バカと霊夢と幻想郷   作:こきゅー

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バカテスト 英語

第13問 次の英文を訳しなさい。

問:She died by the bullet and then there were none.


フラン「一人が弾幕を避けきれずそして誰もいなくなった」

教師のコメント:正解です。幼いのに大した学力ですね。フランちゃんは確かお姉さんがいましたね、姉妹仲良くするのですよ。


明久「彼女は誰一人残さず殺した」

教師のコメント:まるで殺人鬼ですね。吉井君にしては頑張りましたが、"died"は"死んだ"と訳
します。殺すは"kill"ですのでちゃんと見分けるように。


こいし「たった一人の女性が弾幕を避け切れず死んだところで誰も気にしなかった」

教師のコメント:なんだか寂しい訳文になりました。


坂本「彼女は弾丸によって死に、何も残らなかった」

教師のコメント:直訳しすぎですね、もう少し捻った解答が欲しかったです。


土屋「一人の女性だけを愛し、そして誰もいなくなった」

教師のコメント:ヤンデレは好物です。


ぬえ「一人は、火のカーテンを回避し終えることができませんでした。また、誰もあることをや
めませんでした」

教師のコメント:まさに正体不明です。


第三問

「それで、僕たちはどうして連れてこられたんですか!」

 

学園長が僕の初めの質問に答えにくそうな表情をしている。 僕はそんなことはお構い無しに質問攻めをしていく。

 

「落ち着きな。大事な生徒を傷つけさせるような真似はあたしも極力したくないさね」

 

学園長がそんな熱い人だなんて思ってもいなかったから予想外の言葉に思わず感激してしまう。

 

「が、学園長……」

 

「あんたらにもしものことがあったらどう責任取っていいかわからないしね」

 

「学園長らしいお言葉だな」

 

雄二が少し捻くれたように言い返す。 ちょっと意地が悪いと思うのは僕だけなのかな……学園長の様子だと、僕らを犠牲に、ということはなさそうだ。

 

「それで、質問の答えを聞いていないのだが?」

 

あ、そうだった……感動に浸って流されてしまうところだった。い、いや忘れてはないけど……そんな単純な男やないやい。

 

「それは……あいつらの指示だ」

 

「岡崎たちのことだな?」

 

「その通りよ」

 

岡崎たちが僕らを幻想郷に呼び込んだのか? 僕をよそに雄二は会話を続ける。

 

「狙いは分かっているのか?」

 

「いえ、私も特に気にしなかったから連れてきただけよ。学園長と会って、あなたたちに興味が沸いたから私は予定を先送りにしただけかしら」

 

八雲さんも、不都合が色々起こるとは想定していなかったから、気軽に連れてきたみたいだね。

今の八雲さんは少し視線を僕らから逸らし、苦笑いを浮かべる。

 

「はぁ、とんでもねえのに巻き込まれちまったようだな……」

 

雄二は溜め込んで思いっきり溜め息をつき文句を愚痴を零す。 そりゃあね、僕らからすれば大迷惑な話だ。 けど、それも仕方ないのかもしれない。

八雲さんの話からすると遅かれ早かれ僕らはここに招待されていたのだから。

 

「それで、本当に俺たちに危害を加えないんだな?」

 

「雄二、学園長たちだってそんなことしないよ。学園長の言葉聞いてなかったの? 僕らの身に何かあったら大変だからって」

 

「一応だ」

 

「そんなに心配しなくてもいいさね。そこの言うとおり何もおとりだの犠牲だのそんなつもりは一切ないから安心しな」

 

良かった、本人の口から言ってくれるところを見ると本当に僕らは誰にも知られないこの地で一生を終える――なんて残酷な運命にはならなさそうだ。

しかし、言い終えると学園長が溜め息を漏らし思わず額に手をあてている。 何をそんなにがっかりしているのだろう。

 

「紫、こいつらの事は頼んだって言ったはずだけど?」

 

衝撃的な真実に背筋が凍りそうになった。 エ? あの八雲さんが僕らのサポートに入ってくれてた?

 

「御免なさい、平行世界人の監視及び幻想郷全体の結界を製作するのに手間をとってね」

 

「そうかい」

 

「ちょっと待った!」

 

八雲さんと学園長がなにやら僕らの知らないことを話している。

それについて僕らは知る権利があるはず、ここは聞いておく必要がありそうだ。

 

「そんな大げさなことじゃないよ。紫、言ってやりな」

 

ここからは学園長より八雲さんの方が詳しそうなのか、二人は入れ替わるように立場を変えた。

 

「といっても、その通りの意味だけどね。少し遅れが生じただけの話……」

 

「八雲の話はどうも曲がりすぎてんだよ……バカにも分かるように説明してやってくれ」

 

バカじゃないけどね! でも確かに僕には少し意味が伝わりにくく思わず首をかしげてしまう。

 

「あら、友達想いのいい子じゃないの」

 

「気持ち悪い言い方やめてくれ。既に学園内で悪質な噂に悩まされたことがあるんだ」

 

「そうでしたの」

 

雄二が嫌そうな顔をして八雲さんと話している。

さっき言ってた悪質な噂っていうのは過去に一戦交えたCクラス戦のことだろう。

あの時は僕もあまり触れたくない苦い思い出だったな……。

 

「それではちゃんと説明しますね。私が考案したのよ、この幻想郷全体に文月学園の試験召喚システムの導入を少しアレンジした形で張り巡らせてはどうだろうって」

 

僕らの文月学園にあるあのシステムを幻想郷(ここ)で?

おかしいな、分かりやすく説明してくれたのにより深い謎が出来てしまった。

 

「理由は簡単、あなたたち文月学園が幻想郷で自由に過ごせるように快適な環境を整えておきたかった」

 

「だが、岡崎たちの予想以上の早さの侵攻に思わず焦りを感じ時期を早めた――」

 

「そんなところですわ」

 

なるほど、だから八雲さん最初に『全ての準備が整う前』って言ってたんだね。

その準備って言うのが八雲さんの言う召喚フィールドをこの幻想郷全域に張るという大規模な作戦だったのか。

 

「でも安心して、霊夢と八雲ファミリー+αの総出で作ってるから。もうじき完成すると思うわ」

 

「その召喚フィールドは大丈夫なのか? 不具合でも出てみろ、一大事だぞ」

 

雄二の心配ももっともだ。 八雲さんも頭が回りそうな知将なイメージだけど、このシステムの開発者はあくまで学園長であり、それは科学とオカルトと偶然で出来たもの……そう簡単に真似ることが出来るのだろうか。

すると心配している僕らをよそに八雲さんの横から学園長が出てきて、

 

「安心しな、設計図は渡してある」

 

あ、そんなものがあったのね。 前に暴走してた気がするけど……それを見て修理とかしてたのかな。

 

「分からないところは霊夢が勘でやっているから大丈夫よ」

 

普通なら不安しか残らないけど、霊夢の勘なら信用できるものがある。

不思議だけど、心配することは少しも感じなかった。

 

「博麗とやらは俺の想像以上な人物のようだな……第一印象は強気で貧相な女の子としかしなかったが」

 

「そこが霊夢の女子力なのよっ」

 

八雲さんも霊夢のことが大好きのようだ。 語尾に音符でもついていそうなくらい軽いはずみがついていた。

 

「あ、話が逸れてしまったわね。兎に角、これさえ完成すればあなたたちは自由に幻想郷内を駆け巡ることが可能となる」

 

八雲さんは疲れたのか、話しながら自ら出現させたスキマに肘を置き両手を組みながら話す。

それとも、霊夢のこととなるとどこかネジを外してしまう八雲さんの照れ隠しなのかな?

 

「なるほどな……異変のことは本当に今起きていることなんだな。学園長も珍しく隠すつもりはないみたいだし」

 

雄二は理解したみたいだけど、僕はよく分かっていないよ……重要なところは覚えているけど。

それと、雄二の言うとおりだ、学園長はよくシステムの不都合を理由に何かしら突発的な行事を催すことがある。 あの時の肝試し大会だって、雄二が疑うと話を逸らすように本筋に戻したし。

 

「そりゃあ今更隠し事をしたところで何の得にもならないからね。寧ろ、こちらが頼む側の人間だからね」

 

なんだって? 学園長が僕らにお願いごとだって?

稀にない出来事だな……僕らの無理難題を条件付きであるけどいつも叶えてくれた学園長。

まるで立場が逆転している、そんな風に僕は思えてしまう。

 

「頼みってのは何だ? 俺たちの安全を保障してくれるなら聞いてやってもいいぞ」

 

「ちょっと雄二! 何勝手に交渉してるのさ!!」

 

これ以上何か騒ぎに巻き込まれたくない僕としてはこのまま八雲さんと学園長とその他の方々に任せればいいんじゃないかと考える。

そっちの方が被害者を出す可能性も低くなるんじゃ……。

 

「少し黙ってろ。お前が話に出てくると進まなくなるから」

 

今までの冗談やふざけた様子の顔つきから一変し、僕の方を真剣な顔で睨みつけるかのように見てくる。

雄二は僕より身長とかがたいがいいからその迫力に思わず押し負かされてしまう。

 

「わ、分かったよ……」

 

まぁ、あまりこの空間内にいるのも気分が悪くなりそうだしね、さっさと用件を済ませるっていうのもありかもしれない。

早く帰ると言えば、姫路さんたちは今頃目を覚ましているのかな……早く会いたいな。

 

「……喋るなと言ったがしっかり聞いてろよ?」

 

おっと、いつの間にか僕の顔に出ていたのか。 勿論僕らにも関係あることだからしっかり聞くけどね。

 

「ごめんごめん、ささっ続けようじゃないか」

 

「ええ、そうね……」

 

八雲さんがニコリと微笑みを僕に返す。 今の八雲さんはそこまで敵意や嫌悪など嫌な感じはしないように感じ取れた。

味方だと判明したからかな……なんだか心のどこかで頼もしいと思ってしまった。

 

「交渉の内容だが、勿論さね。あんたら全員、きっちりあたしが責任を持って元の世界に戻す。この騒ぎが終わったらだけどね」

 

「ほぉ、そいつは安心出来る。だが、その全員ってのは俺と明久と後は誰なんだ?」

 

え、あれから更に連れてこられてるの? それとも僕らが連れてこられる前に既に誰かを幻想郷に引き込んで?

僕が色々思考を巡らせていると紫さんも話しながらなにやら頭に扇子を当てて考えているようだ。

 

「……そうね、あなたたちが後会っていないのは……『久保利光』、『清水美春』、『工藤愛子』。この三人よ」

 

「その三人は今どこにいる?」

 

「ちょっと待ってて……」

 

そう言うと何も無いところから突如スキマが現れその中を覗き込んでいる。

なるほど、あーやって僕らや敵のことを監視していたのか。

そう時間も経たず、すぐに見つけることが出来たのか僕らの方に視線を合わせる。

 

「久保利光は人里の香霖堂、清水美春は人里の命蓮寺、工藤愛子は……寺子屋に向かっているわね」

 

思わず「え?」と聞き返してしまいたくなる声を喉から出さずに飲み込んだ。

あと三人か、全員を数えると十二名も僕たちはここに連れてこられたんだね……。

 

「工藤は今一人か?」

 

「いえ、アリス・マーガトロイドという女性と一緒よ。敵意は無いから安心しなさい」

 

「そうか……分かった」

 

工藤さん、どうしてここのことが分かったんだろう。 もしかして文さんが工藤さんのところに新聞を配達してくれたのかな。

それとも自力で……これは本人から何が合ったのかちょっと興味が沸いてきたね。

 

「それじゃ、異変の前置きはそろそろいいだろう。そこの学園長の後始末を俺たちが片付けるってことでいいんだろ?」

 

「そう、そのためにこんな手荒い真似をする羽目になっちまったのさ……本当にすまない」

 

「気にするな、俺たちは平穏の元の日常を取り戻したいだけだ。別にあんたのためだからじゃない」

 

「いや、事が済んだら祭でも開催しようじゃないか。幻想郷では祭は日常茶飯事と聞くさね。いっちょ派手に盛り上げてやろうじゃないか」

 

学園長の提案に親指をあごの上に乗せて考える仕草をとっている雄二は今様々なシミュレーションやメリット、デメリットなどを思いつかせ結果とか想像しているに違いない。

でも祭ってあの僕らの知ってるあの祭でしょ? だったら、

 

「いいじゃないか雄二、旅の思い出って後になって振り返ればいい思い出になってるものだよ」

 

僕の声に耳を傾けているのかその佇まいからはよく分からなかったけど、すぐに表情が緩み僕に返事をする。

 

「それもそうだな、翔子たちのためにも楽しい過去にしてやらないと」

 

「報われない終わり方ってそれこそ僕は学園長たちを許さないからね」

 

「わ、悪かったよ本当……あたしもつまらない意地を張ったって今は思う。こんなにも事が深刻化するとは思わなかったさね」

 

「そうね……この『時期』に動き出すなんて、不都合にも程があるわ」

 

八雲さんが額にしわを寄せ不機嫌そうな顔つきをする。 ん? 秋になると何が不味いんだろう。美味しい栗ご飯やマツタケご飯とか食欲の秋だというのに。

 

「そうか、八雲は確か冬眠するんだったな」

 

一瞬、隣のバカがキング・オブ・バカになったのかと思った。

 

「冬眠!!?」

 

「あれ、明久は知らなかったか」

 

「当たり前じゃないか! え? なんで八雲さん寝るの!?」

 

熊とか蛙以外にも冬眠を行う動物がいるとは知らなかった。それも妖怪だとは想像すらしなかった。

 

「私を熊か何かと思ってません? 私も色々大変ですのよ」

 

「いや、熊と思ってないけど……」

 

どうみたって見た目は人間だからね、フリフリの紫色の衣装を身に付けた可愛い服装だけど色が大人を醸し出している人間なのは間違いない。

冬眠って、食料を大量に巣に保存して春まで巣で過ごすことだよね。

 

「生物学って難しいな……」

 

「なぜそんな発想に至るんだお前は」

 

「あら、冬眠は大事、眠らないと力が発揮されませんの」

 

そうだったのか……八雲さんの能力も想像がつかない程凄そうだ。 その為消費する体力とかも大きいのだろう。

 

「と、言うわけで力不足ですけど私も限界まであなたがたをお守りしますわ」

 

「うん、八雲さんなら心強いよ」

 

霊夢と一番見えない何かで結ばれていそうな、そんな気がするこの人はきっと僕たちにとって大きな存在となるだろう。

勿論、僕の思い過ごしかもしれないけどね、霊夢に片思いしてるただのストーカー――いや、ないか。

 

「うふふ、本当に楽しい方々ですわ。学園長には勿体無いくらい」

 

「ふん、欲しけりゃ力付くで奪ってみな!」

 

「「おいおい」」

 

今回の異変の発端は岡崎夢美って人たちが学園長の文月学園で使用されている試験召喚システムを目的にやってきて、それを喧嘩腰で言っちゃったのが原因みたいだね。

それを僕たちが何とかしなきゃ行けないみたいだけど、さて、ここからが今後僕たちの目的に繋がりそうだ。




もうちっとだけ続くんじゃ。
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