、
十
、
百
、
千
、
万
、
万
I
丈
I
目
I
酸
だ
I
‼
朝。
それは平和な時間だ。
何者にも邪魔されず、登校時間を気にするだけ……とても、平和だ。
「……で、なんでいるんだよ」
「あら、つれないわね」
「つか、ここどこ?」
平和なんて、幻だ、偽りだ、偽りの平和だ。
朝だと思い、起きると見知らぬ部屋と実母の小波三神がいた。
見知らぬ部屋を見渡すと家具など何もないし、壁も床もないだが、ここが部屋だと認識できた。
「何処でしょうね?」
「なんか、部屋みたいだが……それにしてはやけに安心できる」
「では、何処でしょう?」
母はいつものようにイタズラな笑みを浮かべる、ニヤニヤと。
こーいうときの母はかなり意地悪だ、人が答えられないような答えが答えなのだ。
「知らんがな」
「正解は私の子○でした」
「ぶふぅ⁉」
「いやー、赤ん坊の頃の記憶って、記憶の底に残っているって聞いたことがあったけどねー」
遊一ゲラゲラと笑う母を見て、思わず殺意を抱いてしまった。
三神は一頻り笑うと真面目な顔をした。
「遊一」
「ん?」
「ごめんなさいね……また、変なことに巻き込ませて」
「別にあいつらが目覚めたのは、母さんのせいじゃないだろ?」
仮に実母の三神が犯人だと考えたら、簡単に三神が犯人ではないと結論が出る。
なぜなら……。
「だいたい、精霊さえ見えない母さん達が犯人の訳がないだろ」
そう、小波遊一の実の両親は精霊界に行くどころか、精霊さえ見えない、一応“普通“の人間である。
精霊界に行くには第一条件として、精霊が見えなければならない。だが、裏口は精霊が見えない人間でも行けるが、行けるだけである。
例え、行けたとしても精霊が見えない人間には、精霊界にある建造物さえ見えないのだ。そんな人間がどうやって、柱を破壊したというのだろう。
それに今回柱を破壊したのは、遊一に化けていた“ナニカ“である。
「でも、そっちに送ったのは私達だし……一応」
「一応って……」
「ま、遊一なら大丈夫でしょ。レインちゃんも送ったし」
「それは助かった」
レインが居なければ、今頃あの海豚か鯱かわからない魚野郎の胃の中だった。
「さて、そろそろ時間切れね……しつこいわねー」
「何が?」
「なーんでもないわよ、ほれ、帰った帰った」
ヒラヒラと手を降る三神。
これはさっさと行けという合図である。
遊一は苦笑いしながら、出口っぽい場所に向かって歩き出す。
「頑張りなさいよ、息子」
「頑張りますよ、母さん」
二人は最後にお互いを見て、同じようにニヤリと笑った。
「ホント、頑張りなさいよ、馬鹿息子ちゃん。
あんたなら、あっちの私を救えるかもね……」
目が覚める。
覚醒する。
○立ちをしている。
レインがいた。
「おはよう、レイン」
「今、五時」
「朝?」
「正確には十七時」
「ですよねー」
保健室のベッドから起き上がり、背伸びをする。ボキボキと骨がなる……どうやら、寝すぎたようだ。
「遊一」
「ん?」
「久しぶり」
「あぁ、久しぶり」
「元気?」
「まぁまぁ」
「友達できた?」
「おう」
「ちゃんと朝起きれてる?」
「最近は割と」
「歯磨きしてる?」
「おう」
「勉強してる?」
「ごめん、さっきから、何?
お前は俺の母親か?」
「違う、正確には遊一と私の子供の母親」
「ごめん、意味わかんない」
「責任取って」
「意味わかんない」
「私も」
「お前もかよ」
「小波三神にこう言えと言われた」
「……実母?」
「実母」
「あの馬鹿母親が!」
遊一の脳裏にテヘペロをしている三神が現れた、無駄にしっくりきた。
遊一はため息を出しながら、保健室を見渡す……レイン以外、誰もいないようだ。
「そういえば、遊一」
「うん?」
「貴方、これからデュエル」
「……ふぁ?」
「行こう」
レインの突然の発言に思考回路の処理が追いついていない遊一は、いつものような変な声をあげた。
そんな遊一を無視して、レインは遊一の手を掴み、引き摺るように遊一を保健室から連れ出した。
連れて行かれた先は、デュエルアリーナだった。
デュエルアリーナとは、デュエルアカデミアにある一番大きい施設で、その名の通り、デュエルをするための施設で、全校生徒と外来の客が千人以上入れる巨大なドームで、毎週行われているデュエル大会やその他のデュエルをする行事のさいに使われたりする施設である。
いつも授業で行われているデュエルは教室か教室隣にあるデュエル専用の教室でしているため、このデュエルアリーナは毎日使用されているわけではない。
そのデュエルアリーナは全校生徒と他学校の生徒で、席を埋めていた。
これだけの人数がいるが、未だにデュエルアリーナの席は有り余っていた。
遊一はそんなデュエルアリーナのデュエルフィールドに立たされていた。
「ごめん、意味不」
『マスター、あれですよ、アレ』
突然、隣に現れたのは遊一の精霊の久遠の魔術師ミラが指差す方向には黒い制服、ノース校の生徒達が座っていた。
「デュエル?」
『それ以外、何があるんですか?
私とマスターの結婚式ですか?
といわけで、コチラの書類にサインを』
「誰が婚姻届にサインを書くか、帰れ」
『ちっ』
ミラはあからさまな舌打ちをして、その場から消えた。
それと、同時に一人の男がデュエルフィールドに現れた……万丈目準である。
「俺は帰ってきた」
「準」
「ふっ、俺はただの万丈目準ではない」
(あ、これは……)
「俺の名は、一、十、百、千、万!」
力を溜めるかのように、息を強く吸い、叫ぶ。
「万丈目ー‼」
「「「サンダー!サンダー!酸だー!」」」
「おい、こら」
今さりげもなく、地球防衛のゲームでの名台詞もとい迷台詞を叫んだろうが、こいつら、ホントに準を慕ってんのか?
「遊一、俺は戻ってきた!お前という好敵手を倒すために!」
「準……ふっ、待っていた!」
「では、これからデュエルを始めるノーネ!」
いつの間にかいたクロノスが高らかにデュエル開始を宣言する。
「では!」
「「デュエルディスク展開……デュエル‼」」
後攻 小波遊一VS先攻 万丈目準
通常デュエル
LP4000
「「デュエル‼」」
1ターン目 万丈目準
「まずは俺のターン!」
さて、確か、こんときの準のデッキはLevelモンスターを使用してきた筈だ……なら、Levelを上げられる前に倒さなければ。
「俺は永続魔法“黒い旋風“を発動だ!」
「ん?」
「そして、“BFー蒼炎のシュラ“を召喚!」
BFー蒼炎のシュラ 星4/闇属性/鳥獣族/攻1800/守1200
え、え、え?
「そして、“黒い旋風“の効果発動、効果によりデッキから“BFー黒槍のブラスト“を手札に加える!」
“黒い旋風“
永続魔法(制限カード)
自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが召喚された時、そのモンスターの攻撃力より低い攻撃力を持つ「BF」と名のついたモンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。
「さらに、黒槍のブラストの効果発動!
俺の場に黒槍のブラスト以外のBFがいた場合、このモンスターを特殊召喚できる、行け、黒槍のブラスト!」
「ふぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ⁉」
名前の通り、黒い旋風が吹き荒れ、その吹き荒れる旋風の中から槍を携えた一体のモンスターが現れる。
“BFー黒槍のブラスト“
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800
自分フィールド上に「BF-黒槍のブラスト」以外の「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
「遊一、これが新しい万丈目準……名付けて、ブラック・サンダーだ‼」
区切りを良くしようと試みると短くなる。