神魔の素質を持つ者も異世界から来るそうですよ? 作:リフェア
「黙ってたら何にも分からないぞ黒ウサギ」
覇瑠徒の言葉に驚きと少しの恐怖を感じた黒ウサギだった。
「おい覇瑠徒、俺が今かっこよく決めるところだったのに何横取りしてるんだよ」
「純粋に俺も気になってたけどこんな所で言う必要は無いから、十六夜が急に言うから驚いたんだが」
「まあ、そう言われるとそうだなでどうする黒ウサギ?」
「分かりましたその事については話します。ですがその前に覇瑠徒に質問していいですか?」
黒ウサギは知りたかった何故あのようなほぼ正解な答えが出せたのか。
「何の質問だ?」
「覇瑠徒さんは何故分かったのですか?」
「と言うと当たってたんだな」
「はい、ほぼ正解です。」
「よし、じゃあ話そう黒ウサギに善と悪の争いがあるかと質問しただろその時黒ウサギは普通に答えたつもりだがそれはこの箱庭のルールを悪用するやつがいるって事を証明したということだ。即ちそれはそういう存在を知ってるって事だ。そして俺達を何故呼んだのか?それで答えを求めた結果でたのがさっき言ったことだ」
「覇瑠徒は黒ウサギが俺達を呼んだ理由を知りたかったんだな」
「まあ、そういうことだな」
「そういう事でしたか」
「では、話してもらおうか黒ウサギ」
十六夜と覇瑠徒は川辺にあった手ごろな岩に腰を下ろして聞く姿勢をとる。しかし黒ウサギにとって今のコミュニティの状態を話すのはあまりにもリスクが大きかった。
「ま、話さないなら話さないでいいぜ?俺はさっさと他のコミュニティに行くだけだ」
「え、十六夜は他のコミュニティに行くのか」
「黒ウサギは俺達にとんでもない事実を隠してたってことはだ。俺達にはまだ他のコミュニティを選ぶ権利があるってことだ」
「・・・・話せば、協力していただけますか?」
「ああ。面白ければな」
「俺は協力する気が無かったならすでに此処にはいないのだが」
「分かりました。それではこの黒ウサギもお腹を括って、精々オモシロオカシク、我々のコミュニティの惨状を語らせていただこうじゃないですか」
「まず私達のコミュニティには名乗るべき”名”がありません。よって呼ばれる時は名前の無いその他大勢、”ノーネーム”という蔑称で称されます」
「名前が無い=その他大勢か」
「へえその他大勢扱いかよ。それで?」
「次に私達にはコミュニティの誇りである旗印もありません。この旗印というのはコミュニティのテリトリーを示す大事な役目も担っています」
「コミュニティって一つの国みたいな物なんだな」
「そう言われるとそうですね」
「ふぅん?それで?」
「名と旗印に続いてトドメに、中核を成す仲間達は一人も残っていません。もっとぶっちゃけてしまえば、ゲームに参加できるだけのギフトを持っているのは一二二人中、黒ウサギとジン坊っちゃんだけで、後は十歳以下の子供ばかりなのですヨ!」
「もう崖っぷちだな!」
「そして絶望的」
「ホントですねー♪」
十六夜と覇瑠徒の冷静な言葉にウフフと笑う黒ウサギは、ガクリと膝をついて項垂れる。口に出してみると、本当に自分達のコミュニティが末期なのだなーと思わずにはいられなかった。
「で、どうしてそうなったんだ?黒ウサギのコミュニティは託児所でもやってんのか?」
黒ウサギは沈鬱そうに首を振る。
「いえ、彼らの親も全て奪われたのです。箱庭を襲う最大の天災”魔王”によって」
”魔王”その単語を聞いた途端、適当に相槌を打っていた十六夜が初めて声を上げる。
「ま・・・・・マオウ⁉」
「魔王が敵なのかめんどいな」
瞳を輝かせる十六夜とは対象的に面倒くさいとがっかりする覇瑠徒だった。
「魔王!なんだよそれ、魔王って超カッコイイじゃねえか!箱庭には魔王なんて素敵ネーミングで呼ばれる奴がいるのか⁉」
「え、ええまあ。けど十六夜さんが思い描いている魔王とは差異があると・・・・」
「そうなのか?けど魔王なんて名乗るんだから強大で凶悪で、全力で叩き潰しても誰からも咎められることの無いような素敵で不適にゲスい奴なんだろ?」
「十六夜よ魔王は色々いるんだぞ、まあ俺は強大で凶悪な魔王の被害者なんだけどな、さらに言うと箱庭に来る前にずっと魔王と一緒にいたんだけどな。」
覇瑠徒の言葉はあまりにもぶっちゃけすぎていた。
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