バカと霊夢と幻想郷   作:こきゅー

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バカテスト 幻想郷

第20問 次の人物のテーマ曲を答えなさい。ただし、春雪異変のときに使用された曲名を述べなさい。

Q.魂魄妖夢



魂魄妖夢の答え「広有射怪鳥事 ~ Till When?」

賢者のコメント:正解です。このテーマ曲の読みは「ひろありけちょうをいること」です。覚えておきましょう。


西行寺幽々子の答え「私の晩御飯 ~ Till When?」

賢者のコメント:さっき晩御飯食べたよね?


霧雨魔理沙の答え「東方妖々夢 ~ Ancient Temple」

賢者のコメント:確かに魂魄妖夢のテーマ曲ではありますが、これは道中なので△にします。この曲名は白玉楼までの道のりをまるで寺院に向かう階段のようだと感じさせてくれますね。


吉井明久の答え「広島妖怪有事 ~ ?」

賢者のコメント:なぜ疑問形ですか。それと曲名も違います。漢字だけでなく、読みもきちんと覚えましょうね。


第三問

「……それで、なんでお前たちも一緒にいるんだ?」

 

あれから一晩久しぶりにまともな家屋で眠ることが出来た。んで、朝飯も食べ終えこっそり俺だけでも稗田んとこに行こうとすると勘付かれたようだ。

 

「坂本! あんた、どうも朝からそわそわして怪しいのよ!」

 

「一人で抱えるなんて水臭いじゃないですか!」

 

島田に姫路、この二人に俺の行動が筒抜けだったようで寺子屋を出た途端捕まってしまう。

ムッツリーニたちには言い残して来たんだが、察しられたみたいだな。

 

「すまないが姫路たちは翔子の様子を見に行ってやれないか、ここは俺だけで十分だ」

 

「別に構いませんが……翔子ちゃんがこのことを知ったらどうなっちゃうのでしょうか」

 

っく、姫路め、どこでそんな脅しテクニックを覚えやがった!

 

「きっと坂本を二度と外に出せないくらい頑丈に鍵をかけて、手錠やらいろんな拘束具を使って――」

 

「分かった分かった! お前たち、俺の邪魔をするんじゃねぇぞ!」

 

「「はーい!」」

 

畜生、完全にドジっちまった。翔子にも俺が出かけることは勿論内緒にしておいてある。それをバラされれば島田が言った通り俺は……想像するのもやめよう。今の翔子は何をしでかすか分かったもんじゃねぇ。

 

「それで、どこに行くつもりなのよ」

 

島田は身支度はばっちりとしてきたらしく自慢のポニーテールをゆらりと揺らしながら俺に問いかける。

 

「昨日翔子が言ってた稗田ってやつに会いにいく、それだけだ」

 

「私もその人には興味があります。この世界についても博識のようですし」

 

姫路も俺と目的は同じで幻想郷の知識を仕入れたいようだ。もっとも、俺は別の目的も兼ね備えているが。

 

「稗田さんの会いにいくのは分かったけど、場所はどこなの?」

 

「でっけぇ屋敷立ててるんなら俺もそれを見たことはある。場所も覚えてるから迷う心配はないはずだ。万が一があっても本屋にいる知り合いに聞けば問題ない」

 

どっちかというと本屋の方が俺は知らなかったんだがな。

 

「それなら大丈夫そうですね」

 

「ちゃっちゃと要件済ましちゃいましょう」

 

「そうだな」

 

こうなっちまったもんは仕方ない、追い返すことも難しくなった今二人も同席してもらうとするか。姫路の方に目を配るが、すっかり立ち直っている様子で少し安堵する。

 

そんな時だった、俺はいきなりの出来事に思わずその場に停止してしまった。

 

「……明久?」

 

俺に異変に気が付いた二人も疑問を浮かべて俺と同じ先へと視線を向ける。 そうだ、俺の目の前には明久が確かに居た。アイツ、こうなることを意図してなかったのか情けない顔してやがるぜ。

 

「あ、明久君!?」

 

「あ、ああああ……アキッ!!」

 

「ようやく戻ってきたかバカ野郎」

 

明久の周りにはアイツなりに示した結果としてか、近くに風見の姿も見える。だが今は空気を読んでいるのか、それともあの事件を恥じているのか姫路たちには気づかれないようにしていた。俺はあえて風見については触れずに今はただ明久と姫路が感動の再会を果たしているこの時を満喫させてもらうとするか。

 

「……ッ! 明久……君……」

 

体を震わせ、腹から必死に声を出している姫路を見ていると、不意に翔子が俺に涙で目を濡らしながら抱きついてきたあの時を思い出す。

姫路も、表面上は平気なフリしてたが、心の底では不安が拭いきれてなかったんだな……まぁ、当たり前だろう。だから、明久が許したとしても俺は――風見のことは許しきれねえ。

 

「あのー、瑞希さん?」

 

この場に似つかわしくないトーンで姫路たちに声をかける島田によって平常心を取り戻す。気が付けばすっかり見物客が姫路と明久の周りに集まっていた。それも数人ってレベルじゃなく。

 

『いやはや、若いっていいもんですな』

 

『俺にもあんな青春送りたかったぜ……べらぼうめ』

 

『感動の再会~Season2~ね、良かったわぁ』

 

『吉井コロス』

 

至るところから人里の住人が二人を見て感想を述べている。中には理解しがたい者や明らかに内通者みたいな犯罪臭溢れだしてる奴がいやがるな。俺たちの知り合いか? 兎も角、今は一度寺子屋に帰還した方がいいと見た。

 

「おい明久、さっさと歩け!」

 

「分かってるよもう!!」

 

姫路との間を邪魔するようで悪いがとりあえず人里の連中から離れねえと、人混みが酷くなると俺たちが行動しずらくなる。ましてやこの状況から稗田家にいくのは不可能。ここは明久たちの要件を済ますという意味でも寺子屋に帰るとするぞ。

 

――――☆――――☆――――☆

 

そんなわけで、あれから寺子屋へと避難しに戻り、風見の真意を聞いた俺たち。明久は無慈悲にもうっかり口を滑らしたことにより姫路たちに制裁を受けていた。

 

「いい気味だぜ」

 

「「「!?」」」

 

俺が心の中で同情しているときだ、突然背後に忍び寄る人影に気付かなかった。思わず背筋がビクっとしてしまう。

 

「どうした? 俺がここに居たらおかしいか?」

 

「おかしいってレベルじゃねえよ須川!」

 

俺の前にいる須川はどうみても本物だ。しかし、あいつらは元の世界に居たはず。

 

「なんでてめーがここに居るんだよ」

 

「ああ、なんでも八雲って人に頼まれたんだよ」

 

八雲に? あの妖怪め、一体何人この世界に連れてきたら気が済むんだよ。時期尚早とか言ってなかったか?

 

「お前たちを助けろってさ」

 

「俺たちを……?」

 

「時期に試召戦争がこっちでもあるんだろ? それに俺たちFクラスも参加するってことだよ」

 

待て、少し整理をさせろ。須川の話通りならばFクラス全員幻想入りしちまってるってことになる。

八雲なりに盛り上げる演出なのか、純粋に俺たちの戦力を増強させるためなのか。

 

「それで、他の者たちはどこにいるのじゃ?」

 

俺が八雲の動きについて思いを集中させる間に秀吉が質問をする。

 

「分からん。今は俺だけだが、試召戦争のときには参加するから心配するな。今はどこで何をしてるか分からないけどな」

 

「大丈夫なのじゃろうか……妖怪たちにもし出くわしたりでもすれば逃げられるとは到底思えん」

 

「八雲さんいはく召喚獣で太刀打ちできるようになってるって説明を受けたけどな」

 

うっすらと両者の会話を聞く限りどうやら八雲の言っていた通り幻想郷に召喚フィールドに似た結界を貼っているらしいな。しかも物理干渉可能状態、だったら問題はないだろう。点数が低くとも、召喚獣の力は人間の数十倍の力を持っているから易易と観光旅行が楽しめるというわけか。

 

「………須川はどうしてここに?」

 

「ああ、行く宛がないからな。俺巫女しか興味ないし」

 

最後の一言が無ければ頼もしい助っ人として最後までいられたんだがな。

 

「………博麗の巫女か?」

 

「男なら 欲張って見せろ 両方だ!」

 

須川、それ五七五になってねぇぞ。

 

「………それでこそ須川」

 

「他の奴らも俺と同じような感覚で目的の人物に会いに行ってるぜ。過度な事しない限り八雲さんのお墨付きだというしな」

 

不純すぎる目的だなオイ。まあ楽しんでいるみたいだし大事には至らないだろう。

 

 

『ちぃぱっぱ! ちぃぱっぱ!!』

 

『あたまのおはながちぃぱっぱ!!』

 

『ちぃぱっぱ! ちぃぱっぱ!!』

 

………寺子屋の外から知り合いの声で変なことを叫びながら踊ってる奴らがいるが気のせいだろう。

 

『プリーズ、ロールミィィイイイィィ!!!』

 

『ラミアさぁああああーーん!!!どこぉおおおおおーー!!!』

 

『蛇なんてどこがいいんだ、それより狐っ娘はどこですか?』

 

『マーメイドはどこだぁあああーー!!?』

 

『おメーらァ! こういうファンタジーでのお約束はサキュバスだろうがァ!!』

 

『皆考えが古いぜ。今をときめく妖怪っ娘ってのはろくろ首だろ? あの長い首に巻かれて見てぇよ』

 

『正直ドン引きだぜ……幻想ってのは忘れられた者のことだって言ってただろ? ならば、俺はメイドを探す!』

 

『メイド喫茶って言葉知らねえのか? ここでしか会えないようなかわいこちゃんは魔女っ子だろ!』

 

『てめーらコスプレ喫茶にでも通ってろ。俺は雪女ちゃんに人目会いたいッ!』

 

『ふざけるナァー! 何もわかっちゃいない! 犬娘ほど愛らしい存在はしない!!』

 

 

『『『お前らいい加減にしろ!!喧嘩売ってんのかゴラァ!!?』』』

 

 

 

「須川よ、一部のクラスメイトが妙な術にかけられておるような気がするのじゃが」

 

「別にいつも通りだろ? なあムッツリーニ」

 

「………許容範囲内」

 

正直関わりたくねえし、放っておこう。当日には正常に戻してくれることを祈ろう。

 

『ああもう一度八雲さんに会いたい……(罪)』

 

『畜生、八雲様は一体どちらに住んでいらっしゃるというのだ(罪)』

 

『ちぃぱっぱ! ちぃぱっぱ! みんなといっしょにちぃぱっぱ!』

 

ちらっと外に目をやると異端審問会に似た格好をしてる奴らが数人徘徊してやがる。一言で言うなら変態、顔マスクに漢字で「罪」と書かれている……これホント大丈夫なんだろうなあ!?

 

「あ、そうそう。本題を忘れてたんだが」

 

須川が何かを思い出したらしく捨て台詞を残し去ってしまう。数分後、俺たちは無事に釈放された明久と合流することが出来たが風見との用事があるらしく寺子屋を後にする。明久との大事な約束を取り付けておいたが、忘れずに居てくれるだろうか。

 

「ん? 今吉井の姿が見えた気がするんだが……しかも美人と一緒にいる可能性が高い」

 

「ああ、アイツは今ちょっと忙しくてな。それで、要件ってのは?」

 

「俺の気のせいか……ああ、そうだ。お前たちに会いたい奴がいてな。ほらっ」

 

今の須川たちには風見=綺麗なお姉さんという認識になる。そうなると明久たちに追いついてしまう。そうなっちまったら間違いなく返り討ちに遭う。

余計な犠牲者を出さない為にも話を続けさせ、俺たちに訪ずれた客に話を集中させた。

 

「……お前が吉井明久か?」

 

俺とあんなバカを間違えるとはどういう脳みそしてやがんだこの野郎。

 

「いや、俺は坂本雄二だ、よく覚えておけ。それで、誰だあんた?」

 

見たところ俺よりも背が低いただの少女だ。この時点では妖怪か人間か分からない。

 

「私は鬼人正邪(きじん せいじゃ)だ、試召戦争ってのに参加の同意を貰いに来た」

 

「それで、俺たちの敵か? 味方か?」

 

「味方だ」

 

「そうか、じゃあとっとと帰ってくれ」

 

「なんでだよ!!」

 

鋭いツッコミを入れる正邪と名乗るこの少女。得体の知れんやつを仲間に加えるほど愚かではない。ましてやFクラスという戦力が加わったことだ、こっちとあっちの数は揃えてくれるらしいから仲間が増えれば増えるほど勝つのは難しい。

 

「どこの馬の骨か分からねえ奴と一緒になんて戦えるかよ」

 

「ぐぬぬ……この私がここまでお願いしているというのに」

 

知らねえよ。一体何だこのめんどくせえやつは。外での騒音は大分無くなったが、おおよそ人里から飛び出たに違いない。

 

「んじゃ、用事も済んだし俺も巫女や新たな自分探しの旅へと向かうぜ」

 

須川はそれを最後にいそいそとこの場を去った。最後にめんどくせえお土産置いて行きやがって……でも、あいつの後ろ姿を見てると妙な安心感が心に残る。また俺たちは俺たちのスタイルで試召戦争をできるっていうのが嬉しいんだろう。

 

『巫女は……どっちかな……フャッハァアアー!』

 

どいつもこいつも末期か畜生がァ!!

 

「私を無視するな!」

 

「あー、はいはい」

 

さて、このおこちゃまの相手でもするか。額に手を当てだるい様子を見せる。

 

「お前たちが嫌でも仲間にさせないなら、私が勝手に仲間になるしかないな」

 

「こら、勝手に話を進めるな。子鬼野郎」

 

「ん? 角はあるが鬼じゃないぞ?」

 

「そうか、じゃあおこちゃまでいいな」

 

「お前が呼びたければそう呼ぶがいい。お前の中ではな」

 

本当にめんどくさい奴だな……実力行使に出てやろうか。召喚獣の試運転がてらな。

 

「まぁまぁ雄二よ、話を聞くだけ聞いてみるのもアリじゃろう」

 

秀吉に宥められるが、俺には大事な用があるんだ、いつまでも邪魔されてたまるかよ。

といってもこのままだと埒があかねえ。少し話を聞いてあとは秀吉たちに任せるか。

 

「んで、お前はどんな能力なんだ?」

 

名前はさっき名乗ってたし、あとは種族や能力でも聞かせてもらおうか。

仮に俺たちと行動するとしよう、素性を明らかにしておかねえと。それくらいの誠意を見せてもらう必要もある。

 

「なんでお前の言うことを聞かなきゃならねえんだよ」

 

「秀吉、あとは頼んだ」

 

「やけになるでない雄二よ」

 

何を言ってるんだ、俺は初めからこうするつもりだったぞ? こら、腕を掴むんじゃない。

 

「コイツ天邪鬼なのか? さっきから自分に都合のいいことしか受け入れてねえけど」

 

「ち、ちちちげーよ……」

 

「声が震えておるぞ鬼人よ」

 

こいつの反応から考察すると天邪鬼ってのは間違ってなさそうだな。

 

「………」

 

「おい、めんどくさそうな目でこっちを見るな」

 

「いや、天邪鬼っつったら他人の嫌がることをするんだろ?」

 

「…………」

 

今度は黙り込んじまったよ……図星を突かれると露骨に反応するな。

正解だということを教えるとそれは俺たちにとって「嫌なこと」ではなくなるという解釈でいいか。

 

「とりあえずだ、私はお前たちの味方だということを教えてやる!」

 

「………嘘じゃないんだろうな?」

 

「天邪鬼は人の嫌がることはするが嘘を言う妖怪ではない、ということだけは言ってやろう」

 

「そうか、話は終わりだ、これ以上話すことはない。じゃあな」

 

流石にガチで疲れてきた俺は強引にでも話を終わらせることにした。俺たちの邪魔をしないならそれだけで十分だしな。例え嘘だとしてもお前をフルボッコにするのは最後にしてやる。

 

「……釈然としないが、まあいいだろう、それじゃ試召戦争でな!」

 

そう言うと正邪は颯爽と高笑いをしながら去っていった。余計な時間を費やしてしまったなあ。思わず溜息を漏らし肩を竦める。

 

「悪い妖怪ではなさそうじゃのう」

 

「天邪鬼に良い奴なんているのか?」

 

「………俺たちの味方」

 

「だといいんだがな……」

 

疑心暗鬼すぎるのか、今の俺にはありがた迷惑な話だったな。

 

「さて、気を取り直してもっかい行くか、今なら誰もいないことだしな」

 

「姫路たちにも内緒でかの?」

 

「ああ、俺と明久しか知らないことがある。そいつをどうしても一言聞いておかなきゃならないんだ」

 

「………そういうことならば任せろ」

 

「そうじゃな、姫路たちにはうまくごまかしておくのじゃ」

 

「ああ、頼もしいぜ」

 

姫路たちのことは秀吉に任せよう。明久は風見とさっさと要件済まして戻ってこい。

俺は、俺の仕事をこなすだけだ。




お久しブリーフ。どうも、こきゅーです。
今回は約1ヶ月もの間を空けてしまい申し訳ありませんでした。お詫びに少しフリーダムに暴れてみましたのでどうか微笑の程いただけたらなと思います。

次回からも去年のように続けていきたいと思いますのでよろしくお願いします!
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