サンシャイン渡辺   作:とすけ

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これにて完結……!!




クール千歌

 鞠莉ちゃんが部室に、一つ、千歌ちゃんによく似た、膝の丈ほどの小ささのメカ人形を置きました。その名もクール千歌。なんでも、最新鋭の学習機構を積んだAIらしく、適宜正確な応答を出せるそう。早速、初日から使用者が続出であります。

 

 

 おや、花丸ちゃんが血相を変えて飛び込んできました。何事だろう。

 

 

「千歌ちゃん千歌ちゃん!!大変だよぉ!!ルビィちゃんが飴を床に落として割ってがん萎えしてるずらー!!「我が心に一点の曇りなし……飴が正義だ……去るがいい……!」ってキャラ崩壊しながら図書室に篭ってるずらーー!!!あれは心が曇天に腐りきってるゲロ以下の臭いがプンプンするずらーー!!!」

 

 

 長いしメッチャ暴言なんですけど!!こんな子だっけ花丸ちゃんて!?

 私のツッコミでは最早役不足!!

 しかし、ここは『クール千歌』こと千歌ちゃんメカ。最新鋭の技術は伊達じゃない!

 

 

 

「なぁーーにぃーーー!!?やっちまったナァーーーッ!!!」

 

 

 

 目を赤く光らせて、絶叫するはクール千歌。なんでも、音声は千歌ちゃん本人がアフレコしたらしく……よく引き受けたなぁ。

 

 しかひ!あ、噛んだ。しかし!この後、花丸ちゃんは自ら考えた答えをクール千歌に言わなければならないのであります!正解するか、逃げ出すまで、クール千歌は同じセリフを言いつづけるのであります。地獄!圧倒的責め苦!!花丸ちゃんは果たして耐えられるのか!?

 

 製作を指揮した鞠莉ちゃん曰く「答えは自分で見つけた方が勉強になりまーす!!」だそうで……。

 

 

「じゃあ、花丸ちゃんは黙って!?」

「ル、ルビィちゃんのそばにいる!」

「ブッブーッッですわぁぁwww」

「ずらぁ……」

 

 あ、煽ったであります!

 製作を指揮した鞠莉ちゃん曰く「煽ることで負けん気を沸かせまーす!!」だそうです。ダイヤさんに聴かれても私は知らないからね!?

 それにしても、ムッとした花丸ちゃんの表情も可愛いですなぁ。

 

 

「花丸ちゃんは黙って!?」

「飴玉あげる!!」

「惜しい!そこまできといて答え出ないとかバカなの!?あ、バカだったww」

「な、ななな、なにを言うズラァーーーッ!!!許さん!!」

 

 

 激しく煽るクール千歌。ついに憤怒の花丸ちゃん、意外と煽り耐性が無いところも可愛い。

 

 

「花丸ちゃんは黙れ!?」

 

 

 あ、暴言。

 

 

「もういいずらこのバカロボット!!飴玉買ってくるズラァーーーーッッッ!!!」

「それ正解!!あげるんじゃなくて、買ってくる!!!」

「細かいズラァーーーーッッッ!!というかパシリズラァーーーーーーッッッ!!!ズラァーーーーッッッ!!!」

 

 

 

 こうして花丸ちゃんは、いつになく激しいダイナミズム的な、なんかすっごい動きで部室を出ていったのであります……。

 

 

 

 ***

 

 

 

「千歌ちゃん千歌ちゃん!大変なのよ!!私がベッドの下に隠してた成人向け同人誌の位置が動いてた!!これは親バレの可能性微レ存の件でゴザルゥゥッ!微レ存の可能性でゴザルーーーーーーゥゥッ!!!ヒイイイーーーーッ!!!」

 

 

 なんかヤバいオタク来たーー!!と思ったけど、梨子ちゃんなら納得………。驚かせるであります。それにしても、窓の縁に腰掛ける私に気づかないとは。よほどの動転のしようでありますな。ちなみに私見では、微レ存どころか親バレ確定コースでワロタ、であります。

 

 

 

「なぁーーにぃーーー!!?やっちまったナァーーーッ!!!」

 

 

 

 こんなにどうでも良い質問にも応対するクール千歌。意外と優しい仕様なのかもしれない。

 

 

 

「梨子ちゃんは黙って!?」

「隠蔽!!!」

「…………」

「…………」

「…………はぁ〜………」

「ま、ままままま!?」

 

 

 呆れた様なクール千歌のため息に、文字通り二の句を言えない梨子ちゃん。なんか憐れみが深い。

 

 

「梨子ちゃんは黙って!?」

「隠す!!」

「さっきと同じこと言っちゃってるよこの子、知能指数10しかないのかな。もぉー、私しんぱ〜い!」

「ほ、おほほほほ………」

 

 

 いつになく歪な笑いの梨子ちゃん。

 

 

「梨子ちゃんは黙って!?」

「あの、もしかしたら、バレてるかもなぁって……」

「それ正解!やっと現実が見えたねおめでとう!!!」

「あ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!!ヴゥワッハァァアッッン!!こんなん同じやて!誰が隠しても同じやてエエエエッッ!!ヒッヒィエエエエエッッ!!!運命を゛!あ゛ッッア゛ーーーッ!!変゛えだい!!」

 

 

 …………もう、何も言うまいて。

 私は、部室を後にする事を決めたのでありました。

 

 

 

 ***

 

 

 

 その後、低評価続出で、部室からクール千歌ちゃんが撤去されたことに関しては、まあ。当然の摂理といいますか。

 

 

 

 ***

 

 

 

 そして、目を覚ませば、窓の向こうに朝ぼらけ。

 悪夢にも慣れた私の日常は、これからも続く………

 

 

 〜fin〜

 

 




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