赤帽子の強制学生生活。 リメイク版   作:コジマ粒子の化身

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第五話

翔覗き騒動から数週間たった、ある日小波遊一は珍しく朝から早く目が覚めた。

遊一はこんな日もあるんだな……と思いながら、ベッドに手を置いて、身体を起こしてから、背伸びをし、ゆっくりと腕を降ろすと

 

ムニッ。

 

と右手かり柔らかい感触がした。

遊一は嫌な予感がし、ゆっくりと柔らかい感触がした右手を見ると……。

 

「……朝から大胆ね」

 

ネグリジェを着た藤原雪乃がいて、自分の右手は雪乃の胸に触れていた。

遊一はさっさと右手を離れると、雪乃は身体を起こし、右腕に抱きついてきた。今度は右腕に胸の感触が伝わってくる。

遊一は頭が痛くなった……あの翔覗き騒動から、毎日のように雪乃が遊一の部屋に入ってくるようになり、さらにベッドに潜り込んでくるので、初日は困ったが何日も続けられば、人間慣れてしまう。

遊一はため息をつきながら、学校から支給されたPDAで、雪乃を引き取りに来てくれる原麗華にメールを送る、するとすぐに返信が返ってきた……すぐに回収しにいくとのことだった。

 

「……はぁ」

 

「あら、どうしたの?」

 

いつの間にか、雪乃は下に降りて、制服に着替えていた。

こいつ……と呆れたが、気にしないことにした、どーせ、何を言っても無駄だ。

しばらくすると、委員長こと原麗華が雪乃を迎えに来た。ついでにまた勝手に持ってきた私物を渡した……さりげなく、下着や私服とか持って来やがって、ここに住むつもりか。

やめてくれ、精霊の馬鹿共で充分煩いし、面倒なのに、さらに雪乃が増えたら、俺はどうすればいいんだ?

 

俺はそんな考えをしながら、雪乃と委員長を見送る。

見送らなければ、雪乃は帰ってくれないから、見送る。面倒な奴だと思ったが、藤原雪乃という人間と家族構成を考えたら、彼女は“甘え方“を知らないかもしれない……色仕掛けの甘え方は知っているが。

今考えてみれば、俺の周りには“甘え方“を知らない人間が多い気がする……気のせいか?

そういや、以前クロウ(苦労人)

にいい奴すぎると言われたことがあったな。

苦労人(クロウ)に言われたくないと返したら、遊星やジャック(元キンニート)、アキ、双子(妹は鬼畜デッキ)も俺がいい奴と言い、さらにお人好しとまで、言われた。

 

「そうかね〜」

 

俺は今までの人生、自分がやりたいことをやってきただけだ。

ゆまが闇のカード回収を手伝って下さいと言われたときも、闇のカードのヤバさを知っていたし、被害者だったということもあり、手伝っただけだし、遊星達に協力したのも死にたくないし、未来に生きたいからだ。

友達がいないツァンに友達を作れるきっかけや岬の番長ロード、ナオミの女子ハーレム計画などなどを手伝ってきたのは、ただ手伝っただけだし、手伝おうと思っただけだ……何処がいい奴すぎて、お人好しなのだろうか?

 

色々と考えながら、制服に着替え、デュエルディスクを装備し、食堂に向かう。

食堂に着き、ドアを開けるとまだ人は疎らだったが、既に食事は用意されてるようで、食べている生徒はチラホラいた。

とりあえず、用意され、ラップをかけられている朝食をとり、近くにある廃品一歩手前の年代物の電子レンジを数回使い、朝食を温め、適当な席を探す。

 

「おーい、小波〜こっち〜」

 

と呼ばれたので、そちらに行くと。

 

「よ、早いな」

 

「ま〜な〜」

 

「どうせ、藤原さんに起こしてもらったんだろ?」

 

「マジ⁉」

 

「ちげぇよ」

 

そこに座っていたのは、十代達の隣の部屋に住んでおり、同級生の初心 守(しょしん まもる)亀田 小太郎(かめだ こたろう)の二人が朝食を食べていたので、お邪魔をさせてもらい、今日もメインである鮭に手をつける。

 

「……うす」

 

「やっぱか?」

 

今日はやけに味が薄いし、パサパサしている。いや、俺、借金背負って地下を掘り続ける仕事をやらされているわけではないんだぞ?

何故こんなに味が薄く、パサパサしているのかを初心や亀田に聞くと、どうやらレッドの食糧が切れかかっており、さらにこのままだと今後野菜しか食べれないらしい。

 

レッド、イエロー、ブルーの三つの寮と生徒には差がある。

設備、宿屋、扱い、食糧などなどと差がつけられている。特にレッドの扱いの酷さには定評があり、マトモな設備はないし、宿屋だって、ただのボロアパート、先生や他の生徒からは冷たく扱われ、さらに食糧は貧相な物で、よく言えば庶民的、悪く言えば貧乏である。

また、レッドは食糧が貧相な上に量が少なく、レッド寮の周りには畑があり、養鶏場や養豚場まであり、さらに海が近いということで近くにある海岸には、小型漁船が二隻ある。

そう、レッドは基本自給自足である。

 

「……じゃ、何?漁に行けってか?」

 

「そうなるんじゃね?」

 

「聞いた話によると、先程寮長と副寮長が校長に漁の許可を取りに行ったらしい」

 

副寮長?

 

「副寮長って、誰だよ」

 

「「知らん」」

 

ですよね〜。

俺も、もちろん会ったことないし、以前は寮長の大徳寺先生とマスコットのデブ猫(ファラオ)だけだった。副寮長なんて、聞いたことがまったくない。

 

その後、初心と亀田とたわいない話をしながら、不味い朝食を食べ終え、学校に向かおうと食堂を出ようとしたときに、十代と隼人とクソ眼鏡が慌てて、食堂に入ってきて、朝食をレンジで温めずに食べる。

さすがに味噌汁だけは温め、十代はご飯に味噌汁をかける、俗に言う猫まんまだ。

 

とりあえず、学校に行こう。

そう思った。

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁぁ、あ〜あ、疲れた」

 

今日、最後の授業を終え、遊一は背伸びをした。

いつも通りに授業をしながら、先生からくる問題の答えを答えたり、何かと迫ってくる雪乃を相手にしたり、準と談笑したりと特に最近とは変わりなく、一日を過ごしていた。

 

「はぁ……」

 

遊一はこれからどうしようか?と悩んだ。準、雪乃、三沢は用事があるらしく、遊べずに十代は十代で授業が終わると、さっさと帰った。

どうしようか?とまた悩んだが、特に目的がないので、寮に帰ろうとしたとき、遊一の肩を誰かが叩いた。

遊一が振り返ると、今朝の初心と亀田がいた。

 

「どうした、二人とも?」

 

「えと……実は」

 

「協力して欲しいことがある」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になり、十代達の部屋では怪談をしていた。最初は遊一も誘ったが、先約があるから無理だと断れたので、仕方なく三人で怪談を語り合っていたときである。

突如、十代達の部屋のドアがノックされる。そのノックに驚き、身体がすくみ上がる十代と先程十代がノックに纏わる怪談をしていたことを思い出し、小さい悲鳴をあげながら、お互いに抱き合う翔と隼人。

三人がノックに恐怖している間もノックはされ続ける……コンコンコンとノック音が部屋に響く。

十代は意を決して、ドアを開けにいこうとする、翔と隼人は小さい声でやめたほうがいいと言うが、十代はそれを無視して、ドアを開けると……。

 

「やっぱりいたニャー」

 

「大徳寺……先生?」

 

「?、どうかしたニャー」

 

「い、いえ、なんでも……」

 

怪談をしていて、たかがノック音にビビっていたとかは言えなかった。

 

「居たニャなら、いいニャ」

 

「はぁ?」

 

「実は今から先生と副寮長と何人かの生徒と一緒に漁に行ってくるニャ」

 

漁?副寮長?と頭を傾げる十代を気にせず、大徳寺は続けた。

 

「だから、当分の間先生達はいないニャ、その報告ニャ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

十代は何故漁に行くんだ?と考えながら、遊一のことを思い出した……まさか先約って、このことかと頭を悩ませていると、ガタガタと古い階段を乱暴に登ってくる音がしたので、そちらを見ると、明らかに不機嫌そうでツリ目の女性が大徳寺に近付き、大徳寺の耳を思いっ切りに引っ張る。

 

「大徳寺、お前、いつまで油売ってんだ!」

 

「いい、たいにゃ、いまいこう……」

 

「言い訳はいいから……行け!」

 

大徳寺は「ニャー」と泣きながら、走り去って行った。

十代はそれを唖然とした表情で見送った。

しばらく十代が惚けていると、副寮長と呼ばれた女性が十代達の部屋の中を覗く。

 

「ん、なにしてたんだ?」

 

「え、えーと……」

 

まさか、それをいきなり聞かれるとは考えてなかった十代は、若干パニックを起こしていると、部屋の中から隼人が出てきた。

 

「怪談をやってたんだな、弥生先生」

 

「ほー、怪談ねぇ」

 

十代は目の前でニヤニヤと意地の悪そうな笑みを浮かべる副寮長弥生先生を見る。

この人、先生なんだと思った。

弥生の格好は頭に三角巾をつけ、黄色と赤色のエプロンもつけ、半袖のポロシャツにジーンズを履いた。また、弥生の容姿を考えたら、大学生ぐらいにしか見えなかったので、少し驚いた。

 

「なぁ……お前ら」

 

「はい?」

 

「いい事を教えてやる」

 

そして、弥生から話を聞いた十代は、凄い行きたい!という顔をした。それを見た弥生はまたニヤニヤと笑いながら、その場を去って行った。

そして、十代は一人である場所を目指していた、そのある場所とは……。

 

「廃墟!」

 

先程、弥生から聞いた話はこうだ。

なんでも、レッド寮近くにある森林地帯の中に今は使わなくなった廃墟があるらしく、またそこで行方不明者やお化けを見たという生徒が最近増え続けているらしい。

怪談に飽きた十代は行こう!と翔と隼人に行ったが、絶対に行かないと話を聞かないので、一人で行く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃遊一は……

 

「釣れねぇ」

 

「だな〜」

 

初心と亀田と数名のレッド寮の先輩、同級生と共に釣りをしていた。

場所はレッド寮専用の漁船が停泊している海岸の近くだった。

実は、初心と亀田に誘われ、放課後から釣っていた。理由は食糧難を乗り越えるためである。

野菜や養鶏場などでは、間に合わないし、もたないとわかったので、数名のレッド寮の生徒達で釣りをして、食糧を確保しようと考えつき、こうして釣りをしている。

 

「はぁ」

 

遊一はただ釣竿を垂らすだけなので、飽きた。

これでドンドン釣れれば、楽しいであるが、全く釣れずに彼此三時間以上たっていた。

しばらく、釣りをしているて泣き顔の大徳寺がやってきた。

一応、どうしたのと社交辞令で聞くと、弥生先生にイジメられたと言った……だが、生徒はそんなことよりも釣りに行きたいと思った。

なんとか、大徳寺を立ち直させると、大徳寺は船の準備を始め、生徒達も準備を始める。

 

「……よし、出来た」

 

準備が終わり、さて出航しようとしたとき、何かが遊一達に向かって走ってきた……複数人のブルーの生徒だ。こちらに来るブルーの生徒の前に立ったのは遊一だった。

 

「貴様ら、何をしている?」

 

「漁」

 

「許可を取ったのか?」

 

「もちろんだ」

 

遊一は初心に後ろにいた、小さくボソボソと初心に言うとさらに前に出る。

 

「ちゃんと許可は……」

 

「ダメだな」

 

「は?」

 

「俺達、ブルーの許可を得なければ、駄目だ‼」

 

こちら、頭大丈夫か?と遊一は心配する。

ブルーの生徒達は次から次へとか言葉をつなげていく。その間に初心と亀田、大徳寺先生とレッド寮の生徒達は船に乗り込み、出航する。

それに気付いたブルーの生徒が走り出そうとするが、遊一が立ちはだかる。

 

「この先、行きたけば……俺を倒してみせろ‼」

 

「レッドの分際で!」

 

「付け上がるな!」

 

「やれ!」

 

数人のブルーの生徒がデュエルディスクを展開する遊一もデュエルディスクを起動させ、デュエルを開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後。

 

「ふぅ……」

 

「そ、そんな馬鹿な……」

 

あ〜ダル。

雑魚とは言え、数が多かったな〜。

 

「わ、我々ブルーの人間がたった一人のレッドに全滅⁉」

 

「ありえん!」

 

いやいや、現実見ろよ、現実。

お前ら、全員、俺に負けたから…いやはや、さすが六武衆とマシンナーズだ、楽勝楽勝☆

 

「さて……後は、初心達が」

 

「待て!」

 

「あん?」

 

「第六天魔王、俺とデュエルだ!」

 

「……誰?」

 

なんか、何処かで見た顔だな?

 

「俺様は金魚 分(かねざかな ぶん)だ、貴様を第六天に叩き落す男だ‼」

 

あー、思い出した、思い出した!

アレだ、アレ!

……やっぱ、思い出せんわ。

 

「あ〜、トリエアーズ……デュエルか?」

 

「そうだ、第六天魔王!」

 

ま、そのうち思い出すか……

 

「「デュエル‼」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後攻小波遊一VS先攻金魚分

通常デュエル

LP4000

 

「「デュエル‼」」

 

 

 

 

 

 

 

1ターン目 金魚 分

 

って、また後攻かい!

 

「俺様のターン!」

 

俺様……うわぁ、似合わねぇ。

ゴブリンみたいな顔をしてるのに、俺様って似合わねぇ。

つか、俺様と聞くとあのニート(ジャック)を思い出す……いつもいつもブルーなんちゃらを奢らせやがって、あの元キンめ。

何回も奢らせられて、初めて苦労(クロウ)の気持ちがわかったよ……まぁ、その後ツァン呼んで、タッグデュエルでシエンを五体並べましたが、何か?連合軍二枚発動して、六武院のカウンターは10を超えてましたが、何か?

ニートがぐぬぬという顔をして、巻き添いを食らったアポリアが「これが……絶望か……」と嘆いてましたけど、何か、問題?

 

「俺様はフィールド魔法“天空の聖域“を発動!」

 

「ぶっふぅ⁉」

 

“天空の聖域“

フィールド魔法

このカードがフィールド上に存在する限り、天使族モンスターの戦闘によって発生する天使族モンスターのコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。

 

天空の聖域って、おま、似合わねぇ!

ゴブリン顔のくせに、天空の聖域とか、ゴブリンデッキにしろよ。

 

「貴様、なにを笑ってる!」

 

「き、気にすんな」

 

やべぇ、笑いそう。

 

「馬鹿にしやがって!俺様は“シャインエンジェル“を召喚」

 

“シャインエンジェル“

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1400/守 800

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を表側攻撃表示で特殊召喚できる。

 

出たな、シャインエンジェル!

貴様、人の部屋来るたび、ボディビルダーみたいなことをやるのやめろ!

あと、グレファーとレスリングするのもやめてくれ、アウスが見る度に「今年の夏コミはこれだ!」とか言って、発酵するんだよ!

このままだと、霊使い唯一の良心で純粋っ子のヒータが穢される!

 

「俺様はカードをセット、ターンエンドだ!」

 

 

金魚 分

LP4000

手札1

モンスター

ガチムチ天使 攻1400

フィールド

天使の聖域

魔法、罠

セット×3

 

 

 

 

2ターン目 小波遊一

 

ま、リクルーターのガチムチ天使は厄介だし、天使の聖域も邪魔だし……退場してもらいますか。

 

「俺のターン、ドロー」

 

と言っても、現状対処できんのは、天空の聖域だけど。

 

「俺は手札から“サイクロン“を発動、天空の聖域を破壊する!」

 

「な、なにぃ!」

 

サイクロンが何故か天空に発生し、聖域を破壊していく……もろすぎだろ、聖域。

 

「そして、手札から“甲虫装甲騎士“を召喚」

 

「そ、そのカードは藤原様の……」

 

藤原……様?

 

「甲虫装甲騎士でシャインエンジェルに攻撃だ!」

 

甲虫装甲騎士 攻1900VSシャインエンジェル 攻1400

 

「ぐぅ!……だが、シャインエンジェルの効果でシャインエンジェルを召喚!」

 

甲虫装甲騎士は一振りで、シャインエンジェルを切り裂く。

そのすぐにガチムチな天使が、現れる……ほんと、ボディビルダーみたいな身体してんな、お前。

って、三枚も伏せてんのに、使わないのか?わ

 

金魚LP4000-500=3500

 

「メイン2で永続魔法“ツーマンセルバトル“、“凡骨の意地“を発動」

 

“ツーマンセルバトル“

永続魔法

各プレイヤーは自分のターンのエンドフェイズ時に1度だけ、レべル4通常モンスター1体を手札から特殊召喚する事ができる。

 

“凡骨の意地“

永続魔法

ドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターだった場合、そのカードを相手に見せる事で、自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。

 

「さらにカードをセット……ターンエンドと行きたいところだが、ツーマンセルバトルの効果で“ジェネティック・ワーウルフ“を特殊召喚!」

 

“ジェネティック・ワーウルフ“

通常モンスター

星4/地属性/獣戦士族/攻2000/守 100

遺伝子操作により強化された人狼。

本来の優しき心は完全に破壊され、闘う事でしか生きる事ができない体になってしまった。

その破壊力は計り知れない。

 

こいつ、何気にベジタリアンなんだよな、心壊れても。

昨日なんか、ガガギゴとグラファと一緒に畑耕していたしな〜。

 

 

 

小波遊一

LP4000

手札0

モンスター 甲虫装甲騎士 ジェネティック・ワーウルフ

魔法、罠 ツーマンセルバトル 凡骨の意地 セット×2

 

 

 

 

3ターン目 金魚 分

 

相変わらず、このデッキは手札消費が激しいなー。

 

「ふん、貴様の手札残り一枚で何ができる!」

 

「いや、その台詞言うの早いし、負けフラグになるからね、それ」

 

「うるさい!」

 

うるさいとはなんだ、うるさいとは将来、ジャック(キング(笑))がその台詞吐くたびに遊星に負けてんぞ。

まぁ、言わなくても負けるが……遊星のデッキの回り方が異常だ。

何だよ、調律とか使うと必ずボルトネズミか中華鍋頭が落ちるって……俺なんて、以前お父さん使ったときなんて、ミラフォと死者蘇生とリビデが落ちたんだぞ。

 

「俺様のターンだ、ドロー……罠カード“ゴブリンのやりくり上手“を三枚発動だ!」

 

“ゴブリンのやりくり上手“

通常罠

自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚を

自分のデッキからドローし、自分の手札を1枚選択してデッキの一番下に戻す。

 

「さらに、やりくり上手にチェーンして、“非常食“発動だ‼」

 

「非常食……だと⁉」

 

“非常食“

速攻魔法

このカード以外の自分フィールド上に存在する魔法・罠カードを任意の枚数墓地へ送って発動する。

墓地へ送ったカード1枚につき、自分は1000ライフポイント回復する。

 

くそ、やられた!

そのための伏せカードかよ……だてにブルーじゃないな。

 

「非常食により、俺様はやりくり上手を三枚墓地に送り、3000回復。さらにやりくり上手の効果は

墓地にあるやりくり上手に一枚につき、さらに一枚ドローできる…よって、発動したやりくり上手一枚につき、四枚ドローとカードを一枚戻す……これで俺は事実上の九枚ドローだ‼」

 

「ドローし過ぎだ、この野郎!」

 

相変わらず便利だな、そのコンボ!

 

金魚LP3500+3000=7500

手札2+9=11

 

「ふっははは、そして手札に加えたカード、“テラ・フォーミング“発動だ!」

 

“テラ・フォーミング“

通常魔法

デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。

 

「それにより、俺は天空の聖域を手札に加え、発動だ‼」

 

再び聖域が現れる先程サイクロンに吹き飛ばされた聖域とは思えないほどに神々しかった。

だが、よく見ると天使達はサッカーをしていた……武器を使いながら。

お前ら、昨日超次元サッカーを見たからって、それはないわ。

 

「行くぜぇ!シャインエンジェルを召喚、バトルだ!」

 

場にはワーウルフや甲虫騎士より攻撃力が低いシャインエンジェルが二体しか居ないのに、金魚は攻撃を仕掛けてきた。

普通の生徒なら戸惑い、馬鹿な生徒なら嘲笑するだろう……だが、優秀な生徒やデュエルに慣れている遊一なら、相手の意図がわかる。

 

「させるか!罠カード発動“ジャスティブレイク“」

 

“ジャスティブレイク“

通常罠

自分フィールド上の通常モンスターを攻撃対象とした相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

表側攻撃表示で存在する通常モンスター以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する。

 

「これにより、お前のシャインエンジェルは全滅だ!」

 

「な⁉」

 

ワーウルフと甲虫騎士が構え、凄まじい光をシャインエンジェルに向かって放つ。

放たれた光は二体のシャインエンジェルをいと容易く破壊する。

 

「ちっ、カードをセット、ターンエンドだ!」

 

金魚

LP7500

手札5

モンスターなし

フィールド 天空の聖域

魔法、罠 セット×4

 

 

「俺のターン、ドロー。手札にきたのは、エーリアンソルジャーだ、それにより凡骨の意地の効果が発動だ。さらにドロー!

以下略。

……ここでストップだ」

 

遊一が加えたカード一覧。

エーリアン・ソルジャー×2

デーモン・ソルジャー×3

剣闘獣アンダル×2

ジェネティック・ワーウルフ×2

甲虫装甲騎士×2

暗黒の狂犬

暗黒界の騎士ズール×2

ジェムナイト・ガネット

???

 

いや、引いた引いた☆

さて、行きますかな……。

 

「俺は伏せカード発動“決戦の火蓋“!さらに“人投げトロール“を召喚!」

 

“決戦の火蓋“

永続罠

自分の墓地のモンスターカード1枚をゲームから除外する事で、手札から通常モンスター1体を通常召喚する事ができる。

この効果は自分ターンのメインフェイズ時にのみ発動する事ができる。

 

人投げトロール 星4 攻1000

 

「…は?」

 

「さぁ、行くぞ☆

人投げトロールの効果発動、自分の通常モンスターを一体生贄に捧げ、800ダメージだ。

逝ってら、ワーウルフ」

 

“人投げトロール“

効果モンスター

星4/地属性/獣戦士族/攻1000/守1000

自分フィールド上に存在する通常モンスター(トークンを除く)1体を生け贄に捧げる度に、相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

人投げトロールがワーウルフを掴み、金魚に当てる。

 

「ぐふぅ⁉」

 

「はい、第二打」

 

「げふぅ⁉」

 

「はい、火蓋の効果で通常モンスターを除外し、手札から通常モンスターを通常召喚」

 

それを聞いた金魚の顔は徐々に青ざめる……理解したのだろう。

 

「ま、待って」

 

「い・や・だ☆」

 

遊一はとても清々しい笑顔を金魚に向けた。

遊一はトロールに命令し、効果発動させる。

効果、生贄、ダメージ、効果、除外、召喚、効果、生贄、ダメージ、効果、除外、召喚、効果、生贄、ダメージ、効果、除外、召喚、効果、生贄、ダメージ、効果、除外、召喚と何度も何度も続けた。

トロールは途中で飽き、遠くで投げるのをやめ、金魚に近付き、ほぼ零距離で投げつけた。そして、最終的にオラオララッシュとなった。

 

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ‼』

 

「ぎょぎょぎょ〜⁉」

 

金魚LP7500-8000=-500

 

「いや、すまんね」

 

と爽やかな笑顔で言う遊一だった。

 

勝者 小波遊一

 

「あ、思い出した。準の取り巻きの一人だったな」

 

と遊一は思い出し、ケラケラと笑いながら、倒れたブルー生徒を無視して、帰ってきた仲間達の元に向かった。

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