ハチマンくんとアスナさん   作:大和昭

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また作者が暴走しました!


第527話 何故彼は私の胸を見ないの!?

「おい、どうした?何があったんだ?………って、姉さん!?」

「あら、八幡君も参加したいの?」

「は、八幡、今は入ってくんなし!」

「ヒッキー、見ちゃ駄目ぇ!」

「わ、悪い」

 

 そこで八幡が目撃したのは陽乃が二人を背後から拘束し、

その胸をはだけさせ、直接揉んでいる姿であり、

八幡は慌てて部屋の外に飛び出すと、後ろ手にドアを閉めた。

 

「八幡君、何があったの?」

「………姉さんが二人を襲ってた」

「姉さんが?」

「そういう事……」

「という訳で男は今は中に入れん、明日奈、雪乃、頼む」

「分かった、任せて!」

「まったくあの人は………」

 

 二人はそう言って中へと突入していった。

 

「きゃっ」

 

 直後に明日奈の悲鳴が聞こえ、八幡は即座に中に突入しようとし、

すんでのところで思いとどまった。

 

「ぐぬ……」

「落ち着け八幡、こうなったらもう俺達に出来る事は何もない」

「そうだぜ大将、別に命の危険がある訳じゃないんだ、

ここはじっくり腰を据えて待つしかないだろ」

「それは分かりますが……」

 

 八幡は頭では納得しているようだが、気が気ではないのか、

ドアの前をうろうろと歩き回った。

 

「くっ……やっ……ね、姉さん?」

 

 そんな雪乃の声が聞こえ、味方が不利なのかと八幡は心配になった。

その後も我慢してひたすら待ち続けていた八幡の下に、クルスが駆けつけてきた。

 

「八幡様、何かトラブルですか?」

「おおマックス、実はこの部屋の中では姉さんが結衣と優美子相手にセクハラ三昧で、

今は明日奈と雪乃が姉さんを取り押さえようと頑張ってくれているはずなんだ」

「なるほど……でも中は随分静かですね、もしかして状況はこちらに不利ですか?」

「かもしれんが、俺が中に入る訳にもいかないしな……」

「分かりました、私も行ってきます」

「すまんマックス、頼む」

「お任せ下さい、それでは戦闘力の底上げの為に、私の頭を撫でて下さい」

「ん、そうか、分かった」

 

 そして周りの者が呆気にとられる中、八幡は平然とクルスの頭を撫でた。

 

「むふう、八幡様どうですか?今の私の戦闘力はいくつですか?」

「十万を超えて、尚も上昇中だ」

「それならいけそうです」

「よし、行ってこい」

「はい!」

 

 そしてクルスは部屋の中へ突入し、それを見ていた和人と伊丹はこう呟いた。

 

「クルスってあんな性格だったっけか……?」

「あのルックスにあのわがままボディであのノリ、大将が羨ましいな畜生」

 

 

 

「うう、やっとこのサラシを外せるよ……」

「あーしはともかく結衣はつらかったっしょ、よくここまで我慢したよね」

「だってヒッキーの前でノーブラになるのはやっぱり恥ずかしいし……」

「あーしは別に気にしないけど、結衣はまだまだ乙女だねぇ」

「そこは気にしようよ!?優美子だって乙女なんだし!」

「乙女だからこそ、むしろそういう目で見て欲しいってのもあるっしょ」

「まあそれはそうだけど……」

 

 部屋に入った直後に二人はそんな会話を交わしつつ、着替える為に上半身裸になった。

そのタイミングを見計らうように、声を掛けてきた者がいた。

 

「あら、入ってきていきなり裸で乙女対決?」

「あ、陽乃さんだ!」

「あれ、陽乃さん何でここに?」

「私はただの休憩よん、それにしてもガハマちゃん、相変わらずいい物を持ってるわねぇ」

「ひゃっ」

 

 陽乃はそう言いながら、いきなり結衣の胸を揉んだ。

 

「やっ、そこは駄目だってば」

「うん、これは中々……」

 

 陽乃は結衣の胸から手を離すと、手をにぎにぎした後に、その手を自分の胸に当てた。

 

「うん、まだまだ負けてない……か」

「うぅ……」

「三浦ちゃんはどうかなぁ」

「ひっ……」

 

 優美子は一応警戒してはいたのだが、

陽乃はするりと優美子の背後に回りこむと、両手で優美子の胸をわし掴みにした。

 

「ちょっ……」

「むむっ、この感触、張り、形、これはかなりの美乳ですね……」

「か、鑑定するなし!」

「確かにこれだけのものを持っているなら、大きさに拘らないのも頷けるわね」

「あーしは八幡がチラチラとあーしの胸を見てくる限り、これでいいと判断してるだけだし」

「優美子ちゃんも、意外と八幡君の事をよく見てるのねぇ……」

 

 陽乃は感心したようにそう言うと、優美子の胸から手を離した。

 

「ガハマちゃんも八幡君の視線を胸によく感じたりするのかしらね?」

「そ、それはまあいつもですけど……」

「むむっ、最近私は八幡君の視線を胸にはあまり感じないのに……どういう事!?」

「さ、さあ……」

「そんな事聞かれても……」

 

 その理由は簡単である。八幡にちょっかいを出しすぎたが故に、

最近八幡は、陽乃に会う度に、陽乃がいきなりおかしな行動に出る事を警戒し、

常に全体をぼ~っと見る癖がついているからだ。要するに陽乃の自業自得である。

だがそんな事は分からない陽乃は、ここで二人に対し、直接的な手段で原因を探る事にした。

 

「こうなったらとことんリサーチね、さあ二人とも、もっとよく胸を揉ませなさい」

「い、嫌です!」

「陽乃さん、さすがにそれは無いわぁ……」

「まあ断られても強引に揉むんだけどね」

「え、ちょ、ま、きゃああああ!」

「え、待って!い、嫌ああああああ!」

 

 陽乃は二人をトンッと軽く押し、並んで椅子に座らせると、即二人の背後に回り、

どういう理屈かは分からないが、自らの肘と腰を使って二人を動けないようにし、

そのまま二人の胸を好き放題に揉みしだいた。

直後にその悲鳴を聞いて、八幡が部屋に入ってきた。

 

「おい、どうした?何があったんだ?………って、姉さん!?」

「あら、八幡君も参加したいの?」

 

 陽乃はそう言いながら手の動きを止めた。その為結衣と優美子は喋る余裕が出来たが、

皮肉な事に、その事が逆に八幡を追い出す結果となった。

 

「は、八幡、今は入ってくんなし!」

「ヒッキー、見ちゃ駄目ぇ!」

「わ、悪い」

 

 八幡がそう言って直ぐに部屋を出ていった為、

陽乃は予想外の運の良さに、思わずこう呟いた。

 

「ありゃ、勝手に強敵が出てっちゃった、これはラッキー」

「あっ……」

「し、しまったし」

「一時的に見られる事になっても、ヒッキーに助けてもらえば良かった……」

「三浦ちゃんはむしろ、八幡君に見られたかったはずなのにねぇ」

「くっ、つい反射的に……」

「まあ今八幡君の後ろに明日奈ちゃんと雪乃ちゃんの姿が見えたし、

あの二人が来る前に、速攻で二人の胸をもてあそ……じゃない、研究しますか」

「やっ、あっ、だ、駄目!」

「い、今電流が走ったような……う、うあ……」

 

 そして二人は陽乃の持つ合気道の技術のせいなのか、

はたまた何か他の理由があるのか、くにゃりとその場に崩れ落ちた。

 

「さてと……あの二人は実力的に、この二人と同じという訳にはいかないわね、

とりあえず奇襲で一人沈めましょうか」

 

 そう呟きながら陽乃は、ドアの後ろに隠れた。

先に突入してきた者をスルーし、二人目を後ろから捕まえるつもりなのだ。

 

「出来れば雪乃ちゃんが後ろだといいなぁ、

その方が明日奈ちゃんの胸を長く研究出来るし」

 

 陽乃が言いたいのは要するに、先に捕まえた方は、

もう一人に備えて短時間で胸を揉んで落とさなければいけないという事なのである。

そうすれば、残りの一人をじっくりと研究する事が出来る。

陽乃にとってはその残りの一人が明日奈なのがベストだったが、

残念な事に先に突入してきたのは雪乃だった。

 

「姉さん!って、あ、あら?」

 

 雪乃は陽乃に気付かず、とりあえず正面でぐったりしている二人に駆け寄った。

直後に明日奈が中に入ってきた。

 

「雪乃、相手はあの姉さんだよ、気をつけて!」

「それはむしろ明日奈ちゃんに言うセリフかなぁ」

「えっ?」

 

 そして陽乃の手によりドアが閉められ、息をつく暇もなく明日奈が捕まった。

 

「きゃっ」

「それじゃあいただきまぁす!」

「えっ?な、何?や、やだ姉さん、どこに手を、って、あっ………」

 

 リアルでもそれなりに戦闘力のある方である明日奈も、

さすがに素手では何もする事が出来ず、あっさりと陽乃の毒牙にかかり、一瞬で落とされた。

 

「ふむ………申し分のないバランスと大きさ……

でもこれなら私も負けてないと思うんだけどなぁ……」

「姉さん、一体何を言っているの?というか何をやっているの?」

「ん?八幡君にチラチラと見てもらえる胸の研究だけど、

雪乃ちゃんにはまあ当分関係が無い事かなぁ」

 

 陽乃は久々に生身で戦った(と言っていいものか)せいか、気分が高揚していたのだろう、

迷わず自ら雪乃の地雷を踏みにいった。

あるいは久々にガチンコで姉妹のスキンシップを、等と考えていたのかもしれない。

だが雪乃は何故かその言葉に微動だにせず、陽乃は訝しげに雪乃に尋ねた。

 

「あ、あれ?雪乃ちゃん、怒らないの?」

「ええ」

「な、何で!?」

「だって私はついさっき、八幡君に胸の事を褒められたばかりですもの」

「な、何ですって!?」

「彼のあの、欲望に塗れた獣のような目……姉さんは最近彼に、

そんな視線を向けられた事があるのかしら?」

「な、な、な………」

 

 思わぬ雪乃の反撃に、陽乃は思わず放心した。

その隙を見逃さず、雪乃は陽乃を制圧しようと静かに動いた。

だが陽乃は雪乃から見ても恐ろしい程のスピードで雪乃の腕を取り、

そのまま背後に回ると、雪乃の服の裾から中に手を入れ、その胸を激しく揉み始めた。

 

「なっ……ま、まさか……」

「………」

「くっ……やっ……ね、姉さん?」

「………」

「こ、これはまさか無意識の産物だとでも言うの!?その状態でここまでの速度を……?

さ、さすがは姉さん、まだまだ私では敵わないようね……」

 

 そう言って雪乃もまた、陽乃に落とされた。

その重みで意識を取り戻した陽乃は、現状を理解してきょとんとした。

 

「え……い、今私は何を……まあいいか、せっかくだし……」

 

 そして陽乃はせっかくだからこの機会にとでも思ったのだろう、

存分に雪乃の胸を研究し、確かに雪乃の胸が昔より大きくなっている事を確認した。

 

「ふむ……確かにこれは……雪乃ちゃんもちょっと大人になったのね、

これは姉としては実に喜ばしい事だわ。でも八幡君に褒められたという事は、

八幡君もこの雪乃ちゃんの変化に気付いたという事よね、

むむむ、私とこの四人とで、何が違うのかしら……」

 

 直後に再びドアが開き、クルスが中に入ってきた。

クルスは鋭い目で周囲に視線を走らせ、一瞬で状況を把握すると、

正面から雪乃と陽乃に向かって突っ込んだ。

 

「状況把握、敵は強大、死角からの突撃を敢行」

「ク、クルスちゃん?う、うわっ」

 

 その行動に虚を突かれた陽乃は、まさか雪乃を突き飛ばす訳にもいかず、

そっと横にある椅子に雪乃を座らせると、正面からクルスと対峙しようとした。

その瞬間にクルスはスライディングの要領で、陽乃のスカートの中に滑り込んだ。

 

「きゃっ、な、な、何を……」

 

 この日の陽乃は遠い昔、マスタードーナツで偶然八幡と会い、

そこにかおりと千佳が現れ、会話の流れで葉山を呼び出した時に身に付けていた、

青いロングスカートを履いていた。

そのスカートの丈は足首まであった為、

クルスはそのスカートの中にすっぽり入り、そのまま立ち上がった。

 

「ちょ、ちょっとちょっと、む、むぐ……」

 

 クルスはそのまま陽乃を羽交い絞めにし、茶巾縛りの要領で陽乃を拘束した。

ご丁寧に何故か持っていた結束バンドで、

スカートの裾を陽乃の頭の上で縛る用意周到さだった。

 

「ミッション・コンプリート、八幡様、クルスは立派に仕事を果たしました」

 

 クルスは、ふんすっ、と得意げにそう言い、最初に雪乃を覚醒させた。

ちなみにその手段は、雪乃の頭にチョップを入れただけであった。

 

「えいっ」

「あ、あら……?」

「雪乃の覚醒に成功」

「クルス、来てくれたのね、ところで姉さんは?」

「拘束中」

 

 そう言ってクルスが指差した先には、パンツ丸出しでもがいている、茶巾の姿があった。

 

「あ、あれはあなたがやったの?」

「肯定」

「あの茶巾みたいなのが姉さん?」

「肯定、あの大人ぱんつがその証明」

「凄いわね……よくあんな事が出来たものだと感心するわ」

「だって八幡様の命令だよ?マックス的にはそれだけで戦闘力百倍っていうか、

不可能な事なんて無くなるんだよ、これこそ八幡様への愛の力だよね!」

「………」

 

 クルスは興奮したのか思わずそう言い、

雪乃に何ともいえない表情で見つめられている事に気付き、こう言い直した。

 

「偶然、幸運」

「私は同級生としてあなたのそういう部分も知ってるし、

驚いたりも気にしたりもしないから、別に言い直さなくてもいいわよ」

「羞恥」

「恥ずかしいなら気を抜かないようにしなさい、知らない人が聞いたら驚くと思うから」

「大丈夫だよ雪乃、八幡様にさえ引かれなければ他の人の評価はどうでもいいし、

マックス的には全然オッケーみたいな?」

「だからクルス、そうだとしても、恥ずかしいなら気を抜くなと言っているの。

というか、その状態でのセリフは滅多に聞かないから忘れてたけど、

あなた、自分の事をその名前で呼ぶのよね、それだけは凄く違和感だわ……」

「微笑」

「そういうのは口に出さなくても良いのだけれど……まあいいわ、三人を起こすわよ、

あなたは姉さんを見張ってて頂戴」

「承諾」

 

 そして雪乃は三人に活を入れ、その目を覚まさせた。

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