「ふぁ?」
万丈目とのデュエルを終えた翌日、遊一にしては珍しく自分から起床した。
起床した遊一は、眠気がまだあるなか、ゆっくりとした足取りで自分の部屋のドアまで行き、ドアを施錠し、チェーンをかけ、おまけに“連鎖爆破“のチェーンを使い、開けられないようにした。
そして、そのまま洗面台に行き、いつもありえない場所に座っている顔面蒼白の少年に挨拶をし、顔を洗い、眠気をとる。
部屋に戻り、制服に着替えながら、TVから出てきた髪が異常に長く白い服を着た女性を、再びTVに押し込める、その際に「蹴らないで、蹴らないで」と泣いていたが、遊一は当たり前のように無視をした。
着替え終わり、屋根裏から出てきたきみの悪い女が遊一に襲いかかってきたが、いつも通りに撃退し、逆に女が遊一を殺したあとに詰めようとした屋根裏にあるゴミ袋に詰め込んだ。
相変わらず、心霊現象が絶えない部屋だな〜と遊一は思いながら、スクワットをした。
しばらく、ゾンビマスター達とデッキの相談をしていると、ドアが激しくノックされたが、遊一は無視をした。
「遊一!遊一!」
どうやら、ノックをしているのは十代のようだが、遊一は十代がどういう要件で朝っぱらから激しくノックをしているのかはわかっていたので、居留守をした。
面倒は嫌いなんだ。
「遊一、居るんだろ⁉万丈目の奴が島を出て行くって言ってるんだよ!」
そう、今日万丈目準は島を出て行く。
万丈目は、昨日行われた寮入れ替えデュエルで負けたら、退学すると決意。三沢とかいう同学年のイエローの生徒とデュエルをし、敗北をした。
そして、退学届けを提出し、明日、島を出ると昨日デュエルを行ったあと、万丈目がそう遊一に話した。
その時、万丈目が遊一に
「明日、見送りに来ないでくれ」
「何故?」
「来られたら、泣くから」
「把握」
と今にも泣きそうな準に言われたので、遊一は万丈目の見送りに行かないと決意した。
……だが。
「遊一、遊一!万丈目、万丈目!」
「うっせぇんだよ、この馬鹿!」
朝っぱらから、あまりにも十代がうるさいので遊一は頭にきて、ドアを開け、背負い投げでゴミ袋から出てきたきみの悪い女と貞子がカルタをしている方に、十代を投げた。
「なんじゃ、こりゃー⁉」
さすがの十代でもきみの悪い女と貞子のタッグには驚いた。
「朝からうるさいぞ、十代!」
「なにを騒いでるだよ……なんじゃこりゃ⁉」
「うわ、こわ⁉」
どうやら、例のきみの悪い女は他の生徒にも見えるようで、皆一同に驚いていた。
貞子は逃げていた。
「塩だ、塩⁉」
「あ、俺、お経読めるわ」
「え、ちょ、やめ⁉……ぎゃぁぁぁ⁉」
きみの悪い女の断末魔と生徒数人のお経が廊下から聞こえてくる。
翔がいたら、失禁している状況だ。だが、遊一は無視して逃げてきた貞子とデュエルをしていた。
「パワーボンド、サイドラ三体を融合、サイバー・エンドを融合召喚、異次元からの帰還発動、装備魔法団結の力、魔導師の力発動、さらにリミッター解除発動、さらに魔法石の発掘発動、リミッター解除回収、発動、魔法石、回収、発動、カードをセット、これにより、場はすべて埋まる、ワイトキングに攻撃、ダメステ時にオネスト」
「えぇ⁉」
攻撃力が面白い事になったサイバー・エンド・ドラゴンは貞子とワイトキングを一緒に焼き払った。
負けた貞子とワイトキングは泣きながら、TVのなかに帰っていたが、ワイトキングはもちろんTVのなかに入れないので、TVに激突し、さらに足の小指をTVを置いている台の角にぶつけ、悶絶した。
それと同時に今にも消えそうなきみの悪い女が泣きながら、廊下から帰ってきて、そのまま屋根裏に逃げ帰った。
廊下の方から、「勝ったぞー!」と何処ぞの勇者王に試合に負けて勝負に勝った英雄のように叫ぶレッドの生徒達の声が高、寮全体に響いた。
さすがにうるさいと感じた遊一はその場にいた全員を
ちなみに
そして、昼休みになり、いつも通りに食堂で食事を取ろうとしたところ、十代と雪乃と+αで、十代と取り巻きの翔とコアラと天上院とその取り巻き二人と原委員長が何故か雪乃と一緒に来た。
「……人数多いな、おい」
「ん、そうか?」
「そうかしら?」
ととぼける十代と雪乃だが、いつもの三人+六人、合計九人はいつもより絶対多かった。
遊一はこいつら……と思いながら諦めて、学食の激辛バーニングソウルカレーを食べる。
「迷惑だったかしら?」
迷惑そうな顔をして食べる遊一に天上院は少しだけ、気を使った。
「うん……っと言っても無駄なんだろ」
「何よ、その言い方⁉」
「失礼ですわ!」
遊一の言い方に噛み付く取り巻きの二人。
「失礼なのは、そっちだろ。席がまだたくさん空いているのに勝手に相席にしやがって」
デュエルアカデミアの食堂はかなり広く、生徒と教師が全員使っても、百席以上あまりが出るほど、余裕を作ってつくられているし、だいたいその生徒のうち、レッド寮の生徒の大半は自炊、イエローとブルーの少数の生徒も自炊である。
「それについては、ごめんなさい……雪乃が大丈夫だと言うから」
「麗華、気にしなくていいわ。彼、ツンデレだから」
原は不機嫌そうな遊一に謝るが、雪乃はニコニコしながら、そう言うと遊一を見た。
遊一は少し考えたのちに「はぁ……」とため息をつき、「勝手にしろ」と小さく呟くと雪乃は嬉しそうに笑い、「ね」という感じに原にウィンクをした。
遊一はツンデレとかではなく、ただこれ以上彼ら彼女らに関わるとろくな目にあわないと全神経が警告していたから、勝手にしろと思ったからだ。
だが、雪乃や十代と万丈目と絡んでいることを思い出し、どう足掻いとも面倒事に巻き込まれると理解し、もうどうにでもなーれとやけになった。
「そういえば、遊一」
「なんだ?」
十代がエブフライ定食の自分のエブフライを遊一のカレーのルーにつけながら、聞いた。
遊一はいつもの事なので、特に気にしなかった。
「今日、なんで万丈目の見送りにいかなかったんだ?」
「……万丈目に頼まれたからだ、だから、お前に手紙を渡したんだ」
実は遊一は昨日の内に十代に明日万丈目にあったら、この手紙を渡してくれと一通の手紙を十代に渡していた。
「いやさ、確かに手紙を渡されたし、万丈目に渡したんだよ」
「ふぅん」
「そして、手紙を受け取った万丈目がその場で手紙を見て」
「ほむほむ」
「号泣したんだよ」
「……ふぁ?」
「いや、だから、号泣して、手紙のなかに入っていたカードを大事に手に取りながら、遊一〜‼って泣いたんだよ、叫びながら」
「フォイ?」
遊一は確かに手紙にカードを一枚添え、手紙の文章は短く「待っているからな」と書いただけだった。
遊一は、まさか、それだけで号泣されるとは思わなかった……だが、それだけでも号泣してくれた万丈目に照れ臭い感じがした。
「……で、その後は?」
「いや、知らん」
「おい」
万丈目が号泣した後、どうしたのかが気になった遊一は十代に聞いたが、十代はその遊一の問いに対して、迷いなく「知らん」の一言で片付けた。
「その後すぐに船がでたから」
「なんじゃ、そりゃ」
役に立たないな。と遊一は思ったが、十代が先程から身体の節々を痛そうに触っていた。
「すまん、やりすぎた」
「気にすんな、遊一……だだ、今度から関節を曲げるのやめてくれない」
「わかったよ、外す」
「ごめん、言い換える……関節関係やめて」
「……了解」
渋々了解する遊一を見て、ほっとする十代だった。
それをクスクスと笑いながら、雪乃があの後を知らない十代の代わりに説明をしてくれた。
ちなみに何故雪乃が知っているかというと、万丈目が島から出ていくと聞いて、その時遊一がどんな反応をするかを見たくて来たが、遊一が居なくて、心底ガッカリしたらしい。だから、ついでに万丈目が、どんな感じで島を離れるかを見ようと思ったと雪乃は言った。
だが、麗華や遊一は実は何気に万丈目が心配なくせに……あんな風に言っているが、雪乃は本当は優しい娘で心配症だと知っている麗華と遊一はクスリと笑った。
雪乃は何故かクスリと笑った遊一と麗華の二人にムッときたが、とりあえず遊一に万丈目がどんな感じだったかを伝えた。
「彼、最後の最後、船に乗って、姿が見えなくなるまで、遊一遊一って泣いてたわ」
「……」
それを聞いた遊一は苦笑いをしながら、顔を赤くした。
顔を赤くする遊一を見て、ニヤニヤと笑いながら、雪乃はわかりきっていることを遊一に聞いた。
「あら、顔を赤くしてどうしたの?」
「恥ずかしいに決まってるだろうが!」
遊一はそう言うと、完食した学食のトレーを持って、席を立ち上がる。
と同時に全員が立ち上がる……どうやら、全員食べ終わったようだ。あと、全員ニヤニヤしていた……その瞬間、遊一の頭の中でマカデミアナッツみたいのが落ちてきて、弾けた。
「……おい」
「「「「「「「「?」」」」」」」」
「デュエルしろよ」
遊一は満面の笑みを浮かべ、デュエルを申し込んだ。
「動物虐待反対なんだ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「ぎゃぁぁぁ、僕のロイドがぁぁぁ‼」
「やめて!俺のヒーロー取らないで⁉」
「墓地が肥えない、儀式が使えない⁉」
「魔法も罠もモンスターも使えない……あひゃひゃひゃひゃ!」
「マテリアル怖いマテリアル怖いマテリアルマテリアル怖いマテリアル怖い怖い怖い」
「キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……」
「ふぅ〜、スッキリ☆」
ある赤帽子とある八人の生徒とのデュエルを見た生徒の感想。
「人間のやることじゃなかった」
「可哀……なんでもありません、許してください」
「まさに第六天だった」
「あれ……デュエル?」
「いや、虐殺だろ」
「サイバーマジ怖い」
「セット、魔法、罠、特殊召喚封じとかマジないわ〜」
「あれは酷かった」
「ご冥福をお祈りします」
「第六天様に虐められたい」
「むしろ、罵られたい」
「踏まれたい」
「男?だが、それがいい」
「第六天様、マジ第六天魔王」
彼の行ったデュエルは録画されていたが、それを見た者のほとんどがトラウマを抱え込んだとか、逆に遊一にデュエルを挑むサイバー中毒者がいたとかいなかったとか。
「システムダウン」
「……ひょ?」
いたとか、いなかったとか。
それから、また数日がたったある日のこと、遊一が翔に対してアンチ機械デッキを使っていたときである。
「ほれ、システムダウン」
「また⁉システムダウン⁈何積み⁉」
「三積み」
と遊一が翔と心温まるデュエルをしていたとき、十代が走ってきた。
「遊一!」
「なんだ、十代、デュエルか?」
「え、いいのか⁉」
「アンチヒーローでいいなら」
「ごめん、やっぱいいわ……じゃなぁい!」
十代はここに来た要件を思い出し、遊一に聞いた。
「フィアンセってなんだ⁉」
「ググれカス」
遊一はこいつ面倒事を持ってきやがった!と直感し、面倒臭そうに対応した。
だが、十代はそんなことでは諦めない。
「とにかく、ついて来てくれ!」
「え、いや……ちょ、やめ、はな、離して⁉離して!痛い!痛い!段差が!段差がぁぁぁ‼」
遊一はその時学校に来た日を思い出したとか。
主に走馬灯で。
「で?」
「君が雪乃君の自称フィアンセか‼」
十代に無理矢理連れて来られ、気付いたときには体育館にて、見知らぬ生徒に何やらいちゃもんをつけられていた。
その理由が雪乃のだったので、何故かいる雪乃を遊一は見た。
「……雪乃さん、雪乃さん」
「何かしら?」
「これ、どいうこと?」
「さぁ?」
クスリと笑う雪乃に若干苛立ちを覚えたが、いつものことなので何故かいる天上院に理由を聞いた。
何でも、遊一の女関係のだらしなさに見知らぬ生徒……先輩は苛立ちを覚え、自分ね代わりにある生徒に制裁してもらうとか、あと雪乃が遊一が自分のフィアンセとか言ったらしい。
そのせいで、遊一は自称雪乃のフィアンセと言っている馬鹿だとも、その先輩は思っているとか。
「はぁ……で、誰とデュエルするの?」
「俺だ」
「きみはゆくえふめいになっていたみさわくんじゃないか⁉」
「ずっと居た!」
え、マジで?
「まぁ、いいや」
「くっ、このデュエルで……」
「「デュエル‼」」
後攻小波遊一VS先攻三沢大地
通常デュエル
LP4000
「「デュエル‼」」
1ターン目 三沢大地
……うん、その、あれだ……わかってた、うん。
後攻だって、わかってた。
「俺のターンからだ!」
三沢のデッキは何だ?
……いかん、三沢がどんなデッキを使っていたか、思い出せん。
三沢のデッキって、インパクトないんだよな〜、模範的過ぎて……亮や十代、準みたいなチートドローは持っていないし、雪乃や原委員長みたいなガチデッキでもないし……微妙なんだよな〜。
あ〜、だから、二年生になるとやけに影が薄かったな〜。
って、三沢と一緒に卒業したっけ?
……ま、いっか。
「俺は“ハイドロゲドン“を召喚」
“ハイドロゲイン“
効果モンスター
星4/水属性/恐竜族/攻1600/守1000
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、自分のデッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。
ハイドロゲドン?
……あー、思い出した、ウォータードラゴンだ、ウォータードラゴン。
確か、ウォータードラゴンを出すための素材だったはずだ。
ハイドロゲドン二体とオキシゲドンが素材で必要だったけ?
確か……
2×H + 1×O = H2O
2個の水素原子 + 1個の酸素原子 = 水
2ハイドロジェン + 1オキシジェン = ウォーター
2《ハイドロゲドン》 《オキシゲドン》 《ウォーター・ドラゴン》
という水生成の化学式が元ネタだったはずだ、以外と面白いよな、このカード達は、俺は好きだな。
……十代に使えるし。
「俺はカードをセットして、ターンエンド」
三沢大地
LP4000
手札3
モンスター ハイドロゲドン
魔法、罠 セット×2
2ターン目 小波遊一
「さて、ワシのターン」
一人称はたまに変えたくならない?
「ワシはモンスターをセット、カードをセット……ターンエンド」
「なに?」
変えたくなるよね!
いや、別に手札が事故ってて、現実逃避をしているわけではないんだからね!ね!
……ちくしょう、事故った。
小波遊一
LP400
手札3
モンスター セット×1
魔法、罠 セット×2
3ターン目 三沢大
「今回はそういうデッキかい?」
「さぁ?」
いや、いつもは事故ならないなよ、いやこれマジだから、いつも事故るのは、大逆転クイズデッキだから。
あと、大型闇クリエイターデッキぐらいだから、いつも事故るの。
「……警戒はした方がいいな、俺のターン!」
オキシゲドンくるな、オキシゲドンデスト○イヤーくるな……
「俺は“オキシゲドン“を召喚!」
「ですよねー、叶いませんよねー」
“オキシゲドン“
効果モンスター
星4/風属性/恐竜族/攻1800/守 800
このカードが炎族モンスターとの戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、お互いのライフに800ポイントダメージを与える。
ステータスは悪くないが……能力が使えないんだよな〜、せめて、お互いじゃなくて、相手のみとか炎族によって墓地に送られた時とかなら、それなりに使い道はあったかもしれないな〜。
「行くぞ、ハイドロゲドンで相手セットモンスターを攻撃、ハイドロ・ブレス!」
セットモンスター 電池メンーボタン型 守100
“電池メンーボタン型“
効果モンスター
星1/光属性/雷族/攻 100/守 100
リバース:デッキから「電池メン-ボタン型」以外のレベル4以下の「電池メン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。
また、リバースしたこのカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキからカードを1枚ドローする。
「セットモンスターの電池メンーボタン型はリバースモンスター!
ボタン型の効果により、カードを一枚ドローし、さらにデッキから“電池メン“と名のつくモンスターを特殊召喚できる、“電池メンー単一型“を守備表示で特殊召喚!」
“電池メンー単一型“
効果モンスター
星1/光属性/雷族/攻 0/守1900
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は自分フィールド上に存在する「電池メン-単一型」以外の雷族モンスターを攻撃対象に選択できない。
ボタン型、はハイドロゲドンが吐き出した水に呑まれながらも、カードを一枚、俺に投げつける。その後、通りすがりの単一型に助けてくれ!と叫ぶと単一型は太った身体をせっせと動かし、俺の前まで来て、防御体制を取る。
それを見たボタン型は「私を助けて〜」と叫びながら、水に呑まれ消えていった。その間、単一型は微動だにしなかった……先週のプリンの件を寝に持っているな、単一。
「電池メンか……聞いたことのないカードだが、中々優秀みたいだな」
「まーな」
ホント、優秀だよ。主に漏電とか漏電とか漏電とか東電とか……いや、東電は優秀じゃないか。
なんか、将来とんでもないことを仕出かす予感☆
「だが、“ハイドロゲドン“が電池メンーボタン型を戦闘によって破壊したことにより、デッキから“ハイドロゲドン“を特殊召喚!」
「そんな効果あったな〜」
「そして、“ハイドロゲドン“で電池メンー単一型に攻撃」
「⁉」
な、なんで、守備力はこっちの方が……まさか⁉
「だが、その前に速攻魔法“突進“発動!このターン終了時まで、ハイドロゲドンの攻撃力を700ポイントアップ!スーパーハイドロ・ブレス‼」
“突進“
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで700ポイントアップする。
ハイドロゲドン 攻2300(1600+700)
「くそ‼」
ハイドロゲドンの吐き出した水は単一型は一時防いだが、ハイドロゲドンは防ぐ単一型に対して、さらに吐き出す水の量を増やし、単一型を流す。
単一型が流された水から、一体のハイドロゲドンが現れる。
「ハイドロゲドンの効果でさらにハイドロゲドンを特殊召喚!
そして、ダイレクトアタック!」
現れたハイドロゲドンは口から茶色の水を吐き出す……いかん、嘔吐物を考えてしまった……やべ、吐きそう……俺もハイドロ・ブレスしそう。
遊一 LP4000-1600=2400
「さらにオキシゲドンでダイレクトアタック!」
「うぷ……罠発動、“ガード・ブロック“……こ、この……せ、戦闘ダメージを、うぇ、無効にし……カードを一枚ドロー」
「だ、大丈夫か?」
顔色の悪い俺を三沢は心配してくれた……ありがとう、三沢大地。
多分、今後フルネームで呼ぶことがないから、今のうちにありがとう、三沢大地。
「大丈夫だ、問題ない」
吐きそうです。
「なら、いいんだ。俺は手札から“ボンディングーH2O“を発動!」
ですよね、持ってますよね。
わかってました、えぇ、わかってました。
“ボンディングーH2O“
通常魔法
自分フィールド上に存在する「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を生け贄に捧げる。
自分の手札・デッキ・墓地から「ウォーター・ドラゴン」1体を特殊召喚する。
「俺はハイドロゲイン二体とオキシゲドン一体を生贄に、デッキから“ウォーター・ドラゴン“を特殊召喚!」
“ウォーター・ドラゴン“
効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。
「ボンディング-H2O」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、炎属性と炎族モンスターの攻撃力は0になる。
このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を特殊召喚する事ができる。
出たな、三沢のエースモンスターで炎族と炎属性のメタカード。
三沢と同じで影が薄いウォーター・ドラゴン。
ハイドロゲドンはそれなりに使われるのに、影が薄いウォーター・ドラゴン……まぁ、素材の一体が使いにくいからね〜、仕方ないね。
でも、後半の効果は条件さえあれば、結構優秀なんだよね〜……条件が満たされることは稀だけど。
「俺はターンエンドだ」
三沢
LP4000
手札1
モンスター ウォーター・ドラゴン ハイドロゲドン
魔法、罠 セット×2
4ターン目 小波遊一
「お願いだから……ちくせう、モンスターをセット、カードをセット、ターンエンド」
「は?」
は?って、言いたくなるよね。
俺もだよ、この事故り方を見ると……まぁ、防御ができるだけ、ありがたい。
ってか、このカード来るのが遅いんだよ、どーすんの、これ?
遊一(主人公笑)
LP2600
手札1
モンスター セット×1
魔法、罠 セット×2
5ターン目 三
「調子が悪いのか?」
「絶☆不☆調!」
ドヤ顔で不調だと言い、あっはははと泣き笑いする遊一に、三沢は少し同情したが……これもデュエルだ、全力で叩きのめすのみ!
「行くぞ、メインフェイズに罠カード“転生の予言“を発動!
俺の墓地のハイドロゲドン二体をデッキに戻す!
そして、バトルだ、ハイドロゲドンでセットモンスターに攻撃!」
“転生の予言“
通常罠(制限カード)
お互いの墓地のカードを合計2枚選択して発動できる。
選択したカードを持ち主のデッキに戻す。
くそ、ハイドロゲドンの能力の再利用か……最悪だ。
「セットモンスターはボタン型。一枚ドローして、単一型を守備で特殊召喚」
「またか……だか、ハイドロゲドンの効果でハイドロゲドンを特殊召喚!
そして、ウォーター・ドラゴンで単一型に攻撃、アクア・パニッシャー‼」
ウォーター・ドラゴンが口から出された細い水は単一型を、いとも簡単に切り裂いた……え、水圧カッター?なにそれ、こわい。
「ハイドロゲドンでダイレクトアタック!」
「ぐふぅ⁉」
遊一 LP2400-1600=800
ハイドロゲドンはハイドロ・ブレスをやめ、遊一の腹めがけて、突進をかました。
もろに喰らった遊一はお腹を痛そうに抱きかかえながら、ドヤ顔をするハイドロゲドンを睨んだ。
「この……ヤロウ」
「……カードをセット、ターンエンド」
誰だっけ?
LP4000
手札1
モンスター ウォーター・ドラゴン ハイドロゲドン×2
魔法、罠 セット×2
6ターン目 小波遊一
あー、これ、ヤバイ。
久しぶりにヤバイな、これ。
このままだと負けるな〜……ん、そしたら、あの先輩が雪乃のフィアンセになって、俺は平和に過ごせるんじゃ……そうだよ、そうだよ!
別に負けてもいいんじゃん!
雪乃がいなくなるだけじゃん!
静かになるじゃん!
最高じゃん!
……でも
「負けるのは嫌いじゃん‼」
遊一は負けたくないという気持ちでカードを引く。
「俺のターン、ドロー‼」
そして、きたのは……
「俺は罠カード“リビングデットの呼び声“発動、墓地から電池メンー単一型を特殊召喚し、さらに単一型を生贄に……“充電池メン“を召喚‼」
“充電池メン“
効果モンスター
星5/光属性/雷族/攻1800/守1200
このカードの召喚に成功した時、手札・デッキから「充電池メン」以外の「電池メン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。
このカードの攻撃力・守備力は、自分フィールド上の雷族モンスターの数×300ポイントアップする。
「そして、充電池メンが召喚に成功した時、デッキから“電池メン“と名のつくモンスターを一体特殊召喚できる!
それにより、“電池メンー単三型“を特殊召喚!」
“電池メンー単三型“
効果モンスター
星3/光属性/雷族/攻 0/守 0
自分フィールド上の「電池メン-単三型」が全て攻撃表示だった場合、「電池メン-単三型」1体につきこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
自分フィールド上の「電池メン-単三型」が全て守備表示だった場合、「電池メン-単三型」1体につきこのカードの守備力は1000ポイントアップする。
「そして、単三型が特殊召喚したときに、伏せカードの速攻魔法“地獄の暴走召喚“を発動!
デッキから単三型を二体特殊召喚!」
「俺は、ハイドロゲドンを一体特殊召喚」
“地獄の暴走召喚“
速攻魔法
相手フィールド上に表側表示でモンスターが存在し、自分フィールド上に攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。
その特殊召喚したモンスターと同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から全て攻撃表示で特殊召喚する。
相手は相手自身のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、そのモンスターと同名モンスターを相手自身の手札・デッキ・墓地から全て特殊召喚する。
「これにより、充電池メンと単三型の効果により、四体の攻撃力は3000となる‼」
「な、ん……だと⁉」
充電池メン 攻3000(1800+1200)
電池メンー単三型 攻3000(1000×3)
三沢は一瞬、電池メン四体の攻撃力に焦ったが、自分の伏せカードが
「どうせ、ミラーフォースとか仕掛けてんだろ……甘いんだよ!
手札から“漏電“発動、“電池メン“と名のつくモンスターが三体以上存在する場合のみ、発動することができる、その効果は……相手フィールド場のカードを全て破壊する!」
「な⁉」
“漏電“
通常魔法
自分フィールド上に「電池メン」と名のついたモンスターが3体以上存在する場合に発動できる。
相手フィールド上のカードを全て破壊する。
四体の電池メン……いや、四本の電池から電気が漏電し、三沢の場を全て焼き尽くし、蒸発させるが……
「くっ、だが、ウォーター・ドラゴンの効果により、ハイドロゲドン二体とオキシゲドン一体を守備表示で特殊召喚」
漏電により、蒸発したウォーター・ドラゴンから三体のモンスターが現れ、身を守るために体を丸めるが
「電池メンー単三型三体で、その三体を攻撃!」
身を守るために体を丸めても、攻撃力3000の攻撃に耐えれるはずもなく、簡単に倒される。
そして、充電池メンが三沢に接近する。
「充電池メンで三沢にダイレクトアタック、電池裏拳!」
「ぐっ⁉」
三沢 LP4000-3000=1000
充電池メンは三沢の懐に潜り込み、三沢の無防備な腹に裏拳を叩き込む。
「……ターンエンド」
遊一
LP800
手札0
モンスター 充電池メン 電池メンー単三型×3
魔法、罠なし
7ターン目 エアーマン
そして、三沢のターンになり、三沢はデッキからカードをドローし、確認。
ため息をついて、三沢はデッキの上に手を置いた。
「打つ手がない……サレンダーだ」
三沢の顔は苦笑しながら、サレンダーを宣言した。
勝者 小波遊一