真・女神転生X   作:QV

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まさかの連続投稿

ようやくここまで来たぜ……


7:どうしてここに……

 驚いたように声を上げるヤツを睨みつけ、そのまま思いっきり力を込める。

 

「くぉのぉっ!」

「!?」

 

 ボグッという鈍い音とともに、腕が骨ごと砕けた。

 

「ギィヤァァァァァァァァァァッ!」

「うるせぇ!!」

「ガッ!!」

 

 叫び声を上げるヤツを殴り飛ばす。

 10メートルほど吹っ飛び、更に何度も地面にバウンドして進む。

 ようやく止まったころには、既にヤツはピクリとも動かなくなっていた。

 

「……」

 

 しばらくじっと見つめる。

 完全に動かなくなっているのを確かめ、俺は息をついた。

 そして、

 

「おらぁっ!」

「ブゴォッ!!」

 

 振り向きざまに背後に寄っていたもう一匹に回し蹴りをキメた。

 

カウント(1,2,3,)でもすればよかったか?)

 

 ヤツの首の骨が折れる感触を足に感じながら、そんな益体のない事を考えていた。

 

 

「宗司っ!」

 

 ようやくガキを全滅させ、一息ついてるとさっきと同じ声が聞こえてきた。

 振り向くと、声の主――桜が胸元に飛びついてきた。

 

「大丈夫!?どこも怪我ない!?私のこと、分かる!?」

「だ、大丈夫!大丈夫だから!」

 

 ちょ、ちょっと待て!いいから落ち着け!顔が近い!

 

「あ……」

 

 ようやく今の状態に気付いたのか、顔を真っ赤にして離れる。

 恥ずかしがるくらいならやるなよ……。

 と思いつつ、俺もちょっと顔が熱い。

 

「み、みんなは無事か?」

 

 ごまかすように話を振る。……ヘタレとかゆーな。

 

「校舎の方には何も出なかったみたい。みんなも、宗司が助けたあの子も無事よ」

「そっか。良かった」

 

 一時はどうなることかと思ったが、何とか切り抜けたみたいだ。

 もっとも、一件落着には程遠い。

 ヤツらは何者なのか?

 本当にメガテンの悪魔なのか?

 どこからやってきたのか?

 目的は何か?

 根本的な謎は解決していないままだ。

 

「ねぇ、宗司……」

「ん?」

 

 考え込んでいると、桜がおずおずと聞いてきた。

 

「さっきの宗司のアレ、何なの……?」

「……分からん」

 

 そんなこと、俺の方が聞きたいよ。

 桜の声が聞こえた途端、身体が動くようになった。

 というより、加速した意識に身体が追いついたって感じだった。

 それだけじゃない。

 身体ごと弾き飛ばすような力で振るわれた腕を片手で受け止め、

 受け止めた腕を力任せに握りつぶし、

 更にはパンチ一発、蹴り一発でその生命を奪う。

 ……そんなこと、普段の俺なら出来るはずがない。

 一体俺の身体に何が起きてるんだ……?

 

「あ」

 

 悩む俺の目に、地面に倒れたままの妖精の姿が映った。

 そばに駆け寄り、様子を見る。

 

「う、う……ん」

 

 うめき声をあげているが、それほど苦しそうでもない。

 背中の傷はそこまでひどくはない。流石に頑丈に出来ている。

 やっぱり、この子は……。

 

「宗司、この子って妖精……、なの?」

 

 一緒に来た桜が信じられないといった感じに聞いてくる。 

 

「まあ、見ての通りだと思う」

 

 虫のような形の透明な羽に、子供のような小さな身体。

 誰がどう見たって妖精だ。

 やはり女の子としてはファンタジーの象徴・妖精に憧れがあるのか、俺の言葉に目を輝かせる。

 と、思ったら急に不安そうな顔をして、

 

「この子も……、あの変な怪物達の仲間……、なのかな?」

 

 と問いかけてきた。

 そうであってほしくないというのが丸わかりだ。

 

「違うと思う」

 

 俺の言葉にわずかに表情を綻ばせた。分かりやすいヤツだ。

 

「この子はガキと戦ってた。しかも女の子をかばいながら、だ。ヤツらの仲間だったらそんなことしない」

 

 それに、と続けようとしたところで、

 

 ――それは起こった――。

 

「っ!!!???」

 

 地面がグラリと揺れる。

 それだけならまだ、ただの地震ですんだだろう。

 だがそれがワケの分からない閃光とともにやってきたなら、ただの地震なはずがない。

 たまらず地面に膝をつく。

 校舎の方からも悲鳴が上がっていた。

 

「な、何これ!」

「喋るな!舌を噛むじょ!」

 

 お、俺が噛んだ……。

 などと言いつつ、桜をかばって地面に伏せる。

 酔いそうなほど激しい揺れと、目も眩むほどの閃光が俺たちを襲った。

 しばらくそうやっていると、ようやく振動と閃光が収まった。

 地面から身体を起こす。

 

「桜、無事か?」

「う、うん」

 

 桜の安否を確かめる。若干顔が赤いが大丈夫のようだ。

 校舎の方を振り返る。元の通りそこにあった。崩れた様子もない。

 ……だが、その向こうに妙なものが見えた。

 

「……え?」

 

 最初はそれが何か分からなかった。

 いや、理解するのを脳が拒んでいたのかもしれない。

 それほどまでに非日常的で、そして見覚えのある景色(・・・・・・・・)だった。

 それは壁だった。

 垂直の壁じゃない。

 それは地平の端から緩やかに曲面を描きながら、上へ上へと伸びていた。

 ちょうど球を内側から見れば、こんな感じに映るだろう。

 そしてその壁に何かが貼り付いていた。

 不規則な形のそれは、歪な斑模様のようにも見えた。

 それが何か分かった時、俺は自分の目を疑った。

 

「うそ、だろ」

 

 それは建物(・・)だった。

 一軒家が、ビルが、高速道路すらも、壁を土台にして建っているのだった。

 明らかに重力やらなんやらを無視した作り。

 だが、それらは平然とあそこに建っている。

 その不自然さに身の毛がよだった。

 そして、俺はこの光景を知っている。

 もちろん、実際に見たわけじゃないが、それでも知っていると言えた。

 だが、

 

(そんな、馬鹿なことがあってたまるか……)

 

 その可能性を即座に否定する。

 当たり前だ。

 いくらアイツら(・・・・)が実際に現れたとしても、あの世界(・・・・)までホントに存在するなんて……。

 

「そ、宗司……。何、あれ?」

 

 桜の声に横を向くと、上を見上げて立ち尽くしていた。

 上?上に何が……?

 

「!?」

 

 今度こそ声をなくした。

 そして、ソレの存在は俺の誤魔化しを跡形もなく吹き飛ばした。

 曲面を描きながら、上へ上へと伸びる壁。

 それは延々と続き、俺達のいる場所の反対側でとうとう天井へと変わっていた。

 だが、俺から言葉を奪ったのはそれではない。

 青白く輝く球体。

 この球内世界を照らす太陽のように鎮座するそれは、俺にこの世界が何なのかをはっきりと示してみせたのだった。

 

「ボルテクス界……」

 

 『女神転生』シリーズの一つ、『真・女神転生Ⅲ』の舞台になった世界だ。

 『メガテン』の悪魔だけじゃなく、舞台となった世界まで現れた?

 もはや俺の頭では理解不能の事態が続いていた。

 コレ以上はどうにかなりそうだ。

 

「貴方は、この世界のことを知ってるんですか?」

 

 唐突に声がかけられた。

 振り向くとあの妖精の女の子が目を覚まし、驚いた顔で俺の方を見ていた。

 

「まあ、な」

 

 頭を搔きながら答える。

 とはいえ、どうやって説明したものか……。

 

「おーい、宗司!」

「宗司君!」

「河原ー!」

 

 考えているうちにみんなが来た。

 

「お、お、おい。この子!」

「な、何てことだ……」

 

 ああ、この二人ならこうなるだろうな。

 特に孝にとっちゃタイムリーな話だし。

 

「君、は?見たところ妖精のような姿をしているが……?」

 

 唯一冷静さを保っている先生が質問してきた。

 正直に言うと俺は彼女を知っている。

 だが、それが余計に彼女がここにいることを理解できなくさせていた。

 

「あ、そう言えば名乗ってませんでした」

 

 そう言って居住まいを正すと、彼女は緑色の髪(・・・・)を揺らしながらお辞儀をしてきた。

 

「初めまして、異世界の皆さん」

 

 まったく、

 メガテンの悪魔だけ(・・・・・・・・・)じゃなく、なんで彼女が……、

 

「私の名は大妖精。幻想郷という世界の住人です」

 

 『東方Project』のキャラクターがここにいるんだよ……。




いつから妖精の少女がピクシーだと錯覚していた?

ちなみに大ちゃんは仲魔にはなりません
……だって悪魔じゃないもん
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