バカと神社と不思議な巫女
イテテテ………僕は………なにをしてたっけ……。
瞼が重い……このまま横になっていよう。
凄く、長い間眠っていた気がする……。
「ちょっと、掃除の邪魔よ!」
「う……ん、あと三時間」
「長いわ!」
ドゴォ!(誰かが僕を蹴る音)
「イタッ! 人をゴミのように扱わないで!」
全く、誰かは知らないけどいきなり蹴られていい迷惑だ。
「あんなとこで寝るあんたが悪い」
あんなとこって……あれ、僕ってば地面で寝てたのか?
とうとう飢えが来たのか……。
「なに黙り込んでんのよ」
「あ、ごめん……」
改めて今置かれている状況を整理すると一人の巫女さんの格好をした人が箒を持って僕をめんどくさそうな顔で見ている。
頭に付けている大きなリボンが実に目に入る。
巫女さんだけに紅白なのだが、脇が見えるのはなぜだろう……そんなとこ露出させて何がしたいんだろう。
周りは神社が一件建っていて、それ以外は特に特徴的な物はなく、森や木が高々と育っている。
自然豊かな場所としか言えない……。
神社だから賽銭箱が置かれてあるのは当然なんだけど、なぜだろう、あの賽銭箱にお金を入れたくなるような……入れないとなにか災いが起こるような……。
というより参拝客が見えないのはなんでかな……この神社御利益とかあるの?
おっと、大事なことを忘れていた。
僕はたしか自動販売機でパシられていたはず……なんでこんなところに!?
「それで、あんた名前は?」
「え? 僕は吉井 明久だけど……」
「私は博麗 霊夢、霊夢でいいわ」
いきなり自己紹介されても僕は全く今の現状を飲み込めていないんだけど。
まぁ、分からないなら人に聞くまでさ。
「それじゃあ……霊夢」
「ここは幻想郷よ」
聞く前に答えられた……だと?
「なぜ分かった!?」
「外来人は大体皆場所を聞くわ。名前が分からない人もいたわね……」
「そうですか……」
僕はこんな訳も分からない場所で一人寂しく飢え死にするのかな………あぁ最後に叶うならお米をいっぱい食べたかった。
「どうせ、あんた行く当てないんじゃない? しばらくここでゆっくりしていけばいいわ」
「よろしくお願いします!!!」
全力で土下座しながら頼んます!!
「わ、わかったわかった。それじゃ……吉井」
「明久でいいですよ」
「んじゃ明久、よろしくね」
なんとかご飯と寝るところは確保できたみたいだ。
僕って運がいいみたいだね。
「但し、食材は自分で頼むわ」
前言撤回。
僕は不幸の星に落下したみたい。
「食べ物も一緒に分けてくださいよ!」
「しゃらくせえ! 食べ物はこっちがほしいくらいだ! 第一紫が――」
「お呼びかしら?」
ヒラヒラ(紫がお米券をゆらつかせる音)
「「そのお米券よこせえェェェエエエ!!!」」
ほぼ霊夢と同時に優雅に舞うお米券を狙いに飛びかかる。
ック!!あの巫女に渡したらきっと独り占めされてしまう!
何としてでも先に奪い取らないと!!
「二人とも落ち着きなさい。ちゃんと霊夢にあげるから」
「マジで!?やったー」
ッチ、これで僕のご飯はカップラーメンの頃に逆戻りだよ。
「但し、そこの外来人の世話をちゃんとしてくれたらね」
「うん、する! するからよこせ!」
この人も飢えを必死に毎日から逃れようと頑張ってるんだね……。
てかちょっとまて。
「おいババア! あの時はよくも(ニョオオン)あぁぁぁまたかぁぁぁぁぁ!!」
「紫にその言葉を堂々と言うなんて……無知って怖いわ」
――――☆――――☆――――☆
「それで、私になにかようかしら?」
ゼェ……ゼェ……またなんか落とされた……無重力みたいで凄く怖かった。
一つここで学習した。
この人はコスプレした学園長じゃない!
「吉井 明久だったかしら」
「なんですか……てか、あんたは誰!?」
「私は八雲 紫よ、次ババアとか言ったら命はないからね」
この人に逆らうとババアエン………違った、バッドエンドだな。
「それで、八雲さんは僕をこんなところに連れてきてどうするつもりだ!」
指で八雲さんをさし、ずばりと言い放つ。
「特になにも? あと、紫でいいわ」
しかし、帰ってきた返事に思わず拍子抜けさせられてしまう。
「………へ?」
「あなたは此処でのんびり過ごしてもらうわ」
「どういうこと?」
僕にはこの人が何か裏があるように思える。
けど、なに考えてるかさっぱりわからない。
「そのまんまの意味よ」
「つまり僕は一生ここで暮らすってこと?」
「そうね……多分帰してあげる」
「………ん?」
ヤバい、そろそろ僕の頭の容量が入りきらない。
「まあ、今は難しく考えない方がいいわ。時機あなた達の使命を果たすときがくるのだから」
「………み?」
「みってなに!?」
オーバーフローしてしまった僕から出てしまった謎の言葉。
なんか霊夢が驚いてるけど気にしない気にしない。
誰にでも限界というものはあるからね、仕方ないさ。
「それじゃ――」
「あ、ちょっと待って!」
僕の頭をフル回転させて一つ疑問ができた。
「なにかしら?」
「姫路さんたちはどうしてるのかな?」
「彼女たちもここに来ているわ」
なん……だと?
「姫路さんたちは無事なの!?」
「死なすつもりはないわ」
そうか……よかった。
でも、姫路さんは病弱だから……すごく心配だ。
早く迎えに行かないと……。
「どこにやったんだ?」
「さぁ、どこでしょう」
扇を口元に近づけ、ニヤリと口の端を釣りあげているのがチラりと見える。
このヤロウ……ふざけてるのか!
「聞いてるのはこっちなんだ! 真面目に答えろ!!」
「ちょっと明久落ち着きなさい!!」
霊夢の大声によって僕の感情的な怒りは平静に戻ることができた。
「………ッ! ご、ごめん……」
「姫路さん……だっけ? 多分私も大丈夫だと思う。紫は意味なく人を殺すなんてしないわ」
霊夢が引き続き話をする。
その話を冷静に聞いて少し考える。
「………うん、分かった」
「それじゃ、今度こそ帰るわね。霊夢、あとは任せたわん」
「キモイ」
そう言うと僕を落とした空間の狭間みたいなのを出してその中へと入っていき、消えてしまった。
紫……か……あいつがここにつれてきた理由はなんなんだろ……せめて雄二がいればな……。
あんなやつでもいないよりマシだからね。
「とりあえず、一旦うちにあがったら? 外は肌寒いわよ」
そういえば周りは紅葉で視界一杯に広がっている……こっちと僕たちのいたとこの季節は変わらないのか。
「ほ~ら、早くしないとこのお米券全部私が使うわよ」
「コタツぬく~い」
「はやっ!!あんたいつの間に……」
とにかく、まずは紫の情報を整理して皆の位置をしらないと……ハァ……頭が破裂しそうで気が遠くなるような話だよ。
――――☆――――☆――――☆
「はい、お茶でも飲んで」
「あ、ありがとう」
僕は今霊夢の神社でくつろがせてもらってる。
結構中は広いけど、何にもないな……なんだか昔にタイムスリップしたようにも思えさせられる。
「あ、美味しい!」
色々思う前に目の前のお茶を忘れる前に飲んでおこうと思ったらこのお茶すごくおいしい。
特別な何かを使ったのかな、興味深い味だ。
「気に入って貰えて嬉しいわ」
霊夢が自分の分のお茶を淹れ終え、それをゆっくりと飲みきる。
するとコタツに吸い込まれるように入っていった。
「あの庭広すぎて掃除が大変よ」
それを聞くと少し気になって庭を見てみるとたしかに広い。
鳥居とかあって、境内って感じがするなぁ。
「それで、少しは落ち着いた?」
「おかげでかなり落ち着けたよ、霊夢はこの神社の巫女さんなの?」
「そうよ、ちなみにここは博麗神社という名前よ」
はくれいじんじゃ?
聞いたことないな……。
「それで……幻想郷ってなんですか?」
「妖怪や神様や天人やいろんな人が住むところかな」
「妖怪!?神様!!?」
まるでゲームの世界だ。
僕は経験値稼ぎをしながら雄二たちを探し出しパーティーを作る……。
完全に一致してる!
「まあ外の世界では昔の話とか嘘だとか迷信だと思うけどね」
「ちなみにどんなのがいるの?」
「そうね………最近だと春に見た鵺かしら」
「ん~聞いたことあるようなないような……」
「妖怪には気をつけなさいよ、下手したら餌食にされるから」
「今すぐ帰らせてください!!」
まだレベルが足りないんだ!!
というかメニュー画面はどこなのー!?
「まあ、帰らせてもいいんだけど紫があれだからね……」
「そんな……本当に姫路さんや秀吉は大丈夫かな」
余計心配なってきた……。
「妖怪って言っても危害を加えない奴らもいるわ」
「なるほど……疲れた」
主に思考回路的な意味で。
「あんたね……どこかの妖精を思い出すわ」
このコタツがかなりぬくくて……眠たくなってきた。
「眠たいなら寝なさい。布団くらい敷いてあげるわよ」
「ありがとう、ついでに今何時か分かります?」
僕の問いを聞いた霊夢はくるりと首だけを動かし、時刻を確認する。
え、そんな目の届くところに時計ってあった?
「丁度昼間を過ぎたくらいかな」
「昼間か、寝るには早いよね」
「疲れてるなら休んだ方がいいわ。なにかあったら起こすし」
「分かったよ。それじゃ寝させてもらいます」
霊夢は僕が寝ると決まるとササッと就寝させてくれた。
「それじゃあね、おやすみ」
「ねえ霊夢」
「なにかしら?」
「なんで僕なんかの為にこんなに親切なの?」
まさかとは思うけど実は姉さん並に常識外れで寝ている僕を襲ったりしないよね!?
「そりゃここ以外に出すとあんたじゃ死ぬからね、人間を簡単に巫女が死なすとでも?」
「そ、それは思えないけど……気分次第では簡単に殺しちゃうの?」
僕が邪魔ならすぐにでも妖怪たちの餌にしてしまうことだって簡単だろうし。
「ほんっとバカね。私は巫女であり、人間、妖怪の敵よ」
「…………?」
「つまり、人間は必ず私が世話を見るってことよ」
そっか……よかった。
僕は安全領域の中でゆっくりとしていられるんだね。
「もちろん私の言うことを聞いてくれないのならすぐに追い出すことも――」
「おやすみなさい!!」
「あ、ちょ……」
僕はなんて物騒なところにやってきたんだろ……。
思わず霊夢の言葉を聞いて反射的に布団を顔まで覆い被さった。
「……………」
トコトコと床の音を立てながら霊夢がその場を離れることが分かった。
『さて、と……紫はなに考えてるんだか……』
『ふぇぇ~いいね~でも時期的には早いんじゃない?』
『萃香……何時の間に』
『霊夢が外来人を寝かせるときさ』
『あっそ、酒ならないわよ』
『えぇ!!ケチ!』
『あのね、無い物はないからケチとは言わない!』
『お酒お酒おさけぇ!』
『第一その瓢箪使えばいいじゃない。いらないなら私がほしいくらいよ』
『やだ』
『はぁぁ………なにしに来たんだか』
なんだか部屋の外が騒がしいな……何かあったのかな?
温い布団から出るのは嫌だけど、お世話になってる人を見殺しにはできないからね。
僕は必至に布団という天国から抜け出した。
「霊夢、なにかあ――」
僕がふすまを開けると、目に飛び込んできたのは角を二本頭に生やした少女がいた。
はは……頭に角だなんて、そんなの桃太郎とかに出てきた鬼みた……鬼ィ!?
「よっ」
「――おやすみなさい(ペコリ)」
「待ちなって」
「ギャー掴まれた!!殺される!!」
「大げさだな……ま、外来人ってそんなもんだったかな……鬼としては嬉しい限りだ」
やっぱりか! やっぱりこの子鬼か! 性格もドSか! そうやって民間人をいじめて、最後は食べてしまうんだな! どこまで鬼なんだ!
「HA☆NA☆SE」
「こら!」
ポコンッ!
「いたッ! 霊夢なにすんのさ」
「そろそろ離してあげなさい、明久が半分泣きかけだわ」
「分かったよ、なかなかからかいがいがあるやつだ」
うぅ……やっと離してもらったよ……。
あのまま寝てた方がよかったなあ。
でもほんとに鬼かな……?
ちょっと観察してみよう。
「私(鬼)のことジロジロ見て、やっぱ珍しいの?」
「そ、そりゃ……鬼だし」
すぐにバレた。
角は本物みたい……やっぱり本物の鬼……?
いや、これは鬼のコスプレだ!
そうに違いない。
第一こんなに小さい女の子が鬼のはずがない。
でも掴まれた時振り払えないほどの強い力だったし……玉野さんの時を思い出してしまったよ。
「それで霊夢、このコスプレした女の子は誰?」
「現実から逃れようとしてるのがバレバレだけど、残念ながら彼女は伊吹 萃香と言って正真正銘の鬼よ」
「zzz」
「こら、寝たふりするな!」
ドゴォ!
「いてェ!!」
すっごく鈍い音が僕の頭と霊夢の拳によって奏でた。
「だって鬼だよ!?怖いに決まってるじゃないか!!」
「なあ霊夢……私そんなに怖いかな」
萃香は少し残念そうな顔をしながら霊夢に尋ねた。
「私は慣れたけどね。さて、明久よく聞きなさい。萃香は私の味方みたいなもので危害を加えたりはしないわ」
「ほんと?」
「あぁ約束するよ。鬼は嘘をつかない」
鬼ってそういえば嘘をつかないって昔なにかで聞いたような……。
えっと……萃香だっけ?
多分大丈夫なんだろう。
「………分かった。それじゃ自己紹介するね。僕は吉井 明久、文月学園の2年Fクラス……って言っても分かるかな?」
「聞いたこともないな……まぁ私がここにくる前の外の世界はつまんなかったからね。今はと聞かれると分からないさ」
「そっか……ところで萃香って僕のような人をどこかで見てない?」
「う~ん……私はあんたで外来人は初めてだよ」
「そっか……」
何か有力な手がかりがあればなと思ったのだけど……。
「そういうことは天狗に任せた方が早いんじゃないかな」
「天狗までいるのか……」
霊夢が言ったとおりだ。
ここには僕たちの世界では考えられない常識を越えているみたい。
「呼ばれた気がしたので三倍速にしてやってきましたぁ!!」
「んな!!」
「ほれ、噂をすれば鴉天狗だ」
「また五月蝿いのが増えた……」
鬼の次は天狗ですか……しかも見た目は皆小さな女の子だし……訳分からん!
「こちらに外来人が落ちたという報告が……って! 萃香さん!?」
「あぁ気軽にやっとくれ、私は酒でも飲んでるから」
………酒?
「こらこら、萃香はそんな子だったのか?」
「???」
え、なんでそこで不思議がるの!?
「ここで酒飲んじゃだめだったか?」
「いやいや場所の問題じゃなくて……歳はいくつなの?」
「そうだねぇ……もう何百以上も生きてるから忘れちまったよ」
「嘘 だ ッ !」
見た目はどう見ても少女なのに!
「鬼だから仕方ない」
「あ、そっか。じゃあ仕方ない……のか!?」
危ない危ない。
僕もつられて納得させられるところだった。
鬼に年齢制限はないみたいだし、まあいっか。
ここではそういう風にできているかもしれないしね……。
「あ、あの~」
さっきの天狗が放置されてることに気付いたのか呼んでいる。
ここは僕が出るとしよう。
「あ、はいはい。今行きま~す」
「どこの母親だ」
なんか霊夢がツッコんできた気がするけど気にしない。
「申し遅れました、私文々。新聞を書いている射命丸 文と申します」
「わざわざご丁寧に……僕は吉井 明久」
「では早速。明久さんはなぜここに来たのかご存知ですか?」
なんだか本格的だな……それにインタビューを受けるなんて初めてだから緊張しちゃうな。
こういうのは意気揚々と答えないと……よし。
大丈夫、僕を信じよう。これまで数々のピンチを乗り越えてきたじゃないか。
流れに身を任せ、僕はゆっくりと口を開くも、はっきりと答えようとした。
「ふぁい!!ぼ、僕は――」
噛んだァァアアアアアアアアーーーー!!
てか噛んだってレヴェルじゃねえぞ!!
「なるほど、次に――」
「待って!!さっきの無しで!!」
「えぇ~いい証言がとれたと思うのに……あ、そうだ。いいこと教えてあげますよ」
へ?いいこと?それってもしかして……。
「天狗なのに鼻が長くない理由ですか?」
「あーそうなりますよね~……まあ説明しましょう。天狗と言っても私はしたっぱのような者で大天狗様のようなお方が明久さんの想像通りになるかと」
「天狗にも色々大変なんだね……」
「はい、これで質問券を一つ失いました。次に聞きたいことがあるなら私のインタビューに答えてもらいます」
「え゛?!」
「職業はなんですか?」
あ、普通の質問だな。
さっきは失敗しちゃったけど次は大丈夫。
自分に自信を持つんだ!
「はい、僕のちょくちょうは――」
「職業:直腸っと……」
ダアァァァァアアア!
どうしてそうなるんだ!?
「そんなわけあるかッ!」
「文にまともな取材ができる訳がないわ」
「……霊夢、そういうのは先に言って」
僕のライフは残りわずかだよ……。
「まぁまぁそう言わずに明久さん。次はあなたが私に聞ける番ですので」
「ん~そうだね……」
あ、僕としたことが一番重要なことを聞き忘れていたじゃないか!
「文さん! 僕と同じような人を見なかった!?」
「あぁ……何人か見かけましたよ? お知り合いでしたか」
「うん! どんなのだった!?」
これで少しは希望が持てる!!
「私がここにくる途中見かけたのは確か……女の方でしたね。三人くらい」
「特徴は!?」
「髪に兎のアクセサリーをした方とポニーテールをした方とあとは……黒く透き通った髪の方で、まるで和風人形ような……」
「それ、多分姫路さんたちだ!!」
よかった……一部だけど無事だったんだ。
思わずその場に座り込んでしまった。
「そういえば服装が似てますね………ッハ!(これってまさかビッグチャンスというやつでは!?)」
「場所はどこか分かる!?」
僕はまたすぐに立ち上がり文さんに情報を求める。
「えぇ分かりますとも! 兎の方は永遠亭、ポニテの方は紅魔館、人形のような方は人里に着地したそうです」
全く知らない場所だな……霊夢にあとで教えてもらおう。
「ありがとう、文さん!」
「いえいえ、此方こそ! 因みに特徴と名前、人数を教えてもらえればこちらで探しますよ?」
「本当に!?」
なんて願ったり叶ったりなんだ!!
「それじゃまず始めに坂本 雄二って言うんだけどね――」
観察処分者説明中...
「なるほどなるほどぉ!!人数は未確認……それ以外は大いに参考になりましたよ! では、次号の文々。新聞にご期待を――」
「あ、ちょっと待って! 伝言を頼みたいんだけど……」
「ハイハイ! おやすいご用でさ!」
「えっと……えっと……皆を一つに集めて集合したいんだけど…」
「それなら人里にしたらいいんじゃない? あそこに妖怪は近寄らないわ」
霊夢ありがとッ!
「それじゃみんなに会ったらこう伝えてくれる?………………」
「………了解しました! ではでは!!本日はご協力ありがとうございました~」
そう言うと文さんは凄い風を起こしながら飛び去って行った。
「………天狗って凄い早いね!」
「一応幻想郷最速だからね。れいむぅ~酒が足りんぞ~!!」
ドゴォ!
「イタッ!!」
「これ以上うちを貧乏にしたいのなら……!」
霊夢は今にも噴火しそうに怒っている。
その手には一枚のカードが見えた。
「霊符――」
そして、カードを天井へ突き刺すようにあげた。
「ほへ?」
「――『夢想封印』!!」
「に゛ゃああああああ!!」
ピチューン
「全く、酒はもうないっつーの!」
あの一瞬で何が起きたのか、今の僕にはよく分からなかったけど………さすが幻想郷、すげェ。
「い……今のなに!?」
冷静さを取り戻し、僕は何が起きたのか尋ねる。
確か、ついさっき萃香がお酒を霊夢に頼んでそれに霊夢がキレて……。
「あぁ……言うの忘れてたわ。さっきのは弾幕のスペルカードよ」
「イタタタ………酔いが醒めちゃったかな」
「あれ?!」
霊夢がブチギレて萃香が消えたというか殺されたというか……兎に角いなくなったんだけど……普通に戻ってきてる!?
「簡単に言うとここの遊びよ」
そう言うと霊夢は先ほど使ったと思われるカードを見せてくれた。
といってもイマイチ分からないな……。
「まぁ詳しい説明はいらないでしょう。人里に行くまでは私も行くから」
「え、ほんと?」
「この神社には賽銭が貯まらないの。なぜだか分かる?」
少しずつ霊夢の表情が曇っていく。
「さ、さぁ……?」
無難に答えておこう。
「それは、ここに来るまでの道に妖怪が参拝客を襲うのよ!!」
ちょ、霊夢落ち着いて!
「何回も何回も懲らしめても結果は変わらない……だから偶に私から人里に降りるのよ」
「あ、それで付いてきてくれるついでなのかな?」
「そゆこと。ついでにお米券を米に変えるのよ。なん合貰えるかしら……うへへ」
霊夢、よだれよだれ。
「おっと……さぁ、行くわよ! いざ人間の里へ!!」
「おぉぉォォォォォーーーッ!!」
「っということでお留守番よろしくね、萃香」
「分かったーお土産よろしくー」
「あんたのことだからどうせ酒でしょ? そんな余裕ないわ」
「(;´д⊂)」
「…………さぁ、行くわよ」
な、なんだか冷めてるけど……大丈夫だよね?
さて、人里と言うと多分だけど霧島さんを見つけることができるはずだ。
そして合流して、考えよう。
多分僕が一分考えて霧島さんが百九十九割考えてくれそうだけどね。