思うように筆が進まず、一ヶ月も開いてしまいました(T_T)
――宗司たちが森に入る二日前――
「――と、まあこういうわけなんだけど……」
「……」
俺の話を聞き終えた大妖精は黙りこんでしまった。
まあ、無理もないか。こんな話を聞かされればなぁ。
すっかり暗くなってしまった外を見ながら、内心ため息をつく。
今、俺と田所先生、そして何故か付いてきた桜の3人は大妖精と一緒に職員室に集まっている。
もちろん、彼女に話を聞くのが目的ではあったのだが、意外にも彼女の方からも俺たちの話が聞きたいと申し出があった。
というのは異世界の人間である俺が、何故この世界――ボルテクス界のことを知っていたのかを知りたいのだそうだ。
別にメガテンのことを話すのは構わなかったので全て話したのだが、うっかり『東方Project』のことを漏らしてしまったのがいけなかった。
俺が幻想郷を知っていると気付き、何故知っているのかとしつこく聞いてきた。
最初は話すつもりのなかった俺も、流石にうんざりしてきてつい喋ってしまったのだ。
「あの~、大丈夫?」
「…………」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
……って、んなわきゃない。
完全に茫然自失って感じだな。
「全く……。何をやっているんだ、河原」
「無神経すぎるよ、宗司」
田所先生と桜がダメ出しをしてきた。これ、俺が悪かったのか?
とはいえ、今回ばかりは言われてもしょうがないか。
誰であってもいい気はしないだろう。
少し時間を置いて落ち着かせた方がいいかもしれないな。
そんなことを考えていると、大妖精が顔を上げた。
「あの……、げえむ?ってなんですか?」
……前言撤回、ただ単に『ゲーム』の意味が分からなくて考えていただけだったらしい。
考えてみりゃ当たり前か。幻想郷にゲームなんてあるわけがない。
ひょっとしたらあるところにはあるかもしれないが、一般に出回ってるとは思えないしな。
「ゲームっていうのは、なんて言うか……。まあ、遊びというか玩具というか、そんな感じのもの」
「はあ……」
「ほら、物語の本ってあるだろ?アレの主人公を自分で好きに動かせたり出来るんだよ。しかも、絵や音までついて」
「へー、何か面白そうですね♪」
しどろもどろだったが何とか通じたみたいだな。
何か目をキラキラさせてるし、興味があるのかな?
「ええと、それじゃあ宗司さんたちの世界では、私たちやこの世界のことが物語として伝わっているってことですか?」
「まあ、そんなところ」
ちょっとは驚いたようだが以外と平気そうだな。
そんなにショックではないのだろうか?
「え?だって私たちは幻想郷の住人ですよ?そんな話は慣れっこです」
と、笑いながら話す大妖精。
あぁ、そうか。そういうところだったな、幻想郷は。
外の世界から忘れられた存在が最後に行き着く楽園、だったか?
自分たちが空想の存在にされている、なんて今更な話だってことなんだろう。
「とにかく、宗司さんたちがこの世界について詳しいのは間違いないんですね?」
「ん?まあ知ってるといえば知ってるけど……」
「じゃあどうすれば幻想郷に帰れるかも知ってるんですね!?」
「え?は?」
何だって?幻想郷に帰る?
「教えてください!どうすれば私たちは幻想郷に帰れるんですか!?」
「ちょ、ちょっと!?」
興奮した様子で首元にしがみついてきた。
一体どうしたんだ?
「コラコラ、落ち着きなさい。そんなに詰め寄られたら話せるものも話せなくなる」
「あ、す、すいません」
先生の言葉に少しは落ち着いたらしく、元の席に戻った。
「すいませんでした。取り乱してしまって……」
「いや、落ち着いたんならもういいんだけどさ」
「とりあえず事情を説明してくれないか?」
「わかりました。これまでのことをお話します」
といって話し始めた。
今から2週間ほど前、彼女は友だちと一緒に湖で遊んでいたそうだ。
夕方近くなりそろそろ帰ろうとした時、突然地面が激しく揺れ、更にバシバシっと奇妙な光までもが走りだし、パニックのあまり気を失ってしまったらしい。
次に気が付くと辺りの様子が一変してしまっており、友だちと一緒にふらふらとさまよっている時にこの世界の妖精と出会い、妖精達の住む里に連れて行ってもらったそうだ。
その里――妖精郷というらしい――の長、妖精王からこの世界のことを聞かされ、何とかして幻想郷に戻るまでの間という約束で厄介になっているそうだ。
そして今日、妖精郷のある森から少し離れた場所でガキがうろついていたという話を耳にし、日頃世話になってる礼にと退治しに行ったら、戦ってる間にどこかに吸い込まれるような奇妙な感覚に襲われ、気が付くと俺たちの学校にいた、ということらしい。
ナルホドね。別の世界からやってきたにも関わらず、
ただなぁ……。
「わりぃ、多分力にはなれねぇわ」
「え……」
俺の言葉に信じられないといった面持ちで返事を返してきた。
「確かに、俺はボルテクス界について色々知っている。だけど、ここから他の世界へ渡る方法なんてのは聞いたこともない」
「そ、そんな……」
うう……、そんな泣きそうな顔しないでくれ……。罪悪感がハンパない……。
でも、どんなに泣きつかれてもコレばっかりはどうしようもないんだよなぁ。
俺が持っている知識はボルテクス界のものというよりはむしろ、
ゲームに登場しない情報や知識は、俺たちにだって分からない。
そして真Ⅲの作中にはそんな話は出てこなかった。
それに――。
「それに、この世界は私たちの知ってるボルテクス界とは違うみたいだからねぇ~」
「!?」
誰だ、今の?
驚いて周りを見渡すと、いつの間に入ってきたのか入り口にやたら小柄な女の子がいるのが見えた。
「こんばんわー♪」
「お邪魔します」
「お話中のところをすみません」
「こ、こんばんわ……」
なんかぞろぞろと入ってきたぞ……。
最初の小柄な子――と言うかぶっちゃけロリっ子、気が強そうなツインテール、お嬢様っぽいメガネっ娘、それにリボンをしたおとなしそうな子。なにこの萌えアニメの登場人物っぽい四人組。
……ん?気のせいか、どっかで見たことがあるような……?
「あ、あの」
「へ?」
記憶を探ってたらリボンの子に話しかけられた。
俺に用だったのか?
「さっきは助けてくれて、ホントにありがとうございました!」
「!?あ、ああ。さっきの」
そうだ。さっきグランドでガキに襲われてた女の子だ、
つい数時間前のことなのに気付かないとか、ボケボケにも程があるだろ俺……。
「私からも。妹を助けてくれて本当にありがとう」
「い、いや、大したことしてないし。それに助けたってのなら、そこの大妖精も一緒だし……」
姉らしきツインテールの子にまでお礼を言われて焦ってしまう。
「むっ……」
「おやおや」
桜、なんでコッチを睨む。先生もなに笑ってんですか。
「妖精さん、ありがとうね」
「あ、ありがとう。妖精?さん」
「いえいえ、いいですよお礼なんて」
とかやってたら姉妹は大妖精の方に行ってた。……もったいないなんて思ってないよ?
と、今度はロリっ子とメガネっ娘が話しかけてきた。
「私からもお礼を言わせて下さい」
「ホントにありがとね。私の親友を助けてくれて」
「いや、ホントいいってお礼なんて」
立て続けにお礼を言われて、背中がむず痒くなってきた。
「お礼にジュースを奢ってやろう♪」
「……サイダー9本でいいぞ」
……ロリっ子のセリフで一気に緊張が解けた。
コイツ、俺たちと同類か?
そう言えば、さっきのボルテクス界がどうとかってのはコイツの声だったな。
「おーい、飲み物かってき、た……」
「孝君?どうしまし、た……」
そこに飲み物を買いに行っていた孝と彰が帰ってきた。
「お、サンキュー。サイダー、サイダーっと。……どうした、お前ら?」
なんか入り口で二人仲良く固まってるんだが、何やってんだ?
「「い、い、い……」」
な、なんだ?二人して奇声を上げ始めた。
「「泉こなたぁぁぁ!?」」
「うえっ!?な、何?」
ロリっ子を指さして絶叫を上げる二人。
「そ、それにあっちにいるのは柊かがみとつかさ姉妹じゃねえか!!」
「”歩く萌え要素”高良みゆきまでいますよ!!」
「な、なによ。コイツら……?」
「お、お姉ちゃん……」
「”歩く萌え要素”ですか?」
急に騒ぎ出した二人に困惑気味の女の子たち。
そりゃそーだ。俺だって驚いてる。
コイツら一体何を騒いで……、
「ん?待てよ?」
”泉こなた”、”柊かがみとつかさ”、”高良みゆき”……?
「……あぁーっ!」
お、思い出した……。
「アンタまで叫ばないでよ……」
ツンデレツインテール『柊かがみ』。
「な、なんか固まってるけど大丈夫?」
天然リボン『柊つかさ』
「何かあったのですか?」
歩く萌え要素『高良みゆき』
「サイダー、いらないなら頂戴♪」
そして天下無敵のオタク娘『泉こなた』
アニメ化もされた大人気四コママンガ『らき☆すた』。
彼女たちはそのメインキャラクターだ。
……この後、俺が正気に返るまで30分かかった。
その間にサイダーをこなたに飲まれたのは言うまでもない。
……orz
何かシーンが進まない(´・ω・`)
登場人物の喋り方とか、何か違和感を感じたのならドンドン言ってきて下さい