末永く見守ってあげて下さい。
その日、
いつもは幼馴染と一緒に帰るのだが、たまたま別の友達と遊ぶ約束をしていたので先に帰ってもらった。
久しぶりのゲームセンターに熱中しすぎ、気付いたら日が傾きかけていた。
季節は夏。昼間あれだけ猛威を振るった太陽も、この時間になると流石におとなしい。
徐々に夕闇に沈みつつある住宅街の中、家路を急ぐ。
(夕飯食ったらいつも通りネトゲか……。それとも読みかけのラノベでも読むか?)
などと考えながら歩いていると、
「……」
前から子供が歩いてきたのに気付いた。
金色の髪に白い肌、明らかに日本人ではない。
人形めいた整った容姿の少年であった。
何の表情も浮かべていない顔が、人形らしさに更に拍車を掛けている。
(外国人?ここいらじゃ見かけない子だな)
と思いつつすれ違う。
そのまま歩き去ろうとした所で、ふと背中に視線を感じた。
「?」
後ろを振り返ると、さっきの少年が立ち止まってじっとこっちを見ていた。
無表情で見つめてくる少年に少々面食らう。
「……えーと、俺に何か用?」
戸惑いながらも尋ねてみた。金髪の少年が答える様子はない。
(迷子かな?)
近くの交番の場所を思い出そうとしていると、今まで無表情だった少年の顔に初めて変化が起きた。
ニッコリと笑顔を浮かべる。
能面のような顔から一転、満面の笑みを浮かべてきた少年に少なからず動揺する。
(なっ、何だ?俺の顔になんか付いてんのか?)
昼に食った焼きそばパンの海苔でもくっついてたか?と口元を手で拭うが何も付いていない。
身体を見回してみてもおかしな様子は何もなかった。
(何もない、よな?何なんだ一体?)
首を傾げつつ顔を戻す。
「あれ?」
少年は既に姿を消していた。
「何だったんだ?今の」
しばらくその場で首をひねっていたが、辺りがだいぶ暗くなってきた事に気付き我に返る。
「ま、いっか」
気を取り直して歩き始める。家までもうそんなにかからない。
辿り着いた頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。
そしてその頃には、少年の事は頭から綺麗サッパリ消え失せていたのであった。
玄関から自宅に入る宗司を、離れた路地からあの少年が見つめていた。
暗い路地にたたずむ姿は、まるで闇と一体化しているかのような錯覚を起こさせる。
顔には相変わらず、あの笑みが浮かんでいた。
まるで新しい玩具を見つけたかのような、無邪気さと少々の残酷さを感じさせる笑みであった。
「……見つけた」
一言呟くと、少年はそのまま闇の中へと姿を消した。
――これが後に、あらゆる世界を巻き込んで起きたとんでもない大事件の始まりであった。――
金髪少年……。
一体何ファーなんだ……(棒)