バカと霊夢と幻想郷   作:こきゅー

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もうすぐ私の夏休みが終わります

(´・ω・`)


木下優子
アタシと蓬莱人と姉弟の想い~第一問~


アタシは弟のことを好ましく思っていない。

普段はよく八つ当たりしたり、困ったときに入れ替わってもらったり……。

これだけ聞くとまるで弟をモノのような扱いをしている。

けれど、アタシのたった一人の弟。

愚弟と罵るけれど、本心ではない。

アタシには持っていないものをアイツは持っている。

大事なところは見過ごしてるつもりはない。

 

だから、アタシは弟を姉として誇りを持っているわ!

 

「秀吉……どこなの?」

 

辺り一面竹林で埋め尽くされる見覚えの無い場所でアタシは路頭に迷っていた。

目が覚めると周りに誰もいない。

秀吉と一緒にここに送られたのは確かなんだけど……。

 

「ひで……よ……し………」

 

とにかく誰か人に会わないと、建物すら見えないこんなところでいたら野宿になってしまうじゃない。

ましてや餓死にまで至る。

だが、今のアタシはそれに近い状況だった。

ここ何日、同じ景色ばかりをぐるぐると回るばかり、人工物は何も見られなかった。

この季節じゃ筍は期待出来ない、飲み物なんて期待できない。

せめて雨でも降れば良かったのだけど……雲一つない空ばかりだった。

 

アタシは空腹でその場にて意識を失ってしまった。

 

――――☆――――☆――――☆

 

 

「姉上、ご飯が出来たぞ」

 

秀吉……?

あれ、ここは……また見たことが無い場所。

アタシはベッドで寝かされてた?

 

「あ、う、うん……」

 

あれは夢だったのかしら。

目の前では料理を坦々とこなす弟の姿が……。

うん、おいしそうな匂いね……家事は秀吉に任せてるのよね。

も、もちろんアタシも人並みに家事は出来るわよ? 家事交代制にしてるだけ。

そう、これがアタシの日常――

 

 

――秀吉が裸エプロンじゃないのを除けば。

 

 

「ってこっちが夢じゃない!!!」

 

「うおっ!?」

 

アタシは意味不明な悪夢で目を覚ました。

思いっきり寝言をぶちまけてしまい少し恥ずかしい気持ちになる。

 

「目が覚めたようでよかった。食欲はあるか?」

 

いけない、冷静になろう。

こんなところ誰かに見られたりしたらみっともないわ。

 

「えっと……ここは?」

 

とりあえず目の前にいる長髪の女性に声をかける。

 

「あぁ、そうだな。まずは自己紹介だな。私は藤原妹紅だ。君は?」

 

「アタシは木下優子、あなた変な格好してるのね?」

 

「ハハハ、そう見えるのも無理はないだろうな」

 

藤原さんと話している内にふと思った。

アタシは確かあの竹林で息絶えたはず。

なのに服装も寝巻きに代わって、ふかふかのベッド。

近くに暖炉が見える、まるで山の休憩所にあるログハウスのような家だ。

さっきまでのアタシの居たところとは打って変わって違っていた。

 

まさか、この人がアタシをここまで運んでくれた?

見ず知らずの人を?

 

「あの、助けていただいてありがとうございました」

 

「人が倒れてるんだ。当たり前だろ? それに外来人なら尚更ほっとけないよ」

 

「それは……そうかもしれないけど、とにかく礼を言いたかったのよ」

 

「そうかい」

 

藤原妹紅と名乗る人はアタシの前でヘヘッと笑うとテーブルの椅子へ座る。

そこに目を向けると出来立てのシチューが二人分用意されていた。

 

「そんなに元気なら大丈夫そうだな、お口に合うか分からないが食うか?」

 

「いえ! ご飯まで頂くのは流石に図々しいのでは……」

 

「遠慮するなって、ここはお前と住む世界とは違う。食べながらでも聞いていけ」

 

………世界が違う?

どういう意味かしら、ここは日本のどこかじゃないの?

外来人というキーワードもどこか引っかかる……。

暫くこの人のお世話になろうかしら、秀吉も見つからないままで心が落ち着かないけど。

 

「そうね、ならご馳走になります」

 

「早く食べないと冷めるしな、それじゃいただきます」

 

アタシが席に着く前に先に食べ始めてしまう。

そんな藤原さんの後にゆっくりと座りシチューを食べる。

湯気が匂いをアタシの脳内に伝え、思わずよだれが出そうだった。

だが、そんな姿は晒せないのでぐっと我慢し、平然な姿を装いアタシも席に着く。

 

「いただきます」

 

銀製のスプーンではなく、木製であることに少し驚きながらも手に取り口にする。

しっとりとしながら口の中ではあっさりとしながら風味が広がっていく。

お腹が空いていたアタシは目の前のご馳走を勢いよく二口、三口と食べ始めた。

 

「そんなにお腹が空いていたのか、おかわりならあるから言ってくれ」

 

「おかわり!」

 

「は、早いな……」

 

藤原さんは目が点にしていたにもかかわらずアタシの手は止まることを知らなかった。

 

「食べながら話すつもりだったんだが……後にするか」

 

「おかわり下さい!」

 

結局その日はシチューを入れていた鍋をすっからかんにするほど食べたアタシはすぐさま藤原さんの用意してくれたベッドで横になった。

するとあっという間に睡魔に招かれるように眠りについた。

 

『あらら、相当疲れてたんだな……おやすみ』

 

 

――――☆――――☆――――☆

 

翌朝。

今度は変な夢を見ることもなくアタシは布団の中で目を覚ます。

 

「おはよ、藤原さん」

 

「おはよう、といってももうすぐ昼だけどな」

 

思ってもいない事実に動揺を隠せなかった。

 

「え!?アタシってば……すみません」

 

「いいんだよ、疲れてたんだろう。仕方ないって」

 

慌てて謝るアタシを藤原さんは笑って許してくれた。

そんなスタイリッシュな彼女を見ているとなんだか自分が遠慮しすぎているのかなと思い始めた。

 

「因みに、私のことは下の名前で呼んでくれて構わないぞ」

 

「呼び捨ては失礼なので妹紅さんで」

 

「分かった。さて、まずは顔でも洗って来たらどうだ? もうすぐ昼飯が出来る」

 

「そ、そうね……妹紅さん、洗面所はどこかしら?」

 

「そこの角を曲がったらすぐだ」

 

「ありがとう」

 

アタシは寝起きの顔に水をかけシャキっとさせる。

そこに流れてる水は若干キレイに見えた。

おかげでさわやかな朝を迎えることが出来そう。

 

「まぁ、もう昼なんだけどね……」

 

一人でぼそぼそと話をするほどどこかアタシは浮かれてしまっていた。

きっとこの環境に希望が見えてきたからでしょうね。

 

「ついでに歯も磨いてっと……」

 

こうして健康的に一日を迎えたアタシ。

だけど、秀吉は今もどこかで迷っているかもしれない。

心配だけど、信じるしかないわ。

 

「さてと、こんな感じかしらね」

 

大体終えたところで元の場所へと戻ることにした。

そろそろお昼の準備が整っていると思うし。

 

「妹紅さん、お昼どう?」

 

「お、木下か。もうそろそろ出来るから座って待っててくれ」

 

「分かったわ」

 

アタシは妹紅さんの指示に従い、昼ご飯を楽しみに待つことにした。

ココから見える妹紅さんの後姿を見ながら色々考えてしまう。

この人は一体何者なんだろうとか、ここはどこらへんなのかとか。

あ、そういえば昨日そんな話が出てた気がする! けど寝てしまったのね……アタシ。

 

「ねえ妹紅さん」

 

「なんだ? あとちょっとで上手い飯が出来るわ」

 

「そうじゃなくて、昨日アタシは寝てしまったでしょ? だからあの話はいつしてくれるの?」

 

「そうだな、昼飯食べながらにでもしようか。昨日は色々話すタイミングを逃したしな」

 

昨日の自分を思い出すと思わず口元を引きつってしまう。

ガツガツ食べて、すやすや寝てる自分って……なんか嫌ね。

でも仕方ないわよ、非常事態だったんだから。うん、そういうことよ。

 

「よし、完成だ」

 

妹紅さんがそう声を漏らすと器に移してアタシの分と妹紅さんの分に分ける。

 

「昨晩は深夜だったからな。残ってたものしか用意出来なかったが今日は種類も豊富だ」

 

そう言いながらテーブルに次々と沢山並べていく。

野菜と肉とお米……この人は栄養が偏ることない食生活を送っているようだ。

 

「普段はこんなに誰かに食わせるってあんまり無いんだけどな」

 

「そういえば妹紅さんは一人でこんなところに?」

 

「ああ、昔は色々なところを周ったもんだよ」

 

昔……? 見たところ十代~二十代な外見だけど……。

 

「あれから千年以上経つのか」

 

妹紅さんから出てきた言葉に一瞬頭の中が真っ白になった。

 

「………………………?」

 

「あ、すまないな。私は不老不死なんだよ」

 

「……………………………???」

 

頭の中が真っ白に染まっていく。

千年? 人間がそんな長い時間生きているわけが無い。

 

「えっと、ごめんなさい。どういうことなのか説明してくれるかしら?」

 

「あぁ、ついでに今いるここ『幻想郷』についても説明しよう」

 

そういうと「いただきます」と手をあわせ、食べながら説明を始めた。

釣られるようにアタシも同じように手をあわせお昼を食べることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女説明中...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大体分かったわ、ここがファンダジーな世界だってことが」

 

「そして私は『老いる事も死ぬ事も無い程度の能力』ってわけだ」

 

つまり、この世界は弾幕っていう競技で優劣を決めて、妖怪、人間種族問わず平等に生きていると。

 

「能力ねぇ……他にはどんなのがあるの?」

 

「例えば『空を飛ぶ程度の能力』や『魔法を使う程度の能力』とかだな」

 

話を聞くと、どこからどう見てもありえないことばかりね。

そんな場所にやってきて、不安になる。

 

「あれ、そういや慧音の能力なんだっけな……まあいいや」

 

妹紅さんが話を一人歩きさせる中、アタシは秀吉のことが思い浮かんだ。

 

「秀吉……」

 

「ん? あんた、そういやここに来たのは一人か?」

 

「いいえ、弟が一人……といっても双子だから顔はアタシと良く似てるわ」

 

「どこらへんにいるか分からないのか?」

 

アタシは聞かれた質問にただ首を縦に振ることしか出来なかった。

 

「そうしょんぼりするな。私も探してやるからよ」

 

「ほんと!?」

 

思わず身がテーブルから乗り出してしまった。

 

「あ、あぁ……とりあえず竹林周辺を探してみるから木下は留守番を頼む」

 

「アタシも一緒に行くわ! 二手に分かれた方が早く見つかるし」

 

「残念だがそれはオススメできない。何故ならあんたが一番分かってるはずだ」

 

確かに、妹紅さんの言いたいことは推測できる。

アタシはあそこで何日も迷って迷って迷い続けた。

まるで錯覚しているかのような不安定な精神状態になることもあるほどだ。

 

「……分かったわ」

 

「すぐに見つかるさ、それじゃ善は急げだ。ちょっくら行って来る」

 

お昼を食べ終え、時間も空けたことだ。と言いながら彼女は竹林へと出かけた。

アタシはそんな妹紅さんの後姿を見送る。

 

「秀吉……」

 

ふと窓から外の景色を覗き込む。

外には竹林がすくすくと育っている背景の中妹紅さんが空を飛ぶ姿が見える。

妹紅さんも空飛べるんだ……一瞬そんなことが頭をよぎった。

 

「アタシもいつまでもめそめそしてないで、待ちましょうか!」

 

わずかな期待だけど、秀吉もこの付近で彷徨っていて、偶然ここを発見するかもしれない。

その時笑顔で迎えてやるのが今のアタシの役目!

 

「無事でいて……」

 

その日の空は曇り空だった。




初めに予定より投稿が一日遅れてしまいすいませんでした。

このまま明久たちの今後の様子を書いてもよかったんですが、一旦小休止という意味もありまして、木下優子のエピソードを書くことにしました。

今入れないと次いついれるタイミングが来るやらと思うと、時期的に優子さんがいいかなと思ったので……。
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