バカと霊夢と幻想郷   作:こきゅー

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「……それにしても、退屈だな」

「だったらここから私を出してよ、幻想郷を隅々まで案内してあげるわよ外来人」

「天狗に案内してもらえるなんて、神隠しにでもされたら怖いし嫌だな」

「ふん、それにしてもアンタ、試召戦争やるんでしょ? 文たちが騒いでたけど。なんでこんなところで私たちの見張りなんか?」

「うーん、そろそろ誤解を解いておいてもいいかもはされないね」

「誤解?」

「そう。君の知ってる『僕』と今ここにいる『僕』は別人なんだよ」

「何を訳分からんこと」

「そうだろうね、君の念写する程度の能力でも僕の存在はトップシークレットだから知らないのも無理はない。教授たちしか知らないとても価値のある情報。君も僕の存在そのものに触れておかないと調べられないよね」

「だったらその正体暴いてやるわ! そして、私の花果子念報ですべてを明るみにしてやる! 私の他に二人の外来人まで監禁してるってこともね!」

「…………」

「なに黙ってんの?」

「あ、いや、黙秘権を使わせてもらってたんだよ」

「心の奥からどすぐろい気分にさせてくれるわね……こんな檻私の弾幕で!」

「無駄だよ」

「やってみなきゃ分からんでしょ! 取材『姫海堂はたての練習取材』!」

「おお~怖い怖い。けど人の言葉に耳を傾けない新聞記者、なんと愚かだろうか!」

「……ッ! 嘘でしょ……弾幕が……効かない? いや、消滅してる! 私は確かに宣言したのにすぐにこの檻の能力で無効化されてる!」

「うんうん、だから大人しくしててね? 僕もそろそろ用があるから失礼するよ」

「あ! こら! 待って! 私を置いてかないでぇぇ~!」



「ん……うーん……よく寝たぁ……あれ? お姉さん……だrーーうわぁ!」

「え? あ?」

「お姉さん! なにその黒い羽!!コスプレ? ちょっと触ってみてもいい?」

「ちょ、こら、止めなさい! 狭いんだから暴れるな!」

「……蓮子、五月蝿いよ」

「あ、メリー! 見てみてこの人、真っ黒な鴉みたいな羽してて格好いいよ!」

「こら近い! 近いってば! もう、文ぁぁ~! もみじぃぃ~! 誰でもいいから助けに来なさいよーッ!」

「……はぁ、楽しそうよねホント」




バカとお化けと幻想郷の記憶~第一問~

バカテスト 幻想郷

 

第21問 次の問に答えなさい。

 

Q.仏教では3000年に一度だけ開花をしたとき、金輪王が出現すると言われており、その他にも竹取物語を始め様々な文学作品に登場する花の名前。

 

 

 

鈴仙・優曇華院・因幡の答え「優曇華」

 

賢者のコメント:正解よ。といってもアナタの名前にもあるから分かり易かったわね。他にもクサカゲロウの卵やフサナリイチジク、バショウの花の別称とも該当するわ。

 

 

 

大妖精の答え「四葉のクローバー」

 

賢者のコメント:シロツメクサのことかしら、残念だけど不正解よ。今度永遠亭の嘘付き兎にでも頼んで見たら?

 

 

 

鬼人正邪の答え「雑草」

 

賢者のコメント:これはひどい。

 

 

 

吉井明久の答え「ラフレシア」

 

賢者のコメント:その臭いだと金輪王激おこでしょ。

 

 

――――☆――――☆――――☆

 

 

「ふぅ、やっぱりそこそこ時間かかっちゃうな」

 

香林堂を後にした僕は複雑な気持ちを抱えたまま人里へと戻ってきた。

 

「久保君……今君はどこで何をしてるのかな?」

 

結局自分で探すとか意地張っちゃったけど大丈夫かな……召喚獣さえ呼び出せることに気付けばいいんだけど。

 

「彼の無事を、今は信じるしかないよね!」

 

色々悩んだけど、僕は雄二に寺子屋で言われたことを確かめないとならない。その為にまずは雄二と合流するのが先決だろう。

 

「えっと、寺子屋は……ん?」

 

そういえば一人で人里に来るのは初めてで、ちょっと迷いそうだ。道行く人はみんな女性で着物がよく似合っている。遊んでいる子供に聞いてもいいけど大人の方が道に詳しいはず、僕はそこにいたくびれが綺麗な女性に目が止まったので尋ねてみる。

 

「あ、あのー、すいませ『吉井殺すべし!』殺気!!」

 

誰だ! このお馴染みめいたタイミングで僕を襲ってくるのは!

 

「ドーモ。ヨシイアキヒサ=サン。ニシムラユイイチロウです。貴様を須川会長の元に連れていく!」

 

「何だ西村君か。って、えぅええぇぇ~~!?」

 

ニンジャ! ナンデ!?まぁ彼は忍者ではないけど。

しかし何故彼が、Fクラスの西村君が幻想郷の人里に居るんだ!?しかも今須川君がどうのこうのって……まさか。

 

「貴様、挨拶もなしに無礼だぞ!」

 

「あ、いや、僕何が何だか分からなくて」

 

なんだろ、今の西村君から忍者みたいなオーラがするけどこの幻想郷で何があったんだろ。

 

「ええい、まどろっこしい! 今から貴様を気絶させる!」

 

「いやいや、折角こうして出会えたんだからサァァーッ!」

 

あの野郎本物の手裏剣じゃないか! こんなものどこで手に入れたんだ危ない!

 

「ふふふ、昔から忍者に憧れてたんだよなあ」

 

「だからってそのクナイでどうする気なの!」

 

「吉井殺すべし!」

 

訳わかんねぇよ! 須川君もいるってことはもしかするとFクラスのみんなが幻想郷に? 八雲さんの仕業か?

 

「ふん、相変わらず素早い動きだな」

 

「そりゃどうもっと!」

 

人里の地形にはあまり慣れていないから何処をどう逃げても追い付かれてしまう。このまま闇雲に走っていても拉致が開かない。どこか隠れられる場所を探そう。

 

「お前ごときが異世界でもラブコメ展開しようとしてんじゃねーよボケェ!」

 

今の彼からは忍者らしき面影は微塵も感じられなかった。

 

「僕だってここまで生きるだけでも大変だったんだからね!」

 

「ほざけ小童! こうなりゃ俺が直々にこの手で葬ってくれる!」

 

ひぃぃ~ついに理性を失い始めてるよこの人! 僕の手では負えない。というかただでさえ疲れてるのにこれ以上は逃げ続ける自信がない。

 

「西村君! 君は僕をいたぶるよりもやるべきことがあったんじゃないのかい!?」

 

「吉井を殺すことが最優先事項だ。その次に俺はくノ一を探すのだ!」

 

あ、それで忍者になりきっているのか。って納得してる場合じゃない! 本当にスタミナがなくなりそうで息も荒くなって……少しばかり目も霞んで……。

 

「うぉっ!?」

 

その所為か僕は足の感覚を失い地面に倒れて……あれ? 今、僕はどこにいるんだ? 目の前が真っ暗でなにも見えない。

 

「あれ? 吉井のやつどこに……」

 

不味い、近くでヨシイスレイヤーがさ迷っている。けど僕はなにも見えないけど向こうも僕が見えていないみたいで足音が遠ざかるのが良く分かる。何かが上半身を覆い被さったような、ぱっくり食べられたかのような……不思議な気分になる。とりあえず目隠しされてるみたいで僕の耳が敏感になってるようだ。

 

「……やはりここは……よし、これで……」

 

「ん? 誰?」

 

西村君はどうやら諦めたか別の場所に向かったけど、僕の近くで女の子の声がはっきりと聞こえた。それと同時に視界を遮っていたものが除けられたのか外が見える。場所は人里、さっきまで追いかけられていた場所からさほど離れていない。

 

ここで改めて周囲の状況を確認しようとしたけど遅かったみたい。

 

「……すぅ……はぁ……」

 

「え?」

 

 

 

「う ら め し や ー ー ッ !!」

 

「うひゃあああああーー!!」

 

耳元で鼓膜が張り裂けそうになるほどの大音量で叫ばれた。

 

「……ぐす……ひっぐ……ありがとう」

 

そして泣きながらお礼を言われる僕は頭から上が痛くて仕方無いよ。

 

「ふぅ……うん、落ち着いてきた」

 

それはどうも、と頭を軽く下げる。少しその場で気持ちを落ち着かせてから少女の方を確認するとその青髪に水色のスカートと全体的に青系統で纏めている少女。その子に気をとられ持っていた傘に目に入るとまた驚かされる。

 

「うわぁっ! 傘に一つ目が……うぇえ!?下駄履いてる!」

 

その傘は足に下駄をはいてとても長い舌をだらしなくたらしている。間違いない、彼女は妖怪だ! というかお化け?

 

「また驚いてくれるなんて、あなたいい人ね!」

 

僕の目の前にいる少女が顔を近づける。オッドアイである彼女の瞳を見ていると不思議な気持ちになる。

 

「あ、ごめんごめん。私、まだ自己紹介してなかったね」

 

慌てて離れると「えへへ」と照れた様子を見せる。幼気そうなこの子を眺めているとさっきされた仕打ちがどうでもよくなってくる。純粋な子供のいたずら程度にしか思えなくなってきたからだ。

 

「私の名前は多々良小傘。いつもは人を驚かしたり鍛冶屋を営んでるよっ!」

 

「僕は吉井明久。ただの外来人だよ」

 

互いに名前を明かし次の話題へと移る。

 

「ところで、僕を助けてくれたのは小傘ちゃん?」

 

「助けた? 私はたまたま通りかかった人間がいたから捕まえて驚かそうと思っただけだよ」

 

なるほど、僕の視界が真っ暗になったのは小傘ちゃんの所為だったのか。

 

「捕まえたところまでは良かったんだけどそれだけじゃ驚いてくれなかったから困っちゃって」

 

「いや、確かにビックリはしたけど疑問の方が強かったかな」

 

人や場合によるけど僕が思ったことを伝えると「なるほどなるほど」と相槌を打つ。本当に子供の無邪気さが溢れ出ているようで可愛らしい。

 

「それから私、何とかして驚かそうと思って必死に考えてたの! それが上手く行ったから嬉しかったなぁ……」

 

あの時、驚かす側として思い出したのか恍惚とした表情浮かべる。そんなに嬉しかったのかな?

 

「いつもは人里の子供をターゲットにしてるけど失敗ばかりして……挙げ句の果てにその親御さんたちからは指名手配されて……やっとありつけた満足感」

 

「色々苦労してるんだね……でもイタズラは良くないよ?」

 

「なに? わちきが時代遅れと申すか!」

 

せめて人の話は聞こうね小傘ちゃん。

 

「わちきは人が驚かされるときに出てくるエネルギーみたいなものがないとひもじいの」

 

あ、ちゃんと聞いてたのね。妖怪って確かに人を襲ったりするけど、小傘ちゃんはビックリさせるだけで満足するらしい。それならまだ良心的かな。

 

「ところで小傘ちゃんに聞きたいんだけどいいかな?」

 

「わちきで協力出来ることがあれば何でも言ってよ!」

 

ん? 今何でもって……いや、いかんいかん。この世界の警察ポジションの人に捕まっちゃうから邪な考えは捨てよう。

 

「寺子屋に行きたいんだけどどうやったら行けるかな?」

 

「寺子屋? それならあそこのおっきな屋敷を左に曲がって、次の交差点を右に曲がれば着くよ?」

 

ああ……僕はこの道案内を尋ねるだけだったのにどうしてこんなにも時間がかかってしまったんだろう、考えるだけで涙ぐみそうだ。

 

「ありがと。助かったよ」

 

「わちきこそ、こんなにも驚かしがいのある人間は久しぶりだよ! また驚かしてもいい?」

 

事前に許可をとるところは健気なんだけど、驚き度が減ってしまうのではないかと思う。人に断りをいれる辺り悪いとは思っているのかも。僕も命がとられる訳じゃないしと軽い気持ちで承諾した。

 

「うん、いいよ」

 

そう言うと両手を大きく空に向かって挙げ万歳をする小傘ちゃん。傘の方も心なしか喜んで見える。

 

「わーい! お兄さん大好きっ!」

 

「あははは……」

 

そ、そんなに屈託のない笑顔で告白されるとロリコンになってしまいそうだ。うん、こんな潔白な子に手を出すほど邪道でもないしね。

なによりも恐ろしいのはさっきみたいな奇襲を仕掛けられる恐れが出てきてるからちょっとビックリしてる。

またクラスメイトに襲撃されても困るから僕はこの場を去ろうと思った。

 

「それじゃ、僕はもう行くね?」

 

「うん! またね!」

 

曇りのない晴れ晴れとした笑顔を見ていると元気がもらえる。傘も挨拶をしてるのか舌をベロンベロンと動かしている。

そういえば、僕は寺子屋に向かう前に一つ疑問を確認しておきたかった。

 

「ところで、小傘ちゃん。僕は小傘ちゃんに捕まってる間何をされていたの?」

 

もしかすると能力かなにかを使った可能性が高い。けれどあの時確かに僕は何かが上から来たことは分かるんだけど……次に驚かせるようの対策として聞いておいてもいいかな。けど、

 

「わちきの中に閉じ込めていたの! けどあまり敏感だから暴れられたら我慢できなかったかも……」

 

中? 大事な? 敏感? もじもじしながらどこか照れてる様子の小傘ちゃん。まさか……女の子が使うその言葉の意味は小傘ちゃんの服のなk

 

 

『『『この反逆者を殺せェェーーッ!!!』』』

 

 

「ごめんなさァァーッイ!」

 

 

なんということでしょうか。僕はとんでもない変態野郎になってしまったというのか!?確かになんか温い感じもしたけど、流石の僕でもそんな趣味はないよォーッ!

 

 

『物凄い勢いでどっか行っちゃった……わちきの大事な傘も私の一部だから間違ってないよね?……次からはやっぱりやめておこうっと、くすぐったいし』

 

 

 

――――☆――――☆――――☆

 

 

 

「だから! 僕は小傘ちゃんに怪しいことはしてないって!」

 

畜生! 最後にとんでもないことになっちゃったよ! 驚きすぎて心臓がなくなりそうだよ!

小傘ちゃんもなんて大胆なことをするんだ! 僕の予想が正しければ小傘ちゃんのスカートの中に僕の上半身が入れられたということになる。奴等も僕と似たような考えなのだろう、だから僕は命が危ない!

 

「待てや吉井ィ! あんな小さな子のお、おまたを見たのか!」

 

「お天道様も見ているというのになんて破廉恥なんだ!」

 

「あとで感想聞かせてくれ!」

 

僕を襲うやつと体験談として興味のあるやつといろんな修羅と化した元同士が全速力で追いかけてくる。というか一人小傘ちゃんがパンツ履いてない前提じゃないか!

 

「最後の土産に……ど、どんな感じだったか聞かせてくれやぁ!」

 

「罪人は死刑! それ以外あり得ない!!」

 

「羨ましいぜ……俺なんてまだ女の子とろくに会話したことないのに」

 

みんな、本音が漏れているよっ。

 

「分かったよ! どんな感じか話すから殺意を抑えて!」

 

「「「裏切り者には死あるのみッ!」」」

 

目がいかれてる……もう話は通じないようだ。兎に角、元人間たちから撒かなければ。また誰かに助けてくれる可能性が少しよぎったけどそう都合良く行かないよね。もうすぐ屋敷が見えるからそこの角を曲がって隠れるしかない。

 

「自分の身は自分で守ってやる!」

 

屋敷が見えてきた。よし、曲がり角も確認できた。あとはそこ目掛けてもうひと踏ん張りだ!

 

『…………すまん…………いるか?』

 

その時、屋敷の前に人影が一つ視界に入った。こんな悠長なこと思ってる暇はない。けれど、僕はそいつに見覚えがあった。

 

『……あぁ…………の知り……分かる……』

 

誰かと話しているそいつは間違いない、今の僕にとって頼もしい味方になってくれるはずだ。よし、進路を変えてこのまま一直線だ。

 

『……わるぃな…………しい者…………それじゃ』

 

 

 

「雄二ィィイイーーッ!」

 

お屋敷の前で門番らしき人と話しているそいつは雄二だった。なんて助け船だ、今の彼に乗っかる方が少なくとも僕の被害は減るはずだ。

 

「明久? 明久なのか? ようやく来たか……あきひーーうわっ、こっちくんなよ」

 

「ただいまの一言くらい言わせてよ!」

 

僕の今の状況を瞬時に理解したのか凄く嫌そうな表情を浮かべてやがる。

 

「坂本! お前も来ていたのか! 吉井を殺せ」

 

「無事で何よりだ! 吉井を渡せ」

 

「お前も人里にいるとはな。吉井から離れろ」

 

「俺もそうしたいんだがくっつき虫みてぇに離れなくてな……」

 

「雄二! 今僕は文字通りピンチだ! 何とかして!」

 

「めんどくせえ」

 

休日出勤する父親のような顔やめてよ傷付くじゃないか。そりゃ巻き込んで悪いとは思ってるよ?ミジンコほど。

 

「お前ら、幻想郷で誰と会いたい?」

 

「え? そりゃお前、俺は吸血鬼に血を吸われれば生涯全う出来るが」

 

「俺はさっきの妖怪とお近づきになって吉井と同じことをされたい……小傘ちゃんだったか?」

 

「もちろん俺はウサギ娘とやらに会ってみたい。あぁ~心が今からでもぴょんぴょんするぜ~」

 

コイツら何で幻想郷にいるんだろう。僕は心の奥底からそう思った。

 

「吸血鬼は紅魔館、ウサギは永遠亭、小傘ってやつは知らんが人里にいたんならまだ近くにいるだろ。それぞれそこに向かえば夢は叶うだろうよ」

 

「恩に着るぜ坂本、一緒に三途の川渡ってやるよ」

 

「お前、死ぬつもりか?」

 

「マジかよ坂本! お前この世界に馴染んでるな!」

 

「嫌ってほど幻想郷については知っとかねぇと困るんでな」

 

「助かった。実は道に迷って困ってたんだ。早速行ってくる!」

 

「おう、試召戦争の時はよろしく頼むぜ」

 

こうして、各自それぞれが欲望にまみれた夢に向かって突き進んでいった。

 

「ふぅ……助かったよ雄二」

 

「お前はどうやったら人を化物にさせるほど気を狂わせられるんだ」

 

「それは僕にもわからないね」

 

深い溜め息をしつつも結果的に助けてくれた雄二には感謝しないと。

 

「一応聞くが、お前何したんだ?」

 

「ふぇ? 何を?」

 

「質問を質問で返すな。答えろ」

 

不味いな、小傘ちゃんの中に入ってたなんて答えたら想像以上の苦痛を毎日与えられるかもしれない。

 

「ゆ、雄二こそこんなとこで何してるのさ」

 

「俺は今からここの屋敷の領主に会うところだ。で? お前は何をしでかしたんだ?」

 

話をそらしたのにすぐに軌道修正しやがって、こうなったら嘘をついて誤魔化すしかないね。

 

「ただ小傘ちゃんって妖怪に西村君モドキから助けてもらっただけだよ」

 

「成る程、つまりその小傘ってやつに聞いてみるのが早そうだ」

 

逃げて小傘ちゃん! 君が悲鳴を挙げることになる!

 

「ま、いいやつそうだし気が向いたら探してみるか」

 

「うん、そうした方がいいよ。何処に住んでるとか分からないし」

 

鍛冶屋をしてるって言ってたけど、住所聞くの忘れてたからね、仕方無いなぁ。

 

「それも、これから明らかになるかも知れねぇがな」

 

雄二は不適な笑みを浮かべると門番の人と軽く話を通してもらい僕も中にいれてもらえるようにしたみたいだ。

 

「雄二、結局ここは誰の屋敷なの?」

 

「この場所こそ、あの破られたページの謎を紐解く鍵になる。そしてお前とここに来るつもりだった」

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