赤帽子の強制学生生活。 リメイク版   作:コジマ粒子の化身

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第四話

天上院明日香は湯船に浸かりながら、大浴場の天井を見上げていた。今日あったデュエルを思い返していた……あそこで、激流葬を使ったのは間違いだったのか?と悩んだが、彼がトラップ・スタンを伏せていて、それを使わなかったということは、死者蘇生を握っていたからか?とか色々と考えていたら……。

 

「‼」

 

突如悪寒が走った。

明日香が振り返ると、ヨダレを垂らして、腕を広げた同級生の大庭ナオミがいた……しかも、何故かハァハァと息が荒かった。

明日香は何故か貞操の危機を感じた。明日香が一歩下がるとナオミは一歩進んだ……また一歩、ナオミもまた一歩……あ、これヤバいと感じたとき、ナオミが行動に出ようとした瞬間。

 

「ふげぇ⁉」

 

ナオミの横顔に風呂桶が直撃し、ナオミはそのまま吹き飛ばせれた。

明日香は状況が飲み込めずにいた……何がおきそうになって、何があって大庭ナオミは湯船に全裸でプカプカと浮いているのだろうと考えを巡らせていると、自分の隣に誰かが来たのを感じた。

 

「危機一髪だったわね……あら、どうしたの?」

 

隣に来たのは同級生の藤原雪乃だった。先程のことがあったので、明日香は反射的に逃げた、そんな明日香を変な物を見るような眼差しで雪乃はクスクスと笑った。

明日香はクスクスと笑う雪乃にムッとしながら、雪乃の隣に戻る。

 

「……ありがとう」

 

「なんのことかしら?」

 

「助けてくれたんでしょ?」

 

「うふふ、私じゃないわ……彼女よ」

 

と雪乃が指差す方を見ると体を洗っていたツァンディレが明日香達の方を向いていた。明日香はありがとうの意味を含めて、笑いながら手を振ると、ツァンは顔を紅くして、そっぽを向いた。

 

「ツァンさん、顔紅いですよ?」

 

「かかかか、関係ないでしょ⁉」

 

顔を真っ赤にしているツァンがのぼせたのかと心配して、声をかける宮田ゆまに顔をさらに紅くするツァンだった。

 

「……うるさい」

 

ツァンの隣で頭を洗っていたレイン恵はボソリと誰にも聞こえない声量で呟いた。

その時、ジャッカル岬と委員長の原麗華が一緒に大浴場に入ってきた。

 

「だから、俺は後から入るって‼」

 

「そう言って、貴女は昨日も入っていないでしょ‼」

 

「ぐっ⁉」

 

「……うるさい」

 

レインはまたうるさくなったと思いながら、髪をシャワーで流したとき、何やら視線を感じ振り向き、見た。そして、隣で口論している岬と委員長に自分が見た者を指差した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、小波遊一は……

 

「王手」

 

『待った』

 

「……ショッカー、それ五回目だ」

 

精霊達と遊んでいた。

今はサイコ・ショッカーと将棋をしていた。他にはウィンとウィンダ、カームの姉妹がモンハンしていたり、ワーム軍とワイン一家、暗黒界軍が晩酌を勝手にしていたり、ダーク達は珈琲を作っていた……正にカオスである。

遊一はそんなカオスは日常茶飯事なので特に気にせず、頭から煙が上がっているショッカーを放置して、ウィン達とモンハンを始める。

そんなとき、誰かが来るのをダーク・アームド・ドラゴン、通称ダムドが気付いたので、ノックされる前にドアを開けた……実はダムドはドアのノック音が嫌いである。

 

「遊一、たい……うわぁ、なんじゃこりゃ⁉」

 

どうやら来たのは十代だったようで、ドアが開いたら、いきなりダムドの様なゴツい顔があったのでびっくりしたようで、今度は軽く後ろに飛び、落ちなかった。

 

『遊城十代か、我が主に何用だ?』

 

ダムドは先程の十代の態度が気に入らなかったのか、何処か高圧的な言い方だった、十代はそんなダムドに困惑していた。

すると、後ろから苦笑しながら、ダーク・クリエイターと終焉の精霊が現れた。

 

『駄目ですよ、ダムド。我らが主のご学友にそんなに高圧的では……ようこそ、十代くん、何用かな?』

 

次から次に、カードの精霊が出てくるので十代は驚いていたが、遊一への用事を思い出したのか、再び慌て始めた。

遊一は先程から十代が騒がしいので、自分によりかかってくるウィンとガスタ姉妹を押し退け、玄関まで行く。

 

「どったの、十代?」

 

「おぉ、遊一大変変態だ‼」

 

「誰が変態だ」

 

慌てる十代を遊一は物理的に落ち着かせ、話を聞いた。

 

「翔が誘拐された!」

 

「……で、何か問題?」

 

「ですよね〜」

 

「そのまま、外国に売り飛ばされてしまえ」

 

十代は翔が誘拐されたと遊一に言っても普段から翔を嫌っている遊一が助けてくれるわけがなく、むしろ、それが何か問題か?と聞き返してきたのだ。

だが、十代も簡単に折れるタイプではない、あーだーこーだーと遊一を説得しようとするも、遊一は左から右へと聞き流した。

しばらく、十代は説得をしていたが、これは無理かと思ったとき、遊一の背中に誰かが飛び付いた。

 

「のわぁ⁉」

 

『マスター、助けないと駄目ですよ〜』

 

『そうですよ、マスター』

 

見慣れない髪の色が緑色で姉妹と思わしき少女二人が遊一を説得を始めた。遊一は最初はかなり嫌がり拒否を示していたが、ウィンとガスタ姉妹に、ダムドにクリエイターに説得され、遊一は渋々嫌々ながら翔の救出に協力することにした。

そして、遊一は何故十代が翔が誘拐されたのかを知っているかを聞くと、一通のメールを見せてくれた内容は『丸藤翔を預かった……返して、欲しければ。

女子寮の付近にある離れ小島まで小波遊一と共に来い。

この事を教師や他の者に告げた場合、丸藤翔は学校に居れなくなる』と書かれていた。遊一は翔が学校に居れなくなるなら、行かなくてよくね?と口にしようとした瞬間、その口を笑顔のカームに掴まれ、喋るのをやめた。

一応、デッキとデュエルディスクを持っていくことにしたデュエル万能の世の中だ、持っていくことに無駄はないと遊一は思った。

ちなみに十代は基本的にいつもデュエルディスクとデッキは持ち歩いている。

何でも、いつでもデュエルできるようにだとか。

 

 

 

そして、嫌がる遊一と十代は女子寮付近にある離れ小島に近付くと一隻のゴムボートがあったので、何故かついてきたエリアに頼んで魔法で離れ小島まで運んでもらうと、明日香や雪乃、レイン、麗華、ツァン、ナオミ、ジャッカル達と明日香の取り巻き二人と顔がボコボコになっている翔が簀巻きにされていた。

遊一ははっきり言って、面倒臭そうなので帰りたかったが、後ろに満面の笑みを浮かべているカームがいたので帰るに帰れなかった。

 

「あ〜と、メール送ったの君ら?」

 

「そうよ」

 

と答えたのは明日香だった。

 

「で、そこのゴミが何かした?」

 

「ゴミ⁉」

 

「えぇ、このクソゴミ野郎は大浴場を覗いたのよ!」

 

そう言うのは大庭ナオミだった。

 

「クソゴミ野郎⁉」

 

「マジか、クソゴミ役立たず眼鏡」

 

「ねぇ、何か段々僕への悪口が悪化してない⁉」

 

「気のせいで、クソゴミ役立たず汚物眼鏡の生きる価値がない野郎」

 

「……うぅ」

 

誰もが遊一の翔の扱いの酷さにドン引きした。男嫌いで有名なナオミもこの時ばかりは翔に同情した。

 

「で、どうするんだ?」

 

「え?えぇ、彼を返して欲しくば私達の内三人とデュエルして、貴方達が二勝すればいいわ」

 

「なるほど、引き分け、そちらの二勝で翔は……」

 

「学校に突き出し、退学」

 

ツァンがそう説明すると遊一は冗談ではなく、負けようかな?と考えたが、涙目で訴えてくる十代に負けて勝つことにした。

決して、自分の後ろで杖を構えているカームに恐怖したからではないと遊一は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、十代と明日香が戦い、十代が勝利し、翔とツァンが戦い当たり前のように翔が負けた。

そして、ラストは……

 

「ふふふ、よろしくね」

 

「……うわぁ」

 

小波遊一VS藤原雪乃の試合だけになった。

 

「嫌な予感☆」

 

「うっふふ、では」

 

「「デュエル‼」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後攻 小波遊一VS先攻 藤原雪乃

通常デュエル

LP4000

 

「「デュエル‼」」

 

お互いデッキから初期手札である五枚を引く。

遊一は手札を見て、少し苦い顔をする、はっきり言って、今回のデッキはメインとなるカードの攻撃力はかなり低い。

下級で1200か800、上級は2000、一定の条件でデッキから特殊召喚できる最上級は3000だ。

下級も上級も最上級も効果はLP4000ルール相手ならかなり楽である……場に居続ければの話だが。

 

 

1ターン目 藤原雪乃

 

「うっふふ、いきなり攻めるわよ……私は手札から魔法“高等儀式術“を発動するわ」

 

「げぇぇぇ⁉」

 

“高等儀式術“

儀式魔法(制限カード)

手札の儀式モンスター1体を選び、そのカードとレベルの合計が同じになるようにデッキから通常モンスターを墓地へ送る。

その後、選んだ儀式モンスター1体を特殊召喚する。

 

「なんで、遊一はあんなに嫌な顔をしてるんだ?」

 

「さぁ?」

 

十代と翔は、雪乃が発動した高等儀式術にかなり嫌な顔をする遊一に疑問を抱いた。

明日香も高等儀式術を使用した雪乃に疑問を抱いた。

 

「いきなり、本気ね」

 

そう、本気なのだ。彼女はいつもは本気を出さずに適当に相手をあしらうのだが、いきなり切り札の一枚である高等儀式術を使ったのだ。

それは彼女が本気を出しているという証拠だ、それは雪乃は遊一に興味があるということを示すことにもなる。

 

「うっふふ、その嫌な顔をみるとこのカードは知ってるのね」

 

「あぁ……」

 

嫌な思い出ばかりだけどな‼と遊一は心の中で泣き叫んだ。

 

「私は手札にいる“終焉の王デミス“を選択……デッキから通常モンスターのレベル4、昆虫族の“ネオバグ“を二体、墓地に送るわ」

 

「やっぱりかぁぁぁぁ‼」

 

石で出来た祭壇から光が走り、その先の空間が歪み、デッキから二体のネオバグがその歪みに吸い込まれる……そして、その歪みから終焉の王が現れた。

 

“終焉の王デミス“

儀式・効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻2400/守2000

「エンド・オブ・ザ・ワールド」により降臨。

フィールドか手札から、レベルの合計が8になるようカードを生け贄に捧げなければならない。

2000ライフポイントを払う事で、このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。

 

“ネオバグ“

通常モンスター

星4/地属性/昆虫族/攻1800/守1700

異星から来たと言われる巨大な昆虫タイプのモンスター。

集団で行動してターゲットをとらえる。

 

「さらに墓地に存在するネオバグを二体除外し……来なさい、私の可愛い子、“デビルドーザー“」

 

“デビルドーザー“

効果モンスター

星8/地属性/昆虫族/攻2800/守2600

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の昆虫族モンスター2体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。

このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。

 

地響きがなり、地中から巨大な悪魔の虫が現れる。

その口には先程のネオバグ二体がいて、必死に口から逃げようとするが悪魔の虫はそれをあざ笑うかのように、鳴き叫ぶ二体のネオバグをゆっくりとゆっくりと咀嚼する。

その光景を見て、十代達は気分が悪くなり、遊一は頭が痛くなっていたが、その原因を作った雪乃は嬉しそうにその光景を見つめながら、頭を抱えている遊一に視線を向ける。

 

本当ならデビルドーザーを出す必要は全くない、デミスだけを出して、次のターンにデミスの効果を使ったあと、特殊召喚すればいいのだが……それでは面白くないし、彼の実力を測れないからだ。

もしかしたら、彼が自分が求めていた“男“なのかもしれない…十代は馬鹿そうだし、万丈目はヘタレだし、カイザーは阿呆だし、み……なんとかは興味ない、そうなると小波遊一という人間しか興味を持てなかった。

他にも学生はいるが、どうも彼ら以上……彼以上に興味を持てなかった、だから期待しているのだ、小波遊一というデュエリストに。

 

「私はこのままターンエンドよ」

 

 

藤原雪乃

LP4000

手札3

モンスター

終焉の王デミス 攻2400

デビルドーザー 攻2800

魔法、罠なし

 

さて…貴方は私の期待に答えてくれるかしら?

 

「アニキ、どうしょう⁉このままだと、小波さんが⁉」

 

「へへ、慌てんな、翔!遊一は絶対大丈夫だ‼」

 

 

 

 

 

2ターン目 小波遊一

 

いや、そんな期待されても困ります。

ヤバいんだよ、現状。

かなりヤバいんだよ、十代くん。

 

「……俺のターン、ドロー」

 

……どうにか、なるか?

 

「俺はモンスターをセットし、手札から二枚の永続魔法発動!

“マシン・デベロッパー“と“機甲部隊の最前線(マシンナーズ・フロントライン)

 

機甲部隊の最前線(マシンナーズ・フロントライン)

永続魔法

機械族モンスターが戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られた時、そのモンスターより攻撃力の低い、同じ属性の機械族モンスター1体を自分のデッキから特殊召喚する事ができる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「さらにカードをセット……ターンエンド」

 

後は祈るしかない……な。

 

 

小波遊一

LP4000

手札2

モンスター セット×1

魔法、罠 マシン・デベロッパー 機甲部隊の最前線 セット×1

 

 

「……アニキ」

 

翔は遊一がいきなり防戦一方を強いられることになったので、先程大丈夫だと言った十代を心配そうな瞳で見ると十代は優しい笑顔を浮かべ、翔の肩を叩き……

 

「翔……俺、お前のこと忘れないからな」

 

「アニキ〜⁉」

 

翔はもうダメだお終いだ〜と泣き叫ぶ。

 

 

 

3ターン目 藤原雪乃

 

「……期待外れね」

 

雪乃は少し寂しそうにガッカリした。

 

「私のターン、ドロー……私は“甲虫装甲騎士(インセクトナイト)を召喚」

 

甲虫装甲騎士(インセクト)

通常モンスター

星4/地属性/昆虫族/攻1900/守1500

昆虫戦士の中でも、エリート中のエリートのみが所属できるという「無死虫団」の精鋭騎士。

彼らの高い戦闘能力は無視できない。

 

カミキリ虫のような風貌をした虫の騎士が現れ、腰につけた鞘から剣を抜く。

雪乃はため息をついた…この男もと遊一を見た……だが、遊一の目には未だに闘志があった。

……面白い。

 

「うっふふ、じゃあ……バトルフェイズ、終焉の王デミスでセットモンスターに攻撃、終焉への一撃」

 

デミスは雪乃が命令すると同時に駆け出し、セットされたモンスターに持っていた両手斧を振りかざし、モンスターを両断する。

 

セットモンスター A・ジェネクス・クラッシャー 守2000

 

“A・ジェネクス・クラッシャー“

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻1000/守2000

自分フィールド上のこのカードと同じ属性のモンスターが、自分フィールド上に召喚された時、相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊できる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

「クラッシャーが破壊された瞬間、デベロッパーとフロントラインの効果発動!

デベロッパーにジャンクカウンターが二つ乗り、フロントラインの効果で1ターンに1度、デッキから同属性のクラッシャーの攻撃力以下のモンスター…“トラップ・リアクター・RR“を守備表示で特殊召喚!」

 

“トラップ・リアクター・RR“

効果モンスター

星4/闇属性/機械族/攻 800/守1800

1ターンに1度、相手が罠カードを発動した時に発動できる。

その罠カードを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

黒緑色のロボットが先程やられたクラッシャーの後ろから現れ、その身を丸め、防御体制を取る。

 

トラップ・リアクター・RR 守1800

 

「そんなモンスターで、何の役に立つのかしら?

甲虫装甲騎士でトラップ・リアクターに攻撃!」

 

防御体制を取ったトラップ・リアクターだったが、甲虫装甲騎士は戦いに慣れたエリートである。

トラップ・リアクターの防御体制の僅かな隙間を見つけ、そこに剣を刺しこみ、トラップ・リアクターを破壊する。

 

「ジャンクカウンターがさらに2追加だ」

 

「それがどうかしたの?デビルドーザーで攻撃!」

 

デビルドーザーは、その巨大な口を開き、遊一に襲いかかろうとする。

 

「待て、罠カード発動、“フェイク・エクスプロージョン・ペンダ“!この戦闘ではモンスターは破壊されない!」

 

「だから、どうしたの!デビルドーザーでダイレクトアタック‼」

 

巨大な爆発が起きるが、デビルドーザーは物ともせず、遊一に体当たりをし、遊一のデッキの一番上のカードを一枚飲み込んだ。

 

「デビルドーザーの効果で、貴方のデッキトップを一枚送るわ」

 

「くっ、最悪……」

 

遊一 LP4000-2800=1200

デッキトップカード 聖なるバリアーミラーフォース

 

「だが……戦闘ダメージ計算後、手札又は墓地からこいつを特殊召喚できる!

来い、“サモン・リアクター・A1“‼」

 

「⁉」

 

サモン・リアクター・A1 星5/攻2000

 

「……何故、貴方のモンスターに使わなかったの?」

 

「運がよければ、後でわかる」

 

「そう……カードをセット、ターンエンド」

 

藤原雪乃

LP4000

手札3

モンスター 終焉の王デミス デビルドーザー 甲虫装甲騎士

魔法、罠 セット×1

 

 

 

 

 

「もう決まったも同然ね!」

 

「……えぇ、そうね」

 

明日香の取り巻きが嬉しそうに言う。明日香は遊一を見たあと、もう彼は勝てないと思い、肯定する。

 

「……言い訳どうしよ」

 

翔はもう諦めて、実家に帰ったときの言い訳を考えるが、全く思いつかない。

 

 

 

 

4ターン目 小波遊一

 

さて……俺のターンで決めなきゃ、負けるな……こりゃ。

ぶっちゃけ、負けてクソ眼鏡がいなくなりゃ、精々するが……俺もデュエリストだ、負けたくねぇ‼

だからよ、だからよ!

答えてくれ、俺のデッキ‼

 

「俺のターン……ドロォォォォォォ‼」

 

……ありがとうよ、馬鹿共。

 

「藤原雪乃!」

 

「何かしら?」

 

「勝たせてもらう‼」

 

藤原雪乃や明日香達、十代達はその発言にかなり驚いている。

見せてやるよ、うちのエース‼

 

「俺は手札から“マジック・リアクター・AID“を召喚!」

 

“マジック・リアクター・AID“

効果モンスター

星3/闇属性/機械族/攻1200/守 900

1ターンに1度、相手が魔法カードを発動した時に発動できる。

その魔法カードを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

「さらに、マシン・デベロッパーの効果発動!ジャンクカウンターとこのカードを墓地に送ることにより、ジャンクカウンターの数以下の墓地に存在する機械族モンスターを特殊召喚できる!

来い、トラップ・リアクター‼」

 

トラップ・リアクター・RR 攻800

 

「そんなカードで如何するのかしら?」

 

「こうする!

サモン・リアクター、マジック・リアクター、トラップ・リアクターを墓地に送ることにより、デッキから“ジャイアント・ボマー・エアレイド“を特殊召喚‼」

 

“サモア・リアクター・A1“

効果モンスター

星5/闇属性/機械族/攻2000/守1400

このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上にモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

この効果を使用したターンのバトルフェイズ時、相手モンスター1体の攻撃を無効にできる。

また、自分フィールド上に表側表示で存在する、このカードと「トラップ・リアクター・RR」「マジック・リアクター・AID」をそれぞれ1体ずつ墓地へ送る事で、自分の手札・デッキ・墓地から「ジャイアント・ボマー・エアレイド」1体を選んで特殊召喚する。

 

三体のリアクターが空に飛び上がり、形を変え、合体し、一体のモンスターが遊一の前に現れる。

 

“ジャイアント・ボマー・エアレイド“

効果モンスター

星8/風属性/機械族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

「サモン・リアクター・AI」の効果でのみ特殊召喚できる。

1ターンに1度、手札を1枚墓地へ送る事で、相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

また、相手のターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。

そのモンスターを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

●相手がカードをセットした時に発動できる。

そのカードを破壊し、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

「「「「攻撃力3000⁉」」」」

 

「ジャイアント・ボマーの効果発動!手札からカードを一枚を墓地に送ることにより、1ターンに1度だけ相手フィールド場のカードを一枚選択破壊できる‼

俺は藤原雪乃のセットカードを選択、デス・ドロップ‼」

 

ジャイアント・ボマーから一発のミサイルが発射され、雪乃のセットカードを破壊する。

 

セットカード “次元幽閉“

 

「行くぞ、ジャイアント・ボマーで甲虫装甲騎士を攻撃!」

 

「それでも、私のライフは…」

 

「甘いんだよ、ダメステ時に速攻魔法“リミッター解除“‼」

 

「しま⁉」

 

“リミッター解除“

速攻魔法(制限カード)

このカード発動時に、自分フィールド上に表側表示で存在する全ての機械族モンスターの攻撃力を倍にする。

この効果を受けたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

 

「やれ、ジャイアント・ボマー!デス・エアレイド・ブレイク‼」

 

ジャイアント・ボマー・エアレイド 攻6000(3000×2)VS甲虫装甲騎士 攻1900=4100

 

「きゃぁぁぁぁ!」

 

藤原雪乃LP4000-4100=-100

 

「つしゃぁぁぁ‼」

 

遊一は大きくガッツポーズをした。

 

 

 

勝者 小波遊一

 

 

 

 

 

 

 

「ま、嫌だったけど勝ったぞ、クソ役立たずで生きる価値が皆無で臭い馬鹿阿呆眼鏡野郎」

 

「なんか、長くなってる⁉」

 

「あっははは、遊一はブレねえな!」

 

なんとか、二勝できた男子チームは賑わっていたが、女子チームは約束とはいえ、少し納得がいかないと考える者が少なからず、居た。

だが、遊一はそんなことを気にせず、翔を指差し。

 

「さて……ゴミを持ち帰っていい?」

 

「ゴミに戻った⁉」

 

「えぇ、約束したから、いいわよ」

 

明日香は納得がいってない人を軽く説得し、遊一達を返そうとした……が、雪乃が遊一の服を掴んだ。

 

「……何でしょうか、藤原雪乃」

 

「雪乃よ」

 

「離してくれ、藤原雪乃」

 

「フルネームで呼ぶ、必要はないわ……雪乃でいいわ」

 

「では、雪乃さん」

 

「呼び捨て」

 

「……雪乃」

 

「よろしい」

 

雪乃は満足そうに笑いながら、遊一の服を離すと遊一に顔を近付け。

 

「覚悟していてね」

 

「は?」

 

「じゃ、お休みなさい、遊一」

 

雪乃はその場を去っていく、何人かがそれについて行き、明日香とその取り巻きもついていく……最後にジャッカル岬が遊一を一瞬睨み、ニヤリと笑ったあと、明日香達の後を追った。

去っていく女子達を雪乃を見ながら、小波遊一は果てしなく嫌な予感がした。

 

 

 

こうして、翔の誘拐覗き騒動は幕を閉じた。

 

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