バカと霊夢と幻想郷   作:こきゅー

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バカテスト雑学

第二問:東方projectを作った人物を答えなさい(本名は省く)


紫「ZUN」

教師のコメント:正解です。
流石に幻想郷でトップ3に入るだけあります。


魔理沙「BEEL」

教師のコメント:飲み物ではありません。


さとり「………ZUN」

教師のコメント:おや、なぜ私ばかり見つめるのですか?


こいし「ZUN!(ガタッ」

教師のコメント:落ち着いて、席に座ってください。


お空「さとりさま! こいしさま!」

教師のコメント:一人に絞ってください。


明久「S(ストライカー)S(シグマ)Ⅴ(ファイブ)!!」

教師のコメント:鉛筆は人ではありません。


俺とお燐と旧都と鬼

「ジャジャーン!!お兄さんはどれだけの実力なのか試させてもらうにゃ!」

 

「…………」

 

唖然とするしかできなかった。

俺もまだここに慣れてなかったか……結構馴染んできたと思ったんだが。

 

「驚いてるねーあたいの名前は「火焔猫 燐」お燐ってちょちょちょちょ!!さとり様!?」

 

「あなたいっつも本名言わないから私から言ってあげたわ」

 

「グスン」

 

「えっと……火焔――」

 

「そっちで呼ばないで!!」

 

一体コイツに何があったんだ……。

 

「ま、まぁ気を取り直して、まずは基本的な弾幕から行くにゃ。それで慣れてきたらスペルカードをやってみるにゃ」

 

「前から気になってたんだがスペルカードってなんなんだ?」

 

「スペルカードはこいし様が放った弾幕のことです」

 

あぁ、俺の被弾記念第一号のやつか。

痛みより意識がぶっ飛んだからな。

 

「んで、弾幕っていうのは――」

 

 

シュッ(お燐から何か青い玉が出た音)

 

 

「これのことにゃ。弾幕勝負の時にはこれをたくさん出せばいいのにゃ」

 

なるほどな……。

ん?ちょっと待て。

 

「俺にも出せるのか?」

 

「普通の人間には無理にゃ。霊力や魔力とかそこらへんの特別な力があるなら撃てるにゃ」

 

「じゃあ俺は避けるだけなのか!?」

 

「それは修行次第じゃないかしら?」

 

俺とお燐の会話の間にさとりが説明する。

 

「または幻想郷に認められたらそのうちできるんじゃないかしら」

 

幻想郷……にか。

 

「…………分かった。参考になる」

 

幻想郷というのは不思議なところだ。

俺たちの学園も充分おかしかったが、この世界はもっとおかしい。

俺はより吹っ切れた感じがするぜ。

 

「それじゃ、今から撃つ弾幕を避けきれるだけ避けるんだにゃ!」

 

「おう! どっからでもこい!」

 

かくして、俺とお燐による弾幕ごっこの練習が始まったのである。

 

「じゃあまずは真っ直ぐ飛ぶ弾からー!」

 

お燐は俺から小さく見えるくらい距離を空けて大声で叫んでいる。

最初だからな、それくらいが無難だろう。

 

 

シュッ

 

 

「これぐらいなら……」

 

俺はお燐が放った弾幕をまずは軽くよっと避けてみせる。

楽勝だな。

 

「次は三way弾ー!」

 

間合いは詰めずに同じところから再び叫んでいる。

 

 

シュシュッ

 

 

「弾道は変わらず、ただ弾が三つに増えただけか」

 

これも簡単に避けれるが弾が増えているから注意は必要だな。

 

「次は自機狙い弾にゃ、連続で撃つからそのつもりで!」

 

 

シュッ

 

 

「一気に来る弾の数は減ったな……」

 

これだと最初に来たやつと一緒だが……。

 

 

シュッ

 

 

「よっと」

 

 

シュッ

 

 

「あらよっと」

 

なるほど、確実に俺の場所を狙ってやがる。

これならうっかりしてるとすぐもらいそうだ。

 

「お兄さん楽勝だね~じゃあ次はランダム弾ね!」

 

 

シュシュシュシュ!!

 

 

「…………弾道は滅茶苦茶だが数が増えすぎないか!?」

 

これは当てずっぽうというやつか、下手すりゃすぐ被弾しちまう。

 

「よっ!」

 

 

シュシュシュ!

 

 

「はっ!」

 

 

シュシュ!!

 

 

「うおぉぉおお!!」

 

「おぉーお兄さんガッツあるねぇー」

 

そりゃ当たりたくないしな……。

 

「基本はこんなもんかな。弾にも星形やお札、大きい弾とか使ってくるやつがいるから注意にゃ」

 

「結構奥深いんだな……」

 

「幻想郷は弾幕勝負で物事を決めてもおかしくないからねー次はスペカ行ってみますか」

 

「スペカか……」

 

正直まだ自信はついてねぇが、弾の数はハンパなく増えるからごり押しだとまず無理だ。

まずこの体が不便だ……せめて俺が飛べるようになればな。

 

「それじゃあまずは軽めにするから気軽にね! といってもあたいのスペカは変わったのが多いけど……」

 

「変わったのでもいい、俺みたいなのが避けれるならむしろ見てみたい」

 

「分かったにゃ! じゃあ行くよーっ!」

 

こいしのあれよりは簡単だと信じたいところだ。

とりあえず、俺はいつ来てもいいように身構えておこう。

スペルカードとは、発動する際に詠唱を必ずしなければならないらしい。

つまり、お燐が呪文みたいなのを唱え終わったらそこは弾幕だらけの地獄に変わるだろう。

あとは、そのステージに最後まで生き残れるかどうかだ。

 

お燐の準備が終わったらしい、そろそろ来るか……!

 

「恨霊『スプリーンイーター』!!」

 

始まった……まずは冷静に状況判断だ。

 

「……………」

 

気付けば俺の周りには無数の緑色した弾が俺を囲んでいやがるじゃねえか。

 

「うお、またキッツいヤツを――」

 

……いや、冷静になれ。

確かに俺の周りには弾幕が囲まれていて容易な行動は限定されている。

だが、時間が経つに連れてその形が崩れて俺の方へと向かってきている。

その時にできた隙間を抜ければいけるはず!!

 

「…………」

 

「雄二さん!!このままだとまた被弾してしまいますよ!?」

 

「あちゃーお兄さんにはまだキツかったかにゃ?」

 

お燐はと言うと高みの見物といった感じで弾幕に囲まれている俺を眺めているように見えた。

だけど、俺はこんなところで終われない。

 

「いや、いい経験になったさ」

 

こういう弾幕は大いに参考になる。

 

「ここだ!」

 

俺は一瞬出来た弾幕の抜け道をもうダッシュで走り抜ける。

すると、後ろの方で弾同士がぶつかり合っている音が聞こえてきた。

 

「どうよ?」

 

「お兄さんやるね~」

 

「…………ふむ」

 

俺の華麗な避けっぷりを見てさとりたちが驚いてるぜ!

自分自身でも正直驚いてるところだしな。

 

「コレがあと何回も来るんだけどね」

 

シュルルルルルルル!!

 

「…………マジかよ」

 

正直体を動かすせいでスタミナとかかなり消費するぞ!

 

――――☆――――☆――――☆

 

そんなわけで俺はお燐のスペカをなんとか全部避けきることができた。

途中でアレは場所を間違えると詰む仕様にでもなっているようだ。

だが……、

 

「満身創痍……だ」

 

ちょっと休ませてくれ。

あのバカと走り回ったり日頃から体力には自信があったんだがな……。

 

「よく避けたね~まぁ今のはイージーなんだけど」

 

「よーく見て、把握していれば誰でも避けれるさ」

 

あとは根性、あの弾かするだけでも危ねぇからな……。

 

「さとりさま~洗濯終わりましたよー」

 

俺たちが一段落したところで何かを持ってお空がやってきた。

洗濯が終わったか……もうすぐこの服ともおさらばだ。

………冷静に考えるとこの服を見てお燐は何にも思わなかったのか?

 

「お空、お疲れ様。それでは服を」

 

「はい! さとりさま!!」

 

「……………」

 

あの服は学生服だからな、無くしたりしたらまた買わなきゃなんねえ。

 

「さとり、服はどうなったんだ?」

 

「そ、それが……」

 

え、おい……なんでそんな大事なもんをぶっ壊したような顔してんだよ……。

そんでもって……。

 

「…………さとり、もっかい聞くが俺の服はどれだ?」

 

さとりは手に持っている黒い焼き焦げた元俺の服を強調した。

 

「まさか……それが俺の服か?」

 

「………………はい」

 

「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

どうしてこうなったぁ!?

 

「あ! あの人間喜んで雄叫びあげてる」

 

「人間じゃあねぇえ! 俺は坂本 雄二だ!!あと誰が喜んでいるように見えるんだよ!!」

 

こんな格好で俺は明久を探さなきゃならねーのか!?

 

「雄二っていうのね! 似合ってるじゃ――」

 

「似合ってるはずねえだろうがボケェ!!」

 

「うにゅ~」

 

…………どうしてこうなったんだろうな、俺。

 

「本当にこれしかねーのか!?」

 

「私たちは普段服をあまり変えないもので……特に男の人の服は全然」

 

なんで『特に』男の服はねぇんだ!!

 

「幻想郷にも男くらいいるはずだろ!!」

 

「いますが私たちとそんなに交流はないんですよ……」

 

「雄二……」

 

俺が凹んでいると隣で肩をポンっと片手を置いたお空がいた。

 

「なんだ、慰めてくれるのか?」

 

「服くらいで気にすんな!」

 

「お前のせいだろうが!!」

 

あの後事情を聞いたんだがどうやらこいつが乾かす時に事故ったらしい。

どうやりゃあんなに黒くなるんだよ……。

 

「まぁ何時までもうじうじしてないで、アナタは幻想郷にいるのです」

 

「…………それがどうしたっていうんだ」

 

「こいしから聞いたのですが「山の巫女から聞いたんだけどね、常識に囚われてはいけませんだって!」と言っていました」

 

「常識に………囚われない………?」

 

ふむ……確かにそうだな、俺はここに無理やり連れてこされて俺の常識が通用したことなんてあったか?

否!!なかったはずだ。

妖怪やら地獄やらそんな未知なものばかり。

だったらこの格好ももしかしたらありなのかもしれん。

 

「考え直してくれましたか?」

 

さとりがいつものように俺の心を読み、尋ねてきた。

 

「あぁ、妖怪とかがありならこんな格好だろうがありなはずだ!!」

 

ええい、メイド服だかなんだか知らんが何でもこい!!

 

「決まりね、それじゃ「お姉ちゃん暇ぁ」今から「退屈つまんないよ~」ちょっとこいし黙って!!」

 

「うー」

 

そういや屋敷見学から今まで殆ど喋ってなかったよな……こいしも我慢の限界か。

 

「いいでしょう、今度こそ雄二さんを地上に案内するように!」

 

「え、また行ってもいいの?」

 

「今度はピチュらせたりしないでね」

 

「分かってるって!!雄二さん早速いこ~!!」

 

「そうだな、さとり達のお陰でこっちの世界で生き延びることができそうだ。今度こそありがとな」

 

「また会う機会があればお会いしましょう」

 

さとりはそう言うと手を軽く横に振り別れを再度告げたのであった。

まぁ、もしものことがあればまた戻ってこよう。

出来れば恩を返すという形でな。

俺とこいしはエントランスへと向かい、そのまま地下洞窟へと戻って行った。

 

またまたそんなわけで俺とこいしは再び地上を目的地とし、情報収集をしていきたいと思っている。

 

「雄二さん、あの時のこと怒ってる?」

 

「あの時?」

 

こいしがおどおどとした様子で俺に聞いてくる。

 

「ほら、私が弾幕ぶつけちゃったあれ……」

 

「あぁ、もう気にしてないさ」

 

「ほんとに!?」

 

こいしの声が一段とデカくなった。

さっきまでと様子が真逆だな。

 

「ほんとだ」

 

「よかったぁ……」

 

ずっと気にしてくれてたのか……?

妖怪なんて、実質昔の人の考えすぎだったんじゃないのかと疑ってくる。

弾幕を妖術と勘違いしてたりな。

 

「ほら、雄二さん、あれ見える?」

 

こいしが指を指す方向に顔を向けるとそこには賑やかな空気を醸し出している町らしきものが見えた。

 

「あれが旧都って言うんだよ」

 

「旧都……か……行ってみるか」

 

「はーい!」

 

旧都に関しての知識は無いがいざとなればこいしに頼らせてもらうか。

 

「……………」

 

「ん? どうしたの?」

 

俺はこんな小さな子供みたいなやつに頼らなきゃいけないとはな……端から見れば笑いもんだよな…。

 

「いや、なんでもねえ。行くぞ」

 

「あぁ~ちょっとー早くないかな?」

 

 

 

少女達移動中...

 

 

 

「ここがねえ……」

 

確かに賑やかっていえば賑やかだが……明らかに人が見えねえぞ!!

 

「ここには妖怪しかいないよ?」

 

こいし……お前もサトリなんじゃねえだろうな?

 

「地上に行けば人間はいるよ?」

 

「そうか」

 

だったら此処に用はないな。

ここには鬼火と妖怪しかいないんじゃあな。

 

「よっ、お前さんら見かけないね~誰だ?」

 

俺が色々整理させていると不意に少し遠くの後ろから声がした。

男勝りな声がしたと思い、振り返ってみるといかにも威勢のいい感じの角の生えた女性が立っている。

盃を片手で持っていて、そこには液体が酌まれていて歩かれるたびに揺れている。

多分あれは酒だろうな、そんなことを思っているとこいしが自己紹介を始めた。

 

「私はこいし、古明地こいし」

 

「ああ~さとりのとこの妹か~んでそっちの人間は誰だ?」

 

「んあ、俺は坂本 雄二。こっちの世界で言うなら外来人だ」

 

「見ただけでそんなん分かるよ」

 

…………だろうな。

 

「私は星熊 勇儀、見ての通り鬼だ」

 

「角があるからな。人以外ってのは分かる」

 

「ほぉーお前さんやけに強気だねー鬼ってどんなもんか、外来人のあんたならよく分かるはずだ」

 

「正義の味方に退治されたりする悪役だろ?」

 

「へぇーその口が言うかい」

 

「ちょちょちょ! この人に手は出したらダメだよ!?」

 

こいしが俺と勇儀の間に入る。

 

「古明地の妹はちょいと黙っててもらおうか」

 

「なんだ、やる気か?」

 

「もぉ!!雄二さんもどうしたの!?」

 

別にどうもしないさ。

ただあんたには関係ないが、少しむしゃくしゃすんだよ。

 

「さぁ、俺を殴るなら殴っ――」

 

八つ当たりもよくねぇな。

ちょっくら殴らせて、相手に詫びでもいれさせっかな……そう思っていると

 

「ハッハッハッハ!!お前さんいいねぇ!!気に入った! 今からちょっくら飲まねぇか?」

 

「そうかそうか、殴ってやるか……って、は?」

 

今こいつ、俺を気に入ったとか言わなかったか?

 

「こいしだっけ? ちょいとコイツ借りていくぜ」

 

「いいけど………」

 

「決まりだな!!」

 

急におかしなことを言い出したと思ったらいきなりこの鬼は俺と肩を組んできた。

 

「よし雄二だっけ?、今から飲みに行くぞ!!」

 

「はぁ!?俺はまだ酒は――」

 

「気にすんなって、金ならいらねーよ!」

 

「いやそういう問題じゃなくて――」

 

「うぉっし!!そんじゃ行くぞーっ!!」

 

勇儀が盃を持っている方で「うぉーっ!」と腕を上げた。

 

「うおっ!!」

 

コイツ、なんて力なんだ………殴られてたら死んでたな、俺。

 

「いってらっしゃーい」

 

俺の後ろからはこいしがなんか言ってるが、く、首が持ってかれる!!

 

「お前さんのような外来人はなかなかいないもんだ、私を見たら大概驚いたりビビったりされるんだ」

 

「あのさ勇儀首が折れる」

 

「それに引き換えお前はヒビるどころか強気で喧嘩までしようって言うんだからさ。大したもんだよ」

 

「分かったから首とか肩とかヤバい」

 

ちったぁ人の話聞きやがれ!!

 

――――☆――――☆――――☆

 

「よっ!!酒あるか?」

 

俺は勇儀という鬼に無理やり気に入れられ無理やりどこかに連れて行かれた。

 

「おぉ姐さん、今日はいいの入ってるよー!!」

 

「そいつはいい、ほら、雄二も遠慮するなよ」

 

「…………ここどこだ?」

 

「どこって……ここは居酒屋だが?」

 

俺の質問にここの店主と思われる……人じゃないな。

妖怪が答えた。

 

「ってか、俺は酒は「まぁ飲め」うぐっ!!」

 

コイツ、無理やり酒を俺の口に……しかも瓶ごと?!

 

「おおぉー兄ちゃんよく飲むねぇーさすが姐さんが連れてきたことだけあるねえ」

 

「がはっ! お、俺は酒が飲め「次はこれだ」むおっ!!」

 

こ、これ以上はさすがにヤバい……アルコールをとりすぎた。

頭が……クラクラしやがる。

 

「おお~二瓶も!!すげぇ……」

 

「ハッハッハ!!ほんっとお前人間か?」

 

「お前が飲ませてるだけだろうが!!死ぬかと思ったわ!!!」

 

「まぁまぁ、お前さん、さっきより明るくなったんじゃあねぇのか?」

 

勇儀が突然真剣な顔で話しかけてくる。

 

「明るくって? 俺は随分明るいが?」

 

「雄二はまだ酒が足りんな……もういっちょ!!」

 

「ハガッ!」

 

ダメだ、このままだと酔いつぶれる……!

もうろくに視界も安定しねぇんだが。

 

「私も飲むとしますかね!」

 

「へい姐さん!」

 

「おう!!ゴクゴク……プハァ!!」

 

「今日も姐さんは凄いね~」

 

「あぁん? あったりめーよ!!」

 

「…………うぅ、気持ち悪い」

 

暫く黙らせてくれ。

 

「うぃ~ゆーじー調子はろーだー?」

 

「よくあるか!!」

 

呂律が完全に回ってないな。

俺も他人に気を使えるほど余裕はないけど。

あれから勇儀は俺に充分飲ませたのか次は自分がグビグビ飲み始めた。

そしてあの調子である。

 

「ろうだ! ゆーじはげんそうきょーになれらか?」

 

「まだ来たばっかなんでね……なんとも」

 

「フヒヒヒ……ゆーじー酔っぱらってるかー?」

 

「あぁ、もち」

 

頭いてー。

 

「私に会った時、なんであんなにイライラしてたんだ?」

 

「………え?」

 

この鬼……まさか最初から気付いていやがったのか。

 

「最初は自棄になったのかと思ったが、どうも違う気がしてな。お前さん、こいしとはどんな関係だ?」

 

「どんなって……助けてもらった側と助けた側じゃねーのかな?」

 

「だったら恩人だな。その恩人がお前のこと心配そうに見てたぞ」

 

「……………」

 

そうか……俺は知らず知らずのうちにイライラをこいしに感じさせてたのか。

それで、こいしに更に迷惑かけて……。

 

「雄二、今後もそんな機会がわんさかやってくる。もしかしたら次はもうダメかもしれない。……それでも雄二はここにいる以上責任は取らなきゃならん」

 

「…………」

 

あぁ………そんなの分かってたさ。

この場所がどれほどヤバいもんかってくらい……分かってた。

スッキリした気持ちに、またモヤモヤが重なりやがって、また晴れたかと思ったら曇り……そんなことを繰り返してた。

 

「まっ! 難しく考えんな! 気軽にやっていこーぜ!!」

 

勇儀が俺の肩を勢いよく叩く。

 

「…………勇儀だったな」

 

「ん?」

 

「ありがとな、お陰でなんか失わずに済んだよ」

 

「気にすんなって。それで、これからお前はどうするんだ?」

 

「そんなの決まってる」

 

「…………そうか」

 

俺は勇儀の顔をじっと見る。

この鬼は、見かけによらず結構優しいんだな。

 

「もう! 勇儀さんたち遅い!!」

 

いつの間にか、店の外からプンプンと怒っているこいしが見えた。

 

「おぉこいしー丁度飲み終わったところだ」

 

「うわ! 勇儀さんってば酒臭いよー」

 

「ハッハッハ!!すまんな」

 

「勇儀さんこれ以上は待てないよ!!私も旧都見飽きた!」

 

「分かってるって、雄二の方も解決したみたいだしな」

 

「解決?」

 

「あぁ、こいし。その……すまなかった」

 

俺は不器用だと思うくらいに変な謝り方をした。

 

「へ? 急にどうしたの?」

 

「どうしたのって……その……あーもう行くぞ!!」

 

「えぇ!!?」

 

「勇儀、世話になった! またな。それから……酒も上手かった」

 

すっかり酔いが戻ったことだ、感情の整理も出来たことだし頑張るとすっかな。

 

「おう!!今度は弾幕勝負でもしような!」

 

絶対お断りだ!!

あいつとやったらぜってー命が足りねぇよな……。

 

「ほら、こいし行くぞ!」

 

「これ解決してるのかな~!?」

 

俺たちは勇儀の元から離れ、地上へと再び足を運ばせた。

 

『…………人間に酒がうまいって言われたのは初めてです』

 

『そうか、親父! まだまだ飲むぞーっ!!』

 

『え、まだ飲むんですか!?』

 

『もちろん、朝まで!!』

 

『へいへい、姐さんには適いませんわ』

 

俺の後ろでは妖怪たちがどんちゃん騒ぎをしていて耳にへばりついて離れない。

かなり五月蝿い。

けど、俺はこういうのもいいもんだと思った。

人間だろうと妖怪だろうと……な。

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