真・女神転生X   作:QV

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タイトルのXは「クロス」と読みます。
多重クロス物が好きなので挑戦してみました。
二次創作初挑戦でもあります。


プロローグ

世界には二つの巨大な意思があった。

ある者は法と秩序の世界を望み、

またある者は自由と混沌の世を望んだ。

 

――(はざま)と呼ばれる、世界と世界の間隙に存在する空間――。

そこには何も無かった。

空も海も大地も、そこに息づくべき生命も何一つとして存在しなかった。

あるのはただ、永遠の静寂と果てしなく広がる虚空だけ。

……そのはずであった。

 

静寂を破り轟音が響き渡る。

虚空を切り裂いて閃光が走る。

二つの影が交差してはまた離れていく。

 

何も存在しないはずのそこで白と黒の二つの人影が戦っていた。

一人は白い衣に身を包んだ、どこか神々しさを感じさせる少年。

今一人は全身いたる所に不気味な黒いラインの走った半裸の少年であった。

 

白い少年が巨大な炎で焼き尽くそうとすれば、黒い少年は竜巻を創りだして炎を吹き散らす。

黒い少年が鋭く尖る光弾を雨あられと浴びせれば、白い少年は幾千もの連撃でこれを迎え撃つ。

持てる手を全て尽くし、互いの存在を否定する。

 

それぞれの世界で頂点に立つ両者の戦いは激しさを増していく。

 

神魔の最終戦争(ハルマゲドン)を思わせる激闘、だがそれを知るものは誰一人として存在しない。

……二人を巡り会わせ、戦わせた者達以外には。

 

間から遠く離れた、自らの支配する世界でそれらは待ち続けていた。

自ら愛し子と呼んだ少年が、

己の見出した最強の存在が、

自らのもとにもたらすであろう勝利の瞬間を。

 

己の全存在を委ねた大いなる意志のもと、二人は戦い続けた。

 

ふと、白い少年が足を止めた。

合わせて静止する黒い少年。

激しい攻防からうって変わり、相対する二人の間に不気味なまでの沈黙が広がる。

 

その沈黙を打ち破るかのように、白い少年から凄まじい力がほとばしった。

解放された力は巨大な五つの塊と化し、主の命を待つ猟犬のごとく周囲を飛び回る。

 

一方、黒い少年も対抗するようにその強大な魔力を体内の一点に集中した。

おもむろに口を開くと、喉の奥から光がせり上がってくるのが見えた

 

――これで、決める――。

必殺の意思を込めた視線が交錯する。

 

次の瞬間、

 

乱れ舞う五つの滅びの力が、

全てを貫く光の魔弾が、

相対する者の存在全てを否定する力同士が、

真正面から衝突し、炸裂した。

 

爆音が虚空に鳴り響き、荒れ狂う衝撃波と閃光の中に二人の姿が消えていった。

 

暫くの時がたち、ようやく閃光と衝撃波が収まると、

 

そこには、誰も居なかった。

 

先程までの激闘が嘘のように辺りは静けさを取り戻してゆく。

 

そこは再び、永遠の静寂と果てしなく広がる虚空だけが存在する空間となった。

 




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