―深い闇だった
僕はきっとここからはもう出られない,そう思うほど暗く,深い闇にいた
闇を払い除けてくれる人はもう僕の傍にはいない
僕が一番信用してはならない人物を信用してしまったから
だから,舞さんは…
「っ…舞さん…紘汰さん…兄さん…」
彼らの顔を思い出す度自分がしてきたことを悔やみ,自己嫌悪に陥ってしまう
あれほど僕に“居場所”を与えてくれたら人達なのに
それなのに,僕は…
(ごめんなさい…ごめんなさい…っ)
何度謝ったって届くはずもないけれど,それでも謝らずにはいられない
兄さんはいなくなった,僕が殺したから
紘汰さんもいなくなった,僕が殺したから
舞さんは別の存在になってしまった,僕があんな奴を信じたから
そう,全ては僕のせいだから
『後悔はそこまでだ』
ふと,そんな声が聞こえた
「…誰だ」
その声は聞いたことがあるようなないような,そんな不思議な感じがして
周りを見渡してもそこにいるのはただただ闇ばかり
いったいどこからこの声は聞こえているのだろうか…
『混乱しているようだな』
「お前は誰だ!?どこにいるんだ…!?」
『ふふふ,この空間自体が“私”なのだよ』
「なんだって…?」
状況が理解出来ない
そもそもいったいどうして僕はこのような場所にいるのだろう
それさえも,分からない
『まあ,そんなことはどうだっていい
私はね,君にチャンスを与えようとしてるんだ』
チャンスだって…?
『君はこれからとある戦いに参加することになる
それに勝ち残れば君の望みはなんでも叶うだろう』
「…何が言いたい」
『つまりだ,君が勝ち残ったなら君の愛してる人だって元に戻る
そういうことだ』
本当にそんなことが有り得るのだろうか
既にこの世にいない人を蘇らせる,そんなこと本当に…
『それが,出来てしまうんだよ
万能の願望器“
「
『どうやら君には
だから私は君に会いに来た』
「でも…僕は…」
僕がこれまでしてきたこと,それは到底許されることではなくて
紘汰さんは“許す”と言ってくれたけれど
何より僕自身が許すことが出来なかった
『君がどう思おうと関係ないんだよ
だって君がその戦いに参加することは既に決定事項なんだから』
「…!」
戦いは強制なのか…
『まぁ,せいぜい死なないように頑張りなよ
望みがどうこうっていうのはその後だから…さ』
その言葉を最後に声は聞こえなくなり,また僕の意識も遠くへ落ちていった