赤帽子の強制学生生活。 リメイク版   作:コジマ粒子の化身

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第二話

海は広いな〜大きいな〜と、どうも、小波遊一です。

現在、デュエルアカデミアが用意したフェリーに赤い制服を着て、仁王立ちで乗っています。前回、クロノス先生をぎゃ……倒し、無事デュエルアカデミアから合格通知がきました……オシリス・レッドでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー今から、数日前ー

 

デュエルアカデミアから合格通知が届き、俺はラー・イエローは硬いなと思い、制服が入っている箱を開けたら……見慣れた懐かしい赤い制服……オシリス・レッドの制服と学校指定の赤い帽子が入っていた。

 

「ふぁ?」

 

と変な声が出てしまったが、俺はオシリス・レッドの制服を手に取り、寸法を測る……次に制服が入っていた箱を見る……次に制服に書かれている名前を見る……間違いなく、寸法はぴったりで、箱に書かれている名前も制服に書かれている名前も俺のだった。

……いやいや、筆記は五十位だったけど、あのクロノス先生を余裕で後攻1ターンキルしたんだよ⁉

普通に考えて、ラー・イエローぐらいにはなるだろ⁉どうしてだよ‼と家で合格通知片手に叫んでいたら、母さんが「うるさい」と苦情を言ってきた。そうだ、こんな時こそ、親に頼ろうと思い、叫んでいた理由を話すと。

 

「あ、それ、母さんがお願いしたの」

 

「ひょ?」

 

「いやだって、あんたがいきなりラー・イエローとか……面白くないし☆」

 

……おい、今この親なんて……言った。

面白くない……から……だと……この親は……と怒りが湧いてきたが、そこは我慢する。

 

「……またか」

 

「ごめんね〜」

 

もう慣れた……この親が面白くないからと、色々と俺を妨害してくるのに。毎年、毎年、実家に帰ると必ず持っているカードを全部取られ、その場で作った適当なデッキを渡され、さらにまたカードを集めろと何回も言われたし、あっちの世界の時は、実力的にオベリスク・ブルーでもおかしくないと亮に言われたが、母が面白くないからと、ずっとレッドに住んでいたから、もう慣れた。

親の破天荒な行動と身勝手な行動にはもう慣れた。

 

「……はぁ」

 

「ため息つくと、幸せ逃げるぞ☆」

 

こいつ、いつか殺してやると思った俺はまったく悪くないと思う。

結局、いつも通りに親の暇潰しに付き合うことになり、俺は仕方なくオシリス・レッドに入ることにした。今、思えば、新一年生が来るまで、あっちの世界だとラー・イエローに知り合いは神楽坂ぐらいしか、いなかったはずだと思ったら、十代達がいるレッドの方がマシだと思った……誰か、忘れてるような?

 

 

 

 

 

ま、いっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と思っていて、すいません」

 

「な、なんだ急に……」

 

俺は今珍しく頭を下げている、ジャックや翔などに意味もなく飛び蹴りなどをしても、頭を下げなかった俺が頭を下げている……何故かって……それは。

 

「よくわからないが……俺は三沢大地だ、よろしくな、第六天魔王」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三沢のこと、忘れていたからだぁぁぁぁぁぁぁぁ‼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、第六天魔王?」

 

「知らないのかい?君のあだ名だよ」

 

え、第六天魔王って、あの信長様?あっちの世界だと、タイタンがあるゲームで声優を担当していた、あの織田信長様?

 

「え、マジ?」

 

「知らなかったのか?」

 

「知らん、知らん」

 

「君の残虐無慈悲なデュエルを見た生徒が、そう名付けたんだ」

 

え、あれが残虐無慈悲なデュエル?六武衆の実力完全に引き出していない、あのデュエルが?

あれでも、シンクロ無しも道場もなかったんだぞ?

うまくいけば、結束二枚が一枚か、六武院がないかわりに道場が来ていたら、ヤイチの効果発動したあと、道場でデッキからチューナーを呼んでヤイチを使って、シンクロしてシエンだしていたら、さらに酷いことになっていたぞ、あれ。

……そういや、昔……タッグデュエルでツァンとデュエルしていたら……シエン三体並べられたなー、あれは泣きそうになったなー、パートナーのアポリアが「これが……絶望か……」って、泣いていたな……ツァンのパートナーのドヤ顔ジャックは役に立たなかったけど……ジャックだし。

 

「しかし、君もレッドか……俺はてっきり、イエローだと思ってたが」

 

「……親がレッドにしたんだよ」

 

「なんでだ?」

 

「面白くないから」

 

「……は?」

 

三沢は、何の冗談だ?と言いたそうな顔をしているが……残念、冗談ではありません!

……冗談だったら、どんだけ良かったか。

 

「君……苦労してるんだな……」

 

三沢が、可哀想な人を見るような目で俺を見る……ごめん、今後影が薄くなり、全裸ダッシュをする三沢に可哀想な人扱いされたくないんですけど…。

それから、色々話していたら、デュエル馬鹿の気配がしたので後ろを見ると、十代とクソ野郎がこっちに走ってきていた。

 

「おーい、遊一〜‼」

 

「やっぱ、十代か」

 

「知り合いなのか?」

 

「試験当日に初めて会って、ダチになった」

 

あの試験の後、お互いに持っていた携帯の電話番号などを交換した……そしたら、あいつ、今日まで毎日のように電話かけてきて、デュエルしようぜ!デュエルしようぜ!とうるさかった……ので、アンチヒーローデッキを作った俺は優しい人間だ。

 

「よ、十代」

 

「遊一、レッドか!」

 

「あぁ」

 

「よっしゃ!じゃ、デュエルしようぜ‼」

 

ごめん、意味わかんない。

 

「君はクロノス先生を倒した……確か、遊城十代君……だっけ?」

 

「おう!……って、誰?」

 

こら、十代、お前居たの?って顔やめなさい、彼はまだ影は濃ゆいんだから‼

 

「おっと、すまない、俺は三沢大地だ」

 

「三沢……あ、一番か!」

 

あぁ、そういや、三沢は筆記は一番だったな、忘れてた。

 

「あ、兄貴……その、一番くんと魔王様と知り合いなの?」

 

ちっ、やっぱり……居たな、クソ野郎。貴様、何が兄貴だ、こら。

ほんとの舎弟ならブルーなんかになるなよな、あと勝った相手にドヤ顔で「僕の舎弟にしてあげるよ」とか、調子に乗りやがって……お前、剣山見習え!

あいつ、十代が卒業したあともブルーになれるチャンスがあったのに、自分は十代の舎弟だからって自重したり、勝った相手にドヤ顔なんてせずに「いいデュエルだったドン」って、手を差し伸べていたんだぞ、コラ‼

 

「あ、誰が魔王だ、この眼鏡」

 

「ひぃぃぃ‼」

 

睨むとくそ翔は情けない悲鳴を上げる……軟弱な。

 

「……君、なんか、眼鏡君に対してだけ、態度違くないか?」

 

「……こいつ、嫌い」

 

「ぼぼぼ、く、きききらわれ」

 

「喋んなや」

 

「ひぃぃ、ごめんなさい!」

 

「ゆ、遊一、落ち着け、な!翔の何処が嫌いなのかはわかんねぇけど、落ち着けよ、な‼」

 

くっ、相変わらず人が良すぎるんだよ、十代……だから、明日香かレイかユベルかを選べなかったんだよ、お前。

 

「けっ、十代に感謝しろ、眼鏡」

 

「ううぅ」

 

こうして、俺達はデュエルアカデミア本校に着くまで、適当に時間を潰した。何度か、十代がデュエルを挑んできたので、アンチヒーローデッキを見せたら、黙った……こいつ、トラウマになってんな。

そんなこんなしていると、デュエルアカデミア本校がある島が見えてきた。

 

……ようやく始まる学生生活に不安しか感じないのは、俺だけだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜、疲れた〜」

 

俺は自分のベッドにダイブする……。

デュエルアカデミア本校に着いて、すぐにデュエルアカデミアに案内され、さらに体育館に連れて行かれ、そこでハゲ島……鮫島校長

のありがたーい話を三時間聞かされた、三時間だぜ、三時間。

長すぎたよ、まったく……しかも、十代とクソ野郎は隣で寝やがって……ムカついて、パイプ椅子を蹴って、十代とクソ野郎を椅子から落とした俺は悪くない、僕は悪くない。

校長の長い話が終わり、何処かの魔法学校みたいに、生徒達は各寮に案内された。

そして、そこから陰気臭い歓迎会。皆、皆、目に希望はなく、食事に手をつけないし、ぐちぐちと愚痴や不満を零す輩ばかりで、気が滅入った。そういや、あっちの世界でも、最初の歓迎会はそんな感じだったなと思い出した。

そんな陰気臭い歓迎会で、俺と十代は場の空気など、気にせず、バクバクと飯を食っていたら、クソ野郎が「kyッス……」と小さく零したので、優しい笑み(笑)を向けたら、悲鳴をあげながら、何処へと逃げて行った……失礼な奴だ、俺はただ次なんか言ったら、殺すぞ☆という意味を含めた笑みを向けただけなのに……。

 

そして、俺は部屋に案内された…どうやら、一人部屋らしいく、誰もいなかった。そして、現在に至る……マジ、疲れた。

しばらく、ベッドでうつ伏せになっていると、何やら気配を感じた、気配は俺の部屋のドアの前に止まった……居留守をしよう。

 

コン、コン……

 

……無視。

 

コン、コン……

 

……無視だ、無視太郎。

 

コン、コ、コン、コン、コ、コ、コ、コンコン……

 

俺は無駄にリズムを刻んで、ノックをしている馬鹿に一言言いたくって、ドアを勢い良く開く。

 

「リズムを刻むなぁぁぁ‼」

 

「お、やっぱり、いた」

 

「って、十代かよ⁉」

 

どうやら、無駄にリズムを刻んだノックをしたのは、十代だった。

くそ、疲れてんのに面倒な奴が来たな。

 

「はぁ……で、なによ?」

 

俺は十代相手だから、色々諦めて話を聞くことにした。

話を聞く姿勢を見せると、十代は色々と話始めた、デュエルアカデミアのこと、同室にパンダがいた、エビフライうまかった、暇などなど、要約すると……。

 

「暇だから、散歩しようぜ!」

 

「え、や……ちょ、手放して⁉行きたくない、行きたくない‼行きたくないぃぃぃぃ‼」

 

断ろうとしたら、十代が俺の手を掴み、引き摺り出す……ちょ、歩くから、歩くから、階段は駄目、階段は……痛⁉痛い!痛い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛い……」

 

「ごめん、ごめん、ごめん」

 

まったく、謝ってすむなら、ソレスタルなんちゃらは武力介入しないつーの。

あれから、十代に散々引き摺られ、本人が疲れたと言って、遊一を離すころには、遊一は全身ボロボロだったが、今まで闇のデュエルとかで、死にかけた経験が何度もあったので、回復力は異常に早く、ほんの数分で全回復していた。

 

「で、ここどこ?」

 

「……さぁ?」

 

「おい、こら」

 

この馬鹿、人様を散々引き摺り回した挙句、道に迷いやがったな。

なんで、こいつは何処の世界でも適当なんだ?

 

「ん〜、お、あそこに何かあるぜ!」

 

「あ?」

 

十代が指差す方には、趣味の悪いオブジェが付いた建物があった……あれはオベリスクか?

だとしたら、あそこはブルー専用か?

 

「行こうぜ!」

 

「貴様達、何やっている⁉」

 

そう言って、また十代は遊一は引き摺ろうとし手を掴んだとき、誰かが十代を引き止めた。十代と遊一は声がした方を向くと、暗闇からブルーの服をきた三人組みが現れた。

遊一は、その三人組みの一人を知っていた。

 

「万丈目……準」

 

「ほう、この俺様を知っているのか?」

 

と万丈目は嬉しそうに笑うが、遊一が万丈目を知っていて、当然だろう、何故なら遊一が以前いた世界でも、万丈目は存在していたからだ。

 

「知ってんのか、遊一?」

 

十代は遊一が目の前にいるブルーの生徒を知っているみたいなので聞いてみた。

 

「あ、あぁ、確か中等部をトップの成績だった」

 

「そう、この俺様……こそ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘタレ」

 

「そう、ヘタレの万丈……なんだ、貴様⁉」

 

「いや、ヘタレだろ、お前」

 

「貴様‼」

 

「いやだって、好きな女に告白できずにモジモジしていたじゃん」

 

「な、貴様、それを何処で⁉」

 

遊一の記憶の中にいる万丈目は好きな女、天上院明日香に告白できず、大人になり、毎日毎日遊一に相談してきた、告白できないヘタレと記憶にある。

俺が真実を言うと、万丈目の取り巻きらしき二名が、前に出てきて、大声で叫ぶ。

 

「お前、万丈目さんは確かに天上院さんに告白出来ないし!」

 

「ツァンさんや藤原さんにも話しかけれない」

 

「「ヘタレだけど、しょ…」」

 

「貴様らぁ‼」

 

二人は万丈目に助け舟を出したつもりだったのだろうか?

結果ただ万丈目を罵っただけに過ぎず、万丈目は顔を真っ赤にして、取り巻き二人を殴った。

 

「なに、さりげなく罵ってる‼」

 

「「す、すいません」」

 

「まったく、さりげなくないぞ」

 

「うるさい……貴様、俺とデュエルしろ‼」

 

万丈目は顔を真っ赤にしながら、遊一を指差す。

 

「ですよね〜」

 

さすがのデュエル脳だと遊一は安心した。

 

 

 

 

 

そして、遊一と万丈目はブルー専用のデュエルフィールドに立つ。行く途中、十代が俺もデュエルしたい〜とタダを捏ねたが、遊一と三人組みには無視された。

 

「おい、貴様!」

 

「ん?」

 

「俺が勝ったら、貴様が持っている六武衆とやらのデッキを俺に寄越せ!」

 

「じゃ、俺が勝ったら、卒業までドローパン毎日奢れよ」

 

「ぐっ……いいだろう」

 

万丈目は一瞬嫌な顔したが、相手が持っているカードのレアリティを考えれば、妥当であると思った。

……ちなみに、遊一は六武衆全部九十九枚ずつ持っているから、別にデッキ一つ分失っても痛くも痒くもない。

 

「じゃ……」

 

「「デュエル‼」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「デュエル‼」」

 

後攻 小波遊一VS先攻 万丈目 準

通常デュエル

LP4000

 

先攻 万丈目 準

後攻 小波 遊一

 

 

 

 

1ターン目 万丈目準

 

って、また後攻か……まぁ、いっか。

 

「俺のターン、ドロー!俺は“地獄戦士(ヘルソルジャー)を召喚!」

 

“地獄戦士“

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1200/守1400

このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られた時、この戦闘によって自分が受けた戦闘ダメージを相手ライフにも与える。

 

地獄戦士星4/攻1200

 

うわ、懐かしい……アマゾネスの戦士がいるから、結構微妙なんだよな〜。

 

「さらに、俺はカードを二枚セット、ターンエンドだ‼」

 

万丈目 準

LP4000

手札 3

モンスター 地獄戦士

魔法、罠 セット×2

 

 

 

 

2ターン目 小波遊一

 

まぁまぁな、出だしだな。

 

「俺のターン、ドロー」

 

さてさて、遊びましょうか……。

 

「俺は手札から、永続魔法“マシン・デベロッパー発動!」

 

“マシン・デベロッパー“

永続魔法

フィールド上に表側表示で存在する機械族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。

フィールド上に存在する機械族モンスターが破壊される度に、このカードにジャンクカウンターを2つ置く。

このカードを墓地へ送る事で、このカードに乗っているジャンクウンターの数以下のレベルを持つ機械族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する。

 

 

「さらに、“ファルシオンβ“を召喚!」

 

「……なに?」

 

ファルシオンβ 星4/攻1200

 

“ファルシオンβ“

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1200/守 800

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、以下の効果から1つを選択して発動する。

●デッキから機械族・光属性・攻撃力1200以下のモンスター1体を墓地へ送る。

●自分の墓地から 機械族・光属性・攻撃力1200以下のモンスター1体を選択して特殊召喚する。

 

 

異次元から一機の青い戦闘機が現れ、遊一の前に止まる。

 

「ファルシオンβ……貴様、そんな雑魚カードでどうする気だ?」

 

「ふっ、貴様はこの雑魚カードに恥をかかせられるぜよ?」

 

「なぁにぃ、やってみろ!」

 

相変わらず、挑発に乗りやすい奴だと遊一は内心苦笑した……だが、その乗りやすさを利用させてもらおうと、遊一は構える。

 

「マシン・デベロッパーの効果発動!フィールド上に存在する機械族モンスターの攻撃力は200アップだ‼」

 

「なんだと⁉」

 

マシン・デベロッパーから複数の作業用のロボットアームが現れ、ファルシオンβを少し強化する。

よく見ると、少し武装が増えていた。

 

ファルシオンβ 攻1200+200=1400

 

なんとなくだが、万丈目が驚く顔を見て、ファルシオンがドヤ顔をしているように見えた遊一だった。

 

「行くぞ、ファルシオン!地獄戦士に攻撃、FOX2‼」

 

ファルシオンは遊一が攻撃命令を出すと、空高く飛び上がり、地獄戦士の真上を陣取る。そして、一気に急降下し、腹部からミサイルを放つ。だが、地獄戦士もただではやられない……地獄戦士はミサイルが自分に当たる間際に、遊一に持っていた剣を投げつける。

その瞬間、ミサイルが地獄戦士に直撃する、地獄戦士は戦士の誇りかのか……身動きもせず、断末魔もあげずに破壊される。

 

「くっ、だが、地獄戦士の効果発動だ!このカードが破壊された時、俺が受ける戦闘ダメージと同じ数値の効果ダメージを貴様が負う‼」

 

万丈目準LP4000-200=3800

 

地獄戦士が死ぬ間際に投げた剣が遊一に突き刺さる。

本当に突き刺されたかのような痛みと熱が遊一を襲い、声をあげる。

 

「ぐっ⁉」

 

遊一 LP4000-200=3800

 

ソリッドビジョンはモンスターをリアリティに映すだけではなく、爆風やダメージなども再現する。

一応、ダメージ再現を無しにできるが、デュエリストてして、それを無効にするのは邪道らしく、身体が弱い人間や老人以外は基本的にダメージ再現有りである。もちろん、デュエルアカデミア全生徒、全教師はダメージ再現は有りである。

 

「地獄戦士を戦闘によって、破壊したことにより、ファルシオンβの効果発動!

デッキから機械族・光属性・攻撃力1200以下のモンスター1体を墓地へ送る……それにより“ロードブリティッシュ“を墓地に送る!」

 

敵を撃破したファルシオンは腹部のハッチが開き、一つのコンテナを遊一の墓地に落とす。

よく見ると、そのコンテナには「ロードブリティッシュの残骸」と書かれていた、遊一は何も見なかったことにした。

 

「さらに、カードを二枚セット、エン」

 

「待て、貴様のエンドフェイズに罠カード発動、“リビングデットの呼び声“!」

 

“リビングデットの呼び声“

永続罠

自分の墓地のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。

 

ん、出たな、リビングデットの呼び声さん。ほんと便利だよな〜、大変お世話になりました、これからもよろしく……つか、よく考えたら、こいつも過労死カードの一つじゃね?

 

「蘇れ、地獄戦士!」

 

「あ、手札から速攻魔法“サイクロン“」

 

「……は?」

 

“サイクロン“

速攻魔法

フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

 

墓地から死者の如く、現れた地獄戦士は突然起きたサイクロンにより、吹き飛ばされ、墓地に帰っていった……ぷ、ざまぁ。

 

「エンド」

 

小波遊一

LP3800

手札 3

モンスター ファルシオンβ

魔法、罠 マシン・デベロッパー(+200) セット×2

 

 

 

 

3ターン目 万丈目準

 

「よくも、俺のモンスターを!俺のターン‼」

 

万丈目はまるで親の仇を見るような目で俺を睨みつける……俺、そんな酷いことしたかな?

当たり前だろ、リビングデットにサイクロン打つのは、エンドサイクが当たり前のように。

 

「俺は手札から“死者蘇生“を発動!」

 

“死者蘇生“

通常魔法(制限カード)

自分または相手の墓地のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。

 

「貴様の“ロードブリティッシュ“を復活させる!」

 

「やべ⁉」

 

“ロードブリティッシュ“

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1200/守 800

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、以下の効果から1つを選択して発動する。

●このカードはもう一度だけ続けて攻撃できる。

●フィールド上にセットされたカード1枚を選択して破壊する。

●自分フィールド上に「マルチプルトークン」(機械族・光・星4・攻/守1200)1体を特殊召喚する。

 

「確か、貴様の場のマシン・デベロッパーはフィールド場の機械族をパワーアップさせる効果……よって、俺のロードブリティッシュは攻撃力1400だ‼」

 

ちっ、マシン・デベロッパーの欠点だな、フィールド場の強化効果は……まぁ、強化効果はおまけだ。

そんなことよりも……

 

「何が俺のロードブリティッシュだ!そのカードは俺のだ‼」

 

「黙れ!今は俺のカードだ‼」

 

「ふざけんな、ヘタレ童貞‼」

 

「どどど、童貞だと⁉」

 

普通はそうだろうが!

だいたい、最近の子供はマセ過ぎだ!なんだよ、小学中学でもう体験済みとか、ふざけんなよ‼

こっちとらぁ、今だに童貞だ、コラ‼

 

「くっ、バカにしやがって……俺は貴様のロードブリティッシュを生贄に、現れろ、“地獄将軍・メフィスト“‼」

 

“地獄将軍・メフィスト“

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻1800/守1700

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。

相手に戦闘ダメージを与えた時、相手の手札からカードを1枚ランダムに捨てる。

 

出たな、何かと微妙なメフィスト!攻撃力が2000ぐらいなら、まだ使い道があった地獄将軍、まぁ、闇属性の悪魔族だから、それなりに使い道があるかもしれんな……。

 

「ふん、これで貴様の雑魚は葬れる……やれ、メフィスト‼」

 

メフィストは乗っている馬に命令して、地をかけ、空を飛んでいるファルシオンを目指す。そして、ファルシオンの真下まで来ると、メフィストは乗っていた馬を踏み台にして、高く跳躍し、ファルシオンを切り裂いた。

 

「ファルシオン……俺は罠カード発動、“ガード・ブロック“!

この戦闘のダメージを無効にし、さらに俺は一枚ドロー」

 

“ガード・ブロック“

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

「ちっ、そうなると……」

 

「あぁ、メフィストの手札破壊効果は無しだ」

 

危ねぇ……今、この手札から一枚でも欠けたら、かなりヤバイ。

 

「ふん、まぁいい……俺はカードをセット、ターンエンドだ」

 

万丈目

LP3800

手札 2

モンスター 地獄将軍・メフィスト

セット×3

 

 

さてさて、逆転しますかね……。

 

「お「待ちなさい!警備員が来るわ、アンティデュエルなんかしていていいの⁉」……ひょ?」

 

こ、この声は……ま、まさか。

 

「なんだと、貴様、命拾いしたな‼」

 

「いやそれ、こっちの台詞」

 

このまま、やってたら勝ってたのは、私ですお寿司。

 

「ふん、行くぞ、お前達!」

 

万丈目はこいつ、何言ってんだ?と言いたげな顔をして、取り巻き達と走り去って行く……あれが将来おジャマトリオに憑かれて、さらにおジャ万丈目とか変なのになっていくと考えると悲しくなってきた。

 

「遊一、俺達も行こうぜ!」

 

「ん」

 

おぉ、そうだ、逃げなきゃ逃げなきゃ。ここで、逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だとか言っていたら、そいつは生粋の馬鹿だろう。

 

 

 

「取り敢えず、趣味悪いあそこから出たから、いいだろう」

 

「そうだな〜」

 

しかし、趣味悪いな〜。オベリスクの顔のオブジェを壁一面につけるとか、趣味悪!

デュエルアカデミアのデザイン考えた奴、絶対SUN値ゼロだろ、発狂してるだろ……あぁ、そういや、デュエル脳という病気もある意味発狂しているな……。

 

「はぁ……つか、誰だよ、邪魔したの」

 

「あら、邪魔とは心外ね?」

 

おぉ、この声は……!

 

「私は彼を助けたのよ?」

 

君は十代に振り向いて貰えなくって、今だに(遊一がネオ童美野シティにいた頃)未婚の天上院明日香くんではないか⁉

 

「ねぇ……貴方、今大変失礼なこと、考えたでしょ?」

 

「なんのことかな?」

 

天上院は俺を睨みつける。

俺はトボけ顔で、天上院を見ないようにしていると、十代が首を傾げた。

 

「ってか、お前だれ?」

 

ないす、十代!明日、ドローパンがめざしパンだったら、譲ってやる。天上院はジト目で俺を睨みながら、自己紹介を始めた。

 

「私は天上院明日香よ、貴方達と同級生よ」

 

「同級生か、俺は遊城十代、こっちは小波遊一‼」

 

「ども」

 

くっ、せっかく偽名でジャック・アトラスと名乗ってから、エンターテイメントだ‼と叫ぼうと思っていたのに……十代め、余計なことを。

 

「そうそう、天上院、なんでお前が遊一を助けたことになるんだ?」

 

「だって、そうじゃない?彼のデッキを見るに超時空戦闘機デッキ……超時空戦闘機の最大攻撃力は1700、1800のメフィストに勝てないし、仮にリミッター解除があっても、万丈目君はさっきのターンでミラーフォースを仕掛けたのが見えたわ」

 

ふーん……

 

「で、勝てないと」

 

「えぇ」

 

「アホくさ」

 

「は?」

 

明日香は自分の説明をアホくさと一言で片付けた遊一に少し腹をたてていたら、彼が四枚のカードを

突き出した。

 

「残念、俺の勝ちだよ」

 

彼が突き出した四枚のカードは……

“トラップ・スタン“

“一族の結束“

“リミッター解除“

“ビクトリー・バイパーXX03“

だった。

明日香は四枚のカードを手に取り、カードの効果を調べた。

 

“ビクトリー・バイパーXX03“

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1200/守1000

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、次の効果から1つを選択して発動する。

●このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

●フィールド上に表側表示で存在する魔法または罠カード1枚を破壊する。

●自分フィールド上に常にこのカードと同じ種族・属性・

レベル・攻撃力・守備力の「オプショントークン」を1体特殊召喚する。

 

“リミッター解除“

速攻魔法(制限カード)

このカード発動時に、自分フィールド上に表側表示で存在する全ての機械族モンスターの攻撃力を倍にする。

この効果を受けたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

 

“一族の結束“

永続魔法

自分の墓地に存在するモンスターの元々の種族が1種類のみの場合、自分フィールド上に存在するその種族のモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。

 

“トラップ・スタン“

通常罠

このターン、このカード以外のフィールド上の罠カードの効果を無効にする。

 

明日香は彼が突き出した四枚のカードの効果を見て、驚愕した…確かに勝てると思った。明日香の隣で遊一のカードを見ていた十代はどうしたら勝てるのかを必死に考えていた。

 

「わかったかい、天上院明日香くん?」

 

「……はぁ、悪かったわ、邪魔しちゃって……でも、どちらにしても私は邪魔はしたわ」

 

「ブルーのメンツか?」

 

遊一がそう言うと明日香は表情を曇らせ、小さく「えぇ」と言った。だが、遊一はそれを鼻で笑った。

 

「やめとけ、やめとけ、一回デュエルしただけでわかったが、あの万丈目とやらは、そんなメンツのために自分の負けを無しとかにされたら、キレるぞ」

 

遊一はケラケラと笑いながら、明日香に渡した四枚のカードを回収し、デッキに直す。

 

「そうかしら?」

 

「そうよ……おい、十代帰るぞ」

 

遊一が十代の方を見ると、今だにどうやったら遊一が勝てたのかを悩んでいた。遊一はため息をつき、十代に近付き軽く頭を小突いて、帰ったら、どうやったら勝てたのかを教えてやると言いながら、十代を引っ張る。

 

「じゃな、天上院明日香」

 

「じゃ〜な〜、天上院〜」

 

遊一は少し振り返り、明日香に別れの挨拶をし、十代は遊一に引っ張られながら、元気良く手を振っていた。

明日香はそんな二人に苦笑しながら、小さく手を振りかえした。

 

 

 

 

 

 

こうして、デュエルアカデミア入学初日の夜は過ぎて行く。

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