赤帽子の強制学生生活。 リメイク版   作:コジマ粒子の化身

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前回がわかる三つのこと!
誤字が大杉。
やっぱり、ガンキャノンは使えない。
ジムキャノンは無視される。
戸塚可愛い。
エーリカマジ天使


第十三話

ーーー万丈目準の日記。

 

○月×日

今日から日記を書くことにした。

別に毎日毎日、遊一遊一とうるさいから、先程船員に日記を投げつけられたわけではない。

決して、ない。

 

○月□日

今日、遊一から貰った手紙を再確認していた……そしたら、数十枚のカードが入っていた。

それは以前遊一とデュエルをしたときに遊一が使っていた攻撃力0の雑魚モンスターだ。

 

 

 

 

 

まぁ、その雑魚モンスターに俺は負けたんだが……。

遊一……遊一遊一遊一遊一ィィィ!

(この後も遊一と続いてたが、涙の後なのか解読できない)

 

○月◇日

朝起きたら、黄色のナマモノが部屋を歩き回っていた。

気のせいだと思う

今も黄、緑、黒色のナマモノ三匹が日記を書いている俺を凝視しているのは気のせいだろう。

 

○月△日

増・え・て・た!

朝起きたら、三匹いたナマモノが五匹になっていた!

次は赤色と青色だ、なんだ、お前らは戦隊物のつもりか!

お前らの見た目が気持ち悪いから、どちらかと言うと悪者側だ‼

(この後も何やら書かれているが、殴り書きのために解読できない)

 

○月○日

ナマモノ、いや、雑魚どもが俺に話しかけてきた。

気のせいだと自分に言い聞かせたが、人の周りで踊り出したので、頭にきて、返事をした。

そしたら、あいつら、アニキが返事した〜と喜んでいた……少し可愛いと思った。

だが、その後、こいつらのことが気になり、遊一に電話すると雑魚どもがカードの精霊だと教えられ、詳しく話せる奴を送ると言った。

数分後、破滅の女神ルインと何故かボディビルダーのようなポーズをとっているシャインエンジェルが三体現れた。

ルインさんから、色々と話を聞いた……そして、遊一が羨ましくなった。

途端、雑魚どもが可愛いと思った自分が恥ずかしくなった……いいな、霊使いとか。

 

○月▲様日

今、船が沈没しそうだ。

だが、俺は冷静だ。

その証にこうやって、日記を書いている。

別に逃げようとしたら、既にボートが一隻もなかったとかではない。

なんか、タコみたいな巨大な名状しがたい化け物が海を移動しているのを見ただけだ。

その化け物の頭の上に、黒髪ロングの女性が仁王立ちで高笑いをしていたところを見ただけだ。

ただ、それだけだ。

俺は冷静だ。

 

○月(凸)日

昨日、船が沈没したときにタコみたいな巨大な名状しがたい化け物の頭上に乗っていた女性に助けられ、現在そのタコみたいな巨大な名状しがたい化け物の頭上で日記を書いている。

ちなみに、タコみたいな巨大な名状しがたい化け物の頭上で高笑いをしながら、仁王立ちをしていたのは遊一の母親小波三神さんだとわかった。

 

なんか、その遊一の母親だといわれたとき、納得した。

何故だか、納得した。

 

そして、三神さんにノース校に行けと言われた。

ノース校とはデュエルアカデミアのノース校のことだろう。

俺が渋っていると三神さんは俺を抱きかかえ、跳躍した……やわら、いや、なんでもない。

三神さんが着地すると知らない島についていた。訳がわからなかった。

俺がこん…ら…ん、していると、みか…さんが、ここ…ノースこ…があ…と…てくれた…

(途中でインクがなくなりだしたのか、字が所々消えており、これ以上書かれていない)

 

日記発見者 ノース校校長 一ノ瀬

発見場所というか、小波三神に日記を投げつられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー小波遊一の日記。

 

十二月十三日

今日、久しぶりに日記を書くことにした。

理由はなんとなくだ。

 

十二月十六日

やはり、俺は継続してやることが苦手らしい。

三日も間が空いた、別に気にはしていないが。

そういえば、最近準から連絡がない……死んだか?

まさか〜。

 

十二月二十日

今日、雪乃と会ったが、かなり不機嫌だった。

の名前を呼ぶ度に殺気が増していた。

十代達は俺を見捨てて逃げやがった。

 

十二月二十一日

今日、大介が合コンに付き合ってくれ!と言ってきた。

無視をした。

だが、それでも諦めなかった。

だから、かかと落としを決めた。

少しの間、大介が記憶喪失になった。

僕は悪くない。

 

十二月二十二日

今日、散歩をしていたら、いきなりはすたー?とかいう幼児が襲ってきた。

とりあえず、攻撃を躱しながら、話を聞こうとしたが答えてくれなかったので、面倒だったから、近くにある川の浅瀬に向かって、背負い投げをして逃げた。

あと、ついでに角から出てきた犬をぶつけてやった。

 

十二月二十三日

今日、以前助けた小学生達に会った。

そしたら、俺がデュエルアカデミアの生徒かをやたらと聞いてきたので、そうだと答えた。

 

 

 

 

何か、取り返しのつかないことをした気がする。

 

そして、今日帰ったら、精霊達が明日パーティをするとか言ってきたので勝手にしろと言ったら、連行された。

そんな意味で言ったつもりはなかったのになー。

 

十二月二十四日

今日、精霊界でクリスマスパーティをした。

戦士族が飲みまくって、悪魔族はそろを煽って、魔法使い達が芸をして、昆虫族が光って、ドラゴン族が暴れて、爬虫類族が笑ってなどなど、全員好き勝手に暴れた。

たまにはいいものだなと思いながら、俺が場酔いで倒れるのをまっている馬鹿共に地砕きを使いながら思った。

その後、軽く場酔いしてしまい、その際にバスガイドみたいな服を着た赤い髪にツインテールの少女から数枚の書類を渡され、サインしてしまった。

 

俺は取り返しのつかないことをした気がする。

 

十二月二十五日

今日もクリスマスパーティに出た。

まぁ、精霊界ではなく現実世界の方で、雪乃に呼ばれた。その時、雪乃と何故かいたエリアの二人が同じ席に座ったのだが、二人とも終始ニコニコと笑っていた、何か怖かった。

誰も助けてくれなかった。

 

あと、雪乃の服がエロかった。胸元が開いていた。

 

十二月二十七日

一日空いたがが書く。

昨日は早めの大掃除をした。

その後、精霊界の役所に行き、色々と手続きをしていると、何故か所持精霊が一気に増えていた。

知らないシリーズのカードを一枚ずつ渡された。

意味がわからなかった。

 

十二月二十八日

久しぶりに両親が帰ってきた。

だから、豪勢にしようと買い物をしていたら、同い年ぐらいの男性と食品の取り合いとなった。

だが、相手は妹に美味しいものを食べさせてやりたいと涙目になりながら言ってきたので、譲った。

そしたら、タロットで占ってくれた……可哀想な人を見る目で見られた。

 

十二月二十九日

今日、地元の神社で掃除の手伝いをさせられた。

暇だから散歩をしていたら、変な神主に捕まった。

愛神室街では常識に捨てるものらしい……まぁ、確かに俺の家のお隣さんは魚みたいな顔をしているしな。

 

十二月三十日

そういえば、あれから精霊が急激に増えたことが気になっので、調べてみたが、どうやら精霊界のクリスマスパーティの際に赤い髪の少女が出してきた書類が精霊との契約関係の書類だったらしく、俺は知らないうちに契約していた。

 

やられた。

 

とりあえず、その赤い髪の少女を見つけたので、拷問車輪と海のセットの水攻めで歓迎してあげた。

 

死ぬ死ぬ!

 

と喜んでくれた。

 

十二月三十一日

飽きた。

書くのを辞める。

もう少しで、学校だ。

寝る。

 

一月一日

一応、締めくくりとして書く。

今日、十代達と共に地元の蓮田亜神社、別名ハスター神社で新年の挨拶などに行った。

女性陣が着物を着てきた、眼福物だった。後、丸藤兄弟も着物を着てきていたが、亮は無駄に似合っていたが、くそ眼鏡は七五三みたいだった。

その後、十代が俺達も着てこようぜ!と言い出したので、着るハメになった。

 

あれ、意外と動きにくいんだな。

おかげで走っている車を追い越すのに一分もかかってしまった。

 

また、蓮田亜神社ではデュエリストのために大会が開かれており、その大会では甲冑や鎧などを着なければならないらしい。

面白そうだなと思い、焼き鳥を食べている十代と大地、綿あめを幸せそうに食べている亮に出てみるか?と聞いたら、俺だけが出ればいいとあの三人が珍しく出ないと言った。

こういう行事なら出たがりそうだけどな〜と思いながら、俺だけが出ることになった。

 

結果?

暗黒界は安定してるなと思いながら、優勝しました。

 

最後に、日記を書き終えたら、精霊界に行かなければならない。

 

一月三日

最悪だ。

 

一月四日

最悪だ。最悪だ。最悪だ。

 

一月五日

最悪だ。

地縛神とダークチューナー、ダークシンクロとSin、No.のカードの封印が解かれ、さらには盗まれた。

カードの警護に当たっていた三邪神、三極神達は何者かに敗北し、カードの封印を解かれ、盗まれた。犯人はわかっている、高寺だ……いや、高寺らしきモノだ。

あいつ、まったく見ないと思ったら、くそ。

とにかく、高寺らしきモノ……いや、ファントム・オブ・カオスの野郎を見つけて、今度こそ復活出来ないように永久凍土に封印してやる。

だが、奴らはダークチューナー、ダークシンクロンは使えないはずだ。何故なら、デュエルディスクがチューナーとシンクロ、エクシーズを認識できないからだ……今は。

そう、今はだ。

だから、さっさと見つけて、回収しなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小波遊一はデュエルアカデミア行の船”鯛谷多突苦(タイタニック)号”の船内の中で、二週間前に起きた封印が解かれ、カードが盗まれたさいの被害報告書に眼を通していた。

ほとんどのカードの精霊を使役しており、精霊界に自由に往復できる遊一は精霊界の事実上の長でもあった。だが、遊一がそんなことを認めるはずもなく、三幻神や三極神に精霊界は任せている。

それでも、一応長なので、色々と書類に眼を通さなければならなかった。

 

「はぁ……」

 

「どうした、遊一?」

 

何時もよりも深いため息をした遊一が気になった十代は船内で販売している”インスマフランクフルト”を食べていた。

インスマフランクフルトとは、魚のような風貌をした店員が売っている魚肉ソーセージのフランクフルトである。味は美味いが、店員の魚面(ぎょめん)さんという男性から強い異臭がするので、買おうとは思う人は少ない。

 

ちなみに、この魚面さんにはエラがある、水掻きがあるなどの噂話が街やデュエルアカデミア以外であり、以前何処ぞの誰かがわざわざ愛神室街まで来て、その真意を調べていたが、行方不明になった。

愛神室街ではよくあることだ。

人が死ぬことよりも、行方不明や発狂の方が断然多い。ただし、愛神室街に生まれ育った人間は、行方不明にはあるが発狂はしない。

 

「……ちょっとな」

 

「ふ〜ん、そういえば、魚面さん。また、エラが出てたぜ」

 

「またかよ、あの魚人」

 

ちなみにデュエルアカデミアの生徒や愛神室街の人間は魚面さんが、人間ではなくインスマンスという魚人だと知っているので、何故その人が魚面さんを調べていたかは知らないが、魚面さんがエラと水掻きのことは黙っていてくれと皆言ったからだ。

黙らなかった場合?

行方不明になりますけど、家族ごと。

 

「しかし、学校か久しぶりだな〜」

 

「あぁ、そうだな……」

 

「……遊一のせいじゃねぇよ」

 

「そんなもん、わかってるが胸糞悪い」

 

先日、高寺の遺体が発見された。

自宅で、しかも、見つかったのは高寺だけではない、高寺の家族全員の遺体が高寺の家で発見されたのだ。

死因は不明、死体の状況も報道されなかったが、警察が俺を訪ねてきた。

 

理由は高寺の部屋に俺の写真や住所、電話番号からよく行く店、デュエルのスタイル、デッキなどが書かれた書類が大量にあったからだ。警察は最初はストーカーか?と睨んだらしいが、高寺の部屋にあるタンスの中に俺への恨みを書いた紙が貼られていたからだ。

だから、警察は最初は俺を疑ったが、高寺の死因や俺と高寺の接点がほとんどなく、前に俺がクロノス先生に高寺が作ったオカルトブラザーズの部室が何処にあるかを聞いたぐらいしか、接点はなく、高寺の逆恨みではないかとも警察は考えている。と三日前にテレビで報道された。

ご丁寧に俺の名前とデュエルアカデミアに通っていることまで親切に報道してくれたのだ。

 

「はぁ……」

 

しかも、俺がまるで高寺を殺したように報道した。

おかげで、三日間マスコミに張り付かれ、さらには今日デュエルアカデミアに行くときにまでも、ついてきた。

それもあってか、さっきから、周りからの視線がうっとおしい。

まるで、人を化け物かのように見る目、ひそひそと小声で話し合う声、誰も近寄ろうとは……。

 

「あら、おはよう、遊一」

 

雪乃が当たり前のように近付き、俺の隣に座る。

 

「……せっかく、誰も近寄ろうとはしなかったって言えると思ったのに」

 

「残念、すでに十代の坊やが隣にいるわよ」

 

「あー、そうだった、忘れてた」

 

「ひでぇぞ、遊一」

 

笑いながら、俺は十代に謝った。

その時、遊星の言葉を思い出した。

 

”お前が、どんな人間だろうとも俺達との絆は変わらない。

俺達は仲間だ、俺達全員で5D,sだ”

 

以前、今回と似たようなことがあったが、遊星は遊星達は俺のことを見捨てなかった。

 

”ふん、貴様がいなくなったら、誰がメシを作る”

 

”なーにが、メシを作る奴がいなくなるだ。一番心配してくせによ”

 

”く、クロウ、貴様‼”

 

”あっははは、安心しろ、遊一!

俺達はお前を見捨てねぇ!”

 

”そうよ、遊一。

私達は貴方を見捨てない、貴方が私を見捨てずに救ってくれたように”

 

”へへ、こんだけで、遊一を嫌いになるもんか!”

 

”安心して、遊一。私達が側にいるから”

 

”遊一……”

 

懐かしい声が頭の中に響く。

 

「なぁ、十代」

 

「ん?」

 

「どうして、俺を心配してくれるんだ?」

 

「そんなもん、簡単だ!」

 

十代は笑う、遊星と同じように

 

「俺達は」

 

”俺達は”

 

「友達で、仲間だからな!」

 

”友達で、仲間だ”

 

言った。

 

「……やっぱ、お前らはかっこいいわ」

 

「?」

 

「気にすんな、十代」

 

ホントに十代も遊星も人たらしで、お人好しだね〜。

だから、嫌いになれないんだよな。

 

「遊一、私もよ」

 

「ありがとう、雪乃」

 

「ふっふふふ、いいえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、デュエルアカデミアに着き、俺は最後に降りた。

俺が降りると、先に降りていた生徒のほとんどが俺を避けるようにチリチリに散った。

お前ら、バラしてやろうか。

 

「大変だったな、遊一」

 

大地と神楽坂 忍がいつものように話しかけてきた。

 

「……よ、大地と忍」

 

「神楽坂にしてくれない、僕、忍って名前あまり好きじゃ……」

 

「えー、マジでー、ちょー、ありえー、ないですけどー」

 

「遊一、ストレス溜まってる」

 

「そりゃ、行く先にマスコミがいて、俺を殺人犯のように扱えばね」

 

行く先、行く先にマスコミがいて、人を殺しておいて、悠長に買い物をしている、最低だ!みたいなことを言われ続ければ、ストレスも溜まる。

ついでに、性欲も。

気付いたら、家中盗聴器と盗撮カメラだらけで、家の付近にマスコミが見張ってれば、ストレスも性欲も溜まる。

 

「遊一は大変そうだな」

 

「まぁ、そのうち、何とかなるんじゃないの〜」

 

「なんか、適当だな」

 

「ん〜、多分、俺ん家を監視していたマスコミの大半は行方不明になるだろうし」

 

「「「「え?」」」」

 

遊一の発言に目を丸くして、驚く十代、雪乃、大地、神楽坂の四人。だが、遊一は特に気にせず、話を続ける。

 

「盗聴器が仕掛けられていたから、あいつらがいる場所に盗聴器代り(AOJ)を配置したんだよ。

そしたら、愛神室街は行方不明者と発狂者が日本で一番多いって、気付いちゃって、それを調べるって言ってたから、行方不明になるよ」

 

そこにいた愛神室街出身以外の人間が誰もが思った。

 

((((え、なにそれ、こわい))))

 

ついでに、愛神室街出身の人間も思った。

 

((((愛神室街だしなー))))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんながありながら、始業式が始まり、校長の長い話を聞いた生徒一同はうたた寝をしながら、教室に向かい、各自の席に着いた。

いつものように、全員が席に座るなか、遊一だけが席に座らず、自分の椅子を無言で見ていた。

 

「どうした、遊一?座わんねぇのか?」

 

十代がそれを言うと遊一は椅子の上を埃を払うような仕草をし、椅子に座った。

埃を払うような仕草をしたときに、何か金属が床に落ちたような音がしたが、それに気づいたのは遊一本人だけである。

十代は周りの喧騒で聞こえず、雪乃は回り込んでいる途中だったので、誰も気づかなかった。

 

「……ゴミがあったんだ」

 

「ふぅん、掃除のし忘れか?」

 

「あぁ、”掃除”のし忘れだ。ちゃんとゴミは”掃除”しないとな」

 

無表情で冷静な口調で言いながら、遊一は落ちた画鋲を踏み砕いた。

 

 

 

 

 

 

しばらく、目をつむり、先生達を待っているとクロノスを筆頭に先生達と見知らぬ青い髪の生徒二人が入ってきた。

先生達が教室内に入ってくるとき、遊一を見て、苦い顔をした。それを見たクロノスは「ふん」と鼻で笑い、無表情な遊一を見た。

 

(今のショニョール小波は様子が変なノーネ。

ただでさえ、マスコミや世間に殺人犯扱いをされてるノーニ、先生である私達が、苦い顔をするなんてダメなノーネ)

 

クロノスは、苦い顔をした先生達を心の中で貶しながら、報告事項や挨拶などを済ませ、一緒に入ってきた二人の生徒を前に出した。

 

「今日からみなサーンと同じデュエルアカデミアの生徒になった。生徒を紹介するノーネ、まずは」

 

「わたくしから」

 

そう言って、クロノス先生達と一緒に来た生徒の一人がさらに前に出る。

 

「わたくしの名前は海野幸子。わたくしのようなエリートと学べることを光栄に思いなさい」

 

偉そうな口調……否、自分が偉いと言わんばかりの口調で言った海野幸子。

周りはなんだよ、あいつ……という雰囲気になったが、そんななか遊一が鼻で笑った。

 

「は……エリートねぇ、笑える」

 

「……何ですの、貴方は」

 

「別に自称エリートを笑っただけだが」

 

遊一はニヤリと笑う。

そんな遊一を見て、十代はおかしいと思った。普段の遊一なら、小声で「面倒そうな奴だなー」と言うはずなのだが、遊一は自分から相手に喧嘩をふっかけた。

これも面倒臭がりの遊一にしては、かなり珍しかった。

 

「よく見れば、貴方は小波遊一ではありませんか」

 

「あ、だから、どうした?」

 

「人殺しがよく学校に来れますわね、呆れますわ」

 

それを聞いた瞬間、遊一の顔から笑みが消え、無表情となる。

周りの空気が凍り、生徒全員が遊一を見ないように目を逸らした。

十代が遊一に落ち着くように言うが、無視している。

 

「デュエルをしましょう」

 

「あ?」

 

「わたくしが勝ったら、貴方はデュエルアカデミアを退学してくださいませ。

仮に貴方が勝ったら……なんでも言うことを聞きますわ」

 

「……上等!」

 

遊一はあの日の凶悪な笑みを浮かべ、跳躍し、海野の前に降り立つ。

 

「わたくしに勝てるつもりで?」

 

「あぁ、当たり前だ」

 

「……ふん、後悔するといいですわ」

 

もうやる気が満ちている二人を見て、先生達ともう一人の生徒はさっさと逃げた。

クロノスはため息をついた。

 

「じゃあ……」

 

「「デュエル!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後攻 小波遊一VS先攻 海野幸子

賭けデュエル

LP4000

ーーーデュエルスタンバイ。

 

 

 

「「デュエル‼」」

 

 

 

 

1ターン目 先攻 海野幸子

 

「まずはわたくしのターン、ドロー」

 

海野は相手、小波遊一を見る。

彼の噂なら、何度か耳にしたことがある。第六天魔王織田信長のように傍若無人、我儘、気に入らない者は切り捨てる、残酷なデュエルをするなどなどと悪名高いことを常日頃から行っているとテレビで報道されていた。

海野はそんな小波遊一が許せなかった。まるで、自分が世界の王だと勘違いし、人々を苦しめる第六天魔王と呼ばれる小波遊一が。

 

「倒しますわ、わたくしはフィールド魔法”海”を発動いたしますわ!」

 

”海”

フィールド魔法

フィールド上に表側表示で存在する魚族・海竜族・雷族・水族モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

フィールド上に表側表示で存在する機械族・炎族モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントダウンする。

 

二人の足元に広大で底が深い海が広がる。

まるで、二人はその海面に立っているようだった。

 

「そして、”マーメイド・ナイト”を召喚」

 

”マーメイド・ナイト”

効果モンスター

星4/水属性/水族/攻1500/守 700

「海」がフィールド上に存在する限り、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃をする事ができる。

 

上半身が美しい女で下半身が魚になっている女が剣と盾を持ち、遊一に向かって構える。

 

「”マーメイド・ナイト”は魚族……よって、攻撃力が200ポイント上昇ですわ!」

 

マーメイド・ナイト 攻1500+200=1700

 

「そして、カードをセットして、ターンエンドですの」

 

 

 

海野幸子

LP4000

手札3

フィールド魔法

海(+200)

モンスター

マーメイド・ナイト 攻1700(1500+200)

魔法、罠

セット×2

 

 

 

 

 

2ターン目 後攻 小波遊一

 

海か、懐かしいカードを使うな〜。でも、俺アトランティスの方が好きだし……まぁ、シンクロエクシーズには使いにくいカードだけど。

 

「俺のターン、ドロー」

 

さてさて、久しぶりに自分から面倒そうなことに首を突っ込んだな。

まぁ、俺が馬鹿にされているのは、ぶっちゃけ、どうでも良かったんだよね。

 

「俺は手札の”アトランティスの戦士”の効果発動。

このカードを墓地に送ることにより、デッキから”伝説の都アトランティス”を手札に加える」

 

”アトランティスの戦士”

効果モンスター

星4/水属性/水族/攻1900/守1200

このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。 

デッキから「伝説の都 アトランティス」1枚を手札に加える。

 

頭にきたとか、そういうわけではなくて……。

 

「”アトランティスの戦士”の効果で、手札に加えたフィールド魔法”伝説の都アトランティス”を発動」

 

「⁉」

 

二人の足元に広がっていた海は水位をあげ、二人を包み込む。

一瞬、何人かの生徒はブラ透けキタ⁉と喜びそうになったが、二人を包んだ海はソリッド・ビジョン、映像だ。濡れるはずがない、

それを理解した瞬間、喜びそうになった生徒は全員落胆した。

 

海は二人を包み込むと、二人は深海まで降りていた。そして、二人の間の背景には伝説の都アトランティスがあった……そして、その伝説の都の近くで、巨大な”何か”が動いたように遊一は見えた。

 

「……俺は”ギガ・ガガギゴ”を召喚」

 

”ギガ・ガガギゴ”

通常モンスター

星5/水属性/爬虫類族/攻2450/守1500

強大な悪に立ち向かうため、様々な肉体改造をほどこした結果恐るべきパワーを手に入れたが、その代償として正義の心を失ってしまった。

 

相変わらず、言いにくい名前だな〜、ギガ・ガガギゴ。

 

「な、何してますの⁉」

 

「あ?」

 

「”ギガ・ガガギゴ”はレベル5!生贄なしには……」

 

「ん、アトランティスの効果知らないのか?

アトランティスはお互いの手札、フィールドの水属性のモンスターのレベルは1下がるぞ、あと攻守を200ポイントアップ」

 

「な⁉」

 

”伝説の都アトランティス”

フィールド魔法

このカードのカード名は「海」として扱う。

このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

また、お互いの手札・フィールド上の水属性モンスターのレベルは1つ下がる。

 

「というわけで、”ギガ・ガガギゴ”と”マーメイド・ナイト”は」

 

ギガ・ガガギゴ レベル5→4 攻2450→2650

 

マーメイド・ナイト レベル4→3 攻1500→1700

 

「といわけだ……”ギガ・ガガギゴ”で”マーメイド・ナイト”を攻撃!」

 

ギガ・ガガギゴは狂ったように雄叫びをあげながら、マーメイド・ナイトに近付き、その凶悪なかぎ爪を振り下ろした。

 

「待ってください!リバースカードオープン、永続罠”竜巻海流壁”を発動します!」

 

「ちっ」

 

ギガ・ガガギゴが爪を振り下ろしたと同時に、巨大な竜巻が海野の周りを囲む。

ギガ・ガガギゴの爪がマーメイド・ナイトを切り裂き、その余波は海野を守るように立ちはだかる竜巻にかき消された。

 

「”竜巻海流壁”はフィールド上に海がある限り、わたくしは戦闘ダメージを受けませんわ」

 

竜巻海流壁(トルネードウォール)

永続罠

フィールド上に「海」が存在する場合に発動できる。

フィールド上に「海」が存在する限り、攻撃モンスターから自分への戦闘ダメージは0になる。

「海」がフィールド上に存在しなくなった時、このカードを破壊する。

 

「相変わらず、面倒なカードだ」

 

「ふふふ、これとあの”お方”がいる限り、わたくしに敗北はありませんわ」

 

「……いくら、なんでも過信し過ぎだぞ、エリート様」

 

「ふふふ、過信ではありませんわ……わたくしには、わたくしには神がいますもの」

 

え、なに、こいつ、頭が逝ってる系の人間なわけ?

ちょ、なにそれ、こわい。

 

「神ねぇ……胡散臭」

 

「……なら、貴方に神を見せてあげますわ」

 

「できるもんなら」

 

神ねぇ……まさかね。

仮にあいつらの誰かとしても、海野の見た目が一致しない。

あいつらを使っているなら、見た目が変わってるはずだ。

 

「俺はカードをセット、ターンエンド」

 

 

 

 

小波遊一

LP4000

手札4

フィールド魔法

伝説の都アトランティス(☆-1、攻守+200)

モンスター

ギガ・ガガギゴ 攻2650(2450+200)

魔法、罠

セット×1

 

 

 

 

3ターン目 海野幸子

 

「わたくしのターン……ふふふ、モンスターをセット、ターンエンドですわ」

 

「は?」

 

海野はモンスターをセットしただけで、それ以上は何もせずにターンを終了した。

満面の笑みを浮かべ……

 

 

 

海野幸子

LP4000

手札3

モンスター

セット×1

魔法、罠

竜巻海流壁

セット×1

 

 

 

 

4ターン目 小波遊一

 

何もしてこない?

手札事故?

いや、それなら、何故笑う?

 

「えぇい、考えるのは後だ、ドロー」

 

何だ、このベタつくような嫌な気配は……何処かで感じたような。

 

「俺はアトランティスの効果でレベルが下がった”暗黒大要塞鯱”を召喚!」

 

暗黒大要塞鯱(あんこくだいようさいしゃち) 攻2100+200=2300 守1200+200=1400

 

アトランティスの広場が開き、そこから暗黒大要塞鯱が堂々と洗われる。

お前はゾ○ドの鯨王かよ……あ、お前、鯱だったな。

 

「さて、バトルだ!”ギガ・ガガギゴ”でセットモンスターに攻撃」

 

セットモンスター ピラミッド・タートル 守1400

 

「……は?」

 

はい?ピラミッド・タートル?なんで、入れてんだ?

 

「”ピラミッド・タートル”の効果発動、このモンスターが戦闘破壊されたとき、デッキから守備力2000以下のアンデット族のモンスターを特殊召喚できますわ」

 

”ピラミッド・タートル”

効果モンスター

星4/地属性/アンデット族/攻1200/守1400

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから守備力2000以下のアンデット族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

「わたくしは、”ピラミッド・タートル”を特殊召喚」

 

ピラミッド・タートル 守1400

 

「……”暗黒大要塞鯱”で”ピラミッド・タートル”を攻撃」

 

「効果で、”ダブルコストン”を特殊召喚」

 

ダブルコストン 守1650

 

何だ、この異様な不安な感じは……すげぇ、嫌な予感がビンビンする。

 

「はぁ、カードをセット、ターンエンド」

 

 

 

小波遊一

LP4000

手札2

フィールド魔法

伝説の都アトランティス(☆-1、攻守+200)

モンスター

ギガ・ガガギゴ 攻2650(2450+200)

暗黒大要塞鯱 攻2300(2100+200)

魔法、罠

セット×2

 

 

 

5ターン目 海野幸子

 

「うっふ、ふふふ」

 

「ん?」

 

突然笑い出した海野に首をかしげる遊一。

 

「貴方に、見せて、あげますわ」

 

遊一は、突然、海野から凄まじい邪気を感じた。それは以前経験したことがある邪気だった。

遊一は笑う海野に違和感を持った。

 

「わたくしは、”ダブルコストン”の効果発動。闇属性のモンスターを生贄召喚する場合、二体分の生贄にできますわ!」

 

”ダブルコストン”

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1700/守1650

闇属性モンスターを生け贄召喚する場合、このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。

 

「“ダブルコストン”を生贄に捧げ!」

 

海野は一枚のカードを天高く突き出す、遊一はそのカードを見て、驚愕した。

 

「な、なんで⁉」

 

「孤独を抱えしモノ達がいる、大地に眠る魂達よ!今こそ穢された大地より出でて、我に力を貸さん!降臨せよ”地縛神Chacu Challhua(じばくしん チャク チャルア)‼」

 

現れたのは、一体の巨大な邪悪な存在。

現れたのは、この世に存在してはならない存在。

現れたのは、本来まだいないはずの存在。

現れたのは、神の名を持つ魔物。

 

そして、Chacu Challhuaを出した瞬間、海野の雰囲気が一変した。

 

地縛神Chacu Challhua 攻2900

 

「我、”地縛神Chacu Challhua”で、相手プレイヤーにダイレクトアタック」

 

海野が命令を出すと、Chacu Challhuaは素早い動きで、遊一に迫る。

 

『いかん!ギガ・ガガギゴ!』

 

『おう!』

 

ギガ・ガガギゴと暗黒大要塞鯱は遊一を守るために、攻撃を仕掛ける……だが、ギガ・ガガギゴの強靭な爪も暗黒大要塞鯱の砲撃も、Chacu Challhuaには届くことなく、Chacu Challhuaは遊一に全速力で体当たりをした。

 

「⁉」

 

Chacu Challhuaの体当たりを真面に受けた遊一は、身体ごと、後ろに吹き飛ばされ、壁に激突した。

 

「がっ⁉」

 

『『主⁉』』

 

小波遊一 LP4000-2900=1100

 

「くっくく……あは、あはははははははははは!」

 

”海野”は笑った。

だが、その眼は変色していた。白目であるはずの部分は黒く染まり、海のように蒼い目の色は黄色に染まっていた。

また、顔には幾何学模様のような線が浮かび上がっていた。

 

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