日の朝には完治するでしょ」
「そ、そんなに早く!?」
確かに目覚めがとてもスッキリしています……。
最低三日はだるさなどの症状が続くかと思っていましたが……月の医学は私たちの医学をかなり先に進んでいるんですね。
そのまま私は布団に誘われるようにゆっくりと横になり、眠りについた。
そして翌日の朝。
「ん……んんーッ!」
朝日を大量に浴びながら私はゆっくりと目を覚まし、伸びをした。
「体がやけにスッキリします~」
昨日のお注射が効いたのでしょうか……。
「さて、と……ちょっとこの建物を探検しちゃいましょうか」
と、特に目的はないのですが、よくよく考えるとまだこの中の案内をしてもらっていないので、勝手に覚えてしまおうかなって。
「そ、それに……」
実はですね、ここだけの話なのですが……トイレに行きたくなってしまいまして……。
私は立ち入り禁止な部屋には絶対に入らないことを心に誓い、部屋から出ることにしようとした。
いつもの通りだと、まだ朝早いのでみなさんの睡眠の邪魔もしないように静かに探しましょう。
「あ、そうでした」
まだ布団を畳んでいませんでした。
これではいくらなんでも失礼ですね。
少女片付け中...
「終わりました」
では、今から行きますか。
私はふすまをゆっくりと開けた先の光景に目が思わず奪われる。
それはあまりにも長いその廊下だったため、小さく驚いてしまう。
「結構広い診療所なのですね……」
奥まで見渡す間にいくつもの部屋が見えた。
簡単にはトイレにたどり着けないかもしれません……ぅぅ。
「うーん……」
あれから数分歩くと私は一つのふすまの前にたどり着く。
ここがトイレだったらいいのですが……早くトイレを探さないと。
自身に一声かけてから焦る心を抑えつつふすまを開ける。
「し、失礼しま――っ」
私は小声でゆっくり開ける最中、誰かいるのが見えたので入らないことにした。
「ここではないようですね」
そっとふすまを閉め、足音を立てないようにその場を後にした。
「………そういえばさっきの人も兎の耳があったような……」
昨日の説明の通りでした。
人間より、妖怪の方が目の当たりにするなんて……でも、皆さん可愛らしい顔をしてましたので、妖怪と言ってしまうのはどうも違和感が生じてしまいますね。
尿意を抑えるために気を紛らわしながら歩いていると私は次のふすまに辿り着いた。
先程より少しづつ迫ってくる危機感により私は戸を見つけるなり、音を立てないように開ける。
「あ……」
しかし、この部屋も違っていた。
私は早急にふすまを閉め、トイレを探すことを再開した。
……あれから十分は経っただろうか、部屋が全く見つからなくなり、長い廊下だけが視界に映るようになってしまった。
「うぅ……」
このままだと人として恥ずかしい思い出を残すことになってしまう。
そんなことは絶対に防ぎたい。
私は諸刃の剣のごとく廊下を急いで走った。
――――☆――――☆――――☆
トイレを探して約二十分くらい経過した。
このままでは膀胱炎になってしまうかも知れない。
走っていた体は尿意の我慢に神経を優先することを選び、歩くことしか出来なかった。
「……………」
辺りを見渡し、必死に部屋を探した。
「………も、もう、ダメ……かも……」
今から玄関に向かい外でこっそり足せばまだ間に合う……道は覚えてるからその案を実行させるか、このまま覚悟を決めてトイレを求めて歩くのか……。
そんなことを考えていると最後の希望を見つけた。
あれがトイレではなかったら――。
色々な感情が入り交じる中、私はこれが最後のチャンスになることを覚悟し、そのときは特になにも考えずふすまを開けた。
「……………」
「……………」
今度の部屋は八意さんが謎の踊りをしていた。
「な、なにしてるのですか?」
「……………」
何ともいえない顔をしながら私の目の前でそれを続けた。
「………あ、あの! おトイレは……どこですか?」
今、この人のペースに合わせている暇はない。
勝手に邪魔しているのは承知の上だが私もこれ以上……。
「………アナタも一緒にどう?」
「いえ、すいません。 とにかくトイレを貸していただけませんか?」
「………これは八意式健康術といって」
今の八意さんはなにを言っても答えてくれそうにない。
「………この八意式健康術には主に延命効果が」
私の話はどこへやら。
八意さんは勝手に説明を始める。
「あ、ごめんなさい。 もうすぐ終わるから待ってて」
健康術について数分語り出したところで我に返ったのか会話が成立する。
「は、はい……」
完全に防衛ラインを越えてしまっている。
本城を落とされるまであと少しだろう。
私は既に限界を超越したのを感じとっていた。
――――☆――――☆――――☆
「お待たせ」
汗を流している八意さんは謎の健康術をようやく終え、私の話を聞いてくれることとなった。
「……………トイレは」
もうまともに今の状況を伝える余裕はない。
少し膀胱も痛みだしていた。
「トイレはこの部屋を出て真っ直ぐ突き当たりのところよ」
「ありがとうございます!!」
私はまるで迷宮の出口へ向かうように全速力で耐え忍びながらトイレに向かった。
朝のドタバタから約三十分経過。
何とか緊急事態を免れた姫路はゆっくりとトイレから出てくる。
幸い中には誰もおらずすぐに用をたすことが出来た。
「朝からみっともないです……」
ここの間取り図について見せてもらおうと思い、来た道を戻る。
しかし、慌てていたので殆どが記憶になく、また迷うこととなってしまった。
「あれ、おかしいですね……八意さんの部屋はこっちだったはず」
朝の一件についてお礼と改めて謝罪をしたかったのですが、廊下がさっきと違う雰囲気を漂わせていた。
とりあえず歩いていると一片変わった扉が目に入る。
「あれは……なんでしょうか?」
そこは他の部屋とは違い鉄で作られた扉で、中の様子が全く見えない。
きっと宝物庫か何かだと思ったのだがその扉はなぜか開いていた。
好奇心は猫をも殺す――そういった言葉が頭の中で過る。
しかし、やはりどうしても気になってしまう。
「ちょ、ちょっとだけならいいですよね……」
何も盗らないし、少し見て回るだけ。
危ないモノがあればすぐに出て行くつもりでいた。
姫路はこっそりと薄暗い部屋へと入っていく。
「ここだけ少し暗いですね……」
朝日が差し込んでいる所為か、灯りが見当たらなくとも人が視界を確保出来るには充分な明るさだった。
「あ、これは……薬品でしょうか?」
部屋の中には棚がいくつも広がっており、詰めてビンを置かれていた。
その中で一つ手にとって見てみる。
ビンの周りにラベルが貼られており、他のビンも同じように並んでいた。
そこには油性ペンのようなもので薬品名らしき名詞がこう描かれていた。
『濃硫酸』
ここで濃硫酸とは何か簡単に説明しましょう。
一言でいえば「危ない」です。
飲めるとか、触れるとか、そんなことはできません。
取り扱いには細心の注意を払うべきです。
「なぜこんなところに調味料があるのでしょうか?」
良い子は正しい知識を身につけて下さい。
「あ、こっちはクロロ酢酸があります」
クロロ酢酸も危ないです。
劇物に指定されており、誤飲などは防ぎたいところ。
人体に危険な成分が含まれているため、料理などに使うはずはな――。
「ここは調味料を保管するところだったのですね」
良い子は絶対に真似しないように。
「あ、おはよう瑞希」
あれから調味料の保存室だと思われる部屋から抜け出し、再び廊下をさまよい続けていると偶然にも私を捜していた鈴仙ちゃんに会った。
「おはようございます」
私も頭を軽く下げ朝の挨拶を交わす。
「朝ご飯出来てるけど食べる?」
「はい、いただきます」
私は場所が分からないので鈴仙ちゃんの後ろに付いていくことにした。
「朝から大変だったのね~部屋にいないから探したわよ。トイレの場所教えておくわね。他に何か聞きたいことある?」
私の様子を見て鈴仙ちゃんはくすりと笑い、私を気遣ってくれた。
そういえばまだ髪も直していないことに気付き思わず恥ずかしくなる。
「それにしても瑞希の髪って、なんていうか……ふわっとしてるよね」
「そ、そうですか?」
「手入れとか大変でしょう?」
「えぇ、まぁ」
あまり褒められることに耐性がなかった私は曖昧に返事をする。
「ところで」
突然私に背中を向けながら話していた鈴仙ちゃんがこっちに振り向く。
その際鈴仙ちゃんも私と同じ長い髪をしているので綺麗なウェーブのかかったなびき方をしていた。
「その兎の髪飾り、可愛いよね」
「ありがとう」
私のお気に入りの髪飾り――これだけはどんなときでも肌身離さず持っているし、必ず着けて毎朝登校している。
そんな大切なものに対しては自信もある。
だから私は素直に喜べた。
「さて、朝ご飯食べる前にもうちょっと直す?」
「そうしていただくと助かります」
私は鈴仙ちゃんと一緒に女の子の支度を済ませに向かった。
「これでよしっ」
鈴仙ちゃんに案内してもらい、私はドレッサーのある部屋に入った。
そこである程度身嗜みを整えて鈴仙ちゃんに見てもらったり髪の毛などを整えてもらった。
「おぉ、瑞希ってスタイルもいいのね!」
「そ、そんなことはないです!」
玲さんや美波ちゃんに比べたらまだまだ、私は太っているだけです。
「私が男なら一目惚れね」
「それは言い過ぎです」
「そう? 結構可愛いと思うけどなぁ」
どこか納得のいかないような顔をした鈴仙は、
「あ! いけない、朝ご飯冷めちゃう!」
本来の目的を思い出し慌てて姫路を連れ出し食卓へと向かった。
――――☆――――☆――――☆
「うん、まだ温いわね」
鈴仙ちゃんと走って来た私は少し息が乱れる。
「あ、ごめん……」
私の存在に気が付くとその様子を見て一言謝る。
「病み上がりに無茶させて……」
「あ、いえ私は元々身体が弱いので気にしないで下さい」
「そうだったの……今後から気をつけるわ」
医者の弟子としての本能か、患者をひたすらに想う気持ちからか、鈴仙は反省したようだ。
「ところで、他のお二方は?」
シンプルなテーブルに四つの椅子があるのに対し、この場には私と鈴仙ちゃんしかいなかった。
「師匠は今日忙しいとかで、私たちだけで食べてって言ってたわ」
「そうですか、では頂きましょうか」
こうして永遠亭で朝ご飯を二人で食べることができた。
その間でも私は鈴仙ちゃんと楽しく会話をしたりと楽しい時間を過ごせた。
「「御馳走様でした」」
私と鈴仙ちゃんの二人で机の上に並べられた朝食を完食した。
「美味しかったです」
「そういってもらえると嬉しいわ」
「え、これ鈴仙ちゃんが作ったんですか?」
「そうよ、一般的な物しか作れないけどね」
朝のメニューは赤味噌を使った味噌汁やモチモチとした白米、炭火で焼いた秋刀魚と実に和風なものばかりであった。
「瑞希は料理とかするの?」
「はい、明久君や坂本君たちに時々作って……」
明久【くん】という言葉に反応したのか鈴仙はニヤリとした後にこう質問した。
「その人は好きな人?」
「ち、ちちちちち違います! ベ、べべ別に好きとかじゃないですよ、ただ優しくて、小学生の時からずっと変わってなくて……」
「そうなんだ、あ! もしかしてその髪飾りもその人からもらったの?」
「はい、これは私が入院中に明久君がくれたものなんです……同じクラスなんですが彼は忘れているようで」
「へぇ……」
朝の女子トークが始まり徐々に盛り上がっていく。
鈴仙も外の世界は元いた世界と違い新鮮だったので興味を示していた。
「あ、そうだわ、今日の午後過ぎに私に付いてくる?」
「………?」
突然の提案に思わず首を傾げる。
「人里に師匠が作った薬を毎日売りに行くのよ。まぁそこから神社とか行くんだったら私も仕事があるから無理なんだけど」
私は八意さんに言われたことを思い出す。
博麗神社に住んでいる博麗霊夢さんにお願いをすれば私たちの世界に返してくれるかもしれない。
しかし、帰るつもりはこれっぽっちも思っていなかった。
「私は人里で美波ちゃんたちの情報を聞きたいですので、お願いします」
「分かったわ、さてと……後はやっておくから、瑞希はまた迷子にならないように色々出歩いてみたら?」
「え? 私もお手伝いさせて下さい」
「有り難いんだけど、また風邪をぶり返させるわけにもいかないから」
鈴仙は気を遣ったつもりだが姫路には逆に落ち込ませる結果になった。
「………分かりました」
彼女は小さな頃から病弱なことを気にしている。
今回もそれが原因で役に立てないと明るいピンクの花がしおれてしまう。
そんな姫路を見て鈴仙は、
「そのかわり、昼ご飯は瑞希が作ってくれるかな?」
死亡フラグを立てた。
親切が裏目になるとは、このとき鈴仙は夢にも思わなかっただろう。
「は、はい! 私でよろしければ四人分用意します!」
私は嬉しくなり明るく答えた。
「四人? てゐにも会ったの?」
「可愛いですよね、鈴仙ちゃんとはどんな関係で?」
「特にないわよ、アイツいっつもイタズラばっかりして迷惑してるのよ」
「それは鈴仙ちゃんと遊びたいだけかもしれませんよ?」
「さぁね」
鈴仙はそう言い放ち、溜まった食器に視線が向くと、
「しまった! 汚れが落ちなくなる前に早く片付けないと! それじゃまたあとで」
台所に汚れのたまった皿を洗い始めた。
鈴仙ちゃんは少しあわてん坊みたいで可愛いな、と思いながらここにはもう無用なので「分かりました」と残し、私は部屋を出た。
――――☆――――☆――――☆
「さてと、どうしましょうか」
昼ご飯までにはまだ時間がありますし、部屋でゆっくり過ごすのも退屈です。
だったら八意さんにこの世界についてもっと聞かせて貰いたいのですがなにやら忙しいとかで朝食を抜いていましたし……。
「部屋に帰りますか」
「そんなんじゃ勿体ないわよ」
「キャッ!」
考え事に結論が出た瞬間、私の後ろから不意に声がした。
振り向いてみるとそこには「は~い」と長い振り袖をひらひらさせて無邪気な子供のような笑顔の輝夜さんがいた。
「脅かさないで下さい……」
「ごめんね、ちょっと暇だったから」
輝夜さんのお茶目なイタズラに私は怒りなんて沸くはずもなかった。
「折角の短い命、楽しまなきゃ損じゃない?」
「え?」
「ま、要するに私の部屋に来ない?」
「いいんですか!?」
「別に、私も死にそうなくらい暇だったから」
と、いうことで姫様の言うことに逆らえる訳もなく、特にすることもなかったのでお邪魔させてもらうことにした。
「ここよ」
廊下を数分歩いた先に一つの部屋にたどり着く。
「え、ここですか?」
私の質問に答えず輝夜さんは先にふすまを開けっ放しに部屋の中へと入っていく。
中の様子も朝、色々な部屋をみてきたが外見は他と殆ど同じだった。
「失礼します」
「ご丁寧にどうも」
私も輝夜さんの後に続いた。
部屋の様子を見ると棚があり、何かが綺麗に並べられていた。
「あの、これは一体……」
「ん? あぁそれは火鼠の皮衣よ」
火鼠の皮衣と言えば日本の童話に登場する有名な物である。
「え!?」
幼い頃に母が絵本を読んでくれたことはこの歳になっても覚えている。
「これが……ですか!?え、本物?」
「私が偽物を見せるわけないでしょ? それに、ポンコツを並べないし(まぁレプリカなんだけどね)」
輝夜さんが袖を使って口を隠し、その裏ではくすくすと笑いながら言う。
「こちらは?」
「それは正真正銘の蓬莱の玉の枝よ」
「これが……実は真珠でしたっけ?」
「売ればそれなりの高値がつくわね」
「輝夜さんは売らないんですか? お金があれば永遠亭をリニューアルしたり、より多くの人に訪ねてもらえますのに」
私の質問に対して輝夜さんは呆れたような顔をして、こう返した。
「売ったら自慢できないじゃない」
「………え?」
「そりゃ儲かるだろうけど、私は特に気にしないからね。今が十分楽しいから」
意外な解答を聞いて驚嘆する。
「輝夜さんはあまり欲がないんですね」
「そういう訳じゃないわ、ゲームとか暇つぶしとか色々やりたいことはあるわよ」
「ゲーム……ですか?」
ここの世界でいうスペルカードシステムというルールに基づいた遊びのことでしょうか?
八意さんに、「アナタはやることもないから安心しなさい」と言われたけど……。
「あなたたちの『場所』から流れ着いたゲームとか結構面白いのよね」
そういえばこの部屋は飾られてるものの他にテレビとゲーム機しか見当たらなかった。
なるほど、私の勘違いか。
「輝夜さんはお姫様なのにゲームが好きなんですか?」
「月にはこんな面白いのはないからついハマっちゃったのよ、アナタをここに呼んだ理由の一つ……どう?」
輝夜さんは片手にコントローラーを持ち、もう片方の手で私に同じ物を渡してくれた。
「一つと言いますと?」
「理由はもう一つよ、ただアナタの世界の話を聞きたかっただけ」
鈴仙ちゃんもそうでしたが輝夜さんも別世界に興味があるようでした。
「私でよろしければ、どんなことを話せばいいでしょうか?」
「何でもいいわ、ただし」
ここで輝夜さんはゲームの電源を入れ、
「私とゲームをしながら話すことよ!」
「し、しながら……ですか?」
画面に目を向けるとそこには格闘ゲームと思われる風景が映っていた。
実際、少し放置していると左に図体が大きい人が、右には対照的に華奢そうなお嬢様風の女性が立っていた。
デモプレイを見てると一見不利そうだった女性が最後は男にコンボを決めて勝ってしまった。
ダメージも少ししか受けてなく、完全に女性キャラの方が上手のようだ。
「不思議よね、現実ではやってのけないことをしてみせる。そこに魅力を感じない?」
明久くんとゲームした時は深々と考える余裕なんてなかった私は思わず頷いてしまう。
「確かにそうですよね、必殺技なんて普通の人が出してたら可笑しいです」
「そこがゲームのポイントよ。さぁ、私と一戦交えましょう。やり方は説明書読む?」
「あ、はい」
説明書とあって内容は薄く、ゲームの操作方法や軽いあらすじなどが載っている。
私はあまり時間をかけたくなかったので技の出し方を中心に覚えることにしました。
少女読書中...
「大体理解しました」
「それじゃあとは体感で、己を信じるのよ」
輝夜さんから熱烈なアドバイスを貰う。
「分かりました!」
明久くんの家で遊んだときにゲームについては経験済みですし、あの感覚ですればきっといい勝負が期待出来るはず。
きっと腕に覚えがあるはずなので油断するとあっけない結果が待っている……話もしなくてはいけないし、頑張らないと。
「なるほどね、試験召還獣……面白い」
輝夜さんが私の会話を受け取りながらゲームをしている。
その動きは全くぶれることなく話せた内容も大したことなかった。
画面に集中しすぎた所為かな。
それでも輝夜さんの使っているキャラには体力を削ることは出来なかった。
結果的にゲーム内では輝夜さんが操る男性キャラクターが画面内のWINという文字と共に立っているのが映る。
開幕五割削られながらも、私はガードを的確に見極め相手の攻撃の止んだ瞬間を狙うという戦法。
さらにその隙に会話を発展させてみたものの、周りの人から見れば独り言のようなもの。
初心者にはあまりにもきつかった。輝夜さんは多分四割程度しか力を出していなかっただろう。
しかし、
「この勝負、アナタの勝ちよ」
「ぇ?」
実力の差がありすぎるあまりに落胆している私に輝夜さんが言い放つ。
「だって、会話してたじゃない。私相手に一つのテーマを終わらせた……違わない?」
「ち、違わなくないですが、まだ私たちの世界の少ししか話していません」
「別に全部話さなくてもいいわ。面白そうな話が聞けたし、私は満足してる。だからお喋り成立よ
1ゲーム終えた輝夜さんはうーんと背伸びをした。
良い退屈しのぎになれたでしょうか。
さて、それじゃ私は永琳にちょっかいかけに行くから、あなたも用事を済ませなさい」
そう言い残し輝夜さんは颯爽と部屋を出て行った。
「あ、私も昼ご飯の準備をしないと!」
でも、姫様という身分である輝夜さんがお仕事で忙しい八意さんに遊びにいくなんて、お茶目なんですね。
そんなことを思いながら私も部屋をきちんと戸締りを確認して出て行った。
――――☆――――☆――――☆
輝夜さんとゲームをした後、私は鈴仙ちゃんとの約束を果たすべく、お昼の用意をする。
が、私はキッチンに向かわずあるところへ調味料を取りに行くことにした。
「鈴仙ちゃんたちに振る舞う料理なんだから、張り切らないと!」
姫路さん、張り切りすぎちゃうとコロっと逝っちゃいますよbyナレーション。
時を同じく、姫路が調味料(?)を取りに行っている時刻。
迷いの竹林に一人の女の子がいた。
「は~い、皆! しゅ~ご~」
だらけきった声でウサギを集める少女。
彼女の名前は因幡 てゐ、鈴仙たちとは違い地上の兎である。
「うん、それじゃ全員いるし、何か起こったことはあるかな?」
てゐは兎たちを集め、ミーティングのようなものをしている様子。
兎たちは少し大きい手ごろな石の上で堂々と座っているてゐの方へ向いている。
彼女は鈴仙と比べて不真面目で頼まれた仕事を飽きたとかめんどくさいとかで途中にも関わらず放り出すこともしばしば。
責任は鈴仙が引き受けているから、鈴仙は苦労人である。
「え? 人里で外来人を集めてるだって?」
一匹の兎がてゐに報告する。
その兎としてはどーでもいいことだったのだが、念のためしておこう、と思ったのだ。
「外来人ねぇ……あの娘の関係者かね?」
時々てゐはどこか胡散臭い一面を見せることもある。
それは彼女が悪戯好きであり、常に鈴仙をからかう性格から見て取れると言えよう。
「ありがと、他何かない?」
報告をし終えた兎はてゐに一礼し、元の住処へと帰っていく。
それなりに慕われているのも彼女の実力の内だろう。
ちなみに、この兎たちは彼女以外のいうことはほとんど聞かない。
「はいそこ、何か言いたそうだね? 何でもいいから言ってごらん」
ビシッ!っと指摘された一匹の兎がてゐに話す。
「うんうん……え?」
内容を聞くと今まで特に感じていなかったてゐに変化が起こった。
「へぇ……その情報が本当なら、鈴仙や外来人に教えてやらないと」
こうして、てゐは情報を伝えるべく永遠亭に向かったのであった。
「これで完成です! 早速鈴仙ちゃんを呼んでこなくては!」
そして時は動きだす。
「といってもどこにいるんでしょうか……とりあえず食卓にお皿並べないと」
現在時刻お昼過ぎ、私は鈴仙ちゃんの朝ご飯のお礼にお昼を作ることにした。
でも、鈴仙ちゃんは食卓に見当たらないし、いったいどこに行ったのでしょうか?
でたらめに動き回るとすれ違いになる可能性もある、ここは素直に待った方が得策ですね。
と、そこへ、
「お? もうお昼なのか?」
「あ、てゐちゃんじゃないですか」
私の料理のにおいにつられてやってきたのでしょうか、小さくて可愛い兎さんがやってきました。
「ん? これ姫路さんが作ったの?」
「そうですよ? 腕によりをかけて作りました!」
「へぇ、美味しそうだね……って、違う違う」
鍋から独特の匂いを漂わせているが、てゐは単に中身が気になっただけのようだ。
ぴょこっと鍋の具に顔を覗かせると一言感想を述べる。
しかし我に返ると用事を思い出し、辺りをキョロキョロと見渡している様子から誰かを探しているのかと予想を立てた。
「どうかしましたか?」
「鈴仙見なかった?」
「鈴仙ちゃんなら私も探しているんですけど……」
二人共同じ目的を持ち合わせているようだ。
肝心の鈴仙はどこへ……。
「あら、二人で何やってるの?」
「「鈴仙(ちゃん)!」」
少し心配になりましたが、鈴仙ちゃんはひょっこりと何事もなく私たちの心配をよそに現れました。
料理が冷める前でよかったぁ……。
「時間的には少し遅れちゃったみたいね」
「もう! 探したよ鈴仙!」
「あら、てゐは何でここにいるの? またミーティングサボったの?」
鈴仙がてゐに疑惑の目を向ける。
「心外だな~今回はちゃんとしてきたよ」
「いつも真面目にしてくれたら私も楽なんだけどね~師匠に報告しないと行けないし」
「まぁまぁ、皆揃ってたから心配ないよ」
「それならいいけど、それで私に何か用があったんじゃなかったの?」
おぉ!とナイスリアクションをしたてゐ。
すっかり忘れていたのか、と呆れる鈴仙。
そんな二人のやりとりを姫路は見て聞いている。
「実はね……ごにょごにょ……」
私には言えない秘密の事情なのでしょうか。
それとも何か事件でも起きたのかな?
「あぁ人里ね、これを食べたら薬を売るついでに寄る予定よ」
てゐの背丈に合わせかがんでいた鈴仙ちゃんが立ち上がる。
「まだ話は終わってないんだってばー」
「そんなことより、早く瑞希の作ったご飯食べようよ」
確かに折角私が腕によりをかけて作ったお昼ご飯を冷めたまま食するのも作った身としては少し心が居た堪れない。
「私のことは気にしないでください。重要な話なら先に済ませたほうが……」
そう、私は何も気にしない。
場合や状況によることもありますから。
「ううん、てゐの話は信憑性に欠けてるから。それにお腹空いたし」
そういうと鈴仙ちゃんはお箸を手に持ち自分の席へと座った。
「もう、私の話はどうでもいいの?」
「後で聞いてあげるから、ほら、あんたも食べなよ」
鈴仙のにこにこ顔とは正反対にふくれっ面のてゐちゃんがゆっくりとぶつぶつ文句を言いながら食卓へ向かう。
「………ん?」
「どうかしましたか?」
急にてゐちゃんが立ち止まり、何かをじっと見ている。
なんでしょうか。
「………なんでチッキンにししょーのお薬が――」
「いっただっきま~す」
「なぁ鈴仙その料理ちょっと待った方が――」
すでに手遅れだった。
「鈴仙!?」
てゐちゃんの視線の先にはお箸を持ったまま硬直状態になっている鈴仙ちゃんがいた。
「鈴仙ちゃん!?」
「おい姫路、一体何を入れたんだ?」
「え、お口に合いませんでしたか?」
「いや、私の推測が正しければもはや食えたもんじゃな――」
「瑞希……」
まるで何かに縛られたかのような状態だった鈴仙の口がゆっくりと動いた。
「ご、ごめんなさい! 私ってば、恩を仇で返すようなことをしてしまい……もう、私……」
目を涙でいっぱいにして鈴仙に謝ろうとする姫路。
「瑞希……違うんだ」
「え?」
「きっと今の私を見て、不味かったんじゃないか、と思っただろうけどそうじゃない……瑞希の幼気な思いはしっかりと受け取ったよ」
少しずつ調子を取り戻していく鈴仙。
舌の麻痺も良くなり話しやすい姿勢で伝える。
心をこめて、力いっぱい、相手の目を見て告げた。
「瑞希の料理、美味しかったよ」
「鈴仙ちゃん……!」
姫路に笑顔が戻った。
「体が全身金縛りに合うくらい美味しかったんだよ(一体何をどうやったらこんな味になるの!?)」
「よかった~明久君にも似たようなことを言われました」
「そ、そう……(明久っていうのは人間を軽く卒業してるわね……)」
「そ、それじゃ私は可愛い私のウサギ達のご飯を探しに――」
「さっき会ったばっかりでしょ?」
竹林に逃げようとするてゐを鈴仙が素早く席を立ち捕獲する。
「ほ~ら、こんなにも美味しそうなんだから、てゐにも分けてあげるわ」
鈴仙ちゃんの膝に座ったてゐちゃんは更に可愛げをましていた。
「わ、私のは自分の分があるから。自分の席に返しておくれ」
「ヤダ」
「何をそんな子供みたいな我侭を言っているんだ? 鈴仙。これは命令だ」
「私が取ってあげるからあんたはここで食べなさい」
「いや、鈴仙の膝の上とか迷惑かけちゃうじゃないか」
「いつものことよ、今更気にしないわ」
「い、いやだァ! 離せェーッ!」
てゐちゃんは恥ずかしがっているのでしょうか、顔を真っ青にしてその場を離れようとしている。
「兎って、ホント可愛いですよねっ」
「ひ、姫路……タスケ――」
「はい、あ~ん」
「こんなことをして、ただで済むと思っているのかー! こ、この私がこんな罠に嵌るとはァァ!!!!」
今日も永遠亭は患者で忙しくなりそうです。
輝夜side
全く、鈴仙ってばお昼の時間はとっくに過ぎてんのにいつになったら私を呼びに来るのかしら?
この私をどこの誰だと分かっての事よね。
私は今時計の短い針が一のところに来ているというのに一向に鈴仙が知らせに現れない。
いつもご飯が出来ると呼びに来るんだけど……。
私もあれから引き篭もる意味がなくなったし、屋敷内くらい自由に出回ってみようかなって思ってたからわざわざ食卓まで食べに来ているのに。
……まぁ、ホントは永琳に怒られたんだけどね。
ぶつぶつ文句をぶちまけながら歩いていると、目的地に着いた。
のだが、
「ちょっと鈴仙! 私のお昼……は?」
私の景色には、まさに月にも負けない地獄絵図なうが広がっていた。
てゐは床に寝そべって……いや、あれは気絶している。
今時泡ぶくぶくさせて意識不明ってありえるのかしら。
鈴仙は……。
「うん、瑞希おいしいよ!(ま、まずい……これ以上は……)」
「良かった! もっと美味しいもの作りますからね」
あれはさっき会った外来人、こんなところで何を……。
「あ! 姫様! ちょうど良かった(サッ」
「――ッ! 鈴仙!?」
いつの間にか私の背後には姫路の料理をバクバク食べていた鈴仙がドス黒いオーラ全開で私を捕らえていた。
「姫様のことをすっかり忘れていました! ささっ、姫様の分もありますよ!」
「あ! 輝夜さんじゃないですか! 先ほどは楽しかったです」
姫路がペコリと頭を下げる。
右手に包丁、左手には……あれって確か鈴仙にいっつも永琳が試してた試作品のだったような……。
永琳が鈴仙に無理やり飲ましているところを隅っこでゲラゲラ笑っていた記憶もあるし。
……なんであの子が持ってるの? しかもエプロン姿だし。
兎に角、鈴仙に何が起こっているのか確かめないと。
「ねぇ鈴仙、これは一体――」
「はい姫様、あ~ん」
なんか気色悪いなこの兎。
普段絶対こんなことしないのに……あれか、あの薬の所為か。
しかし……、
「輝夜さんは特に腕を振るいましたのでぜひ沢山食べてください!」
あの子の表情から読み取ると、私たちへの恩返しをしたがっているとしか思えない。
なのに、なんで一匹戦死者が出てるのかしら……。
「カオスね」
「さぁさ、姫様ァ!」
「ちょ! そんな無理や――んぐっ!」
鈴仙が強引に私の口に見た目は普通の食べ物をスプーンの上に乗せ、突っ込ませてくる。
ぺろっ
「あえふぉいじあhvgじあhhXX!!!」
やばい、これは死ねる。
少しでも舌に食材があたった途端、急激な痺れを全身に渡ったのを感じる。
なんでこの子は無事なの……耐性でもついてるのかしら。
「姫様~そんな駄々こねてはいけませんよ! 瑞希のためにも、さぁ!」
さぁ、じゃないわよ! 私は姫よ! 死んじゃうじゃない!
まぁ死なないけど、痛いのは嫌だし。
でも……
「ワクワク……ドキドキ……」
めっちゃ姫路見てるしな~、純粋な眼差しで。
これに鈴仙も耐えているのか……ならばここは協力し合うしかない!
私は鈴仙の持っているスプーンの腕を引き離し、
「タンマ! 鈴仙、ここは一つ私て手を打たないk――」
ぱっくん。
「あqwsでrtfgひゅじこ」
ごっくん。
「( ω )」
こうして、二人目の戦闘不能となった。
――昼過ぎ。
姫路の楽しいお昼ご飯を食した三名の犠牲者。
鈴仙も最後まで生き残ったが、やがて生命力に限界を超え、眠りについた。
「皆さんお疲れのようですね……でも、床で寝ちゃ風邪引きますよ?」
安らかな笑顔、恐怖に怯えた表情、理不尽を訴えかけるような納得のいかない様子と三人を確認した後、テーブルの上に残っている最後の一人へのご飯に目が移る。
「これはどうしたら……サランラップとかありましたっけ?」
「その必要はないわ」
「あなたは輝夜さん! こんにちは……あれ? おはようございますかな?」
「ふぅ……蓬莱人で良かった」
「あの、その必要はないとはどういう……?」
「永琳は忙しいからご飯はいらないってことよ、でも心配しないで、あなたの純粋な心は痛い(物理)ほど分かっているから」
このとき、わずかに輝夜さんの顔が企み顔に見えたのは私の気のせいでしょうか。
「つまりどういうことですか?」
「捨てる、なんてもってのほか。これは私の親友に持って行ってあげることにする」
輝夜さんのお友達……そんな方がいらしたんですね。
お姫様の親友ですか、少し興味が沸いてきます。
「そいつの名前は藤原 妹紅って言うのだけど、私が持って行ってあげると照れてるのか食べてくれないのよ~」
輝夜、という名前だけあって少し昔染みた名前だなと思いながら会話を続ける。
「仲がいいんですね」
「そう、私たちはとっても仲良しなの。だからこの姫路さんが作ったおいしい昼ご飯を食べさせてあげればきっと号泣して私に感謝を申しに来るわ」
輝夜さんは長いスカートを器用にあしらい、不適な笑みを浮かべ片足を椅子の上に乗せ、意気込みをあらわにする。
私は、そんな輝夜さんを見ても特に感じなかった。
「私たちだけがこんな素晴らしい経験をするのは卑怯というもの、是非姫路さん本人がコレを渡してあげてくれないかしら?」
「輝夜さんの親友の方なら喜んで! しかし、その人はどこに住んでいるのでしょうか?」
「案内は鈴仙に頼むから、あなたはソレを持っていく支度でもしておいて頂戴」
「分かりました!」
かくして、輝夜による妹紅半暗殺計画が行われようとしていた。
――――☆――――☆――――☆
「では行って来ます……」
あれからニ、三時間後、二人とも目を覚ましました。
しかし、それからてゐちゃんはすぐさま竹林の方へと行ってしまいました。
なにやらすごく慌てていたというか、何か怖い夢でも見たのでしょうか……。
鈴仙ちゃんは頭が重いと言い、少し横になりましたが今は八意さんの薬を沢山詰め込んだ毛皮のリュックを背負って私と共に人里に向かう支度をしている。
見た目からして中身が溢れるくらいだが、これを全部売るまで帰ってくるなと言ったそうで。
「鈴仙、ちょっと」
「はい姫様」
玄関で輝夜さんと八意さんが見送る中、突如鈴仙ちゃんが呼ばれコソコソ話をしている。
何だろう、と思っていると「お待たせ」と笑顔で鈴仙ちゃんが私のところに戻る。
「気をつけてね」
最後に八意さんが言葉をかける。
「はい! 今までお世話になりました!」
深々とお辞儀をし、心からお礼の言葉を述べる。
「風邪や怪我をしたらいつでも来なさい、患者は歓迎するわ」
頭を上げるとそこにはにっこりと微笑んでいる八意さんが手を振っていた。
その隣では輝夜さんがグっと親指を立てている。
「それじゃ行こうか」
そして、私の横で鈴仙ちゃんがにこやかな笑顔で先に行く。
「は、はい!」
私は少し後ろに名残惜しさを残しながらも前へと歩く。
でも、早く明久君たちに会いたい気持ちも同時に浮かび上がってくる。
少し寄り道しますが、待っていて下さい! 私は無事ですから!!
んーここも長くなってしまいましたか、いづれ「第○問」といった感じで小分けする可能性がでてきましたね……。