赤帽子の強制学生生活。 リメイク版   作:コジマ粒子の化身

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第三話

昨夜のアンティデュエルからの翌日、小波遊一は爆睡していた。

 

ドン、ドンと、先程からのノック音など、まったく気にせずに爆睡していた、遊一は昔から寝付きがよく、よく爆睡するタイプの人間で、音などでは一切起きないが、自分の身に危険が及ぶ物だけは起きるという面倒臭い体質も持っている。

故に、朝食になっても降りてこない遊一が心配になった十代御一行がいくらノックしても、無駄である。

 

「お〜い、遊一、起きろ〜」

 

ドン、ドン、ドンと十代は強く叩くが遊一が起きてくる気配は一切ない。十代は廊下側につけられている部屋の窓から中の様子を見るが、やはり遊一は今だにベッドで爆睡している。

最初はいくらノックしても、出てこないので、翔が出掛けているのではないか?と言ったので、十代は遊一の部屋の窓から中の様子を覗いたときから、遊一はベッドで爆睡していた。

 

「はぁ……どうしよう、アニキ?」

 

「ん〜」

 

「ほっといたらいいんだな」

 

と言うのは、十代と翔のルームメイトで留年生の前田隼人である、その顔はまるでコアラである。

隼人の申し出に翔は顔を青くして、拒否する。

 

「何言ってんだい、隼人くん⁉彼は第六天魔王と呼ばれてるんだよ!きっと、起こさなかったからって理由で、生きたまま頭蓋骨を引き抜かれて、それでお酒とかを飲むつもりだよ‼」

 

「それは、ほんとなんだな⁉」

 

「だって、彼は第六天魔王だよ‼」

 

「遊一はそんなことしないと思うけどな〜」

 

十代の声は遊一……いや、第六天魔王に恐怖する翔と隼人の叫び声で掻き消される。しかし、こんなに騒いでいるのに、起きてこない遊一という人間の爆睡の深さに感心する十代だった。

 

「あ〜、二人とも先に行ってくれよ、俺が遊一を起こすから」

 

「え、兄貴いいの?」

 

「だから、席と食事をキープしててくれよ?」

 

「「ラジャー!」」

 

二人は十代の提案をこれ幸いとし、猛ダッシュでその場から去っていた。猛ダッシュで去っていく二人を見て、苦笑いしかできない十代は、どうしようか?と頭を悩ませた。

はっきり言って、十代はデュエル以外で頭を悩ませるのが苦手だ、酷い言い方をすれば、十代はデュエル以外で頭を悩ませることができない人間である、故に遊一から卒業後会うたびにデュエル馬鹿と言われ続けているのである。

そんな十代ではあるが、意外と閃くときは閃くもので、またそれが意外と役に立つ。

 

「そうだ、相棒!」

 

十代が誰もいないはずなのに、相棒と呼ぶと薄っすらと何かが現れる……それは、モフモフした丸い身体に二本の手足に白い羽がついている遊戯王でいう“ハネクリボー“と呼ばれるカードに描かれている、その姿だった。

別に十代はデュエルディスクもソリッドビジョンも展開していない、だが、本来カードであるはずのハネクリボーが十代の右肩らへんに現れ、パタパタと羽を羽ばたかせている。十代にはまるで、その場に本当にハネクリボーがいるような感覚がした……いや、実際いるのだ……カードの精霊として。

 

『クリクリ〜』

 

ーーーカードの精霊。

デュエリストなら一度は聞いたことがある呼称である。

だが、その存在を見た者はかなり少なく、またカードの精霊が宿っているカードを持っている人間も少ない。かの決闘王である武藤遊戯は、そのカードの精霊が見えるらしく、彼は今までのピンチはカードの精霊達に助けられてかきたと語る。

 

しかし、その言葉を信じる者は少なく、カードの精霊達は言わばオカルト、幽霊の様な位置付けをされていた。

だが、実際は幽霊みたいな物である。

 

「相棒、ごめんけど、部屋に入って、遊一を起こして来てくれないか?」

 

『クリクリ』

 

ハネクリボーはOKと頷くと、ドアに向かって飛んでゆき、そのまま突き抜ける。

そう、精霊は物体の干渉を受けないことも受けることもできるのだ、触ったり、触れたりこともできるのである。

 

ハネクリボーは十代に言われたとうりに遊一の部屋の中に入ると周りをキョロキョロと見渡し、遊一を探そうとするが……その探す目線の先に見てしまったのだ……。

三角形のピラミッド型のガラスケースのような物を見つけた。そして、そのケースの中には、何やら蠢く物が入っていた……それは青い何かが入っており、その青い何かの中には黄色の目が無数にあり、さらにニヤリと笑う口が複数あった。それがギョロギョロとあちこちを見渡し、さらに青い何かはケースの中を蠢めいていた。

その目が一斉にハネクリボーを見ると……

 

『ケタケタケタ……』

 

と笑い声を出しながら、物凄いスピードでハネクリボーに迫ってきた。

 

『at@gtoj_sv#g'mjt』

 

ハネクリボーは悲鳴にならない悲鳴をあげ、先程自分が入ってきたドアに体当たりするように飛び出した。

ドアをすり抜けた瞬間、主人である十代の顔があった。十代は急にハネクリボーが飛び出してきたことに驚き、「うわあ⁉」と声をあげ、後ろに飛んでしまった。

そして、落ちそうになる。

 

「う、うおお⁉」

 

場所がわるかった。遊一が住んでいるのはレッド寮の二回でまたレッド寮の廊下はかなり狭い、人間二人がやっと通ることできるような幅しかない、そんな狭い場所で後ろに飛べば、フェンスに当たり、下手をしなくても、そのまま身体を乗り上げ、落ちる。

 

ーーー駄目だ。

 

十代が落ちると、そう覚悟したとき、ガッシリと何かが十代の手を捕まえ、そのまま十代を廊下の方へと引き寄せる。

 

ーーー助かった。

 

十代は安堵し、自分を助けてくれた人物にお礼を言おうと、顔を向けると……そこには……

 

「うお⁉」

 

『大丈夫ですか?』

 

身体が真っ赤で、四本の腕を持ち、その腕の先の手が鋭いかぎ爪のようになっている大柄な化け物が、十代を心配そうに見ていた。

十代はその風貌と大柄な身体に驚いたが、何処かで見たことがあるような気がしてきた。

 

「……あ、お前、ワーム・ヴィクトリーか⁉」

 

『はい、ワーム侵攻軍の一個師団を任せれている、ワーム・ヴィクトリーと申します。以後よろしくお願い申し上げます、十代様』

 

ワーム・ヴィクトリーはぺこりと綺麗なお辞儀をした。十代もぺこりとお辞儀を返した。

 

『それで、我らが主、小波遊一様に御用で?』

 

十代はそれを言われ、自分が朝食に来ない遊一を呼び来たことを思い出し、ヴィクトリーに説明すると、『少々お待ちを……』とビクトリーは言うと、部屋の中に透けて入っていく。

しばらく、外で待っていると遊一の部屋のドアが開き、怠そうな遊一が現れた。帽子を深く被っているので、表情はわからないが十代は遊一は朝は弱いためか、不機嫌な顔をしているような気がした。

 

「……おは」

 

「おう、おはよう、飯行こぜ」

 

「あい……」

 

怠そうな遊一はダラダラと先頭を歩く十代について行く、その足取りは重そうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を終え、十代御一行と遊一は準備を済ませ、教室に来た。既に来ている生徒は何人かいる、その中に昨日デュエルをした万丈目とその取り巻き二人に、デュエルの邪魔をしてきた天上院明日香、それと忘れそうになったが三沢達は全員自分の席に座っていたので、遊一達も席表にしたがって、自分の席に座る。

 

授業の時間が迫るにつれ、生徒が段々と多くなってくる。遊一はそんな増えていく生徒を見ながら、吹き出しそうになった……。

何故なら、女子生徒の服装が二種類あるのだ、一つは昨日天上院明日香が着ていた遊一にとって、懐かしいミニスカのブルーの制服ともう一つが、この間まで見ていたネオ童美野シティにあるデュエルアカデミアの赤い制服を着た女子がいて、しかも何人かはこの間まで何度もタッグデュエルやデュエルなどを一緒にやったり、挑んだり、挑まれたりした女子達がいた。

 

「……わーお」

 

遊一は久々に頭が痛くなった……なるほど、これが少し違う点かと納得しながら、先程からこっちを至近距離でニヤニヤと笑いながら見ている藤原雪乃をどうしようか?と悩んでいた。

 

ーーー無視だ、無視。

 

遊一はそこに藤原雪乃はいないのだと自分に言い聞かせるが、藤原雪乃は遊一ににじり寄っていき……

 

「ふぅ……」

 

「おふぅ……」

 

遊一の耳に息をかける、その何故か甘ったるい息に反応してしまう……ついでに息子も……が、殺意を感じたので、息子は静まった。

 

「……気付いてるんでしょ?」

 

「……」

 

「なら、もう一度……」

 

「何か用かい?」

 

もう一度されたら、色々とヤバイので遊一は諦めた。

やっと、反応した遊一に嬉しそうに笑いながら、雪乃はさらに近付く。

 

「ねぇ……貴方、強いんでしょ?」

 

「さぁ?」

 

「明日香から聞いたわ……貴方、万丈目くんに勝てたんでしょ?」

 

藤原雪乃は、さらに俺に近付き、息を吹きかけなくっても、息がかかる距離まで近付く。俺に対する周りからの殺意や視線がキツくなってきた。

取り敢えず、一番近くで殺気を放っている糞眼鏡を睨む、すると糞眼鏡は顔を段々と青くしていき、ガタガタと震え出す……風邪かい?

 

「席に戻れ」

 

「……イケズな人ね」

 

藤原雪乃は笑いながら、自分の席に戻って行く……くそ、面倒な奴に目をつけられた‼

今後の学園生活が心配でならな……ん、視線……他の連中とは違う視線を感じる。

俺は殺気を今だに向ける奴らを無視して、何やら視線を向けてくる人物を探すと、その人物らしき者と目が合う……ツァンディレだ。

ツァンディレは俺と目が合うと慌てて、目線を外し、取り繕うように教科書を手に取る……それ、逆さまだぞ。

ツァンディレはそれにまったく気付いていないが、隣で座っている宮田ゆまにそれを言われたのか、慌てて、元に戻すと涙目で俺を睨んできた……俺、何かした?

 

 

 

その後は、特に問題なく先生が来て、明日から本格的に始まる授業の説明を始める。俺はそれを眺めながら、大徳寺先生がこうして活動しているのに、若干涙ぐんでしまいそうだった。

だが、そんな涙ぐんでいる暇もなく、休み時間になると何故か藤原雪乃がやってくるわ、ツァンディレは睨んでくるわ、委員長に目をつけられるわ、宮田ゆまに何故か話しかけられるわと何故かネオ童美野シティで手伝った彼女達に関われた……あぁ、平和な学園が……。

いや、十代に関わった時点で平和な学園は無理か……

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、別に……つか、奢らなくってよかったんだぞ?」

 

昼休みになると何故か万丈目が俺に近付いて来て、ついて来いと言うものだから、ホイホイとついて行ったら、ドローパンを奢ってもらった。

その万丈目と一緒に外にあるベンチに座って、食べている。ちなみに、俺はカレーパン、万丈目はファグラパンだ。

 

「……ふん、約束は守る男だからな、俺は」

 

「引き分けだろ?」

 

「あの後、天上院くんから貴様の手札、伏せを聞いたんだ」

 

あー、それでね〜。

 

「認めたくはないが……貴様はこの万丈目隼のライバルに相応しい男みたいだな……」

 

万丈目はそう言うとこちらをチラチラと見る。

 

「その……あれだ、ライバルということは、だな……その、なんだ?

みょ、苗字で呼ぶのは可笑しいんだと……俺は、お、思うんだ」

 

え、何急にモジモジしやがって……苗字で呼ぶのは可笑しい?

あ〜、なるほど、なるほどな。

 

「あ〜、そうだな……準」

 

「⁉、そうだろ、遊一‼」

 

わぁ、すげぇ、嬉しそうだな……お前、まるで初めて名前で呼んで……も、ら……あ、そういや、あっちの時も親族以外、誰も名前で呼んでいなかったな……万丈目ェ……。

 

「ふっ、なら、俺のライバルとして、午後からある実力テストデュエルを頑張るがいい‼」

 

「は?午後の実力テストデュエル?」

 

「ん、貴様は知らんのか?……そういえば、レッドには言わないとクロノス先生が言っていたな……」

 

マジかよ、あの顔面凶器。

 

「ま、まぁ、この万丈目準様に勝てた、貴様だ。負けるはずがないな‼」

 

「……だな」

 

俺が午後からの実力テストデュエルを知らなかったことに落ち込んだと思って、万丈目……準は俺を必死に励まそうとしてくれたのが、嬉しかった。

 

「お前も負けんなよ、準」

 

「ふん、当たり前だ!」

 

俺達はベンチから立ち上がり、午後から行われる実力テストデュエルのための準備に取り掛かった。

相手には悪いが勝たせてもらう‼

 

 

 

 

そして、午後の実力テストデュエルが始まる……。

俺の対戦相手は……

 

「よろしくね、小波君」

 

天上院明日香だ……はぁ、面倒いな〜

 

「よろしく、天上院」

 

俺と天上院はデュエルディスクを構える……そして、いつも通りに言う。

 

「「デュエル‼」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「デュエル‼」」

 

先攻 小波遊一VS後攻 天上院明日香

通常デュエル

LP4000

先攻 小波遊一

後攻 天上院明日香

 

 

 

1ターン目 小波遊一

 

お、今回は俺が先攻か……ありがたいな。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

先攻だと高確率で、カード効果を発動できて、有利にことを運べるからいいよな……まぁ、後攻1ターンキルされれば、意味ないが。

 

「俺は手札から永続魔法“未来融合ーフューチャー・フュージョン“発動‼」

 

“未来融合ーフューチャー・フュージョン“

永続魔法(制限カード)

自分のエクストラデッキの融合モンスター1体をお互いに確認し、

決められた融合素材モンスターを自分のデッキから墓地へ送る。

発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に、確認した融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

 

発動すると同時に、俺の後ろから巨大なビルが幾つも現れる。

そして、その巨大なビル群の中でも一番デカいビルの屋上に、何故かあいつらがいた……何してんだよ。

 

「……俺が選択するのは、“ワーム・ゼロ“だ‼」

 

“ワーム・ゼロ“

融合・効果モンスター

星10/光属性/爬虫類族/攻 ?/守 0

「ワーム」と名のついた爬虫類族モンスター×2体以上

このカードの攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの種類×500ポイントになる。

また、このカードは融合素材としたモンスターの種類によって以下の効果を得る。

●2種類以上:1ターンに1度、自分の墓地の爬虫類族モンスター1体を選択し、裏側守備表示で特殊召喚できる。

●4種類以上:自分の墓地の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外して発動できる。

フィールド上のモンスター1体を選択して墓地へ送る。

●6種類以上:1ターンに1度、デッキからカードを1枚ドローできる。

 

俺がワーム・ゼロを選択すると一番デカいビルから垂幕が下がる、それにはワーム・ゼロとデカデカと名前が書かれていた……無駄に達筆だな、おい。

書いたのはクィーンか?

あいつ、無駄に字が達筆だし、キングは字が書けないし。

 

「そして、未来融合の効果により、融合素材を墓地に送る」

 

遊一が墓地に送った素材

ワーム・ジェートクリプス

ワーム・カルタロス

ワーム・キング

ワーム・ヤガン

ワーム・ノーブル

ワーム・プリンス

ワーム・ヴィクトリー

ワーム・アポカリプス

 

俺が選択したワーム達は、一斉に走りだした……しばらくすると、ぜぇはー、ぜぇはーと肩で息をするような仕草をしていた……いや、お前ら、宇宙人だろ?宇宙空間に住んでるんだろ?つか、階段でわざわざ降りてきたんかい、エレベーター使えよ……。

そんなことを考えていると、周りから笑い声が聞こえてきた「カードを墓地に送る過ぎ」や「さすが、レッドだ…自滅する気だ」または「頭可笑しいんじゃね?」などなど、墓地肥やしという言葉を知らないアホどもが笑っていた……そういや、この時代って、墓地肥やしの概念もないし、ステータス主義の時代だったなと思い出した。

 

「結構、墓地に送るのね」

 

天上院明日香も何処か馬鹿にしたような感じの言い方をする……こいつ、こんな嫌味な奴だったか?

ふん、その馬鹿にした感じを取り払ってくれる!

 

「……さらに、モンスターをセット、カードをセット、ターンエンド」

 

「あら、終わり?つまらないわね……」

 

うわぁ……ムカつく。

 

 

 

遊一 LP4000

手札 2

モンスター セット×1

魔法、罠 未来融合(ワーム・ゼロ) セット×2

 

 

 

「私のターン、ドロー」

 

えーと、確か天上院のデッキはサイバーガールデッキだっけ?

前から思ったけど、使いにくいだろ、そのカテゴリー。

 

「私は“コマンド・ナイト“を召喚!」

 

コマンド・ナイト 星4/攻1200

 

“コマンド・ナイト“

効果モンスター

星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1900

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上に表側表示で存在する戦士族モンスターの攻撃力は400ポイントアップする。

また、自分フィールド上に他のモンスターが存在する場合、相手は表側表示で存在するこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。

 

何気に女性カードのコマンド・ナイトさん……初出はゲームで、レベル5で効果は使いにくいカードだったのに、OCG化したら、こんなに使い易くなちゃって……珍しい。

 

「さらに永続魔法“連合軍“発動、これにより、コマンド・ナイトの攻撃力は自身の効果を含め、1800よ‼」

 

コマンド・ナイト 攻1800(1200+400+200)

 

お〜お〜、立派な攻撃力だこと…つか、連合軍って後ろで応援してるだけかい……。

天上院の後ろで、筋肉質な屈強な男達や魔女らしき女性達などが一生懸命に応援していた……いや、援護攻撃しろよ、お前ら。

 

「バトルフェイズ、コマンド・ナイトでセットモンスターに攻撃!」

 

コマンド・ナイトは剣を構え、俺のセットモンスター目掛け走り出す……ちっ、スカートではないから、パンチラはどう足掻いても無駄か……。

 

「おっと、そうは問屋が卸さない!リバースカード発動、速攻魔法“サイクロン“!

連合軍を破壊だ!」

 

「構わないわ!」

 

俺がサイクロンを発動すると、応援団の近くに突如巨大なサイクロンが発生し、次々に応援団の団員を吹き飛ばしていく。団員は特に抵抗せず吹き飛ばされ、最後の一人まで必死に応援をしていた…お前ら、頑張りすぎだろ。

と応援団の頑張りに感服していると、コマンド・ナイトが高く飛び上がり、俺のセットモンスターに剣を突き刺す……そこには肌色をした虫のような羽をつけ、人間同様に四肢と頭があり、目は獣ように鋭いが、口はイカの様な形をしているモンスターが、気持ち悪い悲鳴をあげ、絶命した……が、最後に俺にカードを渡すべく、カードを一枚投げた……ありがとう、カルタロス。

 

“ワーム・カルタロス“

効果モンスター

星4/光属性/爬虫類族/攻1200/守 500

リバース:デッキからレベル4以下の「ワーム」と名のついた爬虫類族モンスター1体を手札に加える。

 

 

「リバースこ「きゃぁぁぁぁ‼」う……か……」

 

え、なに?といきなりの悲鳴に驚いた遊一は周りを見渡すと、女子や男子生徒が死んだカルタロスを見ながら、叫んだ。

 

「なにあれ、キモい!」

 

「あの悲鳴気持ち悪⁉」

 

「マジ、あり得ない‼」

 

「気色悪‼」

 

「なんで、あんなカード使ってるわけ⁉」

 

「……キモ」

 

と好き勝手に言いまくり、さらに遊一の目の前にいる天上院も汚物を見るような目で死んだカルタロスを見た。

遊一はかなり頭にきたが……感情を抑えた。

天上院はなんでこんなカードを使ってんだ、キモと言いたげな表情で遊一を見た。遊一は今すぐ殴ってやろうか?と思ったが、我慢した、物凄く我慢した、周りから「ありえない」とか「こいつ、キモい」とか「サイテー」とか言われまくったが、我慢した……今夜の深夜に今ワームの悪口を言った奴らの部屋にワームを送りこんでやると心に誓う。

 

「カルタロスのリバース効果で、デッキから“ワーム・ゼクス“を手札に加える。」

 

遊一は手札に加えるゼクスを軽く天上院に見せると顔をしかめ。

 

「またキモいカードを」

 

よし、こいつの家にパラサイトをついでに送ってやる。と本気で思い、サイキック共の実験材料にしてやるとも考えた。

俺がそんなことを考えていると天上院はメインフェイズ2に移行し、カードを伏せ、ターンを終了した。

 

 

 

天上院 明日香

LP4000

手札 2

モンスター

コマンド・ナイト

魔法、罠

セット×2

 

 

 

2ターン目 小波遊一

 

「俺のターン‼」

 

遊一はイラつきながら、カードをドローするが頭の中は落ち着いていた。

遊一はチラリと未来融合の方を見ると、ワームとガスタ族にAOJ達が何故か野球をしていた。

 

「……伏せが怖いが、俺は“ワーム・ゼクス“を召喚!」

 

“ワーム・ゼクス“

効果モンスター

星4/光属性/爬虫類族/攻1800/守1000

このカードが召喚に成功した時、

デッキから「ワーム」と名のついた爬虫類族モンスター1体を墓地へ送る事ができる。

自分フィールド上に「ワーム・ヤガン」が存在する場合、このカードは戦闘では破壊されない。

 

次に洗われたのは、体の形がアルファベットのXみたいな形をしており、その中心には大きく開いた口がニヤリと笑っていた。

もちろん、女子達からは悲鳴が上がり、男子達は嫌そうな顔をしていた。

 

「……ゼクス効果。デッキからワームと名のついたモンスターを墓地に送る……ワーム・ヤザン……じゃない、“ワーム・ヤガン“だ」

 

いかん、いかん、ヤザンじゃない、ヤガンだ。ヤザンだと、虫けらがぁ〜と言っていたら、最終的には自分が虫けらのような放浪者になっていたおっさんになってしまう。

ゼクスの方を見ると、ゼクスの大きな口がさらに開き、そこから一体のモンスターが現れる。その形はアルファベットのYの様な形をしていた……ワーム・ヤガンだ、ゼクスの口から出たせいか、若干ヌメヌメしており、その身体はゼクスのヨダレまみれだ。

そして、ヤガンはそのままゼクスの口から落ち、俺の墓地に送られる。

 

「うぁ……」

 

天上院が嫌なモノを見たような顔している、いや、天上院だけではない。ほとんどの生徒がゼクスの効果演出を見て、嫌な顔している……そういや、ゼクスって、あれか、火消しか?

皆が嫌な顔をしている最中、ワームを面白そうに見ている生徒が一人……十代だ。

そういや、十代はヴィクトリーに会ったんだっけ?

だからか?

……いや、あいつのことだから、デュエルしてぇ‼とか思ってんだろな。

 

「さてさて、“ワーム・ヤガン“の効果発動!自分の場がゼクス一体のみの場合、墓地から裏側守備で特殊召喚できる!

来い、ヤガン‼」

 

“ワーム・ヤガン“

効果モンスター

星4/光属性/爬虫類族/攻1000/守1800

自分フィールド上のモンスターが「ワーム・ゼクス」1体のみの場合、このカードを墓地から裏側守備表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

このカードがリバースした時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す。

 

先程のYの形をしたワームの一体が空から落ちてきて、そのまま着地し、地中に潜っていく…早いな、掘るの。

さて……攻撃はやめとこ、こいつ手札あるし、次でいいや。

 

「カードをセット……ターンエンド」

 

 

 

遊一 LP4000

手札 2

モンスター ワーム・ゼクス 攻1800 ワーム・ヤガン(裏側)

魔法、罠 未来融合(残り1ターン)

セット×2

 

 

 

 

3ターン目 天上院明日香

 

「私のターン!」

 

天上院は引いたカードを見て、ニヤリと笑った。

 

「私は手札から“強欲な壺“発動…よし、さらに“融合“発動‼」

 

“強欲な壺“

通常魔法(制限カード)

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 

“融合“

通常魔法

手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。

 

あるぇー、強欲な壺って禁止じゃなかったけぇー?

 

「私は手札から“エトワール・サイバー“と“ブレード・スケーター“を融合!

来なさい、“サイバー・ブレイダー“‼」

 

サイバー・ブレイダー 星7/攻2100

 

二体のモンスターが混ざり合い、一体のモンスターとなって現れる。

サイバー・ブレイダー…天上院明日香のエースカードであり、その効果は変幻自在である。相手の場のモンスターにより、効果が変化する。使い勝手は悪いが、使い方を心得れば強力なカードとなるのが、それがサイバー・ブレイダーでありる。

 

「サイバー・ブレイダーの効果により、攻撃力は倍に、パ・ド・トロワ‼」

 

“サイバー・ブレイダー“

融合・効果モンスター

星7/地属性/戦士族/攻2100/守 800

「エトワール・サイバー」+「ブレード・スケーター」

このモンスターの融合召喚は上記のカードでしか行えない。

・相手のコントロールするモンスターが1体のみの場合、このカードは戦闘によっては破壊されない。

・相手のコントロールするモンスターが2体のみの場合、このカードの攻撃力は倍になる。

・相手のコントロールするモンスターが3体のみの場合、このカードは相手の魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にする。

 

サイバー・ブレイダー 攻5000(2100+400×2)

 

あ、これ、ヤバい。

 

「サイバー・ブレイダーでゼクスに攻撃、グリッサード・スラッシュ‼」

 

「なら、リバースカードオープン!“W星雲隕石“発動‼」

 

“W星雲隕石“

通常罠

フィールド上に裏側表示で存在するモンスターを全て表側守備表示にする。

このターンのエンドフェイズ時に自分フィールド上に表側表示で存在する爬虫類族・光属性のモンスターを全て裏側守備表示にし、その枚数分だけ自分のデッキからカードをドローする。

その後、自分のデッキからレベル7以上の爬虫類族・光属性モンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

一つの隕石が落ちてきて、地中に眠るヤガンを叩き起こす。

叩き起こされたヤガンは、サイバー・ブレイダーに向けて、Yの字の身体の先端なら触手を出し、サイバー・ブレイダーに触手を巻きつける。

 

「フィールド上の全裏側守備モンスターは表側守備表示になる!

それにより、ヤガンの効果発動!ヤガンは裏側から表側になったとき、相手の場に存在するモンスターを一体選択、手札に戻す……もちろん、戻すのはサイバー・ブレイダーだ‼」

 

「そんな⁉」

 

ヤガンは巻きつけた触手で、サイバー・ブレイダーを投げるとサイバー・ブレイダーはエクストラデッキに戻ってしまう。

サイバー・ブレイダーを戻したヤガンは何処か得意げだった。

 

「くっ、なら、私はカードをセット、コマンド・ナイトを守備にターンエンド」

 

「待った!ターンエンド時にW星雲隕石の効果発動だ、俺の場の光属性・爬虫類族モンスターを全て表側から裏側守備に変更する!

さらに変更したモンスター一体につき、一枚ドロー‼

これがラストだ、ドロー後、俺はデッキからレベル7以上の光属性・爬虫類族モンスターを特殊召喚できる‼」

 

「なっ⁉」

 

「俺はデッキから、“ワーム・ヴィクトリー“を特殊召喚する‼」

 

ワーム・ヴィクトリー 星7/攻0

 

「お、あいつは⁉」

 

場に現れたのは、今朝十代が落ちそうになったとき、助けてくれたワーム・ヴィクトリーだった。

 

「……ターンエンド、いいかしら?」

 

「どぞ」

 

「ターンエンドよ」

 

天上院LP4000

手札0

モンスター コマンド・ナイト 守

魔法、罠 セット×3

 

 

 

これがラストだ!

 

「俺のターン、ドロー……未来融合によりワー「ワーム・ゼロ特殊召喚時に、“激流葬“」……ありゃ」

 

“激流葬“

通常罠(制限カード)

モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動できる。

フィールド上のモンスターを全て破壊する。

 

「貴方のモンスターは全滅よ‼」

 

「……で」

 

「は?」

 

「甘いんだよ、手札から魔法発動、“死者蘇生“‼」

 

「⁉」

 

“死者蘇生“

通常魔法(制限カード)

自分または相手の墓地のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。

 

「つーわけで、蘇れ、ワーム・ヴィクトリー‼」

 

ワーム・ヴィクトリー 攻0

 

「な、なん「お前はなんで攻撃力ゼロのモンスターを……という」なんで攻撃力ゼロのモンスターを……ハッ⁉」

 

ハッとした表情になる天上院……いや〜やっぱ、この台詞最高だわ‼

 

「わざわざ、攻撃力ゼロのモンスターを復活させた理由を知れ!

ワーム・ヴィクトリーの効果、こいつは自分の墓地に存在するワームと名のつくモンスター一体につき、攻撃力を500アップ‼

ワームは12体……よって、攻撃力は6000‼」

 

“ワーム・ヴィクトリー“

効果モンスター

星7/光属性/爬虫類族/攻 0/守2500

リバース:「ワーム」と名のついた爬虫類族モンスター以外の、フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。

また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードの攻撃力は、自分の墓地の「ワーム」と名のついた爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。

 

ワーム・ヴィクトリー 攻6000

 

「「「なっ⁉」」」

 

会場の誰もがワーム・ヴィクトリーの急激な攻撃力上昇に驚く。

そんななか、十代は「すげぇ、すげぇ〜‼」と興奮していた。

ワーム・ヴィクトリーは巨体な身体がさらに巨体化する。

 

「これで終わりだ、ヴィクトリーで天上院に攻撃‼」

 

「させないわ、ふ「待った!リバースカード、“トラップ・スタン“発動‼」……そのカードは⁉」

 

明日香は昨日のアンティデュエルの帰りの遊一に会ったときに見せてもらったカードだった。

 

「効果は知ってんな!このターン、お前は罠カードを発動できない‼」

 

「くっ⁉」

 

「ヴィクトリーでダイレクトアタック、勝利への一撃‼」

 

ヴィクトリーの強靭な四本の腕が明日香を襲う。

 

天上院LP4000-6000=-2000

 

そして、勝者が決まる。

 

勝者 小波遊一

 

 

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