バカと霊夢と幻想郷   作:こきゅー

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バカテスト 幻想郷

第12問 次の特徴についてそれに基づきその人物とは誰か答えよ。

問:十八歳という若くして大学院で比較物理学の教授を勤めており、彼女の世界では重力、電磁気力などの科学が「全ての力は統一原理に従う」という学説に異を唱え、魔力の存在を学会に提唱した。


紫「岡崎夢美」

教師のコメント:正解です。


第二問

「これは小さくても必殺の武器だ。動かないほうが身のためだぜ?」

 

そう言いながらアタシの前に現れたのはセーラー服を着た金髪の少女だった。

手に何か持っているそれをこっちに向けて脅している。

アタシは命を優先に両手を挙げ無抵抗になった。

 

「ふふふ、それでいい。さぁ、教授! コイツを――」

 

 

ボカッ!

 

 

「誰がそんなおもてなしをしろといったのよ」

 

全身真っ赤に染めた人が金髪の子を拳骨で頭を殴った。

 

「……え?」

 

その衝撃で金髪の子は地面に倒れこんでしまった。

アタシは兎に角助かったのだと思い両手を下げ、状況を確認する。

 

「えっと……その人は?」

 

「気にしないで、私の助手だから」

 

「助手ね……えらく好戦的じゃないの」

 

「御免なさいね、おかしな人で」

 

「アナタも十分変人だけどね」

 

少し会話をすると殴られた助手さんは目を覚まし、勢い良く起き上がる。

 

「す、すいません……つい」

 

「そんなことで許されたら警察はいらないのよ」

 

「あ、あはは……反省します」

 

教授と呼ばれた赤でコーディネートした少し長めの人。

助手と呼ばれた少し小柄で陽気な性格した人。

 

突如現れたこの二人は一体何者なんだろうか。

 

「さて、それじゃ私たちはこれで」

 

教授の方が口を開き、唐突に言い放つとその場を立ち去ろうと翻す。

あまりの出来事にアタシは反射的にもう一度あの質問を問いかけてみた。

 

「ちょ! 待ちなさい! あなたたちは何者なの!?」

 

しかしアタシの声は耳に入っているはずなのにそのまま二人とも去ろうとした。

アタシはそいつらの後姿をただ見ることしか出来なかった。

少し歩いた先で、教授は一言捨て台詞を残した。

 

「私か? 私の名前は岡崎夢美(おかざきゆめみ)――科学を捨て、魔法に生きる者よ」

 

ゆっくりと歩く二人はいつの間にかアタシから姿を消していた。

 

「………は?」

 

何なのアイツ。訳が分からない。

年はアタシらと変わらなそうだけど、明らかに次元が違う。

それなのに、金髪の子は岡崎のことを『教授』と呼んでいた。

 

「教授って大学のあの教授かしら、もしくは大学院の……だとしたら高度な知能を持ち合わせているはずだけど……」

 

はっきり言って第一印象はバカっぽいのよね……なんかムカつくやつだったけど。

吉井君たちが負ける訳がない? バカだからそんなこと言えるのよ。

彼の一つの事に信念を燃やすその姿に、アタシたちがどれだけ掻き乱されたことか。

 

「………勝ちなさいよ、吉井君。無事に帰ってきて、妹紅さん」

 

アタシはその場で両手を組み、膝を地面につけ、吉井君たちの勝利を祈った。

 

 

 

――――☆――――☆――――☆

 

 

それはどれくらい時間が経ったのか分からなかった。

アタシはあれから一歩も動かないでひたすら戦況が好転することを信じて。

皆が無事に帰れることを信じて、アタシはただただ信じた。

もしかすると何時間も居たかもしれないし、まだ数分しか経っていないかもしれない。

 

「…………ダメだわ」

 

小さく、自分に言い聞かすように言葉を零す。

 

「こんなの……アタシらしくない!」

 

いい加減うんざりなのよ! 隅っこでアタシだけが震えてるなんて!!

こんなの、妹紅さんが許してもアタシが許さない!

初めは、仕方がないって思ってた。

だって、しょうがないじゃない……こんなところで無闇やたらと一人で行動するなんてただのバカだって。

でも、吉井君たち見て考えが変わってきたの、アタシも頑張らなくちゃって。

 

「あ、足手まといかもしれないけど……相手の気を引かすくらいなら!」

 

若干声が震えかすれてしまう。

正直まだ怖いけど、アタシはそうと決まれば早速吉井君たちのいる向日葵畑へと戻ろうとした。

すると目の前から何かが飛んでくるのが分かった。

アタシはこぼれ弾だと思い咄嗟に構えを取る。

 

「きゃっ」

 

乙女のようなか弱い声を出すアタシ自身に少し嫌悪するが、向かってくるそれを防ごうとした。

 

「お、いたいた!」

 

「……え?」

 

アタシの予想はどうやら外れていたらしく、向かってきてたのは妹紅さんだった。

その姿はいかにもさっきまでバトル漫画のように戦闘していたと分かるように服がボロボロだった。

でも、アタシはそんな矮小なことは気にしない。

 

「妹紅さんッ!」

 

「――ッ!?」

 

アタシは彼女が無事でいられたことに喜びを隠せず思わず胸の内に飛び込んでしまった。

戦闘を終え、傷を負い、疲れている彼女に対し、この行為はあまり良くないのだが……アタシは感情を抑え切れなかった。

 

「お、おいおい……私は死なないんだから、そんな大げさな」

 

「だからって、絶対なんて保障はないんだからね!」

 

「おっと、感動に浸ってる場合じゃない! 早くここから避難するぞ!」

 

妹紅さんから告げられた言葉を聞いたアタシは一旦妹紅さんの傍から離れた。

 

「避難? それはどういう意味?」

 

「誰かがやべースペカを放ったんだ。ほら、あれだよ」

 

か細いという言葉を連想させるような白くキレイな人差し指でそれを指差した。

そこに視線を向けると明らかに歪な隕石のようなものがこちらに向かっているのが見える。

 

「な、なんなの!? あれ!!」

 

「な、やべーだろ?」

 

「なんで半笑いなのよ……さぁ、そうと分かれば急ぎましょ!」

 

「ああ! 私がお前を連れてここからおさらばだ!」

 

場所は向日葵畑の中心――敵の場所に落ちてきてるみたいだけどアタシには今は逃げることで頭が一杯でそれ以上は考えられなかった。

妹紅さんの空を飛ぶ能力でアタシを担いでもらい、被害が及ばない位置まで飛揚した。

その勢いにアタシは思わず悲鳴を漏らしてしまったが、怖いわけではない、ちょっと早すぎたのよ、うん。

 

「ふぅ、ココまできたら大丈夫だろ……」

 

「ねぇ妹紅さん……もう少しゆっくり飛べなかったの?」

 

「ふふふ、怖かったか?」

 

「べ、べべべ別に!? 怖くなんかないし!」

 

「そうか……」

 

妹紅さんがアタシにちょっかいを出すなんて、あまり無かったかもしれない。

もしかしたら戦闘で気持ちが高揚したままだからなのかしら……まったく、アタシの心配はどうだっていいのかしら。

 

「………ねえ妹紅さん、一つ聞いていい?」

 

アタシは、妹紅さんが無事にこうして会えたことには歓喜している。

けど、それと同時に心の中で何かが訴えかけていた。

何かが足りない……妹紅さんだけじゃなく、何かが……。

 

「なんだ?」

 

「……吉井君たちはどこなの?」

 

あの場に元々居た吉井君たちはどこに行ったの?

あんな隕石みたいなのが落ちてくるって言うのに、今すぐ離れないと……流石に命が何個あっても足りない。

それなのに、ここに居ないということはまだ彼らは……!

 

「落ち着け、吉井たちは……『消えた』」

 

「………え?」

 

衝撃的な言葉に頭の中が何もかも吹き飛んだように思えた。

 

「…………どういう意味?」

 

「わからん。だが、そのままの意味だ。あいつらは突然消えたんだ」

 

「それって……死んだってこと?」

 

「それは違う。これだけは断定できる」

 

思わず涙ぐみそうになるアタシを心配そうな目で見つめながらゆっくり教えてくれた。

 

「そう……だったら、アタシのお願い変えてもいいかしら?」

 

「あんたの弟を探して欲しいってお願いをか? まあいいが……」

 

「秀吉を……たった一人のアタシの弟もそうだけど、吉井君たちも、今度は一緒に探してくれないかしら」

 

もう一人でお留守番なんてしたくない、こんな惨めな思いはしたくない!

アタシは、この人と一緒にこの世界を巡り巡ってやる!

 

「………今の幻想郷なら、そう危険区域はないだろう」

 

「ってことは決まりね、足手まといにならないことだけは保証するわ」

 

「無茶はしないでくれよ、残される身にもなって欲しいぜ」

 

さて、こうしてアタシたちはもう一度秀吉改め吉井君たちを探すことになった。

あの後向日葵畑で起こったことなんてアタシは知ったことではない。

今は彼らともう一度合流するべく、ただ前を向いて生きていこうと決意した。

 

――――☆――――☆――――☆

 

 

『……ねぇ、教授』

 

『なんだ、ちゆり』

 

『こんなこと言うのもあれなんだけどさ……上手く進行してるんだよな?』

 

『私を誰だと思っている。そんな愚問はするだけ無駄だ』

 

『んー、でもさ、あの科学の集大成を手に入れればきっと教授ももう一度やり直せると思うんだ』

 

『………私は認めない、あんなものが! 世界に存在しているという事実だけでもムカついてくる』

 

『もっと自分に素直になったほうがいいと思うけどな、そんな風に思うならあの場で潰せばよかったのに』

 

『それだと私が納得しないのよ。科学なんて、何も救わないことを証明するにはもっと私なりのやり方で倒す』

 

『普通に戦えばあっさり勝てる勝負をなんでそんな引っ張るかな……』

 

『何か言ったかしらァ?』

 

『い、いやぁ秋ですなぁ! 肌寒くないですか?』

 

『別に、寒ければマント着るし』

 

『あ、あれって戦闘用じゃないんだ……』

 

 

ボコッ!

 

 

『なんで殴られたし……』

 

『ムカつくから』

 

『こりゃ早く帰ったほうがいいな……あの二人組の様子も確認しないと』

 

『そうだったな……あいつらと同じ学園の生徒らしいが、あまり良く思ってないらしいしな。最大限に利用してやらないと』

 

『そ、そうですよ! 早くあいつらに指示を与えに行きましょ!』

 

『んー次はどんな手で行こうかしらね……』

 

『次はこんなのもどうですかねー?』

 

 

…………………………

 

……………

 

 

……

 

 

『こ、これは大スクープの予感! 文すら知らない情報を私だけが独占するチャンス! 早速追跡しますかっ!』




はい、どうもこきゅーです。
本日はこの場を借りましてまず一つ。
更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした!(そのくせそんなに文字数が少ない)
その理由としましては複数ありまして、実はですね……私、この2,3週間の間風邪を引いてしまいまして……なにせ寒かったり暑かったりしましたからね。
風邪もそこそこ治りかけのときにやってきましたよ、ポケ○ンXY発売!これは買わなければ!そしてやらなければと思いつい……その時には大体回復してました←
最後に、年末年始の短期アルバイトの募集があったので試しに送ってみるとなんと採用。面談で受かれば私も初アルバイターとして働くことに。もうね、ガッチガチに緊張しました。何を話そうかとか色々考えたんですけどね……orz
以上です。あとがきで文字稼ぎになればなー←
風邪の方はほぼ完治していますので小説には影響しません。ポケモンもほどほどにします。
それでは、今後ともよろしくお願いいたします。
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